プロフィール  マニフェスト  県議会発言録  報道  リンク
くらしの相談室  わたらいメール  県政ジャーナル  新着情報  ちょっとひとこと  携帯  後援会  法律相談
ホーム  ひとつ前のページへ戻る



◆ 大村知事の答弁 ◆
2019/03/05

H31年2月議会 公明党代表質問(渡会団長)に対する答弁

(知事答弁要旨)
公明党愛知県議員団の渡会克明団長の質問にお答えいたします。
まずは、先の知事選挙におきまして、公明党愛知県議員団の皆様に熱いご支援をいただきました。また、先ほどは質問の中で、過分なお祝いの言葉をいただきまして、ありがとうございました。
これからも皆さんとともに、日本一元気な愛知をつくり、日本の未来をつくる。常に前進して、進化し続ける愛知を一緒につくってまいりたいと考えておりますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
そして、質問に入る前に冒頭、今回の豚コレラ対策についてもお触れいただきました。私ども多くの関係の皆様、県職員はもちろんでありますが、関係の皆様のご支持・ご支援をいただいて、防疫措置2例を完了させていただきました。大変つらい思いをしながらの作業でありましたが、完了することができたということで、心から御礼申し上げたいと思います。
渡会団長もお触れをいただきましたが、何よりも養豚農家の皆様が物質的にも精神的にも大変つらい思いをされているということでございます。今一番つらい立場にある方、厳しい立場そして弱い立場にある農家に寄り添って、何としても養豚農家の皆さんに経営再建に向けて取り組んでいただくということで、私ども、その点を第一義に考えて、しっかり取り組んでまいりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。

それでは、質問に順次お答えをさせていただきます。
はじめに、今後の財政運営についてであります。
平成31年度当初予算は、引き続き厳しい財政状況の中ではありましたが、将来にわたり、持続的かつ積極的に施策展開するための基盤として、財政健全化を着実に推進することも念頭に、予算編成を進めてまいりました。
まず、県債残高は、社会資本整備などに充当する通常の県債と、臨時財政対策債などの特例的な県債の残高がともに減少し、平成31年度末残高は、前年度末を432億円下回る見込みであります。
このうち通常の県債残高は、必要な公共投資を確保しつつ、縮減に努めてきたところであります。「しなやか県庁創造プラン」においては、「平成31年度当初予算時点において平成26年度決算の水準よりも減少させる」との目標を掲げておりますが、同期間で2,200億円以上減少させることができ、この目標を達成いたします。
また、財源調整に活用可能な基金については、平成30年度当初予算で予定していた取崩しを全額取り止め、さらに、財政調整基金に積立てを行いました。
その結果、平成31年度当初予算において1,176億円を取り崩した上で、なお810億円の残高を確保できる見込みとなりました。
今後も、行財政改革の手を緩めることなく、限られた財源を、重点的かつ効率的に配分するとともに、県政のあらゆる分野の取組を通じて、経済・産業を強くし、雇用の確保、ひいては県税収入の増加につなげることにより、健全で持続可能な財政基盤の確立に努めてまいります。

次に、本庁組織の再編についてお尋ねをいただきました。
スポーツ関係業務につきましては、これまで、スポーツを活用した地域振興や2026年のアジア競技大会の開催準備は振興部が、学校体育のほか、競技力向上や国民体育大会、県のスポーツ施設の管理等は教育委員会が、障害者スポーツは健康福祉部がそれぞれ所管するといったように、複数の部にまたがって実施してまいりました。
しかしながら、今後は、アジア競技大会の開催に向けて、本格化する開催準備や選手育成などの事業を円滑に実施するため、スポーツに関する施策を一体的に推進する体制を整備していく必要があります。そこで、今回の再編により、障害者スポーツを含むスポーツ関連業務を知事部局へ一元化し、「スポーツ局」を設置することといたしました。
これにより、アジア競技大会の成功に向けて、県庁一丸となって取り組むとともに、スポーツが備える多様な力を、健康づくりや、産業振興、観光・文化振興など、愛知及び日本・アジアの活性化に活かすことができると考えております。さらに、アスリート育成や、スポーツ大会の招致など、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に進めることで、障害のある方を含め、すべての人が輝くスポーツ王国あいちの実現を目指してまいります。


次は、幼児教育・保育の無償化についてお答えいたします。
幼児教育・保育の無償化は、子育てに係る経済的負担を軽減するとともに、子供たちに質の高い幼児教育の機会を保障するものであり、子育て世代を応援する大変重要な施策であると考えております。
県といたしましては、本年10月からの無償化の円滑な実施のため、実施主体である市町村に向けた予算として、無償化する保育料等の県負担分や、システム改修や保護者の方々への周知等、無償化に必要となる事務費への補助金を本議会に提案させていただいております。
また、先月には、今後準備すべき業務等について、市町村職員を対象とした説明会を開催したところであり、今後とも引き続き、適時適切な情報提供を行うなど、市町村の取組をしっかりと支援してまいります。
また、認可外保育施設につきましては、無償化を機に、より一層の保育の質の確保・向上に取り組むため、県として職員を増員し、指導監督体制の強化を図るとともに、新たな取組として、保育士資格を有し、保育現場での経験豊富な保育専門員による巡回指導の実施や、保育事故防止のための研修会の開催、睡眠中の事故防止のための機器購入に対する助成などを積極的に進めてまいります。
こうした取組を着実に進め、幼児教育・保育の無償化の円滑な実施に向け、実務を担う市町村をしっかりと支援し、県として万全を期してまいります。

続いて、多文化共生社会づくりについてであります。
本県では、東京都に次いで全国で2番目に在留外国人が多く、また日本語指導が必要な外国人児童生徒も全国で突出して多いことから、これまで日本語教育の充実や、外国人県民が安心して暮らせる環境の整備に、積極的に取り組んでまいりました。
そうした中、改正出入国管理法による新たな在留資格「特定技能」が、本年4月から創設されることに伴い、今後、さらに多くの外国人材が本県で就労し、居住することが想定されるところであります。
そこで、本県では、1月15日、関係する行政機関や経済団体、労働者団体などで構成する新たな協議会を立ち上げ、相互に連携し、地域が一丸となって、外国人材の労働環境・生活環境の整備、日本語教育の充実に取り組むことといたしました。
また、来日した外国人の方々に、行政、生活上の様々な情報提供や相談をワンストップで行う「窓口」の整備がとりわけ重要であります。
このため、あいち国際プラザ内の「多文化共生センター」において、通訳を増員し、これまでのポルトガル語、スペイン語など5言語から、ベトナム語、ネパール語など、アジア圏を中心にさらに多言語化を進めるとともに、入国管理局、ハローワークなど、新たな協議会のネットワークも活用し、在留手続、雇用、医療、福祉、出産・子育てなど、幅広い相談にも対応できるよう機能の拡充を図ってまいります。
また、住民に身近な相談窓口である市町村に対して、助言や相談マニュアルの提供、職員研修の実施などのサポートを行ってまいります。
国、市町村等と連携して、こうした取組をしっかり進めることにより、外国人県民の皆様が、安心して働き、暮らすことが出来る多文化共生社会を実現してまいりたいと考えております。

次に、AI等の先端技術の進展を踏まえた産業振興についてお答えいたします。
AIなどの先端技術の加速度的な進展は、大容量データの取得・分析・利活用を可能にし、こうしたデータがあらゆる産業と結び付くことを通じて生産効率向上や革新的な製品・サービスの創出を実現するなど、産業の競争力や構造、さらには経済社会のあり方にも大きな変化をもたらすものと認識しております。
本県はこれまで、世界から人・モノ・カネ・情報を呼び込み、新たな産業、雇用や投資を生み出す愛知型の成長モデルを磨き上げるとともに、モノづくり現場に良質・大量のリアルデータを集積してまいりました。このため、本県産業が引き続き、競争力を維持・強化していくためには、こうした現場データとAIなどの先端技術を連携・結合することで、新たなイノベーションを次々と創出し、持続的な成長を実現していくことが重要であると考えております。
こうした観点から、今年度、AIなどの先端技術を有するスタートアップの発掘・育成・誘引や県内モノづくり企業との連携を進めるとともに、海外先進地の知見を取り込みながら、スタートアップを起爆剤としたイノベーションの創出に努めております。
さらに来年度から、AIなどの先端技術が製品開発や実用化の重要な鍵となる自動運転、ドローン、ロボット分野について、実証実験を積み上げ、2020年を目途として、社会実装された姿を愛知から世界に発信できるよう実用化支援に取り組むこととしております。
県としては、こうした取組を通じ、先端技術がイノベーションと豊かさにつながる好循環を生み出し、この愛知から日本の未来をつくってまいりたいと考えております。

続いて、AIを活用した子育て支援についてであります。
少子化の進行や共働き世帯の増加、地域社会のつながりの希薄化など、子育てをめぐる状況が大きく変化する中、子育てへの不安感を解消し、誰もが安心して子どもを生み育てることができる環境をつくるためには、AI等の先端技術を積極的に活用し、子育てに関する相談や情報提供を行っていくことは、重要な取組であると認識しております。
子育て支援につきましては、保育事業や母子保健事業、地域の実情に応じた子育て支援事業など、市町村が主体となって多様な取組が行われておりますことから、AIを活用して子育て支援情報を提供するためには、子育てに関する広範にわたる質問と回答などのデータのシステムへの入力・更新について、市町村の皆さんの協力を得ることが不可欠であります。
また、AIの活用につきましては、他の自治体と共同してシステムを開発・導入することによって、より低コストで効率的な導入が可能であると考えられます。
本県におきましては、県内全市町村が参加する「あいちAI・ロボティクス連携共同研究会」を本年1月に設置したところでありますので、この研究会において市町村の意見をお聞きするとともに、熊本県や他の先行事例も参考にしつつ、AIを活用した子育て支援についての検討を進めてまいりたいと考えております。

次に、次期「愛知県人口ビジョン・まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定についてご質問をいただきました。
本県の総人口は、現在755万人に迫り、人口ビジョンの想定を上回るペースで推移しており、特に、社会増は年間2万人前後が続くなど地方創生の取組は着実に成果があがっているものと認識しております。
一方で、人口の動向は、2017年に初めて自然減に転じたほか、若年女性を中心とした東京圏への転出超過は拡大し、東三河地域における人口流出も続いていることから、こうした状況にも、引き続き重点を置いて対応していく必要があると考えます。また、AIなど第4次産業革命と言われる技術の進展を地域の持続的な発展につなげていくことも重要な視点であります。
こうした社会の変化を捉えつつ、次の総合戦略では、少子化の流れを食い止める結婚・出産・子育て支援や、若者の流入・定着を図るための次世代産業の振興やスタートアップ支援、文化・芸術など、地域の魅力の磨き上げや発信等を充実させていく必要があると考えております。
また、東三河地域の産業振興や就業支援などに加えて、人口減少・高齢化が進む三河山間地域等における生活基盤の確保や移住・定住の促進にもしっかりと取り組んでいかなければなりません。
こうした地方創生の取組の実効性を上げ、県全体の活力をさらに高めていくためにも、テレワークやロボット、自動運転などのICTやAIの活用を積極的に進めてまいりたいと考えております。
未来に輝く「進化する愛知」を創るため、東京一極集中にストップをかけるとともに、全ての県民の皆様が安心し、希望を持って暮らしていただけるよう、有識者や市町村等、幅広い意見を聴きながら、来年度に、新しい人口ビジョンと総合戦略を策定してまいります。

次は、防災意識の向上についてお答えいたします。
昭和34年に襲来した伊勢湾台風は、我が国の防災対策法制の最も基本となる災害対策基本法が制定される契機となった、日本の自然災害の歴史においても特筆すべき災害であります。
また、この台風の襲来から60年が経過し、ご遺族の方々や被災された方々も年齢を重ねられ、災害を経験された方が減りつつある中、その記憶を風化させることなく次の世代に伝えていくことは、我々の責務であります。
近年、集中豪雨や台風等による被害が全国各地で相次いで発生しており、また、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化しております。
また、南海トラフでは、マグニチュード8から9の大規模地震が今後30年間に70〜80%の確率で発生すると言われており、仮に発生すれば、本県でも大きな被害の発生が予測されております。
こうした大規模災害が危惧されるなか、県民の生命・財産を守るためには、行政による「公助」はもとより、住民一人ひとりが自発的に防災活動を行う「自助」や、同じ地区内の居住者等が連携して防災活動を行う「共助」が大切であり、すべての県民の皆様が過去の災害に学び、災害に備えていただく必要があります。
このため、伊勢湾台風から60年を機に、犠牲者を慰霊するとともに、災害の教訓を後世に伝えるための行事を開催いたします。
また、近年の大規模な風水害を踏まえた意識啓発や防災教育を、市町村や防災関係機関と連携しながら実施することにより、県民一人ひとりの自助・共助の意識が一層醸成されるよう、しっかり取り組んでまいります。

続いて、生産性向上と国土強靭化のための東三河地域のインフラ整備についてお尋ねをいただきました。
三遠南信地域の玄関口ともなる東三河地域が、観光、産業経済、環境、防災等、幅広い分野で地域力を向上させることは、「日本一元気な愛知」実現の大きな柱の一つであります。
広域幹線道路網の整備が進み、生産活動圏域が拡大する当地域では、道路整備とともに三河港の機能強化に取り組み、物流効率化により生産性を高めることが重要であります。
道路におきましては、昨年、国が重要物流道路制度を創設しており、平常時・災害時を問わない安全かつ円滑な輸送を確保するため、物流上重要な道路を指定し、機能を強化することとしております。
県としましては、この制度を積極的に活用し、三遠南信自動車道、名豊道路等の整備促進や(仮称)浜松三ケ日・豊橋道路の早期事業化を国に働きかけるとともに、国道151号の宮下立体等の三河港へのアクセスとなる道路整備を加速させ、陸上輸送力の強化を図ってまいります。
また、背後圏域の拡大により貨物量の増加が見込まれる三河港では、神野地区等において、岸壁の整備や保管用地の拡張、港湾施設の強靱化等を推進するとともに、来年度から着手する港湾計画の改訂においては、より効率的な港湾物流を目指し、急速に進歩する情報通信技術の活用等、ソフト対策も含め検討を行ってまいります。
今後も、東三河地域のポテンシャルを最大限に生かし、愛知のさらなる成長を支えていくため、陸海一体の総合的、かつ、強靭で安定的な物流ネットワークの構築を進めてまいります。


私からの最後の答弁となりますが、あいちトリエンナーレ2019についてであります。
早いもので今回で4回目のトリエンナーレとなりますが、これまで3回のあいちトリエンナーレでは、子どもから大人まで幅広い年代の皆様に、最先端の現代アートに触れていただく機会を提供するとともに、「まちなか会場」の一つであった名古屋市中区の長者町では、街の賑わいを取り戻す一助となるなど、地域のまちづくりや活性化にも大いに貢献できたと考えております。
8月1日に開幕する、あいちトリエンナーレ2019に向けましては、これまで津田芸術監督を中心に、名古屋市内、豊田市内の具体的な展示会場の検討やアーティストの最終選考作業を進めており、この3月末には、その全体像を発表してまいります。そして、4月1日から、いよいよチケットの先行販売を開始いたします。
今回のトリエンナーレでは、舞台芸術の一つとして新たに「音楽プログラム」を取り入れ、その目玉となる「MUSIC & ARTS  FESTIVAL」では、多彩なジャンルのアーティストが、音楽ライブやパフォーミングアーツなどを、メイン会場の愛知芸術文化センターで繰り広げます。また、「四間道・円頓寺エリア」でも、商店街の一角に特設ステージを設置し、会期中、日替わりで音楽ライブを開催することとしております。こうした取組により、音楽ファンにも足を運んでいただき、来場者の裾野を広げるとともに、賑わい感のあるトリエンナーレを創出してまいります。
これまでの開催で培われた「現代美術と舞台芸術の複合的展開」、「まちなかや県内各地での展開」といった、愛知の独自性は継続しつつ、新たなプログラムにも挑戦することで、あいちトリエンナーレをさらに発展させ、驚きや感動に満ちた魅力溢れる芸術祭になるよう、しっかりと取り組んでまいります。

(教育長答弁要旨)
県立工業高校におけるAI技術を活用できる人材の育成についてお答えいたします。
教育委員会では、ものづくり愛知の未来を担う理数工学系人材を育成するため、「STEM教育」の推進を掲げ、平成29年度から様々な取組を実施いたしております。その中心的な取組として、県立高校5校を「あいちSTEMハイスクール」に指定し、理工系大学と連携して、STEM4分野の学習を取り入れたカリキュラムの開発を行っております。
この研究指定校の一つである豊橋工業高校では、豊橋技術科学大学や愛知工科大学との連携のもと、AI技術の習得も視野に入れた、本県初となるロボット工学科を平成32年度に設置する準備を進めております。あわせて、名古屋芸術大学とも連携し、工業デザインの分野を取り入れ、STEM(ステム)4分野にロボットとアートを融合した「STREAM(ストリーム)教育」について研究しているところであります。
さらに、大学だけでなく、新たな技術開発を進める地元企業と連携して、AI技術の基礎・基本を学ぶ講座を開設したり、生徒が企業に出向いて、AI技術の開発に携わる研究者や製造現場で働く技術者から、直接AIの仕組みや活用方法を学んだりするなどの取組を行ってまいります。
教育委員会といたしましては、こうした豊橋工業高校における取組を先行モデルとして、今後、他の地域の工業高校においても、AI技術を活用できる人材育成の取組を進めてまいりたいと考えております。

(警察本部長答弁要旨)
住宅を対象とした侵入盗の被害防止に向けた今後の取組についてお答えいたします。
住宅対象侵入盗の認知件数につきましては、議員お示しのとおり、12年連続全国ワースト1位という厳しい状況にありますことから、県警察では県民の皆様の防犯意識の高揚を促す取組や被害を未然に防止するための防犯環境づくりを推進いたしております。
まず、防犯意識の高揚を促す取組といたしましては、四季の安全なまちづくり県民運動や参加体験型防犯教室の開催、メール配信によるタイムリーな情報提供を実施しているほか、小学生が毎日、自宅の戸締まりをチェックする鍵掛けラリーなどの取組を推進しております。
次に、被害を未然に防止するための防犯環境づくりの取組といたしましては、警察官が各ご家庭などを直接訪問し、防犯対策の助言をする防犯診断を進めており、昨年中は延べ約50万件を実施いたしました。この取組では、確実な戸締まりや補助錠設置の働き掛けを始め、防犯性に優れたCP建物部品の活用等の助言を行っているほか、地元で活動するボランティア団体との合同防犯診断も実施しております。
また、平成29年7月に開始した簡易設置式防犯カメラ運用事業では、侵入盗の多発地域に対し、短期集中的に防犯カメラ50台と、「防犯カメラ設置推進地区」と明示した防犯プレートを多数設置し、被害の未然防止と地域における防犯力の向上を図っております。
これまでに、この防犯カメラを設置した地区では侵入盗の被害が大幅に減少しており、住民の皆様からも「安心感を得た」などの声もいただいておりますので、来年度は、事業の拡充を図るべく、さらに防犯カメラ50台分の増設整備等に要する費用を予算案に計上させていただいております。
県警察では今後も、これらの取組を継続的に推進することで防犯意識のさらなる高揚を図るとともに、県民の皆様と連携した取組により、自主的な活動を促しながら防犯対策を浸透させ、住宅対象侵入盗を防止するための環境づくりに努めてまいりたいと考えております。

◆ 私の代表質問 ◆
2019/03/05

3月4日、公明党を代表して平成31年度当初予算に関する県政一般にわたる質問をしました。以下は、私の質問とそれに対する知事の答弁です。長いですが、私の議員生活20年の最期の質問です。

議長のお許しをいただきましたので、私は、公明党愛知県議員団を代表して、県政の諸問題について、お尋ねいたします。

質問に入る前に、今般の豚コレラにより、甚大な被害を受けられました、養豚農家を始め関係の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。また、昼夜を徹して対応していただいた県職員を始め、国、地元自治体、JA、自衛隊、農業土木研究会、建設業界など、多くの皆様方に御礼を申し上げたいと思います。

大村知事におかれましては、先月、緊急要望いたしました、被害農家の方々への経済的支援のため、つなぎ融資の予算措置をされるなど、スピード感を持って手を打っていただき、高く評価したいと思います。

知事は、農林水産省で全国の農林水産行政を担当された御経験もあり、手塩に掛けて育てた豚を殺処分しなければならなかった養豚農家の方々の深い悲しみを、誰よりも御理解いただいているものと思っております。

感染原因の究明等、今後講ずべき課題もあると思いますが、何よりも、今現在、養豚農家の皆様方が物質的にも精神的にも大変つらい思いをされておられます。県として、引き続き、養豚農家や周辺地域の皆様方に対し、丁寧にフォローしていただきますことを初めに強く要望させていただきます。

さて、大村知事には、このたびの愛知県知事選挙において、二期八年間にわたる県政運営の実績と、「日本一元気なあいちをつくり、日本の未来をつくる」というメッセージが、県民の皆様から高く評価され、過去最多の得票数を得て、めでたく当選されましたことを心からお祝い申し上げます。

大村知事は今回の知事選挙を、アフリカで誕生した人類が世界中に広がり、躍進した「グレートジャーニー」になぞらえ、「常に、前進して進化し続ける愛知」を創っていくと述べられました。

大村知事が今回の知事選挙で訴えられた、進化する愛知を創るための政策集「あいち重点政策ファイル330プラス1」に掲げられた、各種施策の実施に、大いに期待をしたいと思います。

この代表質問では、こうしたことを踏まえ、県政の諸問題について、順次、質問をしてまいります。


 質問の第1は、「県政運営」について、であります。
初めに、今後の財政運営について、お伺いいたします。

平成31年度の当初予算は、かねてより私たち公明党が求めてまいりました、医療・介護、子育て、また、教育や中小企業支援など、県民の暮らしを足元から支える施策に、しっかりと取り組むとともに、ジブリパークの整備や第20回アジア競技大会の開催など、本県の潜在能力を一層高めるプロジェクトを、着実に前へ進める予算であると受け止めております。

一方で、期待された県税収入は、100億円の増にとどまっており、1,176億円にのぼる基金を取り崩すこととされております。基金の取崩額は、平成30年度当初予算の1,283億円から縮小はしましたが、依然として多額であり、厳しい財政状況が継続しているものと認識をしております。

私たち公明党では、活気ある温かな地域づくりをめざして、地域でお互いに支え合いながら、若者も高齢者も元気で安心して暮らせ、さらには女性や青年が大きく活躍できる、地域づくりを進めることに重きを置いております。

このことは、景気の変動をはじめ本県財政を取り巻く環境変化に左右されることなく、持続的に進めていかなければなりません。

そのためには、積極果敢な施策展開の一方で、常日頃から財政健全化とのバランスを取っていくことが重要であると考えます。

そこでお尋ねいたします。
平成31年度当初予算編成において、財政の健全化にどのように取り組み、また、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

次に、本庁組織の再編について、お伺いいたします。

知事は、12月県議会におきまして、県政を推進する組織のあり方について、本県を取り巻く社会経済情勢が、大きく変化していることを踏まえ、幅広く検討していくことを明らかにされました。

そして、先日、平成31年4月に実施する本庁組織の再編が発表され、今議会に関係条例の改正が提案されているところであります。

今まさに、急速な高齢化やAIを始めとする先端技術の進展など、本県を取り巻く環境に、大きな変化が生じようとしている時期であり、そうした中で、本年8月の国際展示場の開業や、ジブリパークの整備、第20回アジア競技大会の開催などを着実に推進し、障害がある方や高齢者が元気に安心して暮らすことができ、女性や若者が大きく活躍できる地域づくりを進めていかなければなりません。

今回の本庁組織の再編は、17の「局」で構成する「局制」の導入を始めとする、大規模かつ大胆な組織改革であり、県の仕事を関連する分野ごとにまとめることで、県民にとってわかりやすい組織とするものであります。

私は、大村知事の3期目のスタートにあたり、常に前進し、進化し続ける愛知を創っていくために、組織体制を強化し、県民の皆様とともに、未来の愛知をつくっていこうとする、知事の積極的な姿勢が示されたものと受け止めており、高く評価したいと思います。

特に、私はかねてから、スポーツを障害の有無で隔てることなく、スポーツを総合的に推進し、地域の振興や、豊かな県民生活の実現に活かしていくためには、スポーツ行政を知事部局に一元化することが必要である、と申し上げてまいりました。今回のスポーツ局の設置は、まさに、我が意を得たりといった感があります。

このスポーツ局の設置により、県民のスポーツ活動の振興を図り、障害の有無に関係なく、スポーツ環境を整備することが可能となり、2026年のアジア競技大会の成功に向け、今後、ますます本格化する取組を、強力かつ円滑に推進されることが期待されるところであります。

そこでお尋ねいたします。
今回の本庁組織の再編における、スポーツ局設置のねらいと、今後のスポーツの推進に関する意気込みについて、知事のご所見をお伺いいたします。


質問の第2は、「支え合う地域づくり」について、であります。
まず、幼児教育・保育の無償化について、お伺いいたします。

本年10月から、幼児教育・保育の無償化が予定されております。
幼児教育・保育の無償化とは、3歳から5歳までの全ての子供たちと、0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子供たちの幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化するもので、認可外保育施設やベビーシッター、病児保育事業やファミリー・サポート・センター事業など、幅広い保育サービスについても、保育の必要性の認定を市町村から受けた場合、一定額が無償化されるものであります。

国立社会保障・人口問題研究所が、平成27年に実施した「出生動向基本調査」によれば、若い世代が理想の子供数を持たない理由として、「子育てや教育にお金がかかり過ぎるから」が最大の理由となっており、経済的負担を軽減することは、
重要な少子化対策の一つであります。

今回の無償化は、本年10月に予定される消費税率引上げによる財源を活用し、利用者負担の軽減範囲を一気に拡大するもので、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入することにより、子育て世代を応援し、お年寄りも若者も安心できる、全世代型の社会保障制度へと、大きく転換するものであります。

しかしながら、無償化に関する実務の多くを市町村が担うことから、保護者への周知や無償化に伴う各種システムの改修等、市町村の事務負担の増大や、また、認可保育施設と比べ、保育士の配置や設備等に係る基準が緩やかな、認可外保育施設も無償化の対象とされたことから、こうした施設において、いかに保育の質を確保するかが課題となっております。

幼児教育・保育の無償化は、経済的な事情に関係なく、希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会の構築に向け、教育負担の軽減を進める
ため、私たち公明党が一貫して主張してきた施策であります。

「無償化して良かった」と多くの県民の方々に喜んでもらえるよう、県として、こうした諸課題へ的確に対応し、着実な実施へ向けて万全を期していただきたいと考えます。

そこでお尋ねいたします。
幼児教育・保育の無償化の円滑な実施に向けて、県としてどのように取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

次に、多文化共生社会づくりについて、お伺いいたします。
法務省の「在留外国人統計」によれば、愛知県内の外国人住民数は、平成25年以降、毎年増加を続け、昨年6月末現在で、25万1,823人と過去最高を記録しております。

こうした中、中小企業等の深刻な人手不足を踏まえ、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材に関し、就労を目的とする新たな在留資格を創設する改正出入国管理法が、昨年12月8日に成立し、今後、さらなる外国人の増加が見込まれるところであります。

この法改正に先立ち、大村知事がリーダーを務めた、全国知事会議のプロジェクトチームは、「外国人材の受入れ・共生に向けた提言」をとりまとめ、新たに受け入れる外国人材への日本語教育など、多文化共生社会の実現に向け、国が責任を持って取り組むよう、法務大臣をはじめ関係省庁に対し、強く要請されたところであります。

そうした働きかけもあり、12月25日には、関係閣僚会議において、本年4月からの新制度開始に向けた「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」が了承されたところであります。

この総合的対応策では、「外国人との共生社会の実現に向けた意見聴取・啓発活動」、「生活者としての外国人に対する支援」、「外国人材の適正・円滑な受入れの促進に向けた取組」、「新たな在留管理体制の構築」の4つの柱のもと、126の施策が盛り込まれておりますが、具体的な方策については、未だ明らかになっていない部分もあり、不安の声が上がっているのも事実であります。

日本人と同等額以上の報酬や、適正な労働条件の確保、悪質なブローカーの排除、技能実習など既存制度の実態把握とその改善など、実効性のある具体策が求められるところでありますが、中でも外国人の方の生活上の相談に対応することが重要であると考えます。

そこでお尋ねいたします。
本県として、新たな外国人材の受入れ、共生に向け、どのように取り組んでいかれるのか。中でもとりわけ重要である、一元的な相談窓口について、どのように対応していかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。


質問の第3は、「魅力ある地域づくり」について、であります。
まず、AI等の先端技術の進展を踏まえた、県の取組について、お伺いいたします。

昨今、人工知能、いわゆるAIの性能の飛躍的な向上により、様々な分野で、AIの適用領域が拡大しております。2045年には、人工知能が人間の知能を上回る、技術的特異点、いわゆる「シンギュラリティ」を迎えると言われており、AIにより私たちの生活や社会が大きく変化していくと予想されております。

そこで、AIの活用について、3点お尋ねをしてまいります。
まず、AI等の先端技術の進展を踏まえた、産業振興について、お伺いいたします。
近年、IoTによって収集した世界中のビッグデータを、AIにより高速・精緻に分析し、生産性の向上や新たなビジネスモデルにつなげていくことが、様々な産業分野において進んでおります。

これまでにない市場を、自ら開拓して成長していく、新規事業者が登場し、既存のビジネスの枠組みを壊す、いわゆる「ディスラプション=創造的破壊」が起きていると言われています。

例えば、「ユニコーン」と呼ばれる企業価値
10億ドルを超える米国、中国の急成長企業は、最先端技術を活用した新たな製品やサービスを、次々と顧客に提供することによって、市場を獲得・拡大し、大きく成長するなど、その存在感をますます増しています。

ご承知のとおり、本県の製造品出荷額等は
約45兆円と、40年連続日本一を誇る、モノづくりの世界有数の一大拠点となっております。

しかしながら、世界では、クラウド、AI、モビリティ、ビッグデータ、ロボティクス、IoT、サイバーセキュリティの頭文字を取った「CAMBRIC(キャンブリック)」が、今後の経済社会の大きな潮流になるとされており、本県の基幹産業である自動車産業においても、自動運転やコネクテッド、また、シェアリングや電動化の広がりの中で、
「100年に一度の変革期」を迎えていると言われています。

私は、こうした激変する環境に対応しつつ、新しいサービスや、ビジネスモデルの創出を通して、今後も、本県が我が国の産業を牽引していくためには、AI等の先端技術のキーテクノロジーを、付加価値の源泉として活用し、競争力強化につなげていくことが何より重要であると考えます。

そこで、お尋ねいたします。
こうしたAI等の先端技術の進展を、県としてどのように認識し、今後の産業振興にどのように取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

次に、AIを活用した子育て支援について、お伺いいたします。

昨年8月に、熊本県において、AIを活用した子育て支援情報の提供システムの実証実験が開始されたと聞き、早速、調査してまいりました。

このシステムは、スマートフォンの無料通信アプリ「LINE」を活用して、子育てに関する県民からの問合せや相談に、AIが24時間、365日、リアルタイムで回答する仕組で、スマホを介して質問・回答のやりとりを数回行い、最終的に市町村のホームページの具体的な情報に誘導するものであります。一般的な検索サイトとの違いは、AIが対話を通じて相談者の知りたい情報を自動的に絞り込み、適切に案内する点にあります。

熊本県では、市町村や、従業員の子育て支援に積極的に取り組む「よかボス企業」と協働して事業を進めており、本年4月の実用化に向け、システムに入力する想定問答の作成と調整を行って
いる状況にあるとのことでありました。

核家族化や都市化に伴い、若い子育て家庭が、孤立感や不安感を感じやすい状況にある中、AIを活用することによって、不安や悩みをいつでも、どこからでも、気軽に相談でき、瞬時に県内全域の情報が得られる環境を整備することは、大変に意義のあるものであります。

誰もが安心して子育てができる社会を実現していく上で、是非、本県においても取組を進めていただきたいと考えます。

そこで、お尋ねいたします。
今後、こうしたAIを活用した子育て支援について、どのように取組を進めていかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

次に、AI技術を活用できる人材の育成について、お伺いいたします。

我が国を代表する産業県である本県が、将来にわたり引き続き「モノづくり愛知」として全国を牽引していくためには、AI分野の振興に計画的・組織的に取り組んでいく必要があります。その際、重要となるのが、AI技術を習得し、積極的に活用できる人材の確保であります。

そのため、人材の育成、とりわけこれまで全国に先駆けてSTEM(ステム)教育に取り組み、成果を上げつつある、県立工業高校におけるAI人材の育成は、ますます重要になると思われます。

職業教育には、継承すべき精神や知識・技術を、次代に伝えていく役割とともに、時代の変化を的確に捉え、進取の気性(きしょう)や技術革新に対応する知識や技術など、新たな時代を築く資質・能力を育成する役割が求められます。

これまで県立工業高校は、産業界や大学等と連携して、ものづくりの高度な技術、技能を学ぶ、「技(わざ)の探究(たんきゅう)講座」などの実践的な教育に取り組んできました。しかし、これからは、さらに先進技術であるAI技術に関する教育を推進し、学んだ技術を活用できる人材を、計画的に育成していく必要があると考えます。

社会の変化は、求める人材も変化させます。子どもたちが将来、今まさに社会が求めている仕事、いわば「時の仕事」に就けるよう、スピード感をもって学習環境を整えていく必要があると考えます。

そこでお尋ねいたします。
今後、県立工業高校における、AI技術を活用できる人材の育成を、どのように進めていかれるか、教育長のご所見をお伺いいたします。

次に、次期「愛知県人口ビジョン・まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定について、お伺いいたします。

我が国における、人口の減少と東京圏への一極集中に、歯止めをかけていくため、2014年に、「まち・ひと・しごと創生法」が施行され、本県では、2015年に、「人口ビジョン」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。2060年時点でも、700万人程度の人口を確保するという長期的な展望のもと、これまで知事が先頭に立って、様々な政策に取り組んでこられたところであります。

その総合戦略については、来年度が計画期間の最終年度となることから、県では、来年度中に、新たな人口ビジョンと総合戦略を策定されるとのことであります。しかし、本県の人口を取り巻く環境は、現行戦略の策定時の4年前と今とでは、大きく異なってきていると考えます。

本県では、人口増加が見込まれる地域がある一方で、すでに人口減少が始まっている東三河のように、今後、人口減少を受け入れざるを得ない地域も出てまいります。

こうした人口減少地域であっても、「一人も置き去りにしない」との決意を持って、そこに住む人々や移住してきた方々が、安心し、夢を持って暮らし続けていけるような、環境をつくっていかなければなりません。

その実現には、インフラ整備だけでなく、地域の魅力や活力を高めることのできる、文化・芸術を根付かせることや、地域を担う子どもたちの教育環境の整備など、様々な角度からの取組が重要と考えます。

将来にわたって住み続けたいと思える地域づくりこそが、地方創生の要であり、次期総合戦略では、人口が減少していく地域へも十分目配りをしながら、「持続可能なまちづくり」を進めていくことが大切な視点ではないかと考えます。
平成29年9月、京都大学と日立製作所が共同で、AI技術を活用し、持続可能な日本に向けた政策を提言しております。これは、149の社会要因の因果関係モデルを構築し、2052年までの35年間で、約2万通りの未来シナリオ予測を行い、都市集中型と地方分散型を比較したものであります。

それによれば、都市集中型を選択した場合には、投資の集中により財政は持ち直すものの、出生率の低下や格差の拡大がさらに進行するとの予測が出され、持続可能な社会の実現には、地方分散型の政策を選択するのが望ましいとされております。

地方分散型を選択した場合には、出生率が持ち直して格差が縮小し、個人の健康寿命や幸福感も増大するとの提言でありますが、実際のところ、地方分散型の持続可能な社会を実現していくことは、容易なことではありません。

そこで鍵を握るのが、先程申し上げましたAI等の先端技術の活用だと思います。

地方に住む若者や女性、障害者など、働きたい方が最大限に力を発揮できるよう、テレワークの導入を促進するほか、地域の働き手が減少していく中で、例えば、ロボット等を導入して労働力を補ったり、自動運転やドローンなどを活用して、地域の交通や物資の輸送手段を維持することも検討していく必要があると思います。

もちろん、すぐに実現できるものばかりではありませんが、将来を見据え、こうしたことを総合戦略においてきちんと方向づけ、実現に向けて着実に前に進めていくことが重要と考えます。

そこでお尋ねいたします。
現行のまち・ひと・しごと創生総合戦略のこれまでの取組の成果と課題について、どのように捉え、次期総合戦略では、どういったところに重点を置いていかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。


質問の第4は、「安心な地域づくり」についてであります。
まず、防災意識の向上について、お伺いいたします。

昨年は1年間を通じて、多くの自然災害に見舞われた年となりました。
地震災害では、昨年6月の大阪府北部地震や、9月の北海道胆振東部地震、風水害では、7月に西日本豪雨が発生し、本県においても、台風第12号、21号、24号と度重なる台風により、農作物等を中心に大きな打撃を受けたところであります。

近年、全国各地で毎年のように大きな災害に見舞われている中、本県では、幸い平成20年8月末豪雨以降、災害救助法が適用されるような、大きな災害が発生しておりませんが、それ故、私は、県民の皆様のなかに防災に対する意識が希薄になっていないか危惧するところであります。

現在、私たち公明党では「いのちを守る」、
「いのちの安全保障」という観点から、防災・減災を「政治の主流」に位置付け、中長期的には、行政や住民、企業が、「我が事」として、過去の災害の歴史や教訓を学ぶなど、災害リスクに関する知識と心構えを共有し、社会全体でさまざまな災害に備える「防災意識社会」へと転換していく必要があると考えております。

そうした中、今年は本県が伊勢湾台風の被害を受けてから60年の節目の年にあたります。
昭和34年9月26日に襲来した伊勢湾台風では、死者・行方不明者の合計は、本県だけで
3,260名、全国合わせて5,000名以上にのぼり、昭和9年の室戸台風、昭和20年の枕崎台風と並ぶ、昭和の三大台風に数えられる大災害であります。

伊勢湾台風の60年の節目にあたり、被害に遭われた方々に哀悼の意を表するとともに、この災害を風化させることなく、後世に伝えることは当然の責務でありますが、この機会を捉え、県民の方々に改めて防災の意識を高めていただく取組が必要ではないかと考えます。

防災では、行政などの公的機関による「公助」と、自らが身を守る「自助」、及び近隣や地域で助け合う「共助」の3つが相まって地域の防災力が高まります。

地震や台風といった災害の種類に関係なく、自分の命は自分で守り、困った人がいたら地域で支え合う「自助・共助」の意識を醸成させる絶好の機会になると思います。

そこでお尋ねいたします。
本県が伊勢湾台風の被害を受けてから60年の節目の年にあたり、県民の自助・共助の意識を醸成する取組に、どのように取り組んでいかれるおつもりか、知事のご所見をお伺いいたします。

次に、今後の住宅対象侵入盗対策について、お伺いいたします。

安全で安心な地域を実現するためには、治安が良好に保たれていることが不可欠であります。県警察では、本年の基本目標を「『安心」して暮らせる『安全」な愛知の確立」と定め、最重要課題の一つに「犯罪の抑止」を掲げ、侵入盗を始め多発する犯罪の予防及び徹底検挙に取り組むとしておられます。

こうした中、本県の状況は、刑法犯認知件数につきましては、減少傾向が継続しており、特に
11年連続で全国ワースト1位となっていた侵入盗については、昨年ワースト1位を返上することができました。

しかしながら、住宅を対象とした侵入盗に限定しますと、減少傾向にはあるものの、12年連続して全国ワースト1位が続いている状況にあります。

侵入盗の中でも住宅を対象とする手口には、家人等が不在の住宅に侵入する「空き巣」、夜間、家人等の就寝時に侵入する「忍込み」、家人等が在宅し、昼寝、食事等をしているすきに侵入する「居空き」の3つがあると承知しております。
いずれの手口も、万が一、家人が犯人と鉢合わせになるようなことがあれば、犯人から危害を加えられるおそれも高まるものと思われます。

昨年中の住宅を対象とした侵入盗の被害実態に目を向けますと、「空き巣」が約7割、「忍込み」と「居空き」で約3割を占めるなど、家人の不在時のみならず、在宅中に犯人が侵入した事例も数多くあると認識しております。

また、侵入手口については、無締り箇所からの侵入が約3割、ガラスを割って侵入する手口が約5割を占めており、比較的容易に侵入できそうな住宅を、狙った犯行が多く見られる一方で、大型のバールを使用して、玄関や勝手口の扉をこじ破り侵入するという、粗暴な手口も確認されているとのことであります。
こうしたことから、県民の皆様が最も安全安心を実感したい場所である、住宅を対象とした侵入盗は、大きな不安を生じさせるものであると考えています。

私は、こうした住宅を対象とした侵入盗を防止するためには、県民の防犯意識を高め、自主的な防犯活動を促進するとともに、警察が行う取組を地域全体に浸透させたり、波及させたりすることが極めて重要であると考えます。

そこでお尋ねいたします。
今後、住宅を対象とした侵入盗をさらに減少させるため、どのような被害防止対策に取り組んでいかれるのか、警察本部長のご所見をお伺いいたします。


質問の第5は、「活力ある地域づくり」について、であります。
まず、生産性向上と国土強靱化のための、東三河地域のインフラ整備について、お伺いいたします。

東三河地域は、豊かな自然や歴史に培われた伝統文化、農業・工業・商業のバランスのとれた産業構造を有し、製造品出荷額等や農業産出額は全国的にも有数の規模を誇る地域であります。

また、当地域の三河港は、輸入自動車で金額、台数とも26年連続日本一を誇る、我が国を代表する自動車流通港湾として、東三河地域の成長を力強く下支えしております。

この三河港の背後では、物流の大動脈である新東名高速道路が開通し、東西方向の物流体系が大幅に円滑化され、新城インターチェンジ周辺を始め、沿線では、新たな工業団地の整備が進められております。

一昨日には、東三河と遠州、南信州とを結ぶ三遠南信自動車道の、「佐久間川合インターチェンジ」から「東栄インターチェンジ」までの間が開通し、愛知、静岡、長野をつなぐ、広域幹線道路ネットワークが広がりつつあり、三河港を中心とする生産活動圏域の更なる拡大が見込まれ、当地域のポテンシャルも一層高まることが期待されます。

一方、三河港では、完成自動車をはじめとした取扱貨物量の増加により、岸壁や保管用地が不足しており、特に、主要な物流拠点である豊橋市の神野地区においては、効率的な利用が十分に図られておらず、また、三河港と高速道路間の移動には時間がかかり、企業の生産活動に支障となっています。

昨今の少子高齢・人口減少の大波を乗り越えるためには、生産性の向上により、成長力を底上げすることが重要であり、東三河地域においても、優れた地域資源を活かし、今後とも、地域の活力を維持・向上していくためには、AIの活用も視野に入れた、生産性向上のためのインフラ整備を、強力に進める必要があります。

加えて、近年、頻発する大規模な自然災害が、「人間の安全保障」や社会経済活動への大きな脅威となっており、国土強靱化への取組として、災害時における企業の経済活動を維持することができる、インフラ施設のさらなる強靱化が非常に重要となっております。

そこで、お尋ねいたします。
東三河地域が持つポテンシャルを最大限に発揮し、愛知のさらなる成長を支えるための生産性向上と、災害時に備えた国土強靱化のためのインフラ整備を、今後どのように進めていかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

最後に、あいちトリエンナーレ2019について、お伺いいたします。

いよいよ、今年の8月から「あいちトリエンナーレ2019」が開催されます。2010年に始まったこの芸術祭も今回で4回目となりますが、国内最大規模の国際芸術祭として、この地域に根付きつつあることには感慨深いものがあります。

私は、このように受け入れられてきた最大の要因は、「まちなかや県内各地での展開」が成功していることにあると考えます。特に、2013年の第2回以降、名古屋市以外の岡崎市や豊橋市を主会場の一つとしたことにより、県民のみならず、県外の方々にも、現代芸術を切り口として、それぞれの都市の個性的な街並みや歴史的建造物といった、歴史や文化を知っていただく機会となったと感じています。

2016年の第3回に会場となった、私の地元・豊橋市では、スペイン風の円形ドームが特徴的な「豊橋市公会堂」や豊橋駅からすぐの農業用水路上に建てられた珍しい構造の「水上ビル」などでの展示が、多くの来場者を楽しませるとともに、豊橋市の魅力の再発見にもつながったと感じております。

昨年7月に開催した「文化・スポーツ・観光振興対策特別委員会」に出席された、津田大介芸術監督からは、今回のテーマである「情(じょう)の時代」に込めた御自身の思いとともに、これまで3回のレガシーを引き継ぎながら、新たに「音楽プログラム」を取り入れ、現代美術と舞台芸術の複合的な展開を再構築したい、という意気込みをお聞きしました。

会場については、名古屋市内のまちなか会場を、これまでの長者町から、名古屋駅からも近く、古い町並みや下町情緒あふれる「四間道・円頓寺地区」に変更されました。

また、日本のモノづくりの中心地であり、会期中にラグビーワールドカップが開催される豊田市を初めて会場とするなど、これまでと違った新しいトリエンナーレが期待されます。

津田芸術監督は、「これまでの3回があいちトリエンナーレの第1期だとすると、今回から、新しい第2期に入っていくことを示したい」とおっしゃっており、どのような新しい展開が繰り広げられるのか、8月の開幕を今から大変楽しみにしているところであります。

そこでお尋ねいたします。
開幕まで5か月を切った「あいちトリエンナーレ2019」について、現在の進捗状況と、トリエンナーレのさらなる発展に向け、今後、どのように取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。


以上、公明党愛知県議員団を代表しまして、県政各般にわたる様々な課題について、質問をしてまいりました。

知事始め理事者各位の明快な答弁を期待いたしまして、質問を終わります。
ご静聴ありがとうございました。

◆ 2月議会の大村知事議案の提案理由説明 ◆
2019/03/05

2月25日、平成31年度当初予算を決める重要な2月議会が開会されました。長くなりますが、大村知事の提案理由説明を掲載します。31年度に愛知県が何をやろうとしているかわかります。

1 はじめに

今議会に提案をいたしました諸議案のご説明を申し上げるに先立ち、知事就任のごあいさつと所信の一端を申し述べ、県議会並びに県民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
私は、去る2月3日の知事選挙におきまして、これまでの最多得票となる177万4,763票もの県民の皆様方からの絶大なるご支援と県議会議員の皆様方のご支持をいただき、引き続き4年間、県政を担当させていただくことになりました。また、得票率も83.32%と、これまでの最高得票率となりました。改めてその責任の重大さに身が引き締まる思いであります。
この上は、県民の皆様方から寄せられました熱い期待と信頼にしっかりと応え、愛知のさらなる発展に向けて、引き続き県政運営に全力で取り組んでいく所存であります。重ねて、議員の皆様方、県民の皆様方のご支援とご協力を心よりお願い申し上げる次第でございます。
今回の知事選挙にあたり、私は、「あいち重点政策ファイル330プラス1」と名付けた政策集を県民の皆様にお示しさせていただきました。新たな任期の4年間において、330項目にわたる政策一つひとつについて、スピード感をもって着実に実行していくことが、愛知県民の皆様の信託、負託に応えていくことだと思っております。
そして、「プラス1」である「県民それぞれの夢」を実現させてまいりたい、叶えてまいりたいと考えております。
さて、私は、知事就任以来、「日本一元気な愛知をつくる」という決意のもと、二期8年間、全力で県政運営に取り組んでまいりました。県民の皆様と議員各位のご理解とご協力をいただき、社会インフラの整備は順調に進み、日本一の産業力をさらに強化し、雇用も30万人増加することができ、教育、医療、福祉、女性の活躍、子ども・子育て支援、障害者福祉など、人づくりを大きく前進させることができました。
こうした取組により愛知の総合力を大いにパワーアップさせ、日本一の産業力で、本県の県別GDPは2ケタの成長を続け大阪府を抜き東京都に次いで全国2位になるとともに、本県人口は755万人に迫り、人口が増え続けている数少ない県となっております。
続く三期目の4年間は、さらにその勢いを加速させ、日本一元気な愛知をつくり、日本の未来をつくってまいりたいと考えております。
 継続は力です。愛知の経済・産業を強化し、雇用をつくり、地域を元気にする。そして、すべての人が活躍し、人が輝く愛知をつくっていくという愛知のこれまでのいい流れ、好循環を着実に前進させていきたい。オール愛知で「働くことを軸とする安心社会」をつくっていきたい。そうした思いを念頭に、今後とも、議会の皆様と県民の皆様のご理解とご支援をいただきながら、県政運営に全力で取り組んでまいりますので、引き続き、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、まずは、豚コレラへの対応について申し上げます。
去る2月6日に豊田市の養豚場と田原市の関連農場で発生した豚コレラにつきましては、7千頭を超える豚の殺処分を、豊田市と田原市の2つの養豚場で同時に進めるという、極めて困難な事態でありましたが、国、地元自治体、自衛隊、県農業土木研究会などの皆様のご協力により、防疫措置を無事完了いたしました。
感染経路については、国の疫学調査チームで調査が進められておりますが、豊田市の養豚場から豚を仕入れていた他府県の農場でも豚コレラ感染が確認され、極めて深刻な事態であると認識しております。
さらに、2月13日に、田原市の養豚農場において、新たに豚コレラが確認され、翌14日には、国及び疫学調査チームから、この農場が所在する養豚団地のすべての農場を対象に殺処分等の防疫措置を行う必要があるとの判断が示されました。本県では、これ以上の感染拡大を防ぐため、国の示した判断を踏まえ、速やかに養豚団地全体で防疫措置を行うことが適切であると決定し対処いたしました。1万7千頭を超える非常に大規模なものであり、養豚農家はもちろんのこと、現場で実際の作業に携わった県職員、国、市、JA、自衛隊、建設業界の皆様のご尽力により、昨日、防疫措置を無事完了することができました。心から感謝申し上げます。感染をこれ以上拡大させないために必要な措置でありましたので、何卒ご理解をお願い申し上げますとともに、養豚農家の経営再建につきましては、万全の措置をもって取り組んでまいります。
日本の畜産、愛知の畜産を守るため、関係機関と連携し、豚コレラの防疫対策と感染防止対策に、職員全庁一丸となって、死力を尽くして取り組んでまいります。

2 愛知県政を取り巻く最近の状況

それでは、最初に、愛知県政を取り巻く最近の状況について申し上げます。

(国政の状況等)
 まず、国政の状況等についてであります。
国においては、引き続き、人づくり革命と生産性革命に最優先に取り組むとともに、地方創生や女性の活躍、働き方改革、外国人材の受入れなどの施策の推進により、経済の好循環をより確かなものとし、一億総活躍社会の実現を目指すとしております。
本県は、こうした国の動きに先駆けて、次世代自動車や航空宇宙、ロボットの分野を始め、ICTやAIなどのデジタル分野まで幅広く産業集積を進めるとともに、スタートアップ支援に戦略的に取り組むことで、次々とイノベーションを湧き起こす世界一の産業の革新・創造拠点を目指してまいりました。
 今後も、愛知の経済・産業力をさらに強くしていく中で、若者や女性の雇用を増やし、人づくりを進め、そのことでさらに地域を元気にするという好循環を加速してまいります。

(地方法人課税の見直し)
次に、地方法人課税の見直しについてであります。
平成31年度税制改正において、地方法人特別税・譲与税が廃止され、復元後の法人事業税の一部を新たに特別法人事業税とし、その全額を特別法人事業譲与税として都道府県に譲与するとともに、不交付団体への譲与制限の仕組みを設けるなどの措置が講じられることとなりました。
本県はこれまで、まずは法人事業税の暫定措置は期限の到来をもって当然かつ確実に廃止すべきであること、地方税で財政調整を行うような議論が進められると地方税の原理原則を歪めることから、経済活動の実態を見て「税源の適切な帰属」の観点から幅広く税制の議論を行い、すべての地方自治体の財政運営等に支障が生じないよう適切な措置が講じられるべきであること、併せて、地方間での財源の取り合いではなく、日本全体の活性化と税収全体のパイの拡大が重要であることを主張してまいりました。
これまでの一連の地方法人課税制度の議論等を俯瞰して、改めて私の考えを申し上げると、現在のような東京一極集中の流れが加速する経済情勢の中では、地方税収の配分を見直したとしても、数年後にはまた同じような状況になってしまうのではないかと思われます。
根本的な問題は、明治以来、一向に止まることのない東京一極集中の流れであります。これをいかに是正していくか、具体的には、企業や大学の地方への移転・分散に真剣に取り組まなければ、地方税財源の配分の問題は何度やってもまた元の木阿弥になるものと考えます。このことを今後、あらゆる機会を捉え、国に対し強く申し上げていきたいと考えております。

(自動車諸税の見直し)
次に、自動車諸税の見直しについてであります。
私は、知事に就任した平成23年以来、自動車税制の抜本的見直しに取り組み、昨年11月にも、10県知事2市長の連名で緊急声明を取りまとめ、政府・与党に対し、働きかけを行ってまいりました。
その結果、今回の税制改正では、制度創設以来初めて自動車税が恒久的に減税されることとなり、全国の自動車ユーザーや自動車産業関係者の積年の願いに応えるもので、その点では評価したいと考えております。一方、自動車ユーザーにとって実質の減税規模は当初期待していたものとまでは言えず、引き続き今後の課題となったと受け止めております。
自動車を取り巻く環境は、CASEといった言葉に表されるように、電動化やシェアリングなど百年に一度の大変革期を迎えており、「保有から利用へ」と自動車関連税制の議論が進むことは不可避であり、経済社会の実態に合わせた税体系のあり方を早急に議論し、構築していかなければならないと考えております。
今回の見直しが自動車ユーザーの負担軽減や地域の経済・雇用に与える影響を注視し、引き続き、日本経済の「稼ぐ力」の回復、持続的な経済成長、地方創生の実現に取り組んでまいります。

(地方選挙の執行に関する要請)
 次に、地方選挙の執行に関する要請についてであります。
 2月6日、菅内閣官房長官を始め自由民主党二階幹事長、甘利選挙対策委員長、公明党山口代表、立憲民主党枝野代表、国民民主党玉木代表に、今回の知事選挙でも課題が浮き彫りとなった受験シーズンと重なる地方選挙について、その期日をずらすための法的措置を講じるよう要請いたしました。
平成27年の公職選挙法改正により選挙権年齢が18歳以上に引き下げられましたが、1月から3月に執行される選挙は、多くの18歳の高校生にとって、人生をかけて臨む極めて重要な受験の時期と重なります。
 このような時期の選挙執行は、18歳の真面目に勉強に取り組む受験生に対し、受験に専念したい中で投票には行かなければならないと葛藤させ、深刻に悩ませるものであり、極めて問題が大きいものと考えます。
受験時期を動かすことが現実的には難しいということであれば、こうした時期を極力避けて選挙を執行することが、高校生を始めとした青少年の健全育成に努める責務がある我々大人の責任であります。
この問題を早急に国会において議論していただき、任期満了に伴う地方選挙は、1月から3月前半までの間は執行せず、その前後の時期に執行できるよう、特別な立法措置を講じることを強く求めてまいります。どうか県議会におかれましても格別のご支援をお願い申し上げます。

(第70回全国植樹祭)
 次に、第70回全国植樹祭についてであります。
 2月7日、衆議院議長公邸において開催された「第70回全国植樹祭特別委員会」に出席し、全国植樹祭愛知県実行委員会で承認された実施計画案についてご審議いただき、原案どおり決定されました。
 続いて、宮内庁において、第70回全国植樹祭行幸啓のお執り成し書を山本長官にお渡ししました。天皇皇后両陛下におかれましては、全国植樹祭にご臨席いただき、天皇陛下よりお言葉を賜りますとともに、愛知の地方事情をご視察いただくため、愛知県への行幸啓を仰ぎたく、県民ともども心から念願しております。
 第70回全国植樹祭の開催まで100日を切りました。5月1日にご即位される新天皇陛下の最初の行幸啓になろうと思われ、全国の注目を集めることから、引き続き、成功に向けてしっかりと準備を進めてまいります。

(交通安全対策)
次に、交通安全対策についてであります。
昨年の交通事故死者数は189人で、前年より11人減少し、昭和  25年以来、68年ぶりに200人を下回りましたが、16年連続の全国ワースト1位という残念な結果となりました。
一方で、人口10万人当たりでは、全国40位であり、県民始め関係の皆様には交通安全にご尽力いただいており、感謝申し上げます。
今後も、県、県警察、市町村、関係機関の連携による啓発の実施や、県警察による取締りの強化に加え、自動車安全技術の普及などを通じて、交通事故の抑止、交通事故死者数の減少に全力で取り組んでまいります。

3 平成31年度当初予算編成と重点施策

それでは、平成31年度当初予算編成につきまして、ご説明いたします。
平成31年度当初予算は、骨格的予算として編成を始めましたが、県政には緊急に対応しなければならない課題が多く、停滞は許されません。そこで、知事選挙後の短い期間でありましたが、精力的に編成作業を行い、「年間総合予算」といたしました。

(最近の経済情勢)
 まず、最近の経済情勢であります。
我が国の景気は、個人消費が持ち直すなど緩やかに回復しております。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くことが期待されますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。
 
(当初予算編成)
 そうした中、本県では2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2026年のアジア競技大会、2027年度のリニア開業という節目の年にターゲットを置きつつ、様々な取組を積極的に進め、大きな成果をあげてまいりました。
来年度も引き続き、「日本一元気な愛知」、「すべての人が輝く愛知」、「日本一住みやすい愛知」の実現を目指して全力で取り組み、日本一元気な愛知が先頭に立って東京一極集中にストップをかけ、日本の活力を取り戻し、日本の成長を力強くリードしていく、そうした思いをもって予算編成にあたったところであります。
平成31年度当初予算は、今回の選挙で県民の皆様にお示しした政策集と、「あいちビジョン2020」を踏まえて、12の柱立てを作らせていただきました。
 以下、その柱立てに沿いまして、主要な事業をご説明いたします。

◎ ジブリパークを2022年に実現
 まず、「ジブリパークを2022年に実現」であります。
2005年に愛知万博が開催された愛・地球博記念公園にジブリパークを整備する構想については、平成29年5月にスタジオジブリと合意し、平成30年4月に基本デザインを発表いたしました。その後、スタジオジブリと協議を重ね、平成30年12月には、中間的な取りまとめ状況を整備構想の概要として発表したところであります。
ジブリパークは、愛知だけのプロジェクトではなく、まさに日本のプロジェクトであります。愛知万博の理念をより良い形で未来に継承し、愛・地球博記念公園の魅力と価値を一層高めるため、公園整備事業として、2022年秋の開業に向けて、しっかりと取り組んでまいります。
平成31年度は、ジブリの世界を再現した施設の実施設計を行うとともに、ジブリの大倉庫の予定場所である旧温水プールの設備の撤去工事を行ってまいります。あわせて、交通対策の検討について、関係者・関係機関と協議・調整を行ってまいります。

(1)  「リニア大交流圏」の形成
 次に、「『リニア大交流圏』の形成」であります。
 2027年度のリニア中央新幹線の開業により、首都圏から中京圏に及ぶ5千万人規模のメガリージョン「リニア大交流圏」の形成を進めてまいります。
 リニア大交流圏の基盤となる道路網につきましては、名古屋環状2号線、三遠南信自動車道、名豊道路、西知多道路、名岐道路などの広域幹線道路の整備を始めとした道路ネットワークの整備を推進してまいります。また、地域の皆様の生活に密着する道路や山間道路などの整備についても、しっかりと取り組んでまいります。
 さらに、名古屋港、衣浦港、三河港と自動車産業や航空機産業を始めとしたモノづくり産業とのサプライチェーンを強固にするため、昨年3月に策定した「愛知県港湾物流ビジョン」に基づき、ふ頭用地の整備などにより港湾物流機能の強化に取り組んでまいります。
 リニア大交流圏の玄関口となる名古屋駅につきましては、名古屋市と連携しながら、わかりやすい乗換空間の形成等によるスーパーターミナル化を推進してまいります。あわせて、リニア開業による時間短縮効果をより広域に波及させ、最大限活用するため、名古屋駅からの40分交通圏拡大に向けた検討や、中部国際空港、東海道新幹線駅へのアクセス向上に向けた取組を進めてまいります。
 また、鉄道駅利用者の安全性向上を図るため、鉄道事業者が行うホームドア設置に対する補助制度を創設し、支援してまいります。
 さらに、中部国際空港の二本目滑走路の早期実現に向け、エアポートセールスやアウトバウンドの促進に取り組み、LCCを含めた航空ネットワークの拡充と航空需要の一層の拡大を図ってまいります。
 次に、20代前半女性を始めとした若年層を中心に東京圏に対し転出超過となっている状況に歯止めをかけるため、東京圏の若年女性・ファミリー層を対象としたPRイベントの開催や、若年層がよく閲覧する情報サイトへの広告記事の掲載などにより、本県の強みである「愛知の住みやすさ」を広くPRし、「働くなら愛知、住むなら愛知」という流れを促進してまいります。
 また、首都圏や関西圏等から本県に人を呼び込み、産業人材を確保するため、東京と名古屋に設置したUIJターン支援センターにおいて、就職イベントや個別相談を実施してまいります。
 さらに、首都圏からの移住・就業希望者に対して県内中小企業の求人情報を提供するマッチングサイトを開設するとともに、掲載企業に就業した移住者等に移住支援金を支給する市町村への補助制度を創設し、本県への移住を促進してまいります。

(2)  産業首都あいち
 次に、「産業首都あいち」であります。
国際イノベーション都市あいちへの飛躍とともに、製造品出荷額等が40年連続で日本一という、圧倒的な産業集積を誇る愛知の産業力を一層強化し、「産業首都あいち」を目指してまいります。
 愛知県国際展示場「Aichi Sky Expo」につきましては、本年8月30日の開業に向け、引き続き整備を進めるとともに、世界の展示会産業でトップクラスの実績を誇るGLevents等からなる運営事業者と連携した開業準備や広報・営業活動を実施してまいります。
あわせて、開業を広く周知するため、オープニングセレモニーを開催いたします。
また、コンセッション方式の採用により運営事業者から支払われる運営権対価を原資として基金を創設し、官民連携による新たな展示会需要の創造等に取り組んでまいります。
 中部国際空港やその周辺エリアにおいては、「MICEを核とした国際観光都市」の実現を目指し、魅力ある機能整備の具体化に向けた検討を進めてまいります。
 次に、本県の強みであるモノづくりの伝統や優れた技術・技能との融合による新たなイノベーションを誘発し、本県産業の成長を拡大させる好循環(エコシステム)を形成するため、昨年10月に策定した    「Aichi−Startup戦略」に基づき、スタートアップ企業を支援する拠点のあり方や資金面での支援手法について検討・調査を行うとともに、世界的な先進地である米国・テキサス大学オースティン校  ICスクエア研究所と連携した支援を行うほか、海外の他の支援機関との連携について検討してまいります。
また、新たに東京にコーディネーターを配置し、首都圏のスタートアップ企業と県内モノづくり企業とのマッチングを支援するとともに、スタートアップ企業の創出を図るための支援金制度を創設し、スタートアップ・エコシステムの形成に取り組んでまいります。
 次世代自動車のキーテクノロジーである自動運転につきましては、 2020年の社会実装を目指し、公園などの集客施設や住宅団地・郊外、空港島など実現可能性が高い具体的なモデル地域において、実際のビジネスモデルを想定した実証実験や県民試乗によるモニター調査を実施してまいります。
また、燃料電池自動車(FCV)のさらなる普及に向け、本県独自の補助制度により水素ステーションの整備など引き続き促進してまいります。
 さらに、EV化の進展など自動車産業を取り巻く環境変化に対応するため、中堅・中小自動車部品メーカーが有する技術を活用した新分野への進出や新商品開発を支援してまいります。
 自動車産業の研究開発施設用地である豊田・岡崎地区におきましては、10本のテストコースが整備される東工区の一部を来年3月にトヨタ自動車へ引き渡す予定としております。引き続き、残りの東工区や研究開発施設等が整備される西工区の造成工事を実施してまいります。
 また、稲沢三宅2期地区、安城榎前地区、豊橋三弥地区において引き続き工業団地の造成を進め、新たに刈谷依佐美地区の造成に着手するなど、県内産業の基盤整備を図り、企業立地を推進してまいります。
 次に、航空宇宙産業の国際競争力強化と販路拡大を図るため、本県が主導して立ち上げた「あいち・なごや航空宇宙産業海外販路開拓推進コンソーシアム」を中核に、本年6月のパリ・エアショー2019や9月のエアロマート名古屋2019への県内企業の出展を支援するとともに、開発完了後のMRJを実証インフラとして活用するための環境整備に向けた調査・検討を行ってまいります。
 ロボット産業分野では、平成32年10月に愛知県国際展示場で開催されるロボットの国際大会「ワールドロボットサミット」と、昨年12月に同時開催が決定した「ロボカップアジアパシフィック大会」の成功に向け、着実に準備を進めてまいります。
また、両大会の開催を見据え、本県ロボット産業の技術力を世界に発信するため、引き続きサービスロボットの社会実装に向けた研究開発や実証実験を支援してまいります。
さらに、中部国際空港等において、新たにサービスロボット導入に向けた実証実験を実施するとともに、「ショーケース」として一般の方が体験できる機会を設け、披露してまいります。
 また、県内企業による介護・リハビリ支援ロボットの開発・実用化の取組に対し、専任コーディネーターを配置して、医療現場ニーズに基づく臨床試験の支援や相談対応を実施してまいります。
 さらに、無人飛行ロボット「ドローン」を活用し、山間部等における荷物搬送等の社会実装に向けた実証実験を実施し、近未来技術の社会実装を後押ししてまいります。
 加えて、県内産業が抱える課題解決のため、知の拠点あいちにおいて、大学等の研究シーズを活用した第V期の重点研究プロジェクトを開始し、日本一の産業県・愛知の産業競争力を高めてまいります。
 産業空洞化対策減税基金による補助制度につきましては、この7年間で企業立地・再投資の分野で296件の補助対象案件を採択し、総投資額5,017億円、約4万8千人の雇用維持・創出効果という大きな成果があがっております。また、研究開発・実証実験の分野では、7年間で541件の補助対象案件を採択し、高付加価値のモノづくりの拡大が図られております。
平成31年度は、基金に45億円を積み立て、これを原資とする日本一の補助制度により、本県産業の振興とさらなる雇用の維持・創出に取り組んでまいります。
 また、本年度末で期限を迎える本県独自の企業立地促進のための「不動産取得税の減免制度」を3年間延長し、本県へのさらなる企業立地を図ってまいります。
 愛知の産業力を支える中小企業への制度融資につきましては、創業支援のための資金の金利を0.3%引き下げるなど、中小企業の資金繰りをきめ細かく支援してまいります。
 商店街の振興につきましては、「あいち商店街活性化プラン2016−2020」に基づき、引き続き活性化に向けた取組を支援してまいります。

(3)  農林水産業の振興
次に、中部最大・全国三番手の大農業県・愛知の力をさらにパワー  アップさせるための「農林水産業の振興」であります。
 TPP11や日EU・EPAが発効される中、昨年12月補正予算で創設した「あいち型産地パワーアップ事業費補助金」により、産地の競争力向上を図る農業施設の整備を強力に支援し、全国有数の本県農業のさらなる生産力向上を図ってまいります。
水田農業の経営合理化や生産性向上のため、ドローンやICT等の次世代技術を活用した本県独自の栽培管理技術を開発するとともに、あいち米のブランド化を推進してまいります。
 また、農業分野において多様な労働力を確保するため、引き続き国家戦略特区を活用し、相談窓口の運営などにより、農業支援外国人材の受入れを図ってまいります。
 さらに、農業分野における人材確保と障害者の就労分野の拡大のため、農業及び福祉分野が連携した農福連携相談窓口を設置し、農業への障害者の就業を促進してまいります。
 次に、本県の優れた農林水産物の輸出を促進するため、国内で開催されるアジア最大級の食品展示会へ出展するほか、海外の展示会へ出展する事業者を支援してまいります。
 また、お茶の生産技術向上と消費拡大を目的として、「全国お茶まつり」を西尾市で開催し、全国トップレベルの抹茶など愛知のお茶を全国に発信してまいります。
 本県は、56年連続花き産出額全国1位を誇る花の王国であります。本県産花きの輸出拡大を図るため、県内農業団体等とともに「北京国際園芸博覧会」に出展し、世界にPRしてまいります。
 さらに、本県が誇るブランド地鶏名古屋コーチンの生産体制強化のため、小牧市内への種鶏場の移転整備に向けて、引き続き用地造成工事を進めてまいります。
 また、生産者に供給する種豚を維持・増殖している畜産総合センターの豚舎につきましては、防疫性が高い密閉型の新豚舎の建設に向け、地質調査等を実施してまいります。
 次に、あいち森と緑づくり税を活用し、森林、里山林及び都市の緑の整備・保全を進めるとともに、国が平成31年度に創設する森林環境譲与税を活用して基金を創設し、林業従事者の養成や木材の利用促進、航空レーザ計測による森林情報の整備に取り組み、市町村が行う森林整備等を支援してまいります。
 本年6月に森林公園をメイン会場として開催する「第70回全国植樹祭」につきましては、成功に向けて、着実に準備を進めてまいります。
 水産業につきましては、日本一のあさり漁業の振興のための干潟・浅場の造成や、魚礁漁場の整備を引き続き推進してまいります。
また、近年あさりの漁獲量が減少していることから、新たに波浪に弱い稚貝の定着を図る貝類増殖場を整備し、あさり資源の回復に取り組んでまいります。

(4)  人が輝くあいち
 次に、「人が輝くあいち」であります。
 元気な愛知の礎は、「人づくり」です。すべての人が輝き、活躍する愛知をつくってまいります。そのため、子どもたちの学力を伸ばす教育の充実、女性の活躍促進、子ども・子育て支援、県民の皆様の健康を支える医療・健康長寿、障害者福祉・支援、産業人材・雇用といった施策を進めてまいります。

(教育立県あいち、人材創造あいち)
 まず、教育の充実、「教育立県あいち、人材創造あいち」であります。
 県立高校につきましては、生徒の多様なニーズに応えるため、本年4月から、知立高校を総合学科に改編するとともに、小牧工業高校に本県初となる航空産業科を、名南工業高校にエネルギーシステム科とエネルギー化学科を、刈谷北高校に国際教養科を設置する学科改編を行うほか、普通科高校2校にコースを新設いたします。
さらに、今後も魅力ある学校づくりを進めるため、2020年度からの5年間を計画期間とする、新たな「県立高等学校教育推進実施計画」を策定してまいります。
 また、子どもたちの学習意欲を引き出し、基礎学力の向上を図るため、小学校1年生及び2年生並びに中学1年生の35人学級を引き続き実施するとともに、発達障害児への学習支援など、きめ細やかな配慮のできる教育環境づくりを進めてまいります。
 愛知・名古屋ゆかりのノーベル賞受賞者の方々の業績を、地域を挙げて称え、次世代の科学技術を担う小中学生にもわかりやすく紹介するノーベル賞受賞者顕彰施設につきましては、平成32年度内のオープンを目指し、名古屋市と共同で名古屋市科学館サイエンスホールの改修、展示コンテンツの製作に着手いたします。
 いじめ・不登校対策としましては、中一の壁に対応するためスクールカウンセラーによる小中連携の相談体制を充実するとともに、小中学校のスクールソーシャルワーカーの配置を支援してまいります。
 校舎等の県立学校施設につきましては、本年3月に策定予定の「県立学校施設長寿命化計画」に基づき、改修工事を計画的に実施してまいります。特に、校舎のトイレにつきましては、平成35年度までの5年間で短期集中的に、すべての普通教室棟と管理棟、一部の特別教室棟にある湿式トイレについて、洋式化や床の乾式化を実施し、学校の教育環境を改善してまいります。
 また、中学校及び県立高校への部活動指導員の配置を継続するとともに、新たに中学校へのスクール・サポート・スタッフの配置を支援し、教員の多忙化解消と教育環境の充実を図ってまいります。
 本県の学校教育において重要な役割を果たしている私立学校につきましては、その振興と父母負担の軽減を図るため、私立学校経常経費や授業料、入学納付金への補助など各種助成を着実に実施してまいります。また、幼稚園について、待機児童解消のため、預かり保育・長期休業日預かり保育への補助を充実するほか、10月から実施される幼児教育無償化に適切に対応してまいります。
また、若者の社会的自立に向けた切れ目のない支援を行うため、学習が遅れがちな中学生等を対象に、教員OBや大学生などの地域住民の協力により学習支援を行う「地域未来塾」の活動を支援するほか、高校中退者や外国人を対象とした学習支援の実施地域を拡充してまいります。

(女性の活躍促進)
 次に、「女性の活躍促進」であります。
 本県の総合力をさらに高めていくためには、働く場における女性の定着と活躍の拡大が不可欠です。
 「あいち女性の活躍促進プロジェクト」のさらなる充実に向けて、新たに「あいち女性輝きカンパニー」認証企業である中小企業の魅力を広く知らせるPR動画を制作するとともに、中小企業における取組のポイント等を紹介する小冊子を作成し、就業を希望する女性や女性活躍の取組が進んでいない中小企業等に発信してまいります。
 また、女性の県外流出の防止や県内への流入促進を図るため、企業における女性活躍の好事例、活躍する女性のロールモデルなどの情報を、県内外の若年女性に向けて発信するとともに、新たに女性起業家の事業拡大に対する支援を実施してまいります。
 女性の再就職の支援につきましては、「あいち子育て女性再就職サポートセンター」において、窓口相談及び出張相談を実施するとともに、新たに就職支援セミナーを開催するなど、女性の就業支援を拡充してまいります。
 ワーク・ライフ・バランスの推進につきましては、イクメン・イクボスの普及拡大を図るとともに、テレワーク導入事例集の作成や体験研修の実施により、企業のテレワーク導入を支援してまいります。
 また、「あいち女性の活躍促進プロジェクトチーム」を設置し、全庁を挙げた取組を始めてから5年が経過したことから、県内の女性の活躍の現状を把握・検証し、今後のプロジェクト事業に反映してまいります。

(子ども・子育て支援)
 次に、「子ども・子育て支援」であります。
 本県が活力を維持しながら持続的に発展していくため、また、女性の活躍を促進するためにも、次代の担い手である子どもを安心して生み育てることができる環境づくりが求められています。
 昨年2月に策定した「子どもが輝く未来へのロードマップ」に基づき、「教育の機会の均等」、「健やかな成育環境」、「支援体制の充実」の3つの視点から、生活困窮世帯やひとり親家庭の子どもの学習支援や、子ども食堂の開設支援、県福祉事務所への相談支援員の配置など、子どもが輝く未来に向けた取組を実施してまいります。
 あわせて、県民の皆様からのご寄附の受け皿として「子どもが輝く未来基金」を創設し、「児童養護施設入所児童等の自立支援」や「子ども食堂の支援」、「子どもの学習支援」の取組を充実してまいります。
 また、子ども・子育て支援新制度に基づき、私立の認定こども園・幼稚園・保育所や、市町村が認可する地域型保育事業への給付を行うほか、幼児教育・保育の無償化への対応として、新たに認可外保育施設の利用料無償化のための給付を実施してまいります。
認可外保育施設につきましては、新たに重大事故防止のための研修及び巡回指導を実施するほか、事故防止のための機器導入を支援し、保育の質の向上を図ってまいります。
 また、「小1の壁」を打破するため、放課後児童クラブの設置を促進するなど、子育て支援事業を着実に推進してまいります。
さらに、増え続ける児童虐待に対応するため、国の「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」を踏まえ、児童福祉司や児童心理司等の増員、医療を必要とする児童の保護体制の強化、実践力強化に向けた職員研修の実施など、児童相談センターの機能強化を図ってまいります。

(医療・健康長寿)
 次に、「医療・健康長寿」であります。
すべての人が活躍する「人が輝くあいち」の実現のため、医療・福祉を充実し、日本一の健康長寿を実現してまいります。
 がん対策につきましては、がんセンター中央病院及び研究所において、難治がんや罹患者数の多いがんを主な対象に、ゲノム解析を基盤とした4つの重点プロジェクトを実施し、「がんにならない、がんになっても安心な愛知県」を目指してまいります。
 また、外国人患者への先進的な医療の提供や最先端の医療機器を使った検診の実施など、愛知の優れた医療技術の活用による医療の国際化を進めるため、県内医療機関へのアドバイザーの派遣など、医療ツーリズムを推進してまいります。
 さらに、骨髄及び末梢血幹細胞移植を推進するため、骨髄提供者及び骨髄提供者が勤務する事業所に対する補助制度を創設し、骨髄提供者の負担軽減を図り、骨髄提供しやすい環境をつくってまいります。
 昨年7月に法律が公布された受動喫煙防止対策につきましては、制度の周知とともに、喫煙可能室を設置する施設に対し保健所による立入り検査を実施してまいります。
 本格的な超高齢社会の到来により、今後、認知症高齢者の大幅な増加が見込まれ、認知症施策の推進は喫緊の課題であります。昨年12月に制定した「愛知県認知症施策推進条例」及び認知症に理解の深いまちづくりの先進モデルを目指す「オレンジタウン構想」に基づき、企業サポーター養成プログラムや認知症予防プログラムを開発してまいります。
また、新たに、認知症の人によるピア活動を推進するとともに、国立長寿医療研究センターの機能を強化し研究を推進するための新棟整備を支援するなど、認知症の人及びその家族が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に取り組んでまいります。
 次に、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、医療・介護サービスの提供体制の改革を推進するため、「地域医療介護総合確保基金」を活用し、病床の機能分化・連携や在宅医療の充実、医療・介護従事者の確保、介護施設の整備等を引き続き推進してまいります。
 また、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、医療・介護・予防・生活支援・住まいを一体的に提供する地域包括ケアを推進するため、新たに高齢者の社会参加を促すモデル事業を実施するとともに、市町村に対する相談支援等を行ってまいります。

(障害者福祉・支援、ノーマライゼーション推進)
 次に、「障害者福祉・支援、ノーマライゼーション推進」であります。
 特別支援教育につきましては、知的障害特別支援学校の過大化による教室不足の解消のため整備を進めてきた「瀬戸つばき特別支援学校」を本年4月に開校いたします。
西三河南部地区(西尾市内)に整備する本県初の知的障害と肢体不自由の児童生徒に対応する特別支援学校につきましては、平成34年度の開校を目指し、実施設計を行うとともに造成工事に着手いたします。
みあい特別支援学校では、過大化による教室不足に対応するため、平成32年度の供用開始に向け、校舎増築工事に着手してまいります。
岡崎特別支援学校につきましては、学習環境の改善と立地上の課題を解消するため、県立農業大学校の敷地内への移転に向けた調査を新たに実施し、早期移転に取り組んでまいります。
 さらに、特別支援学校の教育環境の改善を図るため、引き続きトイレの洋式化を進めるとともに、空調設備の整備につきましては、国の補正予算を活用し、平成30年度2月補正予算に前倒し計上し、普通教室は概ね本年夏から、特別教室は来年夏から、すべての教室で冷房が使用できるよう整備を進めてまいります。
 また、昨年12月に策定した「愛知・つながりプラン2023」に基づき、児童生徒の心のサポート体制を充実するため、特別支援学校にスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーを新たに配置するとともに、就職率の向上を図るため、実習先や就職先を開拓する就労アドバイザーを増員してまいります。
 「医療療育総合センター」につきましては、現在、病棟や外来部門、知的障害児の入所支援部門となる本館棟の整備を進めており、本年3月に全面オープンいたします。今後は、この医療療育総合センターを拠点として、障害児者への医療・療育を推進してまいります。
 また、高次脳機能障害のある方に対する支援体制を強化するため、尾張地域に加え、三河地域に支援拠点を新設し、専門的な相談支援や研修等を実施してまいります。
 さらに、障害者の就業・雇用を促進するため、愛知労働局等と連携した一体的な支援が行えるよう、ウインクあいちに、「あいち障害者雇用総合サポートデスク」を開設し、障害者の雇用拡大・職場定着支援を強化してまいります。
 障害者の社会参加と障害への理解促進を図る「あいちアール・ブリュット障害者アーツ展」につきましては、新たに三河地域でサテライト開催するとともに、障害者の芸術文化活動を支援する人材を育成してまいります。


(産業人材・雇用)
 次に、「産業人材・雇用」であります。
 本県の産業競争力を一層強化し、モノづくりあいちの次代を担う産業人材を育成・確保するため、本県において史上初めて「技能五輪全国大会」と「全国アビリンピック」の両大会を、2019年度と2020年度に連続開催いたします。本年11月に開催する2019年度大会を成功させるとともに、2020年度大会に向け、大会実施計画の策定など準備を着実に進めてまいります。
 また、日本・愛知が開催地に立候補している2023年「技能五輪国際大会」につきましては、本年8月にロシア・カザンで開催されるWSI(ワールドスキルズ・インターナショナル)総会での開催国決定に向け、国と一体となって招致活動を進めてまいります。
 あいち航空ミュージアムにつきましては、新たに航空機エンジンの実物大模型を展示するなど、コンテンツを充実し、航空機産業の情報発信や人材育成機能を一層強化してまいります。
 また、次代を担う人材がこの地域に集まる流れを創出するため、新たに「モノづくり×IT」をテーマとした大学対抗ハッカソンを開催し、IT人材の確保・育成と県内大学の取組をアピールするとともに、大学連携ホームページを作成し本県の大学の魅力を広くPRしてまいります。
 公共職業訓練を担う高等技術専門校の再編・整備につきましては、平成31年度から名古屋校に、IoT人材を育成する「組込みシステム科」及び建築分野の「インテリア科」を開設するとともに、岡崎校の新校舎建設に向けた実施設計などを実施してまいります。
 雇用対策につきましては、企業における「働き方改革」の取組を支援するため、働き方改革推進キャラバンとして、県内の経済団体、労働団体等と一体となり、街頭啓発活動や企業向けセミナー等を実施するとともに、若者の職場定着に向け、企業へのアドバイザーの派遣や若手社員向けセミナーの開催などの取組を進めてまいります。
 また、県内の中小企業を中心とした人手不足に対応するため、新たに外国人雇用に関するマニュアルの作成、就職面接会の開催などにより、外国人の雇用拡大に向けた企業の取組を支援してまいります。

(5) 観光あいち・魅力発信
 次に、「観光あいち・魅力発信」であります。
 今年度に引き続き、JRグループ等と連携し、10月から12月にかけて、全国から愛知へ観光客を呼び込む愛知デスティネーションキャンペーン(アフターキャンペーン)を展開してまいります。
また、新たに女性をターゲットにした魅力発信や、近隣県の有力観光地を利用した本県観光地への誘導、幅広い業種との観光プログラム開発を実施してまいります。
 武将観光につきましては、全国の武将隊や忍者隊が集結する「サムライ・ニンジャフェスティバル」を開催するとともに、「徳川家康と服部半蔵忍者隊」による観光イベントでの武将観光のPRなど、「武将のふるさと愛知」を国内外に発信してまいります。
 また、ユネスコ無形文化遺産に登録されている全国33件の「山・鉾・屋台行事」のうち、本県には最多の5件が所在しております。引き続き「あいち山車まつり日本一協議会」の取組により、市町・保存団体とともに愛知の山車まつりの魅力を広く発信してまいります。
 次に、増加する訪日外国人旅行者を本県に取り込むため、「ハート・オブ・ジャパン」のキャッチワードのもと、ドイツ・アメリカでの海外プロモーションや、欧米豪の大手メディアを活用した情報発信に取り組むほか、クルーズ船誘致のためのポートセールスや、韓国・中国・台湾・タイの個人旅行者向けプロモーションを実施してまいります。
 また、外国人旅行者が快適で安心して滞在できるよう、新たに多言語コールセンターを設置するほか、無料公衆無線LANに簡易に接続できるアプリの開発・提供、観光事業者を対象としたセミナーの開催など、受入環境の整備を進めてまいります。
 さらに、本年11月22日、23日に愛知・名古屋で開催されるG  20外務大臣会合の成功に向け、名古屋市や地元経済団体等と連携し、各国外務大臣やメディア関係者の受入れに万全を期すとともに、この機会を活用し、本県が誇る産業力、技術力、観光資源など、この地域の多彩な魅力を世界に発信してまいります。
 本県の優れた農林水産物につきましては、SNS等を活用したPRや首都圏でのプロモーションを実施し、名古屋コーチン、花、抹茶、あさり、うなぎ、小麦など、全国トップレベルの本県の農林水産物のブランド力を一層強化してまいります。
 県営都市公園につきましては、民間事業者の資金やノウハウを活用し、魅力ある公園施設を導入するための調査を実施するほか、大高緑地でのイベント促進のための芝生広場の整備など、県営都市公園の整備を推進してまいります。

(6) 文化・スポーツの振興
 次に、「文化・スポーツの振興」であります。
 本年8月から10月にかけて、「あいちトリエンナーレ2019」を、愛知芸術文化センター始め名古屋市美術館、名古屋市内のまちなかに加え、新たに豊田市美術館、豊田市内のまちなかで開催し、魅力的な現代美術、舞台芸術等を展開いたします。
県立芸術大学の美術学部につきましては、新デザイン棟を4月に供用開始いたします。
また、アニメ・映画産業の担い手の育成や最新技術を活用した芸術の創造を図るため、デザイン・工芸科「メディア映像専攻」の新設に向け、映像スタジオ棟の新設や既存施設の改修のための実施設計を行ってまいります。
さらに、教育研究活動の多様化に伴う機能不足や空間不足、老朽化に対応するため、新彫刻棟の整備に向けた基本調査に着手してまいります。
また、昨年オープンした本県ゆかりの杉原千畝氏の人道的功績を称える顕彰施設「杉原千畝広場 センポ・スギハラ・メモリアル」の展示をもとに、中学生向け副読本を作成し、杉原氏の人道的功績を広く発信してまいります。
愛知を代表する朝日遺跡の魅力を発信する清洲貝殻山貝塚資料館の拡充整備につきましては、平成32年秋のオープンを目指し、新資料館の建設工事、展示物の製作、史跡の整備を進めてまいります。
次に、新体育館につきましては、12,000〜15,000以上の観客席を有し、バスケットボール等の世界選手権の規定に適合する「アリーナ標準」クラスSの規模を想定し、今年度実施している検討調査結果を踏まえ、PFI導入の準備を進めてまいります。
 本年9月から開催される「ラグビーワールドカップ2019」に向け、豊田市と連携し、開催機運の醸成を図るとともに、大会期間中にはファンゾーンの開催や交通輸送・警備を実施してまいります。
 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに本県ゆかりの選手を多数輩出し、活躍ができるよう、強化指定選手の競技力強化や次世代の人材を育成するとともに、小学校・中学校・高校・特別支援学校において、オリンピック・パラリンピック教育を実施いたします。
また、2020年の県内での聖火リレーの実施に向け、交通規制・警備計画の策定やランナーの募集・選考を実施してまいります。
 2021年1月に開催する国民体育大会冬季大会につきましては、本県でスケートのショートトラック、フィギュア競技会及びアイスホッケー競技会を実施いたします。大会要項の策定など、開催準備を着実に進めてまいります。
 2026年に開催予定の「第20回アジア競技大会」につきましては、5月以降に組織委員会を設立し、大会開催基本計画の策定に向けた検討や選手村に関する調査など、名古屋市やJOCなどと連携し、開催に向けた準備を進めてまいります。
また、新たに、アジア競技大会を始めとする国際競技大会で活躍できる地元選手の発掘・育成に取り組むほか、アジアパラ競技大会の開催に向けた検討も進めてまいります。

(7) あいちのグローバル展開
 次に、「あいちのグローバル展開」であります。
 「あいち国際戦略プラン」に基づき、グローバル人材の育成、産業のグローバル化、魅力の創出などの視点から、グローバルに成長を続けるあいちを目指してまいります。
 本県と友好交流に関する覚書を締結しているアメリカ・テキサス州で開催される世界最大級の複合イベント「サウス・バイ・サウスウエスト」に県内の学生研究グループを派遣し、研究成果の発表を行うとともに、中国・広東省など提携先との高校生交流事業を実施し、グローバル人材の育成と友好交流の促進を図ってまいります。
 2020年に開催される「ドバイ国際博覧会」につきましては、本県の世界最先端のモノづくりや伝統、文化、愛知万博開催の成果を発信する行催事を名古屋市と共同で実施するため、出展計画の策定など、準備を進めてまいります。
 また、外国人留学生の当地域への定着を図るため、インターンシップや企業との交流会の実施などにより、留学生の県内企業への就職を促進してまいります。
 次に、本年4月に施行される改正出入国管理法により、さらに多くの外国人材の就労や居住が想定されるため、国始め関係行政機関や経済団体、労働者団体からなる「あいち外国人材適正受入れ・共生推進協議会」を設置し、情報共有や相互連携を図ってまいります。
また、外国人県民がスムーズに生活できるよう、愛知モデルとして全国に先駆けて早期適応研修のカリキュラム及び教材等を作成し、外国人材受入企業等への普及を図り、外国人県民が安心して暮らせる環境を整備してまいります。
 本県は、日本語指導が必要な外国人の児童生徒数が全国で最も多く、かつ増加が続いているため、小中学校において、外国人児童生徒に対応する教員を増員するとともに、引き続き語学相談員を派遣し、外国人児童生徒に対する学習支援を実施してまいります。
 県立学校においては、日々の意思疎通が円滑に行えるよう、外国人児童生徒数が多い定時制高校及び特別支援学校に小型通訳機を配備するとともに、外国人生徒の正規雇用としての就職を進めるため、定時制高校に新たに就労アドバイザーを配置してまいります。
 また、外国人の子どもたちが能力を発揮し活躍できる環境をつくるため、引き続き、乳幼児を持つ外国人が日本人親子と交流しながら日本語習得のポイント等を学ぶ「多文化子育てサロン」を設置するほか、子どもたちが地域の日本語教室へ通うための支援を実施するなど、乳幼児期から高校卒業までの各段階における日本語教育を推進してまいります。

(8) 安全・安心なあいち
 「安全・安心なあいち」をつくることは、すべての基本であります。
 南海トラフ地震により浸水が予測されるゼロメートル地帯の木曽三川下流域(愛西市)において、円滑な救出・救助活動に必要となる広域的な防災活動拠点の整備工事を進めてまいります。
また、西三河南部地域につきましては、西尾市が今後取得する民有地を整備候補地として決定いたしました。残る未決定地域につきましては、引き続き候補地の選定を進めてまいります。
 次に、住宅や建築物の耐震化を促進するため、引き続き耐震診断費用や耐震改修費用に対する補助を実施するほか、危険な民間ブロック塀の除却費用等に対する補助制度を創設いたします。
 加えて、本年は、伊勢湾台風の襲来から60年の節目の年にあたるため、被害に遭われた方々への慰霊と伊勢湾台風の記憶・教訓等を広く共有し、風水害に対する防災意識を高める講演会等を開催いたします。
また、近年、全国各地で多発している大規模な風水害を踏まえ、行政やNPO等の支援団体と自主防災組織等の受援団体を対象に、被災地の状況を追体験する研修を実施し、多様な主体が連携する防災体制を構築してまいります。
 消防学校につきましては、教育機能の充実を図るため、初任科生・女性消防職員の受入体制や実践的な訓練施設の整備、既存施設の長寿命化改修に向けて、実施設計を行ってまいります。
 次に、交通安全対策につきましては、交通事故死者数の減少を目指し、交通安全県民運動を中心とした取組を積極的に展開するとともに、増加する原付・自動二輪車の事故防止の啓発活動に重点的に取り組むほか、車両運転中の「ながらスマホ」の危険性や歩行者保護、高齢者の事故防止など、法令遵守と運転マナー向上を訴える取組を実施してまいります。
また、交通事故の抑止と道路交通の円滑化のため、信号灯器の視認性を高めるLED化を進めるとともに、横断歩道を始めとした道路標示、道路標識の整備など、交通安全施設の整備に取り組んでまいります。
地域の治安や災害時の活動拠点である警察署につきましては、改築中の蟹江警察署が本年12月に供用開始いたします。引き続き、蒲郡警察署、西尾警察署、津島警察署の建築工事を実施するとともに、豊川警察署の基本設計に着手してまいります。また、岡崎警察署について、建替え工事に向け、移転先候補地のボーリング調査を実施してまいります。
 地域住民の安全・安心を守る交番・駐在所につきましては、8交番・1駐在所を建て替えるとともに、長久手市内での新たな交番設置に向けた設計に着手してまいります。
 次に、犯罪を減少させ、安全に安心して暮らせる社会を実現するため、犯罪をした者に対し、立ち直りや職場定着など円滑な社会復帰を支援し、再犯防止に向けた取組を推進してまいります。
 また、性犯罪・性暴力につきましては、被害者に総合的な支援を行うワンストップ支援センターの運営を支援するほか、性暴力被害者支援看護師の養成及び救命救急センターへの配置促進などに取り組み、被害者支援体制を強化してまいります。

(9) 環境首都あいちの推進
 次に、「環境首都あいちの推進」であります。
 日本一の産業県である本県は、環境面においてもトップランナーを目指しており、昨年10月に制定した「愛知県地球温暖化対策推進条例」に基づき、4月から、新たな「地球温暖化対策計画書制度」を開始し、事業者の温室効果ガス削減対策を評価するとともに、優れた取組を公表するなどの取組を推進してまいります。
 また、家庭部門の温室効果ガスの排出削減に向けて、環境配慮住宅の普及を図るため、住宅用地球温暖化対策設備の導入補助制度について、太陽光発電施設、HEMSとともに住宅の断熱性能等を高める外壁や断熱窓を一体的に導入する補助メニューを追加してまいります。
 次世代自動車につきましては、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)及び燃料電池自動車(FCV)に対する本県独自の助成制度の対象に、新たにEV・PHV・FCVバス及びハイブリッドのユニバーサルデザインタクシーを加え、名称を「低公害車導入促進費補助金」から「先進環境対応自動車導入促進費補助金」に改め、導入を支援してまいります。
さらに、本年度末で期限を迎える本県独自の次世代自動車に対する「自動車税の課税免除制度」を2年間延長し、普及を促進してまいります。
 また、食品ロス削減のため、新たに県内3地域で一般家庭から発生する食品ロスの調査を実施するほか、県民向けシンポジウムの開催や小中学生向けの学習プログラム作成など、広く啓発を実施いたします。
 次に、生物多様性の「愛知目標」の目標年2020年に向け、また   SDGsの取組の一環として、国内の取組成果をまとめる「未来へつなぐ『国連生物多様性の10年』せいかリレー(仮称)」のキックオフイベントをCOP10開催地である本県で開催するほか、取組の優良事例の募集・発信を行ってまいります。
 さらに、世界の広域自治体で構成する「愛知目標達成に向けた国際先進広域自治体連合」として、2020年のCOP15の準備会合に参加し、サブナショナル政府の貢献と役割の重要性を発信するとともに、ポスト愛知目標に向けた議論に主体的に参画してまいります。
 また、次期「あいち生物多様性戦略」の策定に向けた検討を開始するとともに、「レッドデータブックあいち」を改訂し、戦略策定の基礎資料として活用してまいります。
 三河山間地域で増加が著しい指定管理鳥獣のニホンジカ、イノシシにつきましては、農林業被害や生態系被害が懸念されるため、広域的かつ集中的な捕獲を新たに実施いたします。
 また、持続可能な未来のあいちの担い手となる人づくりを進めるため、幼児から中高年・シニアまで幅広い世代で環境学習を実施するほか、  PFI方式による建替えを進めている環境調査センターにおいて、   2020年度から1階スペースで実施する環境学習の展示物の整備を進めてまいります。

(10) 東三河の振興
次に、「東三河の振興」であります。
 「東三河県庁」につきましては、市町村、広域連合、経済団体等とともに「東三河振興ビジョン」に位置付けた施策に取り組み、着実に成果をあげてまいりました。平成31年度は、3月に策定する「交通基盤の整備と利便性向上に向けた地域連携の推進」をテーマとする主要プロジェクト推進プランに基づく取組を、地域が一体となって推進してまいります。
 また、東三河地域への「新しい人の流れ」を創出するため、ドローンを活用した東三河の魅力を伝える動画の制作や、若者に対する「地元愛」醸成イベントを実施してまいります。
 さらに、奥三河地域の市町村、交通事業者、観光団体等が連携して観光地づくりを進める「奥三河DMO」の活動を支援するとともに、移住定住促進のための起業支援などを実施してまいります。
 また、農商工のバランスがとれた産業構造となっている東三河地域において、地元企業と高校生とのマッチングを実施し、高校生の発想を活かした新たな商品開発を推進してまいります。
 東三河地域の県立高校につきましては、本年4月に、新しいタイプの総合学科として「新城有教館高校」を開校いたします。
また、平成32年度から県立高校4校において地域産業の担い手やグローバルリーダーを育成する東三河教育プロジェクトを推進してまいります。時習館高校の「あいちグローバルハイスクール」の指定、豊橋西高校の総合学科への改編、豊橋工業高校での本県初のロボット工学科の設置、渥美農業高校における次世代農業創出プロジェクトの実施に向けた準備を進めてまいります。
 完成自動車の輸出入で全国トップクラスの三河港においては、神野西地区のふ頭用地の整備を引き続き進めるとともに、明海地区の民間事業者による埋立事業を官民一体となって進めてまいります。
また、三河港のさらなる国際競争力の強化を図るため、港湾計画の改訂に向けた基礎調査等に着手してまいります。


(11) 地方分権・行財政改革の推進
 次に、「地方分権・行財政改革の推進」であります。
 2040年頃の社会経済を展望し、2030年までの重点的な政策の方向性を明らかにする次期あいちビジョンの2020年度中の策定に向けて、基礎調査等に着手してまいります。
 地方創生につきましては、「愛知県人口ビジョン・まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、産業振興や雇用対策のほか、子育て支援、三河山間地域の振興など幅広い施策に取り組むとともに、来年度末を目途に、次期戦略を策定してまいります。
 また、中京大都市圏づくりを総合的に進めるため、重要プロジェクトの推進はもとより、情報発信や名古屋市との連携・共同による取組についても、引き続き推進してまいります。
 行財政改革につきましては、健全で持続可能な行財政基盤の確立に向け、「しなやか県庁創造プラン」に基づく取組を着実に進めてまいります。 また、職員の多様で柔軟な働き方の実現や、業務の効率化と行政サービスの一層の向上のため、モバイル端末を導入しテレワークを試行実施するほか、定型業務を自動処理するプログラムであるRPAを試行導入してまいります。
民間活力の導入につきましては、PFI方式により、環境調査センター・衛生研究所、運転免許試験場の整備を進めてまいります。また、県営住宅の建替えにおいて、既に実施している東浦住宅に加え、新たに鳴海住宅、上和田住宅でPFI方式による建替えに着手するほか、野並住宅始め4住宅についてPFI事業者の選定を進めてまいります。
 県有施設につきましては、公共施設等総合管理計画に基づき、個別施設計画の策定を進めるとともに、長寿命化に向けた調査や改修を実施してまいります。
 また、我が国随一の成長産業や先端技術の中枢拠点を形成するためには、総合的な規制・制度改革が必要です。有料道路コンセッションや愛知総合工科高等学校専攻科の公設民営化に続き、医療ツーリズムの推進や自動運転などの近未来技術の実証等、国家戦略特区に提案している規制改革の早期実現を目指してまいります。

(12) 当初予算の全体概要
 以上、予算の主な内容につきまして申し上げてまいりましたが、ここにご審議いただく平成31年度の当初予算は、
一般会計 2兆5,124億余円
特別会計 1兆3,398億余円 
企業会計   3,114億余円
でございまして、合わせて4兆1,638億余円となります。   
このうち、一般会計の予算規模は、平成30年度当初予算に対し、  100.7%となります。
 歳入につきましては、大宗をなす県税は、前年度から100億円増の  1兆1,817億円を計上いたします。
このうち法人二税は、通商問題の動向等を警戒して慎重となっております県内企業の平成31年3月期の業績予想を踏まえ、156億円の増にとどまる一方、個人県民税は、平成30年度に実施された名古屋市への税源移譲の影響が平年度化することにより、85億円の減となります。
なお、地方消費税は、本年10月から税率が引き上げられる予定ですが、初年度の平成31年度税収への影響はわずかにとどまる見込みです。
県税収入に、地方法人特別譲与税の計上額1,314億円を加えますと、前年度から298億円増の1兆3,131億円となります。
 地方交付税と臨時財政対策債を合わせた地方財政措置につきましては、税収動向及び平成31年度地方財政計画を踏まえ、1,500億円を計上いたします。このうち地方交付税は、600億円を計上しております。
 県債につきましては、平成30年度当初予算に比べ101億円、   3.9%の減となる2,509億円を計上いたします。このうち、地方交付税の振替措置である臨時財政対策債は、300億円減となる900億円を計上しております。
 一方、歳出につきましては、人件費は、平成30年度人事委員会勧告に基づく給与の増額改定の一方、定年退職者の減により退職手当が減少し、前年度とほぼ同額を計上いたします。
扶助費につきましては、障害者自立支援介護・訓練等給付費負担金や介護給付費負担金などが引き続き増加するほか、本年10月から実施されます幼児教育・保育の無償化に対応するため、大幅な増加となっております。
 公債費につきましては、依然高止まり傾向にありますが、近年の低金利を反映した県債利子の減により、当初予算としては、平成10年度以来21年ぶりに減少に転じます。
 投資的経費につきましては、国庫補助金を活用した道路、河川等の公共事業は、国の公共事業予算の状況を踏まえ前年度を上回る額を確保したほか、単独事業についても、県民の皆様の安全・安心につながる社会基盤整備を引き続き着実に進めるため増額いたしました。
 このように、県税収入の伸びがわずかにとどまる一方、医療・介護等の扶助費が着実に増加する、厳しい財政状況の中ではありましたが、将来にわたり、持続的かつ積極的に施策展開するための基盤として、財政健全化を着実に推進することも念頭に、予算編成を進めてまいりました。
 その結果、まず、平成31年度末の県債残高は、平成30年度末を  432億円下回る5兆3,764億円となる見込みであります。
このうち、社会資本整備などに充当する、いわゆる通常の県債の残高は、平成31年度末には平成30年度末残高を322億円下回る2兆 4,044億円となる見込みであり、平成26年度決算時点より減少させるという「しなやか県庁創造プラン」に掲げた目標を達成いたします。
さらに、臨時財政対策債など特例的な県債の残高も初めて減少に転じ、平成31年度末には平成30年度末残高を110億円下回る2兆   9,720億円となる見込みであります。
しかしながら、特例的な県債残高の全体に占める割合は55.3%とさらに拡大します。臨時財政対策債の元利償還金は、後年度に国が全額財源保障するものでありますが、地方財政全体の持続可能性の観点から言えば、本来あるべき姿は地方交付税として交付されるということであり、国税の法定率の引上げなどによる臨時財政対策債の速やかな廃止について、これからも国に主張してまいります。
また、年度により県税収入が大きく変動するという本県財政の特徴を踏まえると、基金残高の確保も極めて重要であります。
そこでまず、平成30年度において、県税収入及び地方財政措置が当初予算額を上回ったことや、歳出不用額の補正減などにより確保した財源によって、当初予算に計上した基金取崩し1,283億円を全額取り止めました。
さらに、平成30年度中の法人二税収入の増加に伴う交付税の後年度減額精算や、本県財政を取り巻く経済環境の変化等に備えるため、財政調整基金に400億円を積み立てます。
その上で、平成31年度においては、再び1,176億円もの多額の基金取崩しを計上せざるを得ませんでしたが、財政調整基金及び減債基金の任意分の平成31年度末残高は810億円の見込みとなり、可能な限り基金残高を確保することといたしました。
本県は、リーマン・ショックにより地方交付税の交付団体となって以降、単年度の歳入だけで歳出を賄うことができず多額の基金取崩しに依存する厳しい財政状況が継続しており、平成31年度も同様の対応を取らざるを得ませんでしたが、そのような中でも、県債残高の縮減、基金残高の確保など、健全で持続可能な財政基盤の確立に向け、着実に歩みを進めることができたと考えております。
 今後も、経済・産業の活性化を進め、税源の涵養につなげるとともに、より一層合理的な行政運営を図り、「しなやか県庁創造プラン」に沿った取組を着実に進め、健全で持続可能な財政基盤の確立に取り組んでまいります。

4 予算以外の議案

 次に、予算以外の案件につきまして、ご説明を申し上げます。
条例は、制定、全部改正、一部改正を合わせまして、30件を提案いたしております。
まず、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第二十三条第一項の規定に基づく職務権限の特例に関する条例の制定についてであります。
教育委員会の職務権限のうち、スポーツに関する事務を知事部局に移管し、一元的に管理執行するものでございます。
次に、公の施設の使用料等の改定に関する条例の制定についてであります。
これは、県の施設の使用料等について、消費税及び地方消費税の税率引上げの影響を適切に反映するため、対象となる28条例を一括して改正するものでございます。
次に、愛知県部局設置条例の全部改正についてであります。
本県を取り巻く社会経済情勢の変化に柔軟かつ的確に対応し、愛知の総合力を一層高め、すべての人が輝く日本一元気な愛知をつくり、日本の未来をつくるため、「局制」を導入し、県政のあらゆる分野にわたる政策課題に迅速・着実に取り組むことができる、県民の皆様にとって、簡素で分かりやすい組織を構築するものでございます。
次に、愛知県職員定数条例の一部改正についてであります。
知事の事務部局等の職員定数については、事務事業の廃止・縮小、事務処理方法の改善などに取り組むほか、病院事業庁におけるがんセンター愛知病院の岡崎市移管に伴い減員する一方、児童相談センターの機能強化やアジア競技大会に向けた準備などに必要な人員を確保し、全体で251人減員いたします。また、小中学校の特別支援学級の増加などにより教職員を239人増員するものでございます。
次に、知事等及び職員の給与の特例に関する条例の一部改正についてであります。
現下の厳しい財政状況に鑑み、引き続き私を始め特別職の職員を対象に、給与の一部を減額するものであります。
 さらに、条例以外の案件といたしましては、愛知県国際展示場の指定管理者の指定始め11件を提案いたしております。

5 平成30年度関係議案 

 次に、平成30年度関係の諸議案についてであります。

(1) 平成30年度2月補正予算
まず、今回の補正予算は、国の補正予算への対応や国庫補助金及び事業費の確定に伴う所要の措置並びに平成31年度当初予算編成に向けての財源確保等を行うものであります。
補正予算を会計別に申し上げますと、
  一般会計  167億2,847万余円の増額
  特別会計    1億3,472万余円の増額
  企業会計    9億5,444万余円の増額
でございまして、合わせて178億1,764万円の増額となります。
以下、主なものにつきまして、概要をご説明申し上げます。
まず、国の補正予算関連事業費といたしまして、道路街路事業や農地防災事業などの公共事業に係る所要の経費を計上するものでございます。
次に、児童養護施設入所児童等の自立支援や子ども食堂への支援のための寄附金の受け皿として新たに「子どもが輝く未来基金」を造成いたします。
このほか、県立病院事業の安定的な運営に向けた貸付や財政調整基金への積立てを行うものなどでございます。
以上、ご説明申し上げました一般会計の一般財源といたしましては、県税収入や地方交付税の増額などにより、全体で167億2,847万余円を増額することといたしております。
特定財源につきましては、国庫支出金を減額するほか、減債基金取崩し額の全部を取り止めましたことなどから、全体で527億8,410万円を減額することといたしております。

(2) 補正予算以外の議案
次に、補正予算以外の議案につきましては、条例は、制定、廃止を合わせまして、2件を提案いたしております。
このうち、子どもが輝く未来基金条例の制定につきましては、補正予算でご説明申し上げましたとおり、基金を設置し、広く県民の皆様からの寄附を募るものであります。
さらに、条例関係議案以外のその他の議案といたしまして、工事請負契約の締結など13件でございます。

(3) 豚コレラ緊急対策
 次に、追加をいたしました豚コレラ緊急対策につきまして、その概要をご説明申し上げます。
 豊田市及び田原市で確認された豚コレラにつきまして、一刻も早い農家の皆様の経営再建に県としても全力で取り組んでいくため、緊急対策を実施してまいります。
 まずは、国から手当金等の支払いがなされる前であっても、農家が経営再建に必要となる資金を直ちに確保できるよう、それまでの間のつなぎ融資を促進してまいります。
内容といたしましては、農家が金融機関から資金を借り入れる際の利息を県が利子補給補助金により全額負担して実質無利子化するための経費として1,170万円、また、農家が負担する保証料が不要となるよう金融機関に対し損失補償を行うための経費として11億7千万円、合わせて11億8,170万円の債務負担行為を設定するものであります。
これらの債務負担行為の設定により、今年度中から農家が金融機関から無利子・無保証で資金を借り入れることが可能となります。国から農家に支払われる手当金等は、一定の申請や審査等の手続があり、通常、交付まで4か月程度は要すると見込まれることから、この緊急対策により農家の資金繰りを円滑にし、早期の経営再建を支援してまいります。
 なお、この予算案につきましては、緊急に実施する必要がありますことから、できる限り速やかなご審議とご議決を賜りたくお願い申し上げます。

6 結び

以上、提案をいたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要をご説明申し上げました。なお、詳細につきましては、議事の進行に従いましてご説明を申し上げたいと存じます。よろしくご審議の上、適切なご議決を賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
最後に、結びとして今一度申し上げたいと存じます。
 今年は、愛知県国際展示場のオープンや全国植樹祭、あいちトリエンナーレ、ラグビーワールドカップ、技能五輪全国大会と全国アビリンピック、G20愛知・名古屋外務大臣会合などの開催と、たいへん賑やかな1年となります。昨年は、その下ごしらえと日本の成長エンジンとして力を蓄える1年でありました。
 2027年度にはリニア中央新幹線が開通します。
首都圏と中京圏とで5千万人規模のメガリージョン「リニア大交流圏」を実現するとともに、「産業首都あいち」を、日本の未来を切り拓く「国際イノベーション都市」へと進化させてまいります。
さらに、世界一の自動車産業やアジアNо.1の航空宇宙産業を始め、ロボット・AI・ICT、健康長寿、環境、エネルギーの各分野を強化し、中小企業、商店街、農林水産業を活性化してまいります。
そして、日本一の産業力により県別GDPで大阪府を抜いて東京都に次ぐ全国2位となった愛知の経済力をさらにパワーアップし、「日本一元気な愛知」をつくってまいります。
 そのためには、人であります。教育、医療、福祉、介護、雇用等の施策を充実させ、子ども、若者、女性、高齢者、障害のある人など、「すべての人が輝く愛知」を目指してまいります。
 また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2023年の技能五輪国際大会、2026年のアジア競技大会、2027年度のリニア中央新幹線の開通を見据え、着実に歩を進めるとともに、スポーツ、芸術文化など、愛知の魅力を一層磨き上げ、愛知を大きく前進させてまいります。
2022年にオープンを目指すジブリパークは、その象徴であります。2005年の愛知万博の理念を継承し、人、いきもの、地球に対する愛を体現した魅力あふれる公園を整備し、子どもから大人まで広く世界中の人々に楽しんでいただけるジブリパークをつくってまいります。
 もとより、県政には、産業振興、社会インフラの整備、農林水産業の振興、女性の活躍、医療・福祉、教育・人づくり、環境、地震防災、安全・安心なまちづくり、東三河地域の振興など、森羅万象、様々な分野にわたります。
常にアンテナを高くし、県民の皆様の声を聞きながら、そして時代の流れを着実に見通しながら、取り組んでいくことが肝要であります。
私は、年末年始から、17日間に及ぶ選挙期間中を含め、三河山間部から知多・渥美両半島、三河湾に浮かぶ島々を始め、県内隈なく、隅から隅まで、すべての市町村を駆け巡ってまいりました。朝から晩まで本当に多くの県民の皆様にお会いし、多くの声を耳にしてまいりました。
物事の真実は現場にあります。これからも、現地・現物・現場主義を貫いて、「日本一元気な愛知」、「すべての人が輝く愛知」、県民の皆様すべてが豊かさと多様な文化、スポーツ、歴史を享受できる「日本一住みやすい愛知」を実現し、未来へ輝く『進化する愛知』を創ってまいりたいと考えております。
 今後も、愛知がさらに進化発展していく、まさに未来へのグレートジャーニーを県民の皆様とともに歩んでいけるよう、全力で県政運営に取り組んでまいる所存でありますので、県議会議員の皆様方並びに県民の皆様方の、ご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。 

◆ 2月7日 国土交通省に要望 ◆
2019/02/14

<要望書>

成長力を高め、国土強靱化を加速し、生産性向上に資する
愛知県の社会資本整備の推進について

 日本の成長をリードする産業集積地である本県において、効率的な物流ネットワークの強化や災害リスクの低減など、ストック効果を重視した社会資本整備を推進することは、わが国の成長力を高め、国土強靱化を加速し、生産性向上を実現する上で、極めて重要であります。
つきましては、本県の実情をご賢察のうえ、重要インフラ緊急点検の結果による「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」も踏まえ、平成31年度予算編成における直轄事業、補助事業、社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金の配分に係る下記事項について、特段のご配慮を賜りますようお願い申し上げます。



1 成長力を高め、国土強靱化を加速し、生産性向上を図るため、本県直轄事業予算を重点配分すること。

2 地域の成長・物流を支える幹線道路ネットワークの強化、道路施設の老朽化対策、防災・減災対策、交通安全対策を着実に実施するため、補助事業及び交付金の道路関係予算を重点配分すること。

3 頻発・激甚化する水害や切迫する大規模地震に備え、緊急性の高い浸水被害対策・南海トラフ地震対策や施設の老朽化対策を推進するため、大規模事業を計画的・集中的に実施する補助事業及び交付金の河川・海岸予算を重点配分すること。


 平成 31 年  2 月 7 日
   
    自由民主党愛知県議員団
  団   長  伊 藤 勝 人
  幹 事 長  坂 田 憲 治
  総務会長  青 山 省 三
  政調会長  渡 辺   昇

    公明党愛知県議員団
  団   長  渡 会 克 明
  幹 事 長  犬 飼 明 佳
  政策審議会長  岡   明 彦

◆ 知事との懇談会開催 ◆
2019/02/14

2月12日懇談会での私のあいさつ(要旨)

 最近の我が国の景気は、先月29日に発表された最新の月例経済報告において、「景気は、緩やかに回復している。」と基調判断されております。

 こうした状況のもと、国においては、今月7日に、防災・減災等を柱とした、総額2兆7,097億円にのぼる、平成31年度の2次補正予算が成立し、今後、河川堤防の嵩上げや重要インフラの耐震化、また、中⼩企業・⼩規模事業者に対する支援など、「命と暮らしを守り、景気を下支えする」施策が進められます。

また、現在開会中の通常国会において、消費税引き上げに伴う景気対策や、全世代型の社会保障の構築、また、特に対策が急がれる、防災・減災対策の強化など、国民生活を守る重要な施策が盛り込まれた、平成31年度 予算案の審議が行われます。

 そうした中、私ども公明党愛知県議員団は、先月の25日に、“活気ある温かな地域づくり”をめざし、平成31年度当初予算編成に関して、要望させていただきました。

 この後、当初予算等に関してご説明いただきますが、こうした地域社会を築き、持続可能なものとしていくためには、県民の誰もが安心して暮らすことができるよう、防災・減災対策をしっかりと講じるとともに、幅広い県民の意見に耳を傾け、県民一人ひとりが希望を持てるよう、様々な施策を創意工夫し、展開していくことが重要であり、今後、議会での議論を経て着実に取り組んでいただくことを望んでおります。

まもなく2月定例議会が始まります。
我々、公明党愛知県議員団としては、現場の声を踏まえ、地方と国の強固な連携のもと、全力を挙げて、県民の皆様の命と生活を守り、支えていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

前のページ次のページ最新のページ



ホーム








- Topics Board -