発言録へもどる

企画環境委員会(平成15年5月〜平成16年4月)

平成15年6月26日

【渡会委員】
 昭和46年に施行された公害防止条例が全部改正され、より県民に近い、生活環境全般を視野に入れた県民の生活環境の保全等に関する条例が、本年3月25日に公布になった。10月1日の施行に向けて、県民への周知方法も含めた作業の状況はどうなっているか。

【環境政策課長】
 3月末に、条例の施行に必要な基準であるばい煙に係る有害物質の規制基準、相当程度の騒音・振動発生施設の基準、土壌汚染対策基準について環境審議会に諮問し、現在各部会で審議しているところである。
 条例において定めることとなっている土壌汚染対策と化学物質の適正管理のための指針については、専門家で構成する検討会で検討作業を進めている。
 8月に基準を盛り込んだ規則を公布し、指針を告示した後に、事業者や市町村職員を対象に説明会を開催するとともに、この条例を紹介するパンフレットやホームページを作成し、広報あいちに特集を掲載するなどして、幅広く県民に周知を図っていきたい。

【渡全委員】
 市町村の広報誌の紙面を利用するなどして、県民に理解しやすい周知徹底をお願いしたい。
 公害防除施設整備資金融資制度の平成14年度における融資実績と融資目標額に対する達成率はどうなっているか。

【環境政策課長】
 平成14年度の融資実績は7億3,520万円で、融資目標額14億円に対する達成率は53パーセントであった。
 融資実績の具体的な内容は、ばい煙対策等公害防除施設整備に対するものが1億6,890万円、事業用のディーゼル車の最新排出ガス規制適合車への買い換えが5億6,630万円となっている。

【渡会委員】
 自動車NOx・PM法の車種規制が始まり、低公害車等購入資金に対する融資が多くなっているが、この内容について、もう少し具体的に説明して欲しい。

【環境政策課長】
 自動車NOx・PM法の車種規制は県内61市町村が対象地域となっている。低公害車等購入資金に対する融資は、最新排出ガス規制適合車への買い換え及び電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、ハイブリッド自動車の購入資金については、平成2年度から、低排出ガス認定車かつ低燃費車の購入資金については、平成14年度から融資を実施している。また、この融資を受けた方々の金利を軽減するため、支払った利子に対しての利子補給も行っている。
 平成14年度の融資状況は、すべて、事業用ディーゼル車から最新排出ガス規制適合車への買い換えであるが、49件で5億6,630万円となっており、平成13年度と比較すると18件、1億7,160万円の増となっている。
 これは、自動車NOx・PM法の車種規制が平成14年10月1日から開始された影響によるものと考えられ、今後も融資は増えるものと考えている。

【渡会委員】
 公害防除施設整備資金という名称は時代に合っていない。この制度を生きた制度にするため、公害防止条例が全面改正されたことや融資実績においても低公害車等購入実績が増えていることからも、名称を変えるなど時代に即したものにし、県民にとってわかりやすく利用しやすいものにする必要があると思うがどうか。

【環境政策課長】
 融資制度の周知については、工場の立入検査時での周知、パンフレットの作成・配布、関係団体機関紙への融資利用の登載のほか、愛知県商工連合会やトラック協会等関係団体へ出向いてPRに努めている。
 さらに、平成14年度の事務所再編に伴って、全県事務所に設置された環境保全課において、融資申請書の受理から認定まで行えるようにし、融資相談窓口の拡大を図っている。
 また、公害防除施設整備資金という名称についても、公害防止条例の全面改正を踏まえ、前向きに検討していきたい。

【渡会委員】
 低公害車等購入資金も含めて、平成15年度の融資の見通しについてどのように考えているか。

【環境政策課長】
 平成15年度の融資見通しについては、現在の景気状況が低迷した状態にあるため、公害防除施設の整備については手控えられており、伸びはあまり期待できないと思われるが、事業所の立入検査の際に融資制度のPRを行い、活用を促進していく。
 低公害車等購入資金に対する融資については、自動車NOx・PM法の車種規制が開始された影響により、車の買い換えが進むものと思われることから、増加するものと考えている。



平成15年6月27日

【渡会委員】
 名鉄バスの不祥事について伺う。県民の安心安全を確保するという意味からすると、鉄道、バス等の公共輸送機関の責任は重い。新聞紙上等で責任を問われている名鉄バスの無免許運転及びその隠ぺいという不祥事について・企画振興部としては現段階で経緯をどこまで把握しているか。

【交通対策課長】
 名鉄が緊急記者会見を行った6月20日に・名鉄の乗合バス担当課長から経緯の報告を受けた。その後は、新聞や名鉄の社内調査から情報を得ている。 内容については、名鉄は6月20日午前11時に緊急記者会見を行い、再発防止策として運転士全員の免許証確認、点呼時の免許証提示の励行、更新時期の把握・管理に努めるなど、管理体制を強化することとしている。また、社長及びバス事業総括役員である副社長は6か月10パーセント減給、他の2人の担当役員は3か月10パーセント減給の処分を実施することとなっている。
 更に、中部運輸局からは、6月中にも道路運送法に基づく行政処分を検討していると聞いている。県警の対応については新聞報道以上の情報は得ていない。

【渡会委員】
 東京や大阪には私鉄も多いが、それらを除くと愛知県は日本の縮図であると思う。名鉄には生活交通の確保で助けられている面があり、信頼もしている。公共交通機関であり半官半民と言っていいほどであったので大変残念である。そこで、生活交通の確保という立場から、名鉄に対してどのような補助金をどの程度支出しているか。

【交通対策課長】
 県としては乗合バス事業で、バスの利用者が減少し、採算確保が難しくなった広域幹線的路線に対して、国と協調して補助を行っている。平成14年度は、名鉄に対して国と県の合計で4,471万8,000円を補助した。内訳はバス運行費補助が3,672万7,000円、車両購入費補助が799万1,000円である。

【渡会委員】
 補助金を出している以上、適正な事業のための定期的な指導検査のようなものがあると思うが、これはどのような形で行われているか。

【交通対策課長】
 事業者からの補助申請に対して、補助対象路線の収入が適正かどうか、収入の算出に必要な利用実態調査が適正に行われているかどうか、各路線の一部に県職員が立ち会って内容をチェックしている。そのほか、経費が適正に配分されているか、車両購入については、補助基準に合致した車両を購入しているかどうかを検査している。

【渡会委員】
 今回は、中部運輸局が労働条件や道路運送法に基づく監査の結果発覚したことである。県が補助金を支出している立場からは今回の事件は分からなかったということになるのか。

【交通対策課長】
 補助の趣旨が路線の維持確保ということであり、事業の免許や路線の許可等に関する権限は国土交通省の所管であるので、本県の所管外である。

【渡会委員】
 国は道路運送法による行政処分、県警は関係社員の逮捕となっている。その中で、補助金を支出している県としては、指導やペナルティを課す予定はあるか。

【交通対策課長】
 県としては許認可等の権限がないので、先日、名鉄の担当副社長、担当常務、担当取締役に対し、企画振興部長から安全確保を図り、二度と不祥事を起こさないよう要請を行うという対応をとった。また、今後、補助金を支出している立場から、国の行政処分の内容を見極め、国と相談して適切に対応していく。

【渡会委員】
 最近プロの運送会社等が引き起こす事故が多く、憤りを越えている。しかし、株主には頭を下げても県民には頭を下げていない。県民に安心安全であると言って欲しい。
 公共性や公益性が高いために、撤退を望む事業者にお願いしている県が、事業者に強いことが言えるかどうかが問題である。国の所管であると言っても、県民の直接の安全安心を守るのは県であると思うがどうか。

【交通対策課長】
 今回は、県行政の持つ権限の範囲内で企画振興部長から要請するのが県としてとりうる手段と考えて、そのように対応した。

【企画振興部長】
 指摘のあった点は同感であるが、県としてはバス路線維持が補助金の趣旨であることをご理解願いたい。公共交通事業を担う事業者であるので、半公的な部分を占めていると思う。その意味で昨日、名鉄の副社長に、県民に不信感や不安感を与えないよう、私から強く要請を行った。今後も会う機会も多くあるので、ことあるごとに、要請してきたいと考えている。

【渡会委員】
 県民の安全安心のために、今後しっかり対応されたい。
 次に、愛知県バス対策協議会について、協議会の目的と主な検討内容を伺う。

【交通対策課長】
 平成12年5月の道路運送法の改正により、半年前の届出でバス路線を廃止できるようになったが、地元が対応できるように、国会附帯決議や国の通達に基づきバス対策協議会を設置して、地域の関係者の意見が反映され、実情に応じた実効ある方策がとれるようにしている。内容については、バス路線の廃止についてバス対策協議会へ1年前に申し出があった場合、関係する市町村に対応を照会し、対応策を協議会で決定していくことになっている。

【渡会委員】
 愛知県バス対策協議会の構成員名簿を見ると、国、県、市町村、事業者となっているが、その中に企画環境委員長やNPOの代表、学識経験者等を入れることは可能か。

【交通対策課長】
 協議会の構成は、会長が企画振興部長、副会長が運輸支局長、構成員としては運輸局の関係部長、市長会長、町村会長等の関係者となっており、関係者間の路線の廃止に伴い地域住民の足の確保ができるかどうかなどを検討する会議であるので、このような構成になっている。

【渡全委員】
 企画環境委員長やNPOの代表、学識経験者等が構成員になると不都合が生じるのか。

【交通対策課長】
 国から標準的な考え方が示されており、その考え方に基づいて構成員を決めている。

【渡会委員】
 企画環境委員長はこの委員会の代表であり、愛知県全体を網羅している。いろいろな方が見ている中で県民の生活交通の確保について行政と事業者がこの会議で補助金も含めて調整するということか。

【交通対策課長】
 まず、廃止路線について事業者から申し出を受けて、地元として受け入れるかどうかの調整をする。公的補助についても、協議会で申し出を受けて議論するということになっている。

【渡会委員】
 廃止せざるを得ない路線について、公営にするのか、民営で補助をするのかといったような話し合いをする協議会であると認識しているがどうか。

【交通対策課長】
 お見込みのとおり、路線の確保にかかわる市町がどのように対応していくかを調整する会議である。

【渡会委員】
 今までの会議の結果を見ていると、大変な調整の上でいい結果が出ていると思う。したがって、この中に第三者を入れても何も問題ないように思うがどうか。会長である部長に伺う。

【企画振興部長】
 だれを入れるかは、協議会の中身が問題である。地域住民の足の確保ということで、関係市町村もメンバーに入っており、地域の声を出してもらっているので、中身で見れば今のメンバーで機能していると思う。

【渡会委員】
 県民の生活交通の確保の恩恵を被る人の代表として、協議会に参加したいと思っている。その中で少しでも役に立ちたい。一度検討されたい。



平成15年8月6日

【渡会委員】
 NOx・PMに関する自動車対策及び工場、事業所対策は、非常に取組が進んでいるし、その数値も下がっている。しかし、家庭や業務用小型燃焼機器からの排出は増加している現状がある。家庭での取組や業務用小型燃焼機器に対する規制は難しいものと考えるが、どういう方法で対応をとっていくのか。

【大気環境課主幹(規制)】
 NOx・PMの排出量は、全体では目標を達成しているものの、家庭などその他の分野では増加している。家庭における対策としては、地球温暖化対策ともからめて省エネの推進をこれまで以上に普及、啓発していく。また、小型燃焼機器については、今年度、二次生成粒子の調査を実施していることから、これらの調査結果も踏まえてNOx・PMの新たな枠組みの中で対応していきたい。

【渡会委員】
 家庭での省エネ対策に関するPRや省エネ機器を購入する場合の補助など、具体的なものを提示することが必要ではないか。協力をお願いするだけでは、なかなか進まないと考える。

【大気環境課主幹(規制)】
 補助の観点では、住宅用太陽光発電施設の補助事業を実施しているところである。また、今年度、省エネを身近に体感してもらうため、県民300世帯を対象に省エネナビを配布し、2年間にわたり家庭における具体的な省エネ対策のモニターをお願いしている。この中で得られた実態やノウハウを活かしながら、今後、県民全体の取組を進めていきたい。

【大気環境課長】
 省エネについては、県民一人一人の認識が必要である。県民への啓発は非常に大変なことであり、早期に進むものではなく、時間が必要である。デパートなどでも冷房温度を上げるなど、少しずつではあるものの省エネ対策が進んでいるものと考えている。省エネナビなどで得た成果を広め、一つ一つステップアップしていきたい。

【渡会委員】
 得られた結果を生きた数値として使って欲しい。県民には具体的な提示が必要である。環境部だけでなく、市町村などと横の連携をとって進めて欲しい。県民の意識を変えることが大切である。



平成15年9月30日

【渡会委員】
 環境教育について伺う。平成16年度の概算要求段階で、環境省は環境教育の推進と人材育成について約1億4,000万円を要求している。環境部のホームページ中の環境学習情報を見ると、県内の環境学習施設一覧、貸し出しできる環境学習教材一覧、環境カウンセラー制度、こどもエコクラブの紹介などの情報の取りまとめを一覧掲載してあるだけに思うが、環境部として教育委員会と連携して、総合学習の時間を活用した出前講座や体験学習など、自然体験学習として積極的な取組みができないか。
 また、学校でのビオトープ作り、エコスクールの推進などの支援策が考えられないか。更には、環境部の立場で一歩踏み込んだ環境教育を推進するために何ができるのか伺う。

【環境政策課主幹(法規・啓発)】
 小学校での環境教育を推進するため、小学校高学年を対象とした環境教育副読本を作成している。また、あいちエコカレッジネットの環境学習指導者養成講座を開講し、教職員の積極的な参加を呼びかけている。 環境調査センターでは、小・中学校における総合学習に対する支援を行っており、平成14年度は約1,400人の児童・生徒、教員がセンターを訪れている。要請があれば出前講座にも応じている。環境調査センター始め環境部全体として、学校教育での環境教育を支援できる体制づくりを考えたい。今後とも教育委員会と連携して、児童・生徒の環境教育の一層の推進を図っていきたい。
 環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律では、都道府県に基本方針の策定や情報提供、体験学習の拠点整備が求められている。環境部としては、国の基本方針を勘案の上、本県の基本方針を策定し、拠点機能の整備も検討していきたい。

【渡会委員】
 国の施策に準じて県が対策をとることも重要であるが、県としての積極的な参画も是非お願いしたい。
 次に、あいちクリーンキャンペーンについて伺う。これは、愛知万博の成功に向けて実施している事業であるが、その一環として、県民参加の県民ミーティングによる議論の結果、県民の環境美化活動の基本となるあいち530県民ルールの提案がなされ、愛・チャレンジ530県民大会で大会宣言として採択された。具体的行動の提案には、毎月25日の愛・地球博のPRの日に、街角や公園の清掃などの環境美化活動を行うことである。これは地域のコミュニケーション、子供に対する教育面などさまざまな観点から大変よい効果が期待できると思う。これは、大きな輪になればよいと思うが、周知の方法をはじめ、どのように啓発し、具体的にどのように推進をしていくのか伺う。

【環境政策課主幹(法規・啓発)】
10月のあいちクリーンキャンペーン推進月間のポスター、環境かわら版、若者向けメールマガジン、ホームページに掲載した。また、市町村、NPO、こどもエコクラブ、あいちエコカレッジネットの受講者、あいち環境づくり推進協議会、ごみゼロ社会推進あいち県民会議の構成員にも、県民ルールの周知の依頼と環境美化活動への参加協力を呼びかけた。
 今後は、ルールを印刷したステッカーを作成して、スーパーやコンビニのレジ、自動販売機にはることによって周知を図っていきたい。また、会議や行事、さまざまな広報媒体を通じて県民への周知と自発的な活動の促進に努めたい。

【渡会委員】
 ホームページ等で、県民ルールが掲載されているが、このような媒体以外に、草の根の運動が広がるようなイベントを何か考えているか。
 また、愛知万博は、日常的に県民や事業者に環境に関心を根付かせる大きなチャンスである。何か方策を考えていれば、教えて欲しい。

【廃棄物対策課主幹(一般廃棄物)】
 国内外から多くの人々が訪れる愛・地球博の開催に向け、散乱ごみのない街づくりを進めるため、ごみゼロにちなんで愛・地球博開催の530日前が本年10月12日であることから、10月12日を含む本年10月をあいちクリーンキャンペーン推進月間としている。この月間では、県民、事業者、各種団体、市町村等に、散乱ごみの清掃を始めとするクリーン活動の実施・参加を呼びかけ、すべての市町村及び約150の事業所・団体等において延べ100万人を超える人々が、クリーン活動に参加する見込みとなっている。
 県としては、あいちクリーンキャンペーン推進月間の最初の日曜日である10月5日に、愛・地球博の開催地である瀬戸市及び長久手町において、地元市町等と一緒になって、道路等に散乱している空き缶、たばこの吸殻等の散乱ごみの清掃活動を実施することとしている。
 なお、当日は知事も瀬戸市、長久手町のクリーン活動に出席し、長久手町では清掃活動をすることになっている。

【渡会委員】
 お仕着せ的な運動は広がらず、行政のお膳立ての上での住民運動的なものが多いようにも思う。県民が率先してごみを拾うようになるとよい。その点について何か特別に方策はないか。

【環境政策課長】
 環境保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律では、現在の地球温暖化を始め山積している問題に対しては、基本的に各界、各層の自発的な取組が必要であると考えられており、そのための情報の提供、体験機会の掟供による地域の盛り上がりが重要になる。ごみゼロの活動もこれと同じである。愛・地球博を契機として、その後も続くようなものにしていきたい。



平成15年10月1日

【渡会委員】
 中部国際空港の整備状況、現在の進捗状況、事業スキームを教えて欲しい。

【航空対策課主幹(新空港)】
 工事の進捗状況は、8月末で旅客ターミナルビルが44パーセント、滑走路・誘導路が35パーセント、エプロンが56パーセント、7月からスタートした貨物ターミナルが4パーセントであり、順調に進んでいる。また、事業スキームは、平成9年度に事業化が決まったときに、総事業費は7,680億円を限度とすることとされた。このうち、4割は国、自治体、民間の無利子資金をあてることとし、民間にあっては出資、国と自治体にあっては出資と無利子貸付という方法で出すこととされた。6割は空港会社が市中から借入により調達することとされている。

【渡会委員】
 先般、中部国際空港株式会社は事業費の縮減を発表したが、その概要を教えて欲しい。また県としては縮減についてどう考えているか。

【航空対策課主幹(新空港)】
 8月末に国土交通省が財務省に来年度の概算要求を行ったが、それによると、空港会社が行う事業については、平成15年度までに措置された予算の6,431億円で対応することになっている。当初7,680億円という計画でスタートしたので、単純な差引で1,249億円が必要でなくなったということであるが、会社の説明によれば、現時点で削減できたのは1,000億円程度で、その内容は、金利が当初予定していたより低かったことなどで340億円、用地造成で600億円、当初考えていた施設の一部先送りで60億円となる。残る249億円については、今後さらに削減するよう努力していくとのことである。県としては、財政状況等を勘案すると、率直に言って大変ありがたい。相当規模の削減をされたことに対して、空港会社始め関係者の努力、協力の結果と理解しており、評価している。

【渡会委員】
 PFI事業の取組について、国は平成11年7月にPFI法を制定し、平成12年3月には基本方針を決定した。本県では、平成11年6月に庁内の研究チームを発足させて、職員の意識啓発、情報の共有を図り、各部局において県事業への具体的な導入を検討してきた。発足から丸4年が経過したが、現在までの取組と成果を伺いたい。

【企画課長】
 企画振興部としては、導入の予備調査を実施し、どのようなものがPFI化できるか調査した。現在は、農林水産部で森林公園のゴルフ場整備について、事業の具体化が検討されている。また、中小企業センターについても、予備調査でPFIの効果があるものと評価し、産業労働部で今年度詳細な調査に入った。ただ、まだ具体的に着手した事業はない。昨年度は職員向けにガイドラインを作成した。

【渡全委員】
 これまでに、各部局からPFI事業として候補にあがってきた事業は年度ごとに何件か。

【企画課長】
 予備調査を行った事業の件数としては、平成12年度は3件で、これは、社会教育施設、レクリエーション施設、行政の情報化に係るものが各1件である、平成13年度は2件で、都心型公共施設、農林水産振興施設が各1件である。平成14年度は医療関係施設が1件である。

【渡全委員】
 各部局から、こういうものを考えているとか、事業者がこういうことを言ってきているとかいう話はなかったのか。

【企画課長】
 企画課で具体的に取り上げる前段階として、各部局からもっとたくさんの案件が上がってきている。

【渡会委員】
 4年たって、今ごろマニュアルができたのはどういうわけか。中部空港で1,200億円の節減ができたのは、まさしくPFI事業であると思う。マニュアルの整備や内容の周知徹底は大切であるが、そのことばかりが優先されると、事業の発案において斬新でダイナミックな発想がなくなり、チャンスを逸してしまうのではないか。それから、6月に法改正で、株式会社が公の施設の管理を代行できるようになった。PFIを導入しやすい環境は整備されてきている。そういうなかで、連絡調整ではなく、ぐいぐい引っ張って行くのが企画振興部であると理解している。これからの取組で積極的、具体的にどのように推進していくのか。

【企画課長】
 PFIの効果が高いのは施設の新築、改築といった、建設事業の設計、運営管理であるが、愛知県では箱もの抑制を行っており、なかなか具体化しない。各部局で職員がアイデアを出したものは広く取り上げていきたい。

【渡会委員】
 今の時期、大きな箱ものができないのは理解する。ソフト事業など、小さな部分でも民間に任せればいいものはいくらでもある。それが愛知県の産業の振興、活性化にもなる。

【企画振興部長】
 PFIの趣旨がわかりにくいので研修などを行ってきた。ソフト事業も含めて検討していきたい。庁内でワーキンググループを作って検討しているので、企画振興部としては、各事業課の取組を支援し、積極的に取組んでいきたい。



平成15年11月27日

県内調査 掲載は割愛させていただきます



平成15年12月8日

【渡会委員】
 たい肥による地下水汚染が問題になっているところがあるが、野積みされているたい肥は廃棄物となるのか。

【廃棄物対策課主幹(審査)】
 積んでおく期間、どのように利用するかといった状況によって、たい肥か廃棄物かが判断されるもので、一概に積んであるから廃棄物であるとは判断できないものである。

【渡会委員】
 たい肥の野積みは地下水汚染の原因となっているか。

【地盤環境室長】
 たい肥に含まれる窒素成分すなわち硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素が地下水に溶け出すことによって汚染が引き起こされる。これらは有害物質として地下水環境基準が設定されている。

【渡会委員】
 たい肥の野積みは条例違反となるのか。

【地盤環境室長】
 環境基準であって規制基準ではない。

【渡会委員】
 たい肥の野積み対策については国の方で対応されているが、そのやり方について県はどのように考えるか。

【環境部技監】
 農業三法で、たい肥について地下浸透防止をしたりできるだけ早くすき込むようにしていると理解している。

【渡会委員】
 愛知万博を契機として、瀬戸の海上の森における体験学習にどう取り組んでいくか。

【環境政策課長】
 愛知万博全体が環境教育の場であると考えている。
 国際博覧会協会が、長久手と瀬戸の両会場で体験学習を検討している。このほか、海上の森ではNPOが自主的に環境学習活動に取り組んでおり、県自身は間接的に協力することはあるが、直接的に事業として行うことは考えていない。
 なお、海上の森は博覧会終了後に里山学びと交流の森という体験学習の場として整備される。

【渡会委員】
 環境体験学習の指導者の養成には県としてどのように取り組むのか。

【環境政策課長】
 指導者の養成については、昨年度に開設したインターネットを利用した講座とフィールド研修を実施しており、毎年充実を因っている。指導者の養成も、環境教育の基本方針策定の際に検討したい。



平成16年3月16日

【渡会委員】
エコイベントについて伺う。平成15年11月議会代表質問において、私からのエコイベントについての質問に対し、指針のようなものを策定中であり、来年度早々から実施していくと知事から答弁いただいた。愛知県において、このエコイベントの定義をどのように考えているか。

【廃棄物対策課主幹(循環)】
 県が主催又は共催する大会、シンポジウム、講演会等を対象として、環境負荷低減のための取組を行っていく。

【渡会委員】
 エコインベトと認定するための要件や取組内容はどのようなものか。

【廃棄物対策課主幹(循環)】
 県が主催又は共催する場合で、実施について県が管理できるもので、100人以上の県民、事業者を対象としたものについて環境配慮の取組を行う。
 取組内容については、広報活動はインターネット等を積極的に活用する、公共交通機関による来場を呼びかける・使い捨て商品などのごみの増加をもたらす物品を配布しない、省エネの実行、ごみの分別の仕方などを参加者に明示することなどを行うこととしている。

【渡会委員】
 このような要件を設けることによって、本来の目的を逸したりすることがあってはならないと思う。指針の策定状況について質問をすると、策定中であるという答えをよく聞く。今求められていることは、スピーディーかつ的確に情報を得て、しっかり取り組んでいくことである。エコイベントについて指針を作成するとのことであるが、市町村等へ広めるために、併せてマニュアルなどを作成する予定はあるか。

【廃棄物対策課主幹(循環)】
 指針は、取組内容を掲げるだけでなく、チェックリストにより企画段階と実施段階においてチェックをし、以後の開催時に取組が一層進められるようにするなど、方法等も盛り込むため、特にマニュアルを作成することは考えていない。

【渡会委員】
 これでは11月議会での知事の答弁以上のものが何も出ていない。指針の作成等が遅れているのではないか。

【廃棄物対策課主幹(循環)】
 既に、昨年12月から指針案に基づき本庁等において試行を実施している。
 これまでに17件のイベント等について、指針案により環境へ配慮した取組が実施された。今後、問題点、改良点などをまとめあげ、試行内容を精査し、指針を作成する。新年度からこの指針を全県的に実施していくという段取りになっている。

【渡会委員】
 環境先進県として、先行して知事が11月議会で発言しているわけである。その後追いがしっかりとできていないことが不思議である。もう少ししっかりとした指針等を策定するなど、ものの順序を整えていくべきであると思うがどうか。

【環境部長】
12月には指針の案を作成し、既に本庁、総合庁舎において試行を行い、4月からは指針により、実行できるよう進めており、遅れているということではないが、指針をマニュアルとして、県において取組を実行し、市町村へも広げていきたいと考えている。

【渡会委員】
 他県のまねごとではなく、環境先進県を目指しているということが、時を得て打ち出していけることを待っている。県民に自信をもって発表できるものを打ち出されることを要望する。



平成16年3月17日

【渡会委員】
 予算に関する説明書109ページの4総合交通システムモデル圏域ビジョン策定費について、再度説明を聞きたい。

【交通対策課長】
 この事業は昨年度からの継続事業であり、愛知県は2005年の博覧会を機に、アクセスの道路やリニモなどの鉄軌道、空港などの交通システムが整備される。これらをいかにうまく使っていくかが課題となっており、連携や、バスについても鉄道との乗換えなどの在り方について、どういうやり方が一番望ましいのかを整理して・モデル的な展開をするところ、重点的な展開をするところを検討テーマとして定め、その中で重点的にやるべき事業等を定義することを目指して、来年度までにまとめるものである。

【渡全委員】
 800万円、850万円と、2年かけての事業となるので、無駄のないようしっかりやってほしい。
 次長の概要説明は、2月24日の議案説明会のときとほぼ同じであると思うが、それ以後どれだけ変えたのか、項目も一緒ではないか。

【企画振興部次長】
 議案説明会との説明内容の違いであるが、主要事業についての説明なので、項目は同じである。補足的に説明した点としては、県営空港の空港用地の鑑定機関に関して、議案説明会では信頼できる鑑定機関としていたが、今回は財団法人日本不動産研究所であることを明らかにした。

【渡会委員】
 時間は効率よく使いたい。もっと議論を深めたいが、説明が型どおりで終わってしまう。

【企画振興部長】
 委員会では主要な事業は丁寧に説明させていただいているが、委員会は議論を活発にし、ポイントを絞って議論していただく場であるので、説明の仕方については、次回に向けて検討していきたい。





総合防災対策特別委員会(平成15年5月〜平成16年4月)

平成15年7月24日

【渡会委員】
 あいち地震対策アクションプランの予算規模は、平成14年度から平成18年度までの5年間で約5,000億円を投入することになっているが、静岡県は、東海地震対策など毎年の積み重ねにより22年間で1兆5,000億円を地震対策に投入し、また、県内企業の協力を得て法人事業税の超過課税を行い、それを地震対策に充てたとのことである。
 本県では、県債の一部を防災対策にも活用するなど成功しているものもあるが、緊急に様々な対応を行う必要があると思う。5年間5,000億円で十分満足のいく対応ができるのか。 元々ハード事業が実施されていないことで県・市町村ともに事業の見直しを迫られていると思うが、愛知県内でも静岡県と同じくらいのことをしている地域もあり、豊橋市では大学を引き込んだ協議会を立ち上げている。静岡県は1兆5,000億円の約3分の1を市町村に対する補助事業として支出しているが、愛知県では、市町村へのソフト事業、ハード事業など支援事業に対する補助についてどのように考えているのか伺う。

【防災課主幹(政策・企画)】
 5年間で4,500億円から5,000億円の予算規模としているが、本県でも新城市が強化地域に指定されて以来力を入れて事業を実施しており、阪神・淡路大震災の発生以降、より一層力を入れている。
 本県でも、平成14年度予算額で約8,500億円を投入するなど、静岡県同様、相当規模の地震防災対策事業を実施し、トータルすればかなりの額になると思っているが、今までこうしたアクションプランを作成していないので具体的な数字は分からない。

【渡会委員】
 国・県から被害状況調査の結果が出され、地元でも1キロメートルメッシュではなく、500メートルメッシュの調査を実施したらどうかという話を聞いているが、市町村対応として追加された5,000万円は、市町村のハード面に対してのものか、それとも、特別な地域を意識した事業に対して補助されるものなのか。

【防災課主幹(防災支援)】
 市町村支援については、平成14年度1億円、平成15年度2億円の予算となっており、1億円のアップとなっている。この1億円のアップの中で、市町村のソフト・ハード両面の地震防災対策事業に対して補助を実施している。
 内容としては、市町村が持っている避難所の耐震化や整備、また、防災カアップのため自主防災組織の整備等に対して支援を行っている。

【渡会委員】
 平成15年4月から民間木造住宅への耐震改修費補助事業の実施市町村に対する補助が行われ基本的に県から30万円が補助されることとなった。従来、市町村を抱き込んだ形の補助制度がスタートできず、耐震診断、耐震改修補助が進んでいなかったことを考えると非常によかったと思う。
 こうしたことから、愛知県全体の耐震診断の進ちょく状況を伺う。また、それに伴い耐震改修補助につながったもの等の実情について伺う。

【住宅企画課長】
 耐震改修補助の進ちょく状況については、今年4月から6月現在で75棟の申請がされている。

【建築指導課長】
 耐震診断の進ちょく状況については、平成14年度3、757棟の耐震診断を行い、平成15年度は目標を40,000棟としており、6月末現在15、274棟の申請がされている。

【渡会委員】
 静岡県の方と話をしたら愛知県の制度は良いと言われ、例えば豊橋市では県の30万円と市の30万円を合わせ60万円の補助がある。こうしたことからみると、耐震改修補助の申請が75棟というのは意外な気がするが、その点はどのように考えているのか。
 耐震改修で所有者の負担が100万円以上となるのは現実としてつらいと思う。また、60万円の補助は緊急補強としての補助であり、緊急補強の仕方や耐震診断の重要性、補助の申請方法等をもう少し分かりやすく周知する必要があると思うが、その点はどのように考えているのか。

【住宅企画課長】
 耐震改修補助は75棟の申請があったが、現在数字が伸びている段階であり、推移をみている状況である。現在49市町村が予算措置しており、県としては事業の重要性を含め、各市町村に働きかけ、まず耐震改修補助制度の立ち上げを広げていくことが大事だと考えている。
 その中で、実際の補助を行う市町村を含め、県民の方に対し、耐震改修の重要性、必要性を幅広く周知していきたい。

【渡会委員】
 東南海地震は具体的に今後30年以内の地震発生確率が50パーセント以上という数字が示されており、県民の方に安心であることを示す必要があるので、是非周知等をしてはしい。
 地震で人が亡くなるのは家屋の倒壊だけでなく、家具が倒れて下敷きになる場合もある。家具の転倒防止器具に対する補助については、市町村の中でも実施しているところもあると聞いているが、その実態を伺う。
 また、高齢者、障害者、母子家庭等では転倒防止用の金具をもらっても、自分で設置できないと思うが、市町村がこうした方の家具の転倒防止対策として、転倒防止器具の設置を地域の大工の協会、シルバー人材センター等のボランティア等に依頼するなど、雇用の拡大につながる事業を実施する場合、補助することは可能なのか伺う。

【防災課主幹(防災支援)】
 市町村の家具の転倒防止事業に対しては本県補助事業の対象となっているが、今のところ、市町村からこのメニューの補助申請は出てきていない。

【渡会委員】
 今のところ補助申請は出てきていないとのことだが、市町村に対して参考例を示すことやアイディアを出してもらうよう働きかけるなど、ハード面だけではなくソフト面についても話をしていく必要があると思うが、この点はどう考えているか。

【防災課主幹(防災支援)】
 年に4、5回市町村担当者会議を開催しており、こうした場を通じて働きかけていきたい。



平成15年8月27日

【渡会委員】
 防災力の向上及び危機管理対応力の向上について、県として県民一人ひとりに対する自助努力の必要性のPRや、企業に対する自助努力の必要性のPRをどのようにしているか。

【防災課長】
 事業者に対する防災意識の向上のための取組としては、商工会議所、商工会、中部経済連合会にあっても内部組織として企業防災委員会等を設置し、様々な取組を進めていただいている。その際、情報の提供やその委員会への積極的な参加をしている。いずれにせよ、地域、行政、企業の三者で防災力を高めていきたいと考えている。今後とも企業防災については、積極的にPRなど支援していきたいと考えている。
 また、県民に対する自助努力のPRについても、あらゆる機会を通じて実施しているが、県下全戸260万世帯に対し、自助努力や危険度を書いた内容の緊急地震防災ガイドを配布している。最近では地域の自主防災組織の組織化や活性化にも取組んでおり、あいち防災カレッジを開催し、自主防災組織等のリーダーの養成に努め、一般県民にも防災に目を向けていただけるるよう努力している。

【消防課長】
 企業の自衛消防隊については、県の消防学校でも毎年10日間程度、ケミカルつまり化学の関係者を集め、いざという時の消火方法、その対応について各企業の防災担当者に対して座学と実践で教育している。

【渡会委員】
 中間指導行政に徹しているのか。

【防災局次長】
 県が啓発するケースと市町村が啓発するケースと色々ある。すみ分けをしているわけではないが自主防災組織のような地域に密着したケースであれば、市町村の方が地域の事情に詳しいことがあるので、市町村でお願いしている。また、県に要請のあったケースにおいては積極的に赴き啓発に努める一方、シンポジウムや広域的な啓発に関する各種行事を実施しており、県としての立場を踏まえ、市町村の啓発を支援しつつ、県が直接啓発を行っている。

【渡会委員】
 防災力の向上や危機管理意識を高めるために、行政、企業、県民、それぞれの連携について、どのように指導されているのか伺う。

【防災局次長】
 災害対策については、総合的に取り組むことが極めて大事であり、行政だけではできる分野が限られていることから、企業、県民、NPOそれぞれに協力をして減災に努めているが、その取組の一つとして防災協働社会の実現を目指して、例えば、条例の制定に取り組んでいる。また、企業については、従業員の安全はもとより、経済活動の推進、さらに企業のもっ防災力を地域に貢献をしていただくことも極めて大事であるので、そうした理解を深めていただくための努力をしているところであり、皆が力を合せてやっていけるような社会づくりために市町村、関係機関ともに、情報の連絡や打合せ会を実施しその実現に努めている。

【渡会委員】
 今の話は中央防災会議で示されたことであり、一つ一つもっと詰めた具体的な施策を展開してほしい。
 最後に、防災対策には人材も大事であり、防災に関する経験を積み上げていく必要があると考えているが、小中学校において、総合的な学習の時間等を使って防災に関する教育は行っているか。また、県立高校や県立大学ではどうか。

【健康学習課長】
 小中学校については、平成14年度から始まった総合的な学習の時間等を活用して年齢に応じた防災教育を実施している。また、今年度の主要政策テーマの事業として、県内8地区において参加体験型の防災訓練を実施し、親子で参加することを通じて児童生徒の防災意識の高揚を図ることとしている。県立高校については、現時点では把握していない。

【防災課長】
 県立大学については、直下型地震の専門家で鈴木康弘助教授、災害情報を教育する小栗宏次教授がいる。また、授業のなかで災害について講義している。



平成15年11月10〜11日

県外調査 掲載は割愛させていただきます。







発言録へもどる