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総務県民委員会(平成16年5月〜)

平成16年6月24日

【渡会委員】
 長崎県の佐世保で、私たちをびっくりさせるような悲しい事件が起きた。また、新宿では中学2年生の女の子が5歳の子どもを突き落とすという、本当かと思うような事が起きている。数字的なことを言えば、小学生が性犯罪の被害に遭う話が急増している。
 そうした中で、青少年育成という観点から話をしたい。青少年という言葉だが、昭和20年代、30年代の古い言葉でもあるので、少し考えた方がよいのではないかと思う。また、今回の佐世保で起きた事件を思うに、インターネット・ホームページ、さらにはチャットを小学校6年生が駆使をして、それによるトラブルが原因ではないかということが報道されている。
 条例でいうと青少年保護育成条例がある。古い条例であるが、有害図書や有害広告を指定し排除しようということで始められた条例であると認識している。ビデオや本、ディスクは条例の網にかかりやすいものであるが、携帯電話の出会い系サイトやメールも含めて、男女を問わず、また、年齢を問わず、小学生にもくる。なんとか守れないものか。
 小学校や中学校でコンピュータ教育が進んでいる状況で、青少年保護育成条例にはテレホンクラブという条項が出てきたり、いろいろ難しい古い言葉が出てくる。時を得た条例なのかと常々思っている。こうした事件が起きないような条例改正が、青少年という言葉も含めてできるか伺いたい。
 条例を定めるにあたっては、学識経験者などから知恵をいただいていると思う。こうした大変な問題が起こって、果たして知事が、青少年問題協議会や青少年保護育成審議会にすぐ指示して対応策を協議したのか伺いたい。また、青少年問題協議会や青少年保護育成審議会には学者などその辺りに明るい方々が入っておられると思うので、研究していただいて条例に取り入れることができないのか伺いたい。

【社会活動推進課主幹(青少年)】
 インターネット上のメールとかホームページとか有害情報はいろいろあろうかと思うが、それらに対する方策として、一点目として青少年保護育成条例で規制できないかとの質問だが、インターネット上の問題を考えると、一つとしては、有害情報の発信者であるサイトの運営者やインターネットの接続業者であるプロバイダなど、情報を発信する相手方を県の条例で指導または規制するとなると、これらの業者は、愛知県内にとどまらず、日本国内または世界にもまたがっていると考えられる。そうすると、愛知県の区域内を規制する青少年保護育成条例において発信者側を規制することは、少し難しいのではないかと考えている。
 そうかといっても、何か愛知県としてやっていかなければならないということは十分考えている。7月には青少年保護育成審議会の開催を予定しており、その中で学識者の方々から意見もあろうと思うので参考にしながらどんな方策がいいかということを考えていきたい。

【渡会委員】
 条例として決めるためには、本県として何ができるかということをしっかり議論すべきだと思う。県民運動も含めてさまざまな形で県民、市町村を巻き込んだ運動が大変重要になってくるし、有効になってくる。そうした積み上げが大事だと思うがどうか。

【社会活動推進課主幹(青少年)】
 愛知県として具体的に何ができるかということを考えており、現状では、青少年への有害な情報への対策としては、例えば家庭で、保護者の方がパソコンやインターネットの使い方を学んでいただき、子どもがインターネットで何をしているかを理解し、子どもとの会話を通して勉強していただくとか、学校でインターネットの利用方法やモラルについての指導をしていただくとか、更に、インターネット情報の価値や真偽、情報技術の持つ特質などを十分見分けるカ、いわゆるメディア・リテラシーの向上のために、学校・家庭・地域が力を合わせて取り組んでいただくことが大事ではないかと考えており、これらのことを含め、青少年育成推進本部を中心として、青少年健全育成県民運動などを通じ、県民、市町村、各種団体など、幅広く啓発していきたいと考えている。

【渡会委員】
よろしくお願いしたい。繰り返しになるが、青少年という言葉は適切なのか。

【県民生活部長】
 青少年という言葉は、広い意味をもっており、児童、幼児、少女の問題、いろいろあり、いろいろな場で議論されてきている経緯もある。法や要綱などを見ると、だいたいが青少年という言葉であり、定着している感がある。これが本当にいいのかという議論もあるが、どの言葉がいいのかということで論議した場合に、新しい言葉はなかなか浮かばないのではないかと思う。全国、基本的にはこの青少年という言葉で進められており、ご指摘の点も十分踏まえ検討はさせていただくが、すぐに新しい言葉を愛知から発信していくことは難しいと思う。

【渡会委員】
 時の条例になるようにしてほしい。
 文化・芸術に慣れ親しむことは子どもに大きな影響を与えるものだと考える。県として、子どもへの施策はどのように実施しようとしているのか伺う。

【文化学事課主幹(文化振興〉】
 次代を担う子どもたちの文化芸術とのかかわりについて、県としても、子どもたちの生かな人間性や多様な個性を育むために、子どもたちが優れた文化芸術に触れ、感動し、また、文化芸術活動に気軽に参加できる機会を提供することが重要であると考えている。
 昨年8月に策定した愛知文化芸術行動プランにおいても、こうした認識のもと、行勤目標の一つとして子どもの文化体験機会の充実を掲げている。このプランに示した親子ふれあい芸術劇場の開催やオペラ鑑賞機会の提供などの施策を着実に実施していくことはもちろんのこと、県の芸術文化センターや愛知県陶磁資料館においても、親子で参加できる書まざまな子ども向けの事業を実施しているので、一層のPRに努めていきたいと思っている。 また、県以外でも文化庁や総務省所管の財団法人地域創造がきまざまな文化振興の助成制度を設けているので、窓口である教育委員会など関係機関・団体と連携して、制度の周知に努め、これらの制度が子どもたちの身近である市町村や学校等で有効に活用され、子どもの文化体験が充実するよう積極的に取り組んでまいりたいと考えている。

【渡会委員】
 国では、平成13年に文化芸術振興基本法が制定され、14年度の予算から順次、増額されてきているので、有効に活用してほしい。
 国等の事業には様々なメニューがあり、県から市町村にお知らせいただいていると思うが、制度を上手に利用している市町村とそうでない市町村がある。周知徹底の施策について伺いたい。

【文化学事課主幹(文化振興)】
 このような助成制度の括用については、市町村間で温度差があることも事実である。これらの制度については、窓口である愛知県教育委員会と連携して、市町村への周知に努めている。また、文化行政における県と市町村との連携を図るため、年4回開催している市町村文化行政ネットワーク会議においても、国等の新たな助成制度については積極的に情報提供しているところである。今後は、会議において具体的な採択事例を提示するなど。制度の趣旨が十分理解されるように努めていきたい。



平成16年6月25日

【渡会委員】
 愛知県公報こついて伺う。平成16年度の県公報に係る経費について伺いたい。

【総務課主幹(法規審査・行政書士・県公報〉】
 公報発行に要する経費についてのお尋ねであるが、平成16年度の予算で申し上げると、全体で2,891万9千円となっており、その内訳の大きなものとしては、印刷に係る経費が約1,900万円、それ以外には事務的な経費及び郵送料といった内訳となっている。

【渡会委員】
 月極めで販売もしていると思うが、収入はどの程度か。

【総務課主幹(法規審査・行政書士・県公報)】
 無償配布分と有償配布分とに分かれており、有償配布分については、月極めで希望者に対して購読いただいており、月当たり約3,200円といったところである。平成16年度の経費全体に占める売上に伴う歳入については455万円である。

【渡会委員】
 無償配布の配布先ほどのようなところがあるか。

【総務課主幹(法規審査・行政書士・県公報)】
 無償配布分については、県議会議員の方をはじめとし、愛知県選出の国会議員、県政功労者、県事務所や県民正確プラザ、県の図書館等の県の機関、全国の都道府県議会、議会を含めた県内の市町村、そういったところが無償配布分の主な配布先である。有償分については、希望者ということで、民間企業や各種団体、公立の図書館といったところが主な内訳である。

【渡会委員】
 無償配布をする根拠となる条例や規則はあるか。

【総務課主幹(法規審査・行政書士・県公報)】
 愛知県公報規則というものがあり、この規則の第6条に無償配布に関する定めがある。この定めによると、原則有償で配布することになっているが、ただし書きで、愛知県選出の国会議員や県議会議員の方、その他列記されている配布先に対して無償で配布することになっている。

【渡会委員】
 今の話だと月極め約3,200円、年間だと県会議員だけで400万円を超える。一方で、愛知県のホームページでも県公報の閲覧、印刷が可能であることから、私個人としてはホームページで配信をしていただいていると認識しているが、いかがか。

【総務課主幹(法規審査・行政書士・県公報)】
 委員ご指摘のとおり、愛知県公報こついては、平成12年度から愛知県のホームページに登載しており、閲覧することが可能となっている。

【渡会委員】
 (県のホームページて閲覧可能であるのに県公報を郵送することについて)規則に反することにならないのか。

【総務課主幹(法規審査・行政書士・県公報)】
 配布の媒体が複数あるということであり、規則に反するということにはならないと考えている。

【渡会委員】
 私もパソコンの画面は見づらいと感じることもあるが、例えば経費節減、環境保護の観点からも、電子媒体での配信をもって配布しているということにして、何の問題もないのではないか。 しかし、人によっては見づらいということもあろうかと思うので、希望する方には郵送するといった方法は考えられないか。

【総務課主幹(法規審査・行政書士・県公報)】
 ご指摘のとおり配布方法を始めとして発行部数等見直しの余地があると思っている。したがって、例えばの話であるが、今までどおり印刷物の形で読みたいという方もいらっしやると思うので、議員の皆様方のご意見、ご意向もお伺いしながら、希望に応じて、ホームページからの閲覧で十分であるという方に対しては、専らホームページから閲覧いただくということで、配布の仕方を変更するといったことも検討してまいりたい。

【渡会委員】
 ぜひとも検討をお願いしたい。経費削減の折、ホームページで閲覧可能で、なおかつ郵送いただくといったかたちで二重に配布いただいていては、県民に説明がつかない。なるべく無駄は省きたいという思いであるので、早急に検討いただいてご返事いただきたい。



平成16年8月23日

【渡会克明委員】
 新幹線を含むJR各線、名鉄、東名高速道路などの防災対策は緊急輸送の確保の観点からも極めて重要である。その耐震対策の状況はどうか。

【防災課主幹(政策・企画)】
 日本高速道路公団は阪神淡路大震災以後、調査を実施して、耐震化を進めていると聞いている。名鉄やJRについては把握していない。

【渡会克明委員】
 公共交通機関の耐震性について、どのように情報を収集し、県民に提供するのか。

【防災課主幹(政策・企画)】
 東海地震対策大綱では、公共建築物の耐震診断を平成17年度を目途に実施し、その結果に基づき耐震補強を図り、随時それらの状況のリストを公表するように必要な措置を講じることになっている。それ以外については、国から指針が示されると思われるので、それを待って対応していくこととしている。

【渡会克明委員】
 防災局はいつ、何があっても対応できる体制を整えることが必要である。国から指針が示されるのを待つという姿勢でよいのか。

【防災課主幹(政策・企画)】
 JRや名鉄については、事業活動情報としての性格もあり、また、土盛の基準は建物と違うので判断も難しい。国から基準が示されれば明確にできるものと考える。

【渡会克明委員】
 JRや名鉄の運行状況等の県民への情報提供についてはどうか。

【防災課主幹(政策・企画)】
 JRや名鉄の運行状況については、防災情報システムにより運行主体から報告を受けて公表することとしており、運行主体にもライフライン関係機関として協力を依頼している。

【渡会克明委員】
 この度の各地での土砂崩れによる死亡には、災害弱者、特に高齢者に関するものが多い。避難勧告の遅れなども指摘されている。避難勧告・指示を行う場合の目安に関する検討ワーキンググループ報告書や市町村災害弱者支援体制マニュアルを作成し、市町村に配布したとのことであるが、市町村によっては取り組み方に地域差があると思うが、どうしているのか。

【防災課主幹(政策・企画)】
 愛知県水害対策検討委員会は東海豪雨に係る対応の反省から設置され、その検討報告書では、大雨警報などの基準を徹底するとともに、避難勧告・指示を行う場合の目安が示され、首長が避難勧告・指示を出す際の参考とすることとした。

【渡会克明委員】
 避難勧告指示の数値的な基準がある市町村数と災害弱者支援体制マニュアルを作成している市町村数を伺う。

【防災課主幹(防災支援)】
 災害弱者支援体制マニュアルについては、作成済み9市町村、作成中7市町村、県のマニュアルを準用しているところが7市町村である。
 避難勧告について数値的基準を有しているのは11市町村であり、条件付きで有しているのが2市町村である。

【渡会克明委員】
 情報伝達だけに限定しても、緊急時の対応マニュアルは必要不可欠であると考える。まだマニュアルを作成していない市町村に対しては県として適切な指導が必要なのではないか。

【防災局長】
 東海豪雨災害の後に検討会を設けて、一律の対策マニュアルが作成できないか検討を行ったが、市町村によって異なる事情もあったため一律のマニュアルではなく具体的な事例を列挙して市町村の対応に役立ててもらうよう配慮した。また、市町村危機管理基本マニュアルを作成、配布し一般的な事項を記述して参考としてもらうようにしている。




平成16年9月30日

【渡会委員】
 消費者問題について伺う。先の国会で消費者保護基本法が36年ぶりに改正された。消費者の利益保護の上でありがたいことである。最近、私の携帯電話にも迷惑メールが多くなり、よく相談も受けるようになった。県民生活プラザに寄せられる相談件数の推移について尋ねる。

【中央県民生活プラザ主幹(消費生活相談・商品テスト)】
 不当請求に関する相談件数の推移については、平成10年度974件、11年度945件、12年度2,076件、13年度2,949件、14年度4,274件、15年度に爆発的に増えて2万851件、平成16年度は4月から7月までで1万951件で、これは15年度の4月から7月までが3,752件であったので前年同期と比べて3倍となっている。

【渡会委員】
 10年ぐらい前と比べて、相談の内容がどのように変わってきたか。

【中央県民生活プラザ主幹(消費生活相談・商品テスト)】
 10年ほど前の消費生活相談は、契約内容の是非についての相談が多かったが、最近は、不当請求、架空請求であり、もともと契約の根拠がないもの、あるいは、会員権の二次被害、内職商法の二次被害といったものにみられるような詐欺的な行為による消費生活相談が相当数を占めていることが特徴である。

【渡会委員】
 公共機関と関係があるかのように装った手口や、内容が脅迫めいた文面のものが多くある。こういった相談に対して、県民生活プラザではどのようなアドバイスをしているのか。

【中央県民生活プラザ主幹(消費生活相談・商品テスト)】
 不当請求の相談の多くは架空のものであり、相談者にとっては全く身に覚えのないものであることから、はがきの内容をよく読んで無視をする、事業者に対して連絡を取ったりすると相手に電話番号や年齢、職業などを知られることになり、そこから激しい電話攻勢などがあることから、あくまで無視をするようにアドバイスをしている。

【渡会委員】
 そのような業者について国で業者名を公表するとか、県警と連携する、携帯電話会社と連携するといった協力体制はとれるのか。

【中央県民生活プラザ主幹(消費生活相談・商品テスト)】
 脅迫的な請求をしてくる事業者については、警察に相談するよう案内をしている。事業者名の公表については、去る8月18日に愛知県が条例に基づいて初めて10社の事業者名を公表し、ホームページにも載っている。
 携帯電話や銀行の口座などが不正に使われている可能性が高いことから、国の関係省庁に対して対策を強化するよう求めている。こうした関係機関からの要請に対し、国では、16年9月10日の消費者政策会議において、対応策について検討を行い、4点について決定している。第1点目は、携帯電話の犯罪利用の防止のためにプリペイド式携帯電話の本人確認の徹底を行ったり、利用停止について検討すること。第2点目は、預金口座の不正利用、不正売買の防止、銀行口座の閉鎖について、引続き取組の強化を図っていくこと。第3点目は、警察当局による取締りの強化、捜査体制の充実を図ること。第4点目は、都道府県、政令指定都市に対して、事業者名を積極的に公表するよう要請すること。こうした決定の中で具体的な施策が決定されていくと考えている。

【渡会委員】
 従来からある強引な電話勧誘や訪問販売などで、最近は、高齢者や軽度の知的障害者に対する相談が増えているように聞いている。例えば一つの商品を買うと、別の業者が来るというようにリストがあるようで、そのやり方は大変腹立たしい。被害にあったときに訴訟を起こそうと思っても、その知識もなく現実には困難である。そのような相談にはどう対応しているか。

【中央県民生活プラザ主幹(消費生活相談・商品テスト)】
 高齢者や知的障害者に対する訪問販売に対しては、事業者指導を強めている。まず、相談の段階では、相談員が相談内容をよく把握するようにしている。また、相談員で処理が難しいものについては、法律相談で弁護士から助言を得ながら共同で処理をしている。
 次に、将来的な課題として、事業者が応じないケースに対処していくため、現在、国民生活審議会では、ADR機能の強化とか、消費者団体訴訟制度の創設が検討されており、このような制度が充実されてくれば、弱者の方々に救いの手が差し伸べられるのではないかと考えている。

【渡会委員】
 法律相談では、弁護士相談を紹介することで終わるのか。

【中央県民生活プラザ主幹(消費生活相談・商品テスト)】
 公の機関であることから、個々の弁護士を紹介することは難しい。プラザの顧問弁護士と相談して、相談者に対して訴訟に勝てそうなのか、和解したほうがよいかなど、協議をして適切なアドバイスをするようにしている。

【渡会委員】
 そこまでやれる人はいいが、大半の人は泣き寝入りということになる。何とか助けることはできないかと思う。そうした中で、当事者の代わりに消費者団体が訴訟を行うという議論があることについてはどう思うか。また、県内にそのような認定団体があるのか。

【中央県民生活プラザ主幹(県民相談・調整】
 消費者団体訴訟制度については、現在、国民生活審議会で審議中である。この制度は、消費者が被害を受けた場合に、消費者全体の利益のために消費者に代わって団体が訴訟を起こすことができるものであり、この制度は法制上の措置が必要であり、国の審議会でいろいろ審議されていると聞いている。
 また、消費者団体訴訟ができる受け皿としては、9月7日の日経新聞等の報道によると、日本生活協同組合連合会、日本消費者協会、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の3者に、弁護士、学識経験者等が加わる予定で消費者機構日本という団体が設立されたとのことである。

【渡会委員】
 そういう団体が消費者に代わって訴訟ができることは大事だと思う。一番の根本は、泣き寝入りさせないことで、そのためには公的支援が必要である。団体が訴訟を起こせばいいということだけではなく、県として何らかの公的支援ができないか。

【県民生活部長】
 弱者に対する、また様々な消費者に対する課題が非常に大きい。本県では、消費者基本法に先駆け、条例改正をし、積極的にその対応に努力してきたところである。弱者に対する問題については、こちらが規制をかける努力をすると、それを裏返しにする新たな手口でやってくるという状況が見受けられる。県としては、啓発、事業者名公表、県警への通報、電気通信事業者や銀行への本人確認等の要請等の努力をしている。条例の中にも救済制度があるので、そういう制度を活用しながら、できるだけ弱者の方々について手厚く考えていくことを検討してみたい。
 いずれにしても、全体で抑止していくことが大事であり、国においても基本法ができ、基本計画の作成など、いろいろ検討されている。消費者被害は、一人だけの問題でなく、全国的に広がるということもにらみながら、ご指摘の点については、配慮するように努力していきたい。



平成16年10月1日

【渡会委員】
 愛知県公報の配布について6月議会の委員会で聞いたところ、8月に県からアンケート調査が来た。その後の結果を聞きたい。

【総務課主幹(法規)】
 県議会議員のほか、本県選出の国会議員、県政功労者には、全員一律に無償で郵送していたが、このたび愛知県公報の配布に対する意向を聞いたところ、今までどおり発行の都度郵送を希望する方が全体の約3割であり、政治団体の収支報告の掲載されたものなどの特定のものだけの郵送を希望する方が約5割、郵送の必要はないとする方が約2割であった。そこで、このような意向に沿い、本年9月1日以降の発行分からは希望に応じて配布するという取扱いに改めたところである。具体的には、配布の根拠である愛知県公報規則を改正し、県議会議員等に対しては、「無償で配布することができる」という規定に改めた。

【渡会委員】
 見直しの結果、どのぐらい経費の節減になるのか。

【総務課主幹(法規)】
 本年度では、概算で約300万円、来年度については、約330万円程度、16年度予算を基準にすると、県公報の予算額約2,800万円の約12パーセントが節減できることになる。

【渡会委員】
 更に節減を図ることは可能か。

【総務課主幹(法規)】
 削減方法には二つの観点がある。一つは、配布先の見直しであるが、他の都道府県議会や県内市町村議会などは地方自治法の規定で配布することになっており、直ちには難しいと考える。もう一つは、登載項目の見直しである。法律、条例上公示することになっていても、愛知県公報と特定されていないものもあり、節減の余地はあると思われる。

【渡会委員】
 新行革大綱について、9月にホームページに有識者アンケートの調査結果が登載されていたが、対象はどのような人で回収率はどのぐらいか。

【総務課主幹(行政改革推進)】
 5月から6月にかけて実施したもので、対象は法令や条例等に設置根拠を有する県の附属機関の構成員から200人を無作為抽出した。具体的には大学の先生や民間事業者等であり、104人から回答があり、回収率は52パーセントであった。

【渡会委員】
 期間が短いということもあったのかもしれないが、104人というのは少ない。質問が難しいのかと思って全部見てみたが、答えられないような質問はなかった。回答が少ないとは思わないか。

【総務課主幹(行政改革推進)】
 104人という数字は決して多くはないと思う。回答期間が2週間と短かったこと、回答を義務付けず任意で行ったこと、専門家であったことから敬遠されたということがあるかもしれないが、実施手法について反省しなければならないと思っている。

【渡会委員】
 新行革大綱にどれぐらい参考にするのか。アンケート結果について特徴的な点は何か。

【総務課主幹(行政改革推進)】
 行財政改革に長年取り組んできた努力は一定の評価をするというご意見が7割ぐらいあった。
 更なる取り組みが必要な事項としては財政の健全化や人材育成・活用に対する意見が多かった。このほか、行政と民間とのかかわりについても参考となった意見があった。

【渡会委員】
 総務事務センターを平成18年度中に設立するとのことだが、これは、事務の専業化の見直しの最たるものだと思う。先進県があり、既に独自のソフトを作りアウトソーシングと連携して進めているところもある。愛知県の場合、人件費や事務費、システムの維持費等、どのように計算し、どのぐらいの節減ができると見込んでいるか。

【総務課長】
 総務事務センターはITを活用し、18年度の半ばのたち上げを目指して進めているところである。いわゆる庶務系の事務をすべて集約化し、更にそれを外部委託することによって効果をあげようというものである。総務事務センターに事務を集中化することによってどれぐらいの効果が出るかということだが、これからまだ精査をしていく段階であるが、対象となる職員は、事務職員と小中学校・警察を除く全職員ということで、2万5,000人分の職員の事務を集中化することによって、約500人ぐらいの人員削減効果がでるのではないかと見込んでいる。
 一方でシステムの開発、運用で、毎年2億5,000万円ぐらい、開発費にはおおよそ15億円ぐらいかかると考えている。また、センターにも職員、アウトソーサーをはり付ける。500人の削減効果で210億円ぐらいの経費の削減ができるだろうと考えている。それから例年かかる経費及び開発費については61億円ぐらいの見込みである。その結果、差し引きでだいたい150億円ぐらいの効果があるのではないかと考えているが、いずれにしても来年度に向けて査定をして、更に精緻な数値にしてくものである。

【渡会委員】
 愛知県の行革大綱はかなり具体的にうたってあり評価できる。先ほどの総務事務センターについては、何らかの形で行革大綱の中にうたってあるのか。

【総務課長】
 総務事務センターのもととなる内部事務の見直しについては、現在の改訂行革大綱に盛り込んでいる。その改訂版を受けて、昨年度、庶務事務の職員を各課から主管課に集中させ、既に60人程度の削減効果を出している。
 また、今年度から18年度に向けてITの活用による総務事務センター構想に取り組んでおり、当然、今度の新行革大綱にも盛り込んでいくし、その削減効果もしっかり出していきたいと考えている。

【渡会委員】
 それだけの削減効果が出ることはすばらしいが、その半面で多くの犠牲がでる危険性をはらんでいる。一つ一つの問題を議論の場に乗せていってほしい。行革大綱の策定は12月ともう間近であることを考えると不安である。
 財政課長に伺うが、先ほどの総務事務センターの設立による削減効果についてどう考えているのか。また不安があるとすればどのような点か。

【財務管理監兼財政課長】
 総務事務センターについては、仕事のやり方を見直してお金を生み出そうという取組である。常々、議会の皆様からも言われているように、一律の削減ではいけない、仕事のやり方から見直そうという削減であるので、期待をしている。総務課であらあらの削減額も出しており、これを大綱の策定や予算作業の中でブラッシュアップしていく必要があると考えている。また、セキュリティ面での問題や、現場が混乱して一時的に業務が停滞するといった支障が出る危険性もあると考えている。そうした支障が出ない範囲でどこまでお金が節減できるのか、両者のバランスをどこで取ってどう最大の効果をねらうかが一番難しいと思うので、施策としてやっている総務課と節減効果を期待する財政課の間でよく議論して進めてまいりたいと考えている。

【渡会委員】
 総務事務センターの成功は、ソフト一つとってみても、システムにしても、本県のみならず他県にも大きな影響を与えると思う。誤らないよう、逐次、我々にも情報提供して進めてほしい。総務部長はその点についてどうか。

【総務部長】
 委員指摘の点はよく理解できるので、情報漏れ等起こらないよう議論しながら進めていきたい。



(県内調査)
平成16年11月11日(木)

《愛知県陶磁資料館》
【富田委員】
 入場者数は、1日平均200人から300人ぐらいであるが、内訳はリピーターが多いのか、新規が多いのか。小学生の団体も多いのか。

【愛知県陶磁資料館】
 3年ほど前にアンケートをした結果では、小学生の団体は2割程度、またリピーターは四・五回以上が二・三割というところであった。

【富田委員】
 万博期間中にいろいろなイベントをやるのであれば、来場者には陶磁資料館に自家用車で来ていただけないことの事前の案内を今からやっておく必要があると思うが、対策は考えているか。

【愛知県陶磁資料館】
 九十数パーセントの方が自家用車で来場されている。万博期間中はガードマンが立つことになるが、駐車できないことについては、早めにホームページや県の公報など、機会をとらえて周知してまいりたい。

【富田委員】
 安く済まそうと思えば看板が一番いい。万博期間中にいろいろなイベントがあることを書いた上で、自家用車で来場できないこと、公共交通機関を使ってほしいことの周知を今からやるぺきである。

【かしわぐま委員】
 英語解説ボランティアを館内に常駐させるということだが、万博期間中の外国人来場者はどういう言葉を使われる方であると予測しているのか。

【愛知県陶磁資料館】
 パンフレットは英語、フランス語、韓国語、中国語の四つを併記しているが、ボランティアは英語だけである。

【かしわぐま委員】
 英語解説ボランティアだけでいいと考えた根拠は何か。

【愛知県陶磁資料館】
 他の言語のボランティアの必要性も十分認識していたが、中国語や韓国語のボランティアはあまりいないこと、英語が万国共通語であることなどから判断した。

【かしわぐま委員】
 常駐するというのは、開館時間内はボランティアがいるという認識でよいか。

【愛知県陶磁資料館】
10時から3時まで2名常駐させることとしている。現在90人ぐらいのボランティアを養成している。

【かしわぐま委員】
 「万博会場の近くにある陶磁資料館へ来てください」というコマーシャルはどう行っているか。

【愛知県陶磁資料館】
 いろいろな形で行っているが、例えば、当館のイベントを博覧会協会のパンフレットに入れてもらう、現在交渉中であるが瀬戸市が行う「せと・やきもの世界大交流イベント」の中に入れてもらうなどである。
 また、愛知万博記念特別企画展「桃山陶の華麗な世界」は当初は博覧会協会との共催事業ではなかったが、PRにつながることから共催事業にしていただくよう申し入れているところである。

【渡会委員】
 諸収入については、どういう内容か。

【愛知県陶磁資料館】
 宝くじ収入である。

【渡会委員】
 万博後、常にお客が来るようにするにはどうしたらよいと考えるか。先日、函館市立の小さな博物館へ調査に行った。そこではNHKのドラマに関連する特別展などを行い、1日の入館者が常設展のときは410人で、特別展では600人になったという。大変な数である。函館は地理的に旅行者が多いということもあるが、このような旅行者を取り込む、マスコミ等と協力するということが考えられるが、どうか。

【愛知県陶磁資料館】
 ご指摘のとおりである。現在はJR東海が行っている観光のルートの中に入れていただいている。当館は地味な内容であるので大勢の人を取り込むには、陶磁だけでなく美術や音楽など付録的なものをつけて運営していくのがよいかとも考えている。今回の「唐三彩展」では二胡の演奏を行うこととしており、このような人をひきつけるものを用意していかないと難しいと思う。今後の課題である。

【渡会委員】
 思い切ったことを考えてほしい。



《愛知県美術館》

【富田委員】
 収入・支出に関連し、職員数について、正規職員とそのほかの職員の内訳を伺う。

【愛知県美術館】
 美術館においては、職員19名、嘱託員1名である。

【富田委員】
 給与はセンター全体でしか分からないか。

【愛知県美術館】
 手元に資料を持ち合わせていない。

【佐宗委員長】
 後刻、資料を用意してほしい。

【金澤委員】
 所蔵作品展の観覧者数が平成11年度から15年度までで減少しているが、特徴があるのか。もう1点、万博にあわせた「自然をめぐる千年の旅−山水から風景へ−」の企画展で、国宝などの作品で展示が決まっているものがあるか。

【愛知県美術館】
 所蔵作品展の観覧者数は、そのときどきの企画展の内容とリンクしてくる。企画展の入館者が少ないときは所蔵展も減少する。
 T自然をめぐる千年の旅−山水から絶景へ−」については、出品作品は99パーセント確定しており、最も古いもので東京芸術大学所蔵の国宝の絵因果経という作品を初め、信貴山縁起絵巻などがある。新しいところでは、横山大観の生々流転があり、奈良時代から近代までの名品が出そろうことになる。

【金澤委員】
 所蔵作品展の観覧者数は企画展の影響により減少してきたという趣旨に骨け取ったが、15年度は少し増加しているが、合計でも暫滅している傾向にある。分析はしているか。

【愛知県美術館】
 平成11年度、12年度は東京国立近代美術館の改装に関係し、600点ほどの作品を預り、13年度、14年度は三重県美術館の改装て600点ほど預かっていた。これらの作品をいかして、例えば東山魁夷展を開くなど、特別な展示が重なった時期である。15年度からは愛知県美術館の所蔵作品による20世紀の美術の展示に取り組み始めた。これらのことが要因の一つとしてあると思っている。

【金澤委員】
 理由はいろいろあるだろうが、美術館は一等地に所在しているわけてあり、16年度はこうした暫減の傾向から回復するような対応をしているのか。

【愛知県美術館】
 日本では、所蔵品展で来館していただくということが少ない。まず、地元の方にこれだけのものがあるということをアピールしていくことが大切である。宣伝費に閲しては、まず企画展にいき、常設展については軽んじられてきたところがある。昨年、常設展のポスターを初めて作り、今年も所蔵作品をアピールするポスターの作成を考えている。なんらかの形で、所蔵作品に県民の関心を向けていきたいと思っており、それには、企画展より経費と労力、知恵がいるが、やらなければならないと考えている。

【金澤委員】
 これからの方針も伺ったので、うまくやってほしい。

【かしわぐま委員】
 ギャラリー展示室について伺う。うれしいことに利用率が100パーセントであるが、別の見方をすると、毎年、新規よりも継続利用者が多く、固定した団体に優先的に貸すということがありはしないか。芸術文化の底上げという観点からのギャラリー展示室の利用促進について、どのような工夫をしているか。

【愛知県美術館】
 ギャラリーはより多くの方にご利用いただくのが望ましいので、受付の段階から努力している。利用許可をするには優先順位を設けており、まず、日にちである。しかし、現実の間頓としては、日にちが重なる。更に継続の大半は、全国的な巡回展を行うなど優先順位の高い団体であり、要望の段階ではもっと多くの部屋を使いたいということであるが、なるべく作品を抑えていただくようお願いしている。16年度上半期は5件の申込みに対して、調祭の結果、3件新規の方に入っていただけた。このような努力をしている。

【渡会委員】
 美術館運営費について、企画展、特別展で国宝級のものなどをお借りすると、こん包、運搬などの経費は2億6,700万円のうちどのぐらいかかるのか。

【愛知県美術館】
 展覧会によって様々であるが、大きいのは輸送費と保険料である。例えば「自然をめぐる千年の旅−山水から風景へ−」の企画展では、輸送費が1,500万円程度、保険料が1,000万円程度と考えている。

【渡会委員】
 総額に対して約1割ということか。

【愛知県美術館】
 美術館運営費のうち展覧会開催経費は1億8,000万円である。最も多く経費がかかるのは輸送費と保険料で、総額の2割から3割程度である。

【渡会委員】
 国宝級のものを僧りれば経費はかかるが、経書を抑える中で県民の方に機会を設けるのは大事なことであるので、工夫をしてほしいがどうか。

【愛知県美術館】
 展覧会で最善を尽くそうと思うと費用がかさむ。借り先をまとめるだけでも経費が安くなる。高く望むところと経費を抑えていくところを館内でも理解してもらうよう努めている。

【渡会委員】
 ポリシーのある、県立美術館らしい所蔵作品をいかした展覧会をしてほしい。

【愛知県美術館】
 企画展をやるとき、美術館で所蔵している作家との関連を常に念頭に置いている。国宝級の展覧会はなかなかできないもので、国宝1点を動かすだけでもかなりの制約がある。「自然をめぐる千年の旅−山水から風景へ−」は、万博のテーマにそって考えた企画である。そのほか、水村定三コレクションによる熊谷守一展も軽費を抑え、コレクションをいかした展覧会として付置付けている。

【愛知県美術館】
 先ほど富田委員から質問のあった職員の人件費であるが、事業概要にある職員給与費は、16年度当初予算で4億9,347万8,000円で、栄施設の全職員が58名で単純に美術館職員19名であん分をすると、1億6,165万6,000円である。





平成16年12月13日

【渡会克明委員】
 新潟中越地震では交通網が途絶したため防災ヘリが効果的であったと思う。防災ヘリの離着陸の場所については事前に許可を得ておかなければならないが、それがなされていたので救援物資の運搬等に大変役立ったとのことである。愛知県の場合、この手続きはどのようになっているか。

【消防課長】
 離着陸ができる場所についてはあらかじめ国土交通省から承認を受けており、愛知県下では163か所となっている。

【渡会克明委員】
 この163か所には小学校の運動場も入っているのか。

【消防課長】
 小学校、公園等である。

【渡会克明委員】
 更に増やすことができるものであれば増やしてほしい。
 新潟中越地震の現場では固定電話、携帯電話が使用できず、一時的であると思うが防災無線も使用できなかったと聞いている。調べたところ、防災無線が配備されていないところもあり、配備されていても電源の問題ですぐに使えないところもあったとのことである。本県の状況はどうか。

【防災課主幹(災害対策)】
 本県においては、大容量の防災行政無線を全市町村に配備し、なおかつ全機関に非常電源装置を配備している。また、地上系、衛星系の2ルート化によるネットワークを構築しているので新潟中越地震のようにはならないと考える。

【渡会克明委員】
 心強い話であるが、子どもなど家族の安否確認をするためには防災無線だけでは十分であるとはいえない。これからはパケット通信による情報提供も大事であると考える。携帯電話等を活用して地域の安心安全情報を共有する地域安心安全情報ネットワーク構築事業が今年の12月からスタートしていると聞いており、全国で20の市町、本県では春日井市が選定されているとのことである。災害情報だけではなく、不審者情報などの情報提供にも携帯電話等を活用することは有用であると考える。防災局だけではなく、教育委員会や警察などと連携をとることにより、地域の安心安全を確保していく手段はまだいくらでもあると思うが、県の見解を伺う。

【防災課主幹(政策・企画)】
 NTTドコモに聞いたところ、10万人にメールを送付する場合、今のシステムでは約1時間かかるとのことである。設備投資しだいかもしれないが、現在は相当な時間がかかるというデメリットがある。安否情報については、NTTが災害用伝言ダイヤルを開設するので、それを利用してもらうよう啓発している。メールの利用については、今後の技術の進歩に応じて検討していきたい。

【渡会克明委員】
 パケット通信では決まった文句を送るだけであり、実際に行われており研究もされている。時間についても、郵送が数日かかったことを考えると、1時間でも2時間でも早く情報を伝えようとすることが大切であるし、逆に早く情報をもらえれば的確な手段を講じることができると考えるがどうか。

【防災局長】
 一度構築した制度の再構築には多額の費用を必要とするが、新しい手法についても絶えず考えていきたい。

【渡会克明委員】
 外部委託等であまり費用がかからない手法もあるのでしっかり勉強してほしい。





平成17年3月11日

【渡会克明委員】
 議案質疑の際にも、教育委員会と警察に学校の安全対策、安全確保について尋ね、要望の中で連携のかなめとなるような機関を設置してほしいということを話した。委員会の冒頭の質問から聞いていて思うことは、やはり縦割りでしかあり得ないのかということである。部局横断の連携ということを知事始め多くの人が訴えているにもかかわらず、「県民生活部としては」というような答弁しか聞けない。しかし、それが限界に来ており連携をとらなければならないことを認識していると思う。調べたところ愛知県安全なまちづくり推進本部設置要綱というものがあった。私は連携ということを頭に置いて、これについて質問したい。
 まず始めに、この推進本部が設置されたのはいつか。そして、どういう目的でこの推進本部を作ったのか、また、どういう組織になっているのか伺う。

【社会活動推進課主幹(交通安全)】
 推進本部については、昨年の3月26日に第1回を開催している。これは、4月1日に施行した安全なまちづくり条例について、その基本目標、具体的な施策を定める安全なまちづくり推進事業計画を決定するために作られたものである。構成員は、知事を本部長として副本部長が副知事並びに警察本部長になっている。あとは関係の部局・警察で16部局、20名の構成になっている。

【渡会克明委員】
 要綱を見ると推進本部と幹事会がある。今の答弁は社会活動推進課主幹だがどのような立場で答弁したのか。このメンバーに入っているのか。

【社会活動推進課主幹(交通安全)】
 推進本部の庶務については、県民生活部の社会活動推進課と警察本部生活安全部の生活安全総務課において行うことになっており、その事務を私どもが行っている。

【渡会克明委員】  了解した。第1回の会議が3月26日に開催されたと伺ったが、この1年間に、推進本部と幹事会が、それぞれいつ開催され、どのような検討がされたかを伺う。

【社会活動推進課主幹(交通安全)】
 第1回の本部会議は3月26日に開催し、平成16年度の愛知県安全なまちづくり推進事業計画を決定した。これは年間を通しての基本目標並びに具体的な施策を各部局と連携をとって、それぞれの部局で行ってもらうもの等を決定したものである。それに基づいて防犯に関する自主的な活動の活性化、防犯性向上のための基盤整備といったさまざまな取組を進めているところである。
 幹事会は、本部会議の2週間ほど前に開催しており、この会議の進め方並びに会議への議題の出し方などについて検討がされた。また、この年の7月に安全なまちづくりのための防犯上の指針が施行されるが、その指針の制定に当たってパブリックコメントを実施している。このパブリックコメントの進め方についても、幹事会で協議されている。今年に入ってからは、2月21日に幹事会を開催しており、平成17年度の安全なまちづくり推進事業計画についての検討をしたところある。
 推進本部の会議についてはまだ今年度は開かれていないが、3月14日に開催する予定で準備を進めている。

【渡会克明委員】
 推進本部というのは、年度末に1回、年度の総括と次年度の計画を協議するということか。そして幹事会というのは2回、7月のものを含めると3回やったということか。もう一度伺う。

【社会活動推進課主幹(交通安全)】
 推進本部については、昨年の3月に1回開き、また今年の3月14日に開催する予定である。幹事会については委員指摘の通りであるが、毎月犯罪の発生状況について情報を共有するということで関係部局が集まり、それぞれ情報交換、連絡調整を行っている。

【渡会克明委員】
 幹事会の代表幹事はだれか。代表幹事の答弁を求める。

【社会活動推進課長】
 推進本部幹事会の幹事は、私と県警本部の生活安全総務課長である。

【渡会克明委員】
 今主幹から話のあった幹事会については代表幹事の課長が招集して、今話があったようなことを検討し情報交換を行ったのか。

【社会活動推進課長】
 答弁の通りである。

【渡会克明委員】
 今回の大阪府の寝屋川市立中央小学校の事件や、県内でも大事には至らなかったものの、はらはらするような事件が多発している。他人事ではない。そういう中で、代表幹事は対応について幹事会を招集して相談をしたのか。また、推進本部で何らかの指示があったのか。

【社会活動推進課長】
 時々の事件であるが、緊急の案件のときにはそのまま報告ということなるが、警察本部の対応もいろいろあるので、連携をとってそういうものを判断することになっている。

【渡会克明委員】
 連携をとってどのようなアクションを起こしたのかということである。突き詰めていけば、県民生活部はこういうことをした、警察はこういうことをした、教育委員会はこういう通達を出したということだけである。そうであれば推進本部や幹事会は生きていないではないか。どのように思うか。

【社会活動推進課長】
 ただいまの指摘であるが、昨年4月に条例を作り、どのように進めるかということと、条例の内容が多岐にわたっており多くの部局にまたがっているため、初年度であったことから、どのような目標とするかということなどを検討した。検討の材料を幹事会で議論し、大枠を決めるのが推進本部ということで運用してきた。

【渡会克明委員】
 地域と連携し情報を共有することが大事であることはどの部局も感じていると思う。金も効率的に使いたい。知事が本部長で、これだけのメンバーがそろっていて、子どもが救えないとか、情報が共有できないとか、情報が速やかに地域にいかないとうことはおかしい。行政は条例を作って、実効あるものにするためにこういう機関を作ったと思う。このような組織がある以上生かしてもらいたいがどうか。

【社会活動推進課長】
 今回の条例は、警察本部と知事部局が一緒に作った共管条例である。このような条例は他にも例はあるが、今回は犯罪が爆発的に多くなってきたため警察本部だけではなく、知事部局の関係部局が一緒になって対策をとった方がいいということで新たに条例を作り、推進本部を作ったわけである。
 そのような県の取組と併せて、地域では事業者団体、地域団体、市町村も含めて地域の活動の推進母体、協議会という組織を作りいろいろな取組を進めている。
 今までのものと比べると連携の中身が濃い形で今年1年やって来ており、地域の活動の盛り上がりもあって、少しは結果が出せたのではないかと思う。

【渡会克明委員】
 地域の連携も必要だと思う。条例も作り連携をしていくためには、予算もきちんと考えた上で、私たちがまず連携を組むことが大事であると考えて質問した。
 今回、このようなすばらしい条例を作って、警察も教育委員会に人を出してもらい県民生活部との連携も密になって人事交流もなされている。これから、更に横断の連携ということが大事になってくる。それをやれば地域でも当然そういう取組が行われると思う。これを進める手立てを考えているのか部長に伺う。

【県民生活部長】
 私たちが推進本部を作っているのは、施策を効果的に、総合的に、関係部局と事業が円滑に行くようにするためであり、それに至るまでは財政的な面とか、施策の面とかさまざまなことを積み上げてきて、それを幹事会でやって本部に上がるということである。突発的な事件が起きたときに、連携を十分にとるようにかなり努力して横の連携を図っている。市町村や警察にも頑張ってもらっているし、私どもとしても精一杯頑張らなければならない。事業者の方々にもお願いして頑張っていただく。地域の方々もそうであるが特に県の組織の中でも十分に連携をとり、県民生活部としては各種事業を行うにしても何かが起きたときにもそういう対応をしていきたいと思っている。
 まちづくり条例ができてまだ一年だが、これからより一層活用を図っていきたいと考えている。

【渡会克明委員】
 3月に計画を検討する機会もあるとのことなので、知事、本部長にも伝えてほしい。





平成17年3月14日

【渡会克明委員】
 政策調整室の政策調整会議は、いつから行われており、どういう構成員で、どのようなことを行っているのか。

【知事公室調整監兼政策調整室長】
 政策調整会議は、県政の重要事項にいかに対応するか、県政が進むべき方向を理事者側から検討する会議で、主たるメンバーは、知事、両副知事、総務部長、総務部理事、企画振興部長、県民生活部長、東京事務所長、知事公室長が固定メンバーで、議題により、関係部長が入る。平成11年度から実施している。
 その位置付けについては、部長会議は30名の構成メンバーで部局間の連絡調整を行うものだが、政策調整会議は、理事者側の立場で実質協議、決定をする会議と位置付けている。
 平成16年度は14回ほど開催しており、主なものは、産業創造計画、就業促進プラン、愛知行革大綱2005、教育を考える懇談会等に関するものであるが、政策展開に先立ち、県として方針決定する場合の前段階での関係部局との調整を行い、協議をしている。

【渡会克明委員】
 政策調整会議は県政を実施するに当たり大事な会議であり、県政を運営する執行部側の重要な会議だと考える。ここでしっかり連携が取られ、すべての話し合いの詰めが行われるが、県警本部や教育委員会は会議のメンバーに入るのか。

【知事公室調整監兼政策調整室長】
 当然入るケースはある。教育の懇談会を踏まえた施策の展開といった議論には教育長も参加し、場合によっては警察本部長が参加している案件もある。

【渡会克明委員】
 例えば、学校の安全管理体制においても、これらの連携が必要であると思う。私の思ったほど推進本部は議論しておらず、作業部会である幹事会等においても十分な議論をしていない。政策調整会議はどこまでの詰めを行っているのか。
 また、政策調整会議はいわゆるトップダウンの場所であり、知事公室という政策のかなめにそういった機関を設けたと理解しており、そこには県民の安全・安心のためにすばやく展開できる組織が必要と考えるがいかがか。

【知事公室調整監兼政策調整室長】
 ご指摘のとおり、私どもがアンテナを伸ばしておいて、課題を的確に敏感にキャッチし、県政として不十分な点は、待ちでなく積極的に協議するように各部局に働きかけていく業務が重要と考えており、今後とも努力をしていきたいと考えている。

【渡会克明委員】
 ぜひお願いしたい。手間を惜しまず県民のために尽くす形でないと意味がないと思う。予算の議論とは違い、政策である。大事なブレーンであるので、何かあってから開くのではなく、何事がなくても開くようにしてほしい。

【知事公室調整監兼政策調整室長】
 そのように努めていきたい。

【渡会克明委員】
 特別チームについて、その制度の趣旨について伺う。

【人事課主幹(人事)】
 県民のニーズが多様化する中で、部局の枠を越えた行政課題が増えてきており、改訂第三次行革大綱において機動的、横断的な対応が必要な課題については、プロジェクト方式の活用を図るものとされている。こうした事情から、部局を超えた横断的な行政課題について迅速、的確かつ集中的に取り組むため、関係部局職員を集めてプロジェクトチームとして発足させたものである。

【渡会克明委員】
 現在の特別チームについてどのようなものがあるのか。また、どのような成果があったのか伺う。

【人事課主幹(人事)】
 平成15年4月の発足時に、政策的に緊急度、重要度が高い分野で特別チームを立ち上げ、地方分権、教育新生、自動車環境戦略、エコタウン、知的財産戦略の5チームを発足させた。翌年度には、食と緑が支える暮らしづくり特別チームを立ち上げ、現在、6の特別チームが活動している。
 主な実績としては、様々なプランを策定した。エコタウンを例に挙げると、これまでに50回の会議を行っており、資源循環型社会づくりプランとして、あいちエコタウンプランを策定して国の承認を得ている。このプランで先導的施設として整備を促進した事業について、二つが経済産業省の補助対象として採択されている。それぞれのチームにおいてプランが策定されており、そのプランに基づいた事業展開についても積極的に取り組んでいる状況である。

【渡会克明委員】
 相当の成果を挙げているようだが、その成果が分かりづらい。私たちにも分かるようにしっかりアピールしてほしい。
 また、若手の意見がしっかり取り上げられるシステムになっているかも併せて伺う。

【人事課主幹(人事)】
 これまでプランの策定やプランに基づいた事業化を行ってきたが、PRは不足していた。これからは庁内LANやインターネットを活用し、積極的にPRしていきたいと考えている。
 特別チームは、即戦力として役職者を主な構成員として運用していたが、若い職員が新たな政策課題に取り組んでその中で力を発揮し、ざん新な発想を取り入れることも重要であると考えるので、今後、若手職員の登用についても検討したい。

【渡会克明委員】
 県には優秀な職員もいるので、そのような職員がステップアップできる仕組みにすべきである。現在6チームと聞いたが、今後、増減はあるのか。

【人事課長】
 6チームのうち二つについては今年度限りで廃止する。また、新たな行政課題への対応として、新たな特別チームを設置することを予定している。私どもの関係では人材育成特別チームを設置したいと考えている。そこには若手職員も相当数入れて、意見を聞いていきたい。
 更に、研修所で実施している若手職員による政策研究セミナーで提案されたものについても、予算化したり、特別チームに参画してもらうなど活用していきたいと思っている。

【渡会克明委員】
 新しいことを行っていくことは重要なことであるので、しっかり進めてもらいたい。
 行政における連携について、政策調整会議やプロジェクトチームなどいろいろ聞いているが、一本通ったものがない。本会議で危機管理室と述べたのはそういったものを期待したものである。部長に伺うが、総務部として、行政の連携をどのように考えているのか。

【総務部長】
 行政における連携は非常に重要であり、新行革大綱2005の中でも、全庁横断的な行政課題に対応するため、政策調整機能を強化しようと考えている。今後17年度に検討し、18年度からそういった機能を持った部署をつくって行きたいと考えている。

【渡会克明委員】
 ぜひともお願いしたい。先行して考えている部署が分かれば、安心・安全につながって行くと思うし、今の知事の考え方、キーワードに合致するものと思う。





公営企業会計決算特別委員会(平成16年5月〜平成17年4月)

平成16年11月12日

【渡会克明委員】
 審査意見書の20ページ、付属書の8ページの病院事業費用について、先ほどの代表監査委員の説明の中で、材料費、給与費が増加していると説明があった。平成14年度と対比すると、給与費が1.8パーセント増加していて、その内訳は給料の増である。具体的にどういう形で何が増加しているのか。
 材料費は5.8パーセント昨年より増加しており、主に薬品費、診療材料費の増加である。医療の現況を見て、薬代、機器の値段が上がっている状況があるだろうが、もう少しコメントをいただきたい。
 経費は5.4パーセント増加していて、主に委託費が増加したことによる。具体的に委託費とは何に当たるのか。

【管理課主幹(人事・労務)】
 給与費の増について、平成15年度の給与費は平成14年度より2億6,692万4,411円、1.8パーセント増加している。その要因は、あいち小児保健医療総合センターの全面オープン等に伴い、職員定数が14年度より108人増員したことによるものと考えている。内訳については、給料、手当、賃金、法定福利費等があるが、給料が5.5パーセント上がっている。

【経営課長】
 材料費の増加について、審査意見書の20ページにあるとおり、平成14年度と比べて入院収益が6.9パーセント、外来収益が12.6パーセント、合わせて8パーセント強上がっているのに対して、薬品費を中心とする材料費は5.8パーセントの増に抑えたと言える。しかし、材料費は給与費に次いで構成割合が大きいので、監査委員から指摘を受けたとおり、節減に努めていかなくてはいけないと考えている。特に増えている要因としては、あいち小児センターで増床したことに伴い収益が増加し、材料費も増加したことである。
 委託費の内容は、高額医療器械における保守点検、医事業務、清掃業務などのアウトソーシングである。増えている主な要因は、あいち小児センターが昨年5月に42床から113床に増床したことによる増加と、オーダリングシステムの機能追加に伴うプログラム開発費の増によるものである。

【渡会克明委員】
 薬品と診察用材料について、入札により仕入れていると思うが、新しい薬品や新しい機器が開発されると単価が上がり、節約することは難しいと思うがどうか。

【経営課長】
 委員の言われる状況もあるかと思うが、そういった環境の中でも競争入札の徹底をし、できる限り安価な応札をしていただく努力をして経費の節減に努めていきたい。

【渡会克明委員】
 よろしくお願いしたい。
 監査委員に確認したい。審査意見書の97ページに定期監査の結果が記載されており、「注意改善を必要とする事項が次のとおり見受けられた。」とあるが、文書により病院事業庁に指摘があったと理解して良いか。

【代表監査委員】
 注意改善を必要とする事項については、公報に登載して、担当部局から対処状況を文書でいただいている。

【渡会克明委員】
 病院事業庁に伺う。通勤手当の過支給が3件と扶養手当等の過支給、支給不足があがっている。新しい人が入ったり、既に勤めている人が結婚したり、転居したり様々なことがあると思うが、こういったイージーミスが指摘されるのは恥ずかしいことと思うがどうか。

【管理課主幹(人事・労務)】
 通勤手当については、職員本人からの届出に基づいて所属で認定するが、認定に当たっては経済性、合理性を勘案することとなっている。今回の指摘のうちの一つは、自動車の認定距離の誤りによるもので、自動車の場合には、距離区分が5キロ刻みになっており、例えば5キロ近辺の場合、4.8キロか5.2キロかで手当額が変わってくることとなる。
 また、昨年12月に地下鉄名城線が延長されたことに伴い、新たに届出の変更、経路の変更があり、これに伴う認定誤りが一番多かった。指摘のとおり単純なミスであるので慎重に認定行為をすれば極力防げることであると思う。
 扶養手当については、2件とも子に関する件で、被扶養者である子は22歳に達する年度末まで支給されるが、22歳に達する年度末を超えたことを見過ごしたのが1件。16歳に達する年度始めから22歳に達する年度末までの間の子には加算額があり、いわゆる教育加算であるが、この16歳に達する年度始めになったことを見過ごしたのが1件である。
 こういうことがないように、従来は認定行為を基本的には担当が1人で行っていたが、複数でチェックするようにし、運賃等の額についても、特定区間など複雑な部分もあるが、慎重に取り扱うようにしていきたい。

【渡会克明委員】
 新たに職員になった人や通勤経路が変更になった人は届出をするが、距離はどのように認定するのか。

【管理課主幹(人事・労務)】
 自動車の場合は、自動車に付いているメーター等で本人が使用距離を確認し、届出を行う。認定に当たっては、地図上で計ったり、市販の地図ソフト等を利用するなどして判断している。

【渡会克明委員】
 疑問に思っていることがある。労災上は、決められた通勤経路を通ったかどうかが大切だが、例えば私が通勤経路を申請して、通勤費を計算するソフトで見るともっと合理的な経路がある場合、私が申請した経路は通勤経路として認められないのか。

【管理課主幹(人事・労務)】
 通勤手当は実費弁償的な性格が強い手当で、車については、ガソリン代や車の維持費等を勘案して決まっている。通勤の経路が複数ある場合または日によっては経路が異なる場合もあるが、基本的には職員本人からの届出に基づき、大半の人が利用する経路で通勤手当の額を認定することとなる。

【渡会克明委員】
 よろしくお願いしたい。





平成16年11月16日

【渡会克明委員】
 決算書61ページ、臨海用地造成事業会計の損益計算書の営業費用中、業務費のうち職員給与費はいくらか。

【経営管理課長】
 営業費用中、業務費のうち職員給与費は、1億4,851万6,821円である。

【渡会克明委員】
 水道、工業用水道は退職給与金の支払いがあるが、内陸、臨海に退職給与金の記載がないのはなぜか。

【経営管理課主幹(出納・資金管理)】
 水道、工業用水道は営業費用の総係費で計上しているが、内陸、臨海は造成事業費で計上しており、営業費用の業務費では計上していない。

【渡会克明委員】
 水道、工水と内陸、臨海とでは会計処理の仕方が違うのか。そのような会計基準があるのか。

【経営管理課主幹(出納・資金管理)】
 内陸、臨海は、将来的に土地で回収することになるので、土地の原価に含めるという考え方で造成事業費の中で計上することになる。
 水道、工水は、料金で回収することになるので、営業費用の総係費の中で計上することになる。
 これは、一般的な方法で、他の団体も同様の経理をしている。

【渡会克明委員】
 臨海の職員が減少しているのにもかかわらず、職員給与費の給料、手当、法定福利費は、平成14年度に比べて増えているがなぜか。

【経営管理課主幹(出納・資金管理)】
 内陸、臨海については引当金経理をしていなかったが、平成15年度から退職給与引当金を計上している。また、水道、工水については、平成13年度から退職給与引当金を計上していたが、包括外部監査の意見により、平成15年度から計上の仕方を変更したため、退職給与金が若干膨らんでいる。

【渡会克明委員】
 退職金ではなくて、職員が減少しているのに、給料、手当、法定福利費が増加しているのはなぜかと聞いている。

【経営管理課長】
 平成14年度と比較して、内陸では19人、臨海では18人の減員となっている。

【渡会克明委員】
 議論がかみ合わない。

【企画調整課主幹(業務・経営計画)】
 中部臨空都市の用地分譲が本格化したこともあって、営業に関する事業の人員を増やしたことにより業務費における人件費が増加している。反面、造成工事費にも人件費が計上されており、造成工事の縮小に伴い、人員を減らしたことにより、造成工事費における人件費は減少している。

【渡会克明委員】
 トータルで人員は減っていないのではないか。

【経営管理課長】
 会計には営業的収支と資本的収支があり、それぞれに人員を貼り付け、人件費を計上している。内陸、臨海会計の場合、営業収支では人員、人件費は増加している。造成工事を行う資本的収支では人員、人件費は減少している。会計トータルでは人件費は減少している。

【渡会克明委員】
 人件費は減っているということか。決算資料の中では出てこないのか。

【経営管理課長】
 出てこない。

【渡会克明委員】
 人件費が減少していることがわかる資料を要求する。
 人員の削減については、そろそろ限界に来ていると思う。今後、IT化や事務の合理化、集中化などが必要と考えるが、その予定はあるのか。
 また、水道部門では安心、安全ということで、プロパー職員も最低限必要であると思うが、外部に委託するようなことは何か考えているか。

【総務課長】
 企業庁全体の職員については、平成15年度に定数を39人削減した。その主な理由としては、内陸、臨海における用地造成事業の縮小、内部管理事務の見直し、浄水場の運転管理業務の民間委託などである。今後の人員についても、企業庁の経済性を念頭に入れて、蒲郡浄水場の廃止、水質検査業務の水質試験所への集中など業務の見直しを行いながら人員の削減、合理化を進めていきたいと考えている。

【企業庁長】
 私どもは、現在第3次行革大綱において、県全体で20パーセントの定数削減が目標となっている。
 決算状況については、水道を除いて、工水も厳しい状況になってきている。また、内陸、臨海も地価の値下がりなどいろいろな要素があって厳しい状況になってきている。一方、企業庁の事業は公営企業法で経済性が求められている。したがって、水道、工水では浄水場の運転管理業務を委託に出すなどアウトソーシングに取り組んできている。
 ここ数年の定数削減であるが、平成12年度に30人、平成13年度に36人、平成14年度に30人、平成15年度に39人、今年度は11人の削減を行った。来年度については、厳しい経営環境にあるので精査、検討し、今後人事当局と協議していく必要があるが、今時点では50人を超える定数を削減するつもりである。その結果、目標としている20パーセントを超えて22、23パーセントの削減になると思う。
 企業庁の経済性は法律で求められていることを真剣に検討して、アウトソーシングできるものはどんどん民間に出していく必要がある。また、定数についても無駄がないか全般を見渡して、きちんとした整理をしていきたい。

【渡会克明委員】
 私が言ったのは、とにかく人を減らせという意味ではない。定数を減らすと職員のやる気の問題にもなってくる。したがって、外部委託を行うとか、身分を代えた非常勤職員を使うことも必要であるし、事務を集中化、合理化することも重要である。そのうえで改めて組織機構を見直すことが必要である。人員削減はぎりぎりまでやってきていると理解している。





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