平成17年6月30日
【渡会克明委員】
これからのバリアフリーとサイン付き点字タイルの普及について伺う。
平成6年にハートビル法が制定され、平成12年には交通バリアフリー法が制定された。それぞれの法律に基づいて、建築物や旅客施設、また歩行空間、鉄道車両等のバリアフリー化が進められてきた。
個々の施設の整備という側面においては、ハード、ソフト両面ともに一応の成果が得られたものと理解している。その取組が日々着実に実施されることが今後とも必要であると考える。
今後は、国の施策にもあるが、連続的な移動環境を整備し、総合的なバリアフリー対策を推進することが必要である。その際にはユニバーサルデザインという考え方に基づき、当事者参加のプロセスを経て、できるだけ多くの人にとって使いやすい生活環境の整備を継続的に行っていくことが重要であるとされている。
交通バリアフリー法が施行されて5年目になり、ちょうど見直しのタイミングであるかと思う。そこで、本県で策定される交通バリアフリー法に基づく基本構想についてお伺いする。これは当然事業者、市町が作るわけであるが、愛知県としても関係のところはあろうかと思う。この達成状況について伺う。
【建築指導課長】
愛知県においては、人にやさしい街づくりに関する条例を施行しており、すでに平成6年から10年近くがたち、昨年12月にその改正をさせていただき、新たな段階に入ったと理解している。その条例では、すべての県民があらゆる施設を円滑に利用できることを目的としている。
関連で、条例に関する支援事業として、交通バリアフリー法にも関係するが、駅舎のエレベーター設置に対する補助等の関連補助事業もあわせて行ってきている。 10年近くたち、この当初目的に掲げた円滑に利用できる街づくりについては、進んできているのではないかと理解している。
【渡会克明委員】
国土交通省等へ報告することはないのかもしれないが、アンケートの報告などで数字として報告することは特になかったのか。この目標に対して何割、何パーセント達成というデータがあるように思うがどうか。
【建築指導課長】
交通バリアフリー法に関する愛知県内での状況であるが、15年度末の状況を17年3月にまとめたものである。2010年の目標では、5,000人以上の乗降客がある駅について、それぞれ、目標達成を100パーセントとした場合、駅の段差については35.6パーセントが達成、誘導ブロックについては、27.2パーセントが達成、身障者トイレは20.8パーセントが達成ということだが、いずれもまだまだ低い数字である。
【渡会克明委員】
地域全体の街づくりや交通ネットワーク全体の将来像を描き、その中でのバリアフリーの在り方を考えていくという取組が必ずしも今十分できているかと、非常に疑問に思う。
それで、個々の施設の整備についての既存施設の現状、また、バリアフリー化に対するニーズを十分に把握して改修計画を示すことなど、バリアフリー化を進めていくに当たって、具体的な道筋というものが明確にされて整っているのか疑問に思う。また、管理者側の認識が低かったり、計画段階で利用者の方や住民の方に参加していただき、その声を十分に反映するということもなされなかった気がする。
バリアフリーの実態は、今日も歩いて見てきたが、点字ブロックやタイルは非常に整備がされている。点字ブロックは、バリアフリーの代表格とも言えるものだが、この点字ブロックには2種類あり、細長い線状のものが誘導ブロックで点状のものが警告ブロックである。これらの点字ブロックの敷設にあたって、何か基準はあるのか。
【建築指導課長】
国の動向として、委員ご指摘のとおり、ユニバーサルデザイン関係の動きがある。その政策大綱ということで、国土交通省が6月27日までパブリックコメントを実施していた。その中でユニバーサルデザインの考え方が表明されている。
それについては、やはり利用者、住民がきちんと参加すること、あるいは段階的、継続的に内容として発展させていくこと、その検証を行うこと、その時に人を中心とする視点を常に持つことなどを定めて提案している。
それは、スパイラルアップという表現を使っているが、人のバリアフリー、心のバリアフリーも含め、様々なバリアを徐々に除くことによって、あらゆる人が使いやすい、利用しやすいものにしていくといった考え方の大綱が示されたと考える。
国土交通省は、現在、ご指摘のように二つの大きな法律、交通バリアフリー法とハートビル法によって取り組んでいるが、国の言い方だと、交通バリアフリー法、これは線による整備、それからハートビル法は建物であるから点による整備である。しかし、残念ながら面的な、総合的な整備という意味では、まだまだ遅れているという認識があり、そのことを念頭に置いて今回のユニバーサルデザイン、これを面的に総合的に、常にグレードアップさせる考え方で取り組んでいこうという考え方が示されている。
人にやさしい街づくりの推進に関する条例はもう10年近くなるが、すべての県民があらゆる施設を円滑に利用できるという目標を掲げ、建物はもちろん、交通関係、道路関係、公園関係、すべての施設を対象に人にやさしい街づくりの整備に取り組んできたところである。
ユニバーサルデザインの今回の考え方は、私どもの条例にとっても大きな支援になるのではないかと考えている。
また、人の問題についても、この条例に基づくいろいろな事業で行っている。例えば、人にやさしい街づくりのアドバイザーを養成していく事業や地域セミナーで一般の県民の人に参加をいただいて、いろいろなバリアフリーの問題について認識していただくような取組等についても10年近く実施しており、各市町村での取組、あるいはNPOが新しく立ち上がって取り組んでいくような動きに内容として現れてきていると思う。
そういう意味では条例に基づく一定の成果はあったのではないかと考える。
最後に、点字ブロックについてであるが、この条例に、交通バリアフリー法の改正の内容に基づき、その設置を盛り込んでいる。
【道路維持課主幹(施設整備)】
点字ブロックの設置基準については、昭和60年に日本道路協会から指針が出ている。名称は、視覚障害者用誘導ブロック設置指針と言い、現在もこの指針が生きており、新しいガイドラインなどにも、この指針が反映されている。
【渡会克明委員】
交差点や歩道に設置されている視覚障害者用点字タイル、位置表示タイルは、視覚障害者、晴眼者共に行き先がわからない。健常者の方からは、点字タイルは誰にも行き先が分からないので、駅などでトイレを聞かれても、教えてあげられない。
点字タイルの意味はわかるが、気が付かないためか、自転車や荷物を置くなどマナーが悪く、用をなしていない。視覚障害者の方からは、視覚障害者専用では、税金をたくさん使ってもったいないとの声がある。高齢者や車いす利用者には、タイルのでこぼこがバリアーになる。通常、地上から地下への階段出入口のサインや交差点のサインは、いわゆる上向き目線上に全部ある。どうしても視線は上をみている。しかし、その下にはいわゆる点字タイルが敷設してある。体が非常に不安定な状態になって、高齢者や車いすの利用者には歩きにくく、外出への不安もあるという声もある。高齢者や車いすの利用者の方からは、点字タイルをなくしてほしいという意見もあり、これが視覚障害者の方の心のバリアーになる。
課長が今ユニバーサルデザインの話をされたが、このことは非常に相反する話だと思う。
点字タイルに一部使われているが、国土交通省の125の警告等の図や文字をタイルにポイントポイントで入れることにより、視覚障害者の歩行を助けるという本来の機能と高齢者、車いすの方を始めすべての方が共有できる道案内機能を果たすことができる。このようなサイン入りの点字タイル、これは実は国土交通省の技術情報のページに載っている。これは一例だが、タイル一つをとってもこのような配慮をすることが、私はこれからのユニバーサルデザインだと思う。
遠慮しながら心のバリアーをつくるのは本当のバリアフリーではない。このようなことは、われわれも考えなければいけないし、利用者や住民の声を聞かなくてはいけない。それを法の下にわれわれがワンサイドでやってきた気がする。たまたま取り上げたサイン付きの点字タイルについてどう思うか。
【建築指導課長】
今後の方向という意味で、大変有意義なご指摘をいただいた。
ブロックの件であるが、先ほどJISで決めるにあたって、実際委員のお話と同じような議論がそのときもあった。実際ブロックの高さは5ミリであるが、この決定は、まさに争点であったようである。高ければお年寄りがつまずき、それが障害になる。しかし、一方、それより低くなると、認識できない。靴をはいての認識になるが、そのギリギリのところはどこかという議論になり、現在は一応5ミリに整理されていると聞いている。
これからのユニバーサルデザインの問題に関係するが、平成16年12月の条例改正で、義務規定に加え、努力規定及び望ましい基準を定めることができるという規定を設けた。
見方によっては、かなり複雑な中身になるのではないかといえるが、これは、事業者の負担を含めた経済的なこと、人によってその中身が変わること、あるいは技術的進歩が今後大いに期待される分野があることなどいろいろな要素がある。
そのことにより基準そのものが大きく前進する可能性がある。点字ブロックの文字情報、これはIT関連で、今後急速に進むと思う。経済的にもかなり安く導入される可能性がある。こういった内容は、条例では、まだ社会全体では整備されるという状況に至っていないため、現在の義務規定に即入れてしまうのは難しいという判断がある。望ましい基準に、こういう情報を入れることができる事業者については入れてくださいという方向を打ち出しておけば、その事業者の取組によっては、かなり進む可能性がある。
そういった、誘導の仕方というか、方向性を示すやり方が、今後あるのではないかと考えている。従って、一方ではいいが、一方では問題だということについても、先ほどの利用される方、関係される方が望ましい基準の議論の中で大いに進めていきたいと思っている。
【渡会克明委員】
携帯やPDAを利用して点字ブロックにICチップを埋めたり、いろんなポイントにそういったものを設置したりして、音声情報を流すことなどが進んでいるが、それもよく検証しないと、一部の人のためのものという声がある。多分科学技術はそれをりょうがしてくれると思うが、まだ時間がかかると思う。2000年に全国の視覚障害者のためのシンポジウムが開かれ、こういったことを含めた様々な議論がされたと思う。
国土交通省のデータをみても、事業者はそんなにお金はかからなく、また技術開発も進んでいる。特に県有施設や県道を始めとして、県が管理しているところは、率先して活用することによって、市町への普及も図られると思うがどうか。
【建築指導課長】
県有施設等への率先した利用については、愛知県の条例が平成6年に制定されたときに、民間の施設の調査を行ったが、まずは県を含む公共施設の改修に着手している。
やはり、新しい改正の条例の中身に対しても、県を始めとして公共施設への率先した活用を当然していかなければいけないと考えている。
【渡会克明委員】
県民にいま何をやろうとしているか、受け売りではなく、愛知県がユニバーサルデザインをこういう形で考えているということを、ぜひとも発信していただきたい。
課長が約束していただいたように、ひとつひとつ着実にやっていくということが一番大事だろうと思う。それを要望して終わる。
平成17年10月12日
【渡会克明委員】
アスベスト対策の中で建設部としてやれること、やらなくてはならないことは拡大防止である。
まず、第1に実態の把握の強化ということで国や県が主に業界団体に対して調査をしている。
アスベストに関して全国的なレベルで各種の調査が行われているが、調査が終了したもの、調査中のもの、それぞれの状況を聞きたい。
【建設企画室主幹(建設技術)】
愛知県においては、県独自で県有施設の調査を行い、この結果はすでに発表されている。全国的な調査については、総務省が地方公共団体所有施設を、国土交通省が公営住宅・民間建築物・国の官庁施設を、文部科学省が教育施設を、厚生労働省が病院・社会福祉・公共職業能力開発・高齢障害者用支援の各施設を調査しており、その進ちょく状況の大部分は10月中に完了の見込みで、11月以降に公表されると思われる。
【渡会克明委員】
今、答弁された内容は国土交通省のホームページのアスベストの使用状況に関する記述にあり、愛知県でもアスベスト対策協議会のホームページが立ち上げられている。この中では前から言うように横の連携が大切である。また、環境部のホームページもあるが、この内容はまったくなっていない。アスベスト被害の拡大防止、県民の不安解消のためには調査結果の公表が大事だが、どのような対応をしているか。
【建設企画室主幹(建設技術)】
環境部の調査結果の公表は、アスベストの含有や、劣化の状況があり、人が毎日出入りするという40施設について公開されている。今後の公開の状況については、残った施設の分析があるため未定であるが、同様に危険な状況にあるものについては公開されていくものと考えている。
【渡会克明委員】
情報提供する中で、使用施設が公開されていても愛知県のホームページのどの部分にあるのかよくわからないし、活字の情報が県や市町村のどの窓口においてあるかわからない。どこにそういう情報があるのか。
【建設企画室主幹(建設技術)】
県のホームページについてはわかりにくい部分もあろうかと思うので、もう少しわかりやすくするよう協議会の場で伝える。また、今後、協議会でパンフレットを作るので、その点を念頭に置いてアスベストの使用状況の広報について庁内のアスベスト連絡会議及びアスベスト対策協議会で検討していきたい。
【渡会克明委員】
アスベストに関する情報については、他県の状況を調べてほしい。
もうひとつは、住宅、特に民間住宅の耐震化について伺う。今回、国の施策などがあり、国の補助金も使い勝手がいいようになり、これは、地震対策の先進県である愛知県だけでなく、他県でも使えるようになった。耐震改修促進法の見直し、税額控除制度ということも考えている。こういうことは進められていくと思う。そういうなかで、私がなぜとりあげたかというと、愛知県及び県内市町村の相談対策、例えば、耐震改修をやりたい時に、どこの窓口に行けばいいのか、どういう業者がいいのか、一切わからないと思う。耐震診断から手順を踏んでいればわかるかもしれないが、相対的にはそうなる。その意味で、愛知県又は市町で総合的窓口が設置されているのか。もしあれば、その窓口では具体的にどういう内容を県民の皆様へ情報を提供できるのか。まず、それを伺いたい。
【建築指導課主幹(防災)】
相談窓口のお尋ねであるが、現在、住宅センターに委託という形で部屋を借りて毎週相談コーナーを設け、建築士会、建築士事務所協会でも、相談に応じている。その他、各市町村においても、耐震診断・改修の推進にあたって、いろいろな情報を流しており、そちらで、いろいろな相談にのっている。従って、まとめて申せば、市町村でも相談にのり、その他に専門機関、建築団体でも相談できる体制となっている。
【渡会克明委員】
耐震改修へ助成する場合、国の財団法人にリフォネットというところがある。これを活用して、今問題となっている悪質リフォーム業者を排除できないかと考える。県にこのような登録業者を紹介するシステムがあるか。
【住宅企画課長】
委員紹介のリフォネットの他に愛知県独自で平成15年度から「耐震改修設計・工事研修会」を開催して、その履修者の名簿を作成し市町村に設置して、県民に紹介している。行政として、どこの業者がいいとはいえないので名簿を閲覧してもらう。現在2,407名の方々が登録されている。
【渡会克明委員】
業者選びは大切なことであるので市町村へも対策を働きかけてほしい。
次に、耐震改修の費用の軽減、利子補給制度について、たとえば、県との協定によって、優遇利率など県民にメリットがあるような施策、リフォーム融資を持った金融機関があるのか。あれば、そのような銀行を紹介できないか。
【住宅企画課長】
優遇融資については、住宅金融公庫3.19パーセントに対して、耐震改修については、2.99パーセントの優遇利率で融資している。このことについては、相談窓口、パンフレット等でお知らせしている。また、平成12年度から「安全で快適な家づくり利子補給制度」があり、公庫融資を前提に、500万円を限度額としてその1パーセントを3年間利子補給するものである。これについてもPRはしているが、新築の場合は制度の活用事例があるが、改修の実績はないので、今後PRに努めていきたい。
【渡会克明委員】
私は、耐震改修補助制度の継続に合わせてこの制度を促進したい、安心な家を増やしたい、県民の命を守りたいと思っている。耐震改修に170万円程度かかり、60万円の補助を引いても110万円かかることになる。110万円の融資は住宅金融公庫ではないと思う。愛知県独自で、リフォーム融資として耐震改修の負担軽減ができれば、県民も借りるかもしれないと思うがどうか。
【住宅企画課長】
公庫を前提とした500万円限度、3年間の利子補給では、小回りが利かないので、単純に簡単な制度ができないかという指摘かと受け止める。今後、金融機関の事情を聞きながら、勉強していきたい。
【渡会克明委員】
改修費170万円、市町村補助60万円と自己負担110万円なので、もっと安くしたい。100万円を払わないでも50万円で耐震改修できないかということ。これを2002年からこのことを言ってきた。今回3会派で、質問をしたとき知事が同じ答弁をした。それは3国立大学法人に低コストの耐震改修工法の開発を依頼している話をしたような気がする。2年半前にもいったことだが、なにもやらなくて、今回代表の3会派が質問しての答弁で、知事がまったく同じ答弁をした。現況を教えてほしい。
【建築指導課主幹(防災)】
低コスト耐震改修工法開発についての意見であるが、委員、指摘のようにずいぶん前に指摘をうけたことを承知している。住宅のタイプは別々でいろいろなものがある。そのための補強工法というものも実に多岐にわたって、ミスマッチングはお金がかかって効果がないというということもあり、15年12月にリフォームをあわせると耐震改修も合理的に比較的コストが低くやれるのではないかという冊子を刊行した。3か月後には愛知県と県内全市町村及び建築関係団体で構成する愛知県建築物地震対策推進協議会のホームページに、県と主要な都市で検討したローコストで比較的いい工法を掲載した。その他に昨年から日本建築防災協会が技術評価システムを始めた。その評価結果が、今年10月3日にでたので、それらも普及啓発に努めてまいりたいと思っている。さきほど委員が指摘したように愛知県と名古屋市を中心とした建築関係団体の減災協議会で低コスト工法を全国的に募集しようと始めた。11月末までの予定で、コンペを募集している。このコンペの成果の適切なものについて、県が市町村に補助する耐震改修費補助の対象候補として推薦する。
知事の簡潔な答弁の中ではこういう注釈がなかったため、理解されなかったと思う。またコンペの成果を含めてできるだけいいものについてはインターネットでも紹介したり、市町村の窓口でも紹介したりしながら低コストのものをやっていきたいと思う。さきほど申したように、住宅に合う工法を大学機関と検討しながら適切な工法を適切な形で適用することをPRし、普及に努めてまいりたい。
【渡会克明委員】
2年半前にコンペの話をしている。先進県愛知と言いながら、当初防災局もそうだが、遅れている部分があった。しかし、皆さんの努力で一生懸命やられ制度をつくった。今回もこの制度を継続する。他県に対しても誇らしく思っている。しかし、この2年半進んでいるように見えない。施策の怠慢か後退だ。理事の決意を伺いたい。
【建設部理事】
主幹が述べた低コスト開発の個々のものを、2年半で効果的なものができたかというと、なかったと思う。それなりにパンフレットの作成やあるいは推進協議会の設置など努力したと認識しているが、低コストの耐震工法を開発しないと、100万円かかるので、コンペを通して全国的に効果的なものを募集し、大学の先生方の専門知識を活用して、県民のみなさんに提唱できるような、そういう低コスト工法の開発、周知をしてまいりたい。
平成17年12月9日
【渡会克明委員】
国が官の責任を認めて、建築主の責任追及と支援策を打ち出している。これは分譲マンションの住民の命という重いものがあるから、スピードを持って対応したと私は理解している。
一方、県においては、誰が救われる人なのか、誰に説明をして、誰を安心させてあげなければいけないかが欠落している。いわゆる建築確認という公の業務に当たって、大臣指定のとおり入力をする。インプットしてアウトプットして出てきたものを差し替える。ブラックボックスを信じ切って、改ざんされることは考えてなかった。
しかし、姉歯元建築士は、そのブラックボックスに手を付けたということである。そうなると、公の業務において偽装が見抜けなかったということが、行政の責任だと思う。家が分譲マンションだったらどうするのか。国の支援策が適用されるからといって、それで済むのか。何も金をどうこうという議論ではない。誰に頼って相談したらいいのかを皆待っている。賃貸マンションやホテルは対象外という話があった。
しかし、何か考えていかなければならない。国への要望をしていかねばならない。解体して建て替える「名鉄イン刈谷」は大変なことである。それからあと三つのホテルもある。改修ということを新聞で読んだ。これは大変なことで、めどを立てなければならない。こういう時にきちんと相談できる制度、システムがあるかを早く知りたい。これが本音だと思う。もう一度聞くが、現行の建築基準法、確認申請制度のもとで本当に行政の責任はなかったのか。
【建築指導監】
先ほどは現行の確認制度のもとで手続きに基づいて確認をしたということで、過失はないと答えた。責任については、今後国や法律相談といった面で検討していきたい。
【渡会克明委員】
行政に責任があるということを責めているわけではない。少しでも議論を前向きにしていこうということである。報道によると、木村建設は破産手続きを進行中である。事実を確認していないが、平成設計は廃業宣言をしている。木村建設や平成設計がいなくなったら、一体どこに何を聞けばいいのか。偽装を見抜けなかったことを認めて、いろんな話を聞いて考えるのが前向きな行政のやるべきことと思う。これからの制度については、やり場のない人を助ける意味では、一番頼りになる所だと思うのでお願いしたい。
また、まちづくり交付金とか地域住宅計画交付金というのがあるが、これを耐震補強等に活用できないか。
【公園緑地課主幹(企画・景観)】
耐震補強関係については、状況によってはまちづくり交付金の提案事業の対象となりうるが、以下の条件が必要となる。まず、都市再生整備計画を策定し、耐震補強がまちづくりに対して効果があると認められること。また、民間施設については、市町村が補助要綱を制定し補助することが必要となる。
【住宅整備課長】
地域住宅計画交付金は、公営住宅の建設や居住環境の整備などを計画的に推進するための住宅に関する施策であるので、ホテルに対する活用は難しいと考えている。
【渡会克明委員】
新たに色々なことが起こってこなければいいと思うが、県としても計画を作るわけである。計画を作るにあたり、今のような制度をこういう風にすると取り込めるというだけの話で、十分に活用の余地はあると思う。
また、耐震改修促進法が改正されるが、先回の委員会の時も耐震住宅の話をした。法律でいうと「耐震改修支援センター」ができるように聞いている。色々な業者に情報提供をしたり、個人、法人を問わず、改修計画への貸付けに関する債務保証も実施をすると聞いているがどうか。
【建築指導課主幹(防災)】
耐震改修促進法は、先の特別国会で成立して11月7日に公布された。そこで、支援センターなどが出ている。しかし、施行令はまだ出ておらず、3か月以内に施行されるので、今のところ明確な答えはできない。
【渡会克明委員】
ビジネスホテルを建築された方の気持ち、周辺住民の方の気持ち、県民が不安に思っている気持ち、これらを払しょくさせてあげたい。やはり色々な金を使う施策が必要である。自分なりに調べたところ今質問した件が出てきた。マンション、ホテルの話だが、わが家は大丈夫かという話にもなる。そういう時に、今申し上げたことがなかなかやられていない。市中の金融機関もやっていない。本当に助けてもらえるような制度を今後考えていけるのかどうか伺いたい。
【建築指導課長】
耐震改修促進法に基づく制度については、現段階でどういう対応ができるのかということは明確でないので、施行令等具体的になった段階で早急に検討したい。
【渡会克明委員】
建築確認制度の見直しを当然要望されることと思う。国も建築基準法の改正の指針を出した。そのような声をあげること、また県民に安心を与える情報を発信していただきたい。今日の新聞を見ても、問い合わせの相談が600件あるという報道がある。これだけ不安に思っている。取り組んでいく姿勢を分かりやすく述べることが一番だと思うので、それを考慮して施策を展開していただきたい。
平成18年2月17日
【渡会克明委員】
基本的なことを伺いたいが、構造設計の計算書が作成できる者は1級建築士ということなのか、そうでなくてもできるのか。直江委員からも話があったが、意匠設計と違い、比較的ある意味では地味な部分であり、手間暇がかかるため手を付けなかったということなのかを伺いたい。今6,000ある建築事務所の実態調査をしているということで、何パーセント、何割くらいの方がこの構造計算をできるのか。県の体制、また色々な所管庁、民間の機関等もしっかりした体制を立て直すためには、当然そういうことも必要だと思うが、その辺いかがか。
【建築指導課長】
建築士に関して、前段の質問であるが、設計図書としてまとめるには資格が必要な規模のものについては、資格がないと設計図書としてまとめられないということで、建築士法の上では当然なっている。構造計算書も設計図書の一部であるので、当然同様の取扱いになる。
ただ、実務となると、その資格者の下で実質的に構造設計をする構造担当者もおり、その場合には資格を持った建築士の下でその作業をやっているといった位置付けになるかと思う。2番目の質問にあったように、現状としてどの程度、実際に構造設計にかかわっている人が資格を持っていて、愛知県内でどのくらい業務をしているかなど今まで詳細な調査がなかった。
今回、もう一度原点に立ち戻り、どの程度の構造設計にかかわる状況になっているのか、その業務の形態も含めてきちんと調査をしようというのが、今考えている調査である。
【渡会克明委員】
例えば、渡会建築設計事務所の私が、構造計算をずっと手掛けてきた。一緒にスタッフが4人いて、そのスタッフも私を助けてくれた。ということになると、私の事務所で請け負って、署名というかサインする所では、私の署名でサインをして所管庁へ出す、そういうことになるか。
【建築指導課長】
今、予定している調書は、まず、当然建築士の資格を持っている人がだれなのか、それは当然書いてもらわなければならない。それに加えて、資格を持っていなくても実態として構造設計に携わった場合、必ずそれを記入することにしている。それぞれの確認申請にその調書を提出することになっているので、その建物の構造設計に当たり、資格者としてはだれなのか、実際の担当した人としてはだれなのか、それが一つ一つの確認申請で明確になる調書というふうに考えている。
【渡会克明委員】
そうすると、私の事務所がずっと構造設計ばかりやっていれば何の問題もない。ところが、意匠設計をやっていたら、多分そういう所はよほど大きな建築事務所であれば、当然1級建築士がおり複数の人もいる、2級の人もいる、色々なそれに伴う資格を持っている人もいる。そういう所であれば、構造計算を専門にやる人も多分いる。しかしそう考えると、県内に、今課長が説明した所というのは、素人が推測しても比較的少ないのではないか。
【建築指導課長】
設計全体を請け負った事務所から、更に構造については、その構造に関するものだけを委託しているのではないかといった業務形態かと思う。それは現実としてそういう業務を行っているケースがあるかと思う。したがって、その委託している場合も含めて、先ほど説明した調書について明確になってくるような内容を提出してもらう予定である。
【渡会克明委員】
今回、国の法律も変わり県の規則も変える。当初は、締められれば大変だけれど、その後色々と変わっていくと思う。そういう中で、構造計算について厳正にやろうとしているシステム自体が変わると思うか。私はソフトの話も大事だと思うが、どういうソフトを国が作ってくれるかというのが大事である。いわゆる、設計する側が使うソフト、よりパワーアップしたものが出てくるのか。審査をする側のソフトが出てくるのか。両方が1回で分かるようなものが出てくるのか。なぜなら、構造設計を下請で専門にやっていたような所だけが使うのではなくて、そうでない建築事務所も使えるような、また使うことができるようなソフトが出てくるような気がするがどうか。
【建築指導課長】
今回の調書で構造設計の実態をつかんできたことで、目的としている一つとして、実際に構造設計をやっている人をきちんとつかむといったことがある。構造設計は実際に設計をしようとすると、個々の構造設計者の考え方とか、もちろん使う認定プログラムのソフトも違うし、構造のモデル化の考え方とか、色々な所で構造設計の、設計者としてのそれぞれの特色というのが出てくるかと思う。恐らく愛知県内で、普通に業務をしている状況を考えると、構造設計を直接担当している人はそんなに多くないと思う。今回の問題で私どもの課題として整理したのは、実際に構造設計をやっている人をきちんと把握し、その人たちの構造設計に対する考え方あるいは構造設計に対する理解度など構造設計に対する認識をきちんととらえていく。その辺の調査がある程度進めば、限定された人がそれに関与していると想定しているので、かなりの密度で、現在愛知県内で構造設計にかかわっている構造設計の中身が全体として把握できるのではないかと考えている。
【渡会克明委員】
私が言おうとしていることとはちょっと違う。今、答弁があった内容は現在、行っている調査結果が誰に責任があるかということについて、責任の所在が明確になることに使えると説明している。私がなぜこういうことを言うかというと、善意の第三者、例えば、木造の2階建ての住宅、賃貸のアパート、共同住宅、これらが非常に増えていると聞いている。そうなると、行政の都合で網をかけるわけだけれども構造計算する人は少ない。私は、ソフトであるとか、だれがどういうことをやったかということを明らかにすることも大事だが、反面、利用者にとっての利便性を考えた場合、非常に使い勝手が悪くなる。例えば、今まで1か月もしくは3か月だったのが、半年かかるのではないか。こういうことはあってはならない。長くかければ安全だということではない。私がソフトのことを聞いたのは、ソフトを使えば構造計算の偽装などを防げて期間的にもきちんとやれるのかと私は心配をして聞いたわけである。県民に対する影響はどのように想定されるか。
【建築指導課長】
ちょっと私の理解で、委員の言われた利便性がよく分からないが。
【渡会克明委員】
私の話は次回にしたいと思うが、私の近くでどんどんアパートが建っている。そういったことにブレーキがかかるようなことになっているのであれば、これは県民に不便を感じさせる。そういうことはまさかないだろう。そのためには、どういう手立てを考えているかを伺う。今すぐに答えられないだろうが、次回に聞きたいと思う。
平成18年3月16日
【渡会克明委員】
民間木造住宅の耐震改修について、今回の愛知県における補助制度の拡充は、どのような内容か。
【住宅企画課長】
耐震改修する場合、耐震診断の結果、従前は倒壊する可能性が高いという0.7未満までだったが、倒壊する可能性があるという1.0未満まで対象を拡大するというものである。
【渡会克明委員】
市町村に対する補助率はどうか。
【住宅企画課長】
これまでは、60万円を上限として県と市町村が半分ずつ補助する仕組みだったが、来年度から地域住宅交付金の導入により、60万円の上限は同じであるが、市町村と県の負担額を下げている。
【渡会克明委員】
国の税制はどうか。
【住宅企画課長】
耐震改修の税制については、二つの制度が創設された。1点目は、所得税の特別控除であり、平成18年4月1日から平成20年12月31日までに一定の区域内において、旧耐震基準により建築された昭和56年5月30日以前に着工した住宅を耐震改修する場合に、耐震改修費の10パーセント、20万円を上限に所得税から税額控除するものである。もう一つは、固定資産税の控除減額措置であり、昭和57年1月1日以前に存在した住宅について、30万円以上の耐震改修を行った場合、耐震改修時期に応じて3年から1年の間に、当該住宅に掛かる固定資産税を減額する制度である。
【渡会克明委員】
耐震改修補助制度の見直しによって、県民の皆様方も市町村も取り組みやすくなったと思うが、耐震改修の工事費用の低コスト化の取組はどのようになっているのか。
【建築指導課主幹(防災)】
従来から色々な工法の調査などをしている。特に今年度から3大学と連携して進めている協議会で、大学の先生方による研究・調査を行い、協議会が低コスト補強技術のコンペを行うということで進めてきた。現在の進ちょく状況としては、今年度は大学において研究し、更に来年度は補足ないし成果を上げて、できる限り早い段階、できれば18年度から公開していきたいと思っている。補強技術コンペについては、58の応募提案があった。その中でかなり補強効果が確認できるものもあれば、今後少し努力しなければならないものもあった。できれば18年度前半に、比較的効果が確認できるものは応用できるような形にしていきたいと思っている。その他のものも18年度中には情報提供し、県民の皆様方がより早く、より安く自分の住宅に合った改修工法を選択できるようにしていきたいと思っている。
【渡会克明委員】
耐震改修費補助が1.0未満に拡充されたことにより、筋交い、柱、壁を入れることで、要件を満たせば、耐震改修費補助を受けられるのか。
【住宅企画課長】
改修により1.0以上になれば、補助対象となる。
【渡会克明委員】
名古屋市の数字であるが、2004年、2005年度の無料耐震診断の結果の約95パーセントがやや危険か倒壊または大破壊の危険があるとのことである。また、改修しない理由として、費用負担が大きい、高齢・一人住まい、転居の予定があるとの回答であったとのことである。県道沿いで昭和56年以前の古い倒れそうな建物があった場合、知事は勧告して建て替えなさいと言えるのか。
【建築指導課長】
建築基準法により、防災上危険な場合は指導あるいは勧告ができるようになっている。
【渡会克明委員】
筋交いでも1.0以上の強度が確保できればいいのではないか。早く改修を進めていくことが必要だと思うがどうか。
【住宅企画課長】
筋交いだけなら、60万円以下でもできる。筋交いを入れると仕上げ工事が必要となるが、これも補助対象としている。キッチン、トイレなどのリフォームを行う場合には、耐震改修も合わせて行うと効率的であると啓発している。
【渡会克明委員】
耐震化の取組を更に進めてほしい。
次に、県営住宅の入居について伺う。子育て世帯についてであるが、今までの福祉枠の優先入居制度に加えて、その中に子育て世帯を加えた意味はどのようなものか。
【住宅管理課主幹(住宅管理)】
2月1日から子育て世帯を優先入居の対象とする県営住宅管理規則の改正を行い、母子、高齢者等の優先入居世帯に、新たに子育て世帯を加えることにしたものである。その理由は、小学校就学前の子どものいる世帯は民間住宅に入る場合に家主から断られる例が多いのではないか、また、養育費が掛かるために一般の家庭よりも住宅困窮度が高いのではないかということで、昨年12月に国が公営住宅法施行令を改正し、収入基準の上限を高めた制度改正を行なった。それを受け、県でも優先入居をすることにしたものであり、少子高齢化ということで子どものいる家庭の支援という意味がある。また、愛知県の次世代育成支援対策行動計画の中にも、子育て世帯の支援に県営住宅の優先入居が打ち出されており、それに従ったということである。
【渡会克明委員】
福祉枠による子育て世帯への応援は有り難いが、福祉枠の拡大による一般向けの入居への影響を伺いたい。また、県営住宅全体を見たときに、福祉枠の拡大により良かったと思う点、逆に心配だという課題があれば教えてほしい。
【住宅管理課主幹(住宅管理)】
福祉枠の拡大による一般枠への影響については、平成17年の第1回空家募集の結果に当てはめて試算してみると、福祉枠が募集戸数5戸に対して1戸だったものを、3戸に対して1戸の枠に拡大したことで、335戸の募集に対して19戸が優先の福祉枠だったものが、仮に3戸に1戸であった場合は60戸ということになり、募集戸数全体で見ると18パーセントということになる。全体の中では2割以下の数字となるので、ご理解いただきたい。また、県営住宅の中に子育て世帯という若い世帯が入ってくることで、団地活動なども、子ども会活動を通じてやっていただけるなど、団地全体の活性化が図られるのではないかと期待している。
【渡会克明委員】
子育て世帯の支援を行う限りは、しっかり取り組んでもらいたい。
次に、ホームレスの入居について、自立したホームレスは県営住宅に入居してもらうと聞いているが、だれが自立を認定し、基準はどうなっているのか、また入居枠がどのようになっているか伺いたい。
【住宅管理課主幹(住宅管理)】
まず、どのような方に入居してもらうかであるが、「自立の意思があり、かつ社会生活の中で自立した居宅生活を営むことが可能な方」ということになる。したがって、実際に県営住宅の中で自立した生活を営んでいけるかどうかが問題であり、これについては福祉部局と現在協議中であり、福祉部局において判断してもらうこととしている。名古屋市においては、市に自立支援センターがあるので、そこの入居者の中から選んでもらうことになる。名古屋市以外の市町については、福祉事務所等の巡回相談員の面接などで判断してもらうことを想定している。また、入居枠については年間6戸を予定し、うち、名古屋市内3戸、それ以外で3戸を考えている。
【渡会克明委員】
ホームレスの入居については、健康福祉部との連携が大切になってくると思うので、しっかりお願いしたい。
最後に、シルバーハウジングへの入居についてである。2月に蒲郡市にある県営鶴ヶ浜住宅のシルバーハウジングで火災事故が発生して入居者の方が亡くなったが、この事実をどのように認識しているか。
【住宅管理課主幹(住宅管理)】
2月10日に蒲郡市の県営鶴ヶ浜住宅のシルバーハウジングにおいて火災が発生し、そこに単身でお住まいの方がお亡くなりになったと承知している。
【渡会克明委員】
この方は入居当初からトラブルがあったと聞いているが、入居の際の資格の審査はどのように行なわれているのか、またどのように改善していくのか。
【住宅管理課主幹(住宅管理)】
入居者の方にトラブルがあったことは承知している。私どもの住宅管理事務所の職員も、再三に渡って住宅を訪問したが、結果的に面談をすることができなかったという事実がある。結果として重大な事故が生じて周りの方も危険な目に遭われたことについては、大変反省すべきことと考えている。シルバーハウジングの入居基準は、65歳以上の方で日常生活ができる方ということなる。日常生活とは、歩行、調理、食事あるいはトイレなどである。入居者としては、自立して生活する意欲はあるが、少し健康などに不安があるという方を想定してシルバーハウジングを建設している。審査に当たっては、自立して生活できること、日常生活ができることを面接の際にチェックし、また、本人からは、私は問題ないといった申立書を受けて入居決定をしている。入居審査に当たり、しっかりチェックを行い、入居後における問題については、警察、保健所、福祉事務所などの関係機関と連絡を密にして対応していきたいと考えている。
【渡会克明委員】
県営住宅には様々な方が入居されるようになった。現実の団地の運営は自治会が行っており、その団地運営は難しくなってきている。県においては、入居審査で関係機関と連絡を密にして、しっかり審査してもらいたい。
平成17年6月15日
【渡会克明委員】
西春日井郡の地域においては、来年の3月には北名古屋市が誕生する予定であり、豊山町と春日町が残る。このように合併途上にある地域には、合併特例法が用意した激変緩和措置を適用する合理的な理由があると考える。
そこで、次の一般選挙により選出される議員の任期満了時まで、すなわち、平成23年4月までの間は従前の選挙区のままとする特例を適用するのが妥当であると考える。
次に、田原市と渥美町の地域は、合併特例法による特例を適用しても、同じ結果となることから、公職選挙法の原則を適用するのが妥当であると考える。
最後に、新城市並びに北設楽郡及び南設楽郡の地域は、合併期日において、直ちに公職選挙法の原則を適用させるのは妥当ではないと考える。そこで、現議員の任期中は、従前のまま、新城市選挙区と北設楽郡及び南設楽郡選挙区とする特例を適用することが妥当であると考える。
なお、この地域の選挙区は、大変広大な地域となることから、住民の民意の反映などについて十分考慮する必要がある。
平成17年11月24日
【渡会克明委員】
公明党の意見を述べる。
岡崎市と額田町の合併に伴う選挙区の取扱いについては、額田郡に残る幸田町は、現在、合併の動向が定まっていないこと、岡崎市と額田町の合併期日から次期の選挙までの期間は、1年余りと短いこと、また、公職選挙法の原則どおり、額田郡選挙区を幸田町のみとした場合、議員1人当たりの人口が、県内最小の選挙区になることなどを考慮して、合併特例法が用意した激変緩和措置を適用する合理的な理由があるものと考え、平成19年4月に行われる一般選挙により選出される議員の任期満了までの間、すなわち、平成23年4月までは、合併特例法による特例1)を適用して、従前の選挙区のままとすることが妥当であると考える。
次に、豊川市と一宮町の合併に伴う選挙区の取扱いについては、宝飯郡に残る3町がいずれも新たな合併特例法に基づく合併構想に関する調査の対象とされており、合併の動向が定まっていないこと、また、豊川市と一宮町の合併期日から次期の選挙までの期間は、1年余りと短いことなどを考慮して、合併特例法が用意した激変緩和措置を適用する合理的な理由があるものと考え、平成23年4月までは、合併特例法による特例1)を適用して、従前の選挙区のままとすることが妥当であると考える。
西春日井郡の師勝町と西春町の合併及び海部郡の弥富町と十四山村の合併に伴う選挙区の取扱いについては、いずれも選挙区内に新たな合併特例法に基づく合併推進構想に関する調査の対象とされた町村が含まれており、合併の動向が定まっていないことや合併期日から次期の選挙までの期間が1年と短いことなどを考慮して、合併特例法が用意した激変緩和措置を適用する合理的な理由があるものと考え、引き続き、平成23年4月までは、合併特例法による特例1)を適用して、従前の選挙区のままとすることが妥当であると考える。
平成17年11月30日
【渡会克明委員】
公明党の意見を述べる。
結論から言うと、前回の委員会で述べたとおりである。岡崎市と額田町は歴史的にも、また、広域行政としても連携がある。額田町が今回、合併をするということはあるが、幸田町の民意についても考慮する必要がある。また、1年余りという短い期間で新しい選挙区について、住民に理解を得るのは難しいと思う。
豊川市と一宮町の地域についてだが、現在、合併推進構想の対象となる市町村の調査対象となっている町も含まれ、住民の意識からも、また町自体も合併の方向で検討しているということも聞いており、流動的な状況である。これらの点を踏まえると前回の委員会で述べたとおりである。
ただ、民主党の意見も理解できないわけではないので、委員長のもとで、取り計らいを願いたい。
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