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2001.12.06 : 平成13年12月定例会(第3号)

◯二十九番(渡会克明君)
 通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
 質問の第一は、悲惨な事件が一向に後を絶たない児童虐待問題についてであります。
 先月発表になりました厚生労働省のまとめによりますと、平成十二年度に全国百七十四カ所の児童相談所に寄せられた児童虐待相談の処理件数が、前年度の一・五倍に当たる一万七千七百二十五件に上り、調査を始めた平成二年度の十六倍にふえたということであります。
 児童虐待の防止等に関する法律、いわゆる児童虐待防止法が施行されて一年を経過いたしましたが、依然として児童虐待の増加には歯どめがかかってはおりません。逆に、この虐待防止法の施行以後、児童相談所に寄せられている虐待通告件数は大きく増加しているのであります。
 この通告の増加の背景には、児童虐待問題が社会で大きく取り上げられるようになり啓発されていく中で、今まで見過ごされていたものが相談として上がってきたり、また、核家族化して子育てに不安を持つ親がふえてきたことが挙げられるかもしれません。
 また、実母による虐待が人数、割合ともにふえているのも特徴で、前年度より四千人以上多い一万八百三十三人と全体の六割を超えているのであります。虐待者本人から相談があった件数は千九百六件で、何とその九割が、母親が自分がやっていることは虐待ではないか、虐待をしてしまいそうだ、こういうケースが増加したとあります。その危険な実態に驚かされてしまいます。新聞報道で虐待による大きなけがや死亡にまで至る児童虐待事件も後を絶たず、虐待自体がふえていると考えざるを得ません。
 先月だけでも、十五日には、高松市で父親にけられて二歳の男児が意識不明の重体となっており、二十一日には、本県尾西市で同居中の男性からの虐待で四歳の男児が死亡しております。翌二十二日には、栃木県宇都宮市で母親の交際相手の男が一歳六カ月の子供をハンマーで殴ったり腹をけるなどして子供が意識不明の重体になっております。さらに二十三日には、茨城県岩井市で父親が五カ月の次男を殴り脳挫傷などの重傷を負わせております。二十六日には、奈良県大和郡山市で父親が生後七カ月の長男が泣きやまないことに腹を立てまして、布団をかぶせて窒息死させる、こういう事件が起きております。このように連日児童虐待事件が報道されており、未来ある子供たちの命が脅かされているところに、非常に大きな悲しみと怒りを感じているわけであります。
 いずれの事件も、虐待を行った父親や同居人は子供の行動や泣き声に腹を立て、かっとなって暴力行為に及んでいるとのことであります。このように自分の気持ちをコントロールできず、抵抗できない子供に対して死に至らしめるような暴力を振るうということは、絶対に許されない行為であります。
 子供への虐待事件を見ておりますと、人間としての最低限のルールをきちんと習得せずに大人になっている者がふえてきているのではないか、こういう不安になってまいります。その上に、虐待する親がアルコール中毒であったり、親自身が精神的なストレスを受けていらいらして子供に当たるなど、精神医学的な問題を持っていることもかなり多くの割合を占めるようであります。
 以前から、核家族化、少子化に伴うさまざまな問題が指摘されておりますが、子供を取り巻く環境は、兄弟も少なくなり、また、近所で遊ぶ友達も余りいないという状況にあり、人間関係を体験して学ぶ機会が少なくなっております。今、子供は相変わらず家の中でテレビゲームなどのひとり遊びに興じております。人間関係といえば親との関係がほとんどという生活をしております。
 親が温かい豊かな人間関係の中で育っていれば、子供にもそれを伝えることができますが、親が十分な人間関係を体験していない場合や、親自身が実は子供のときに虐待に近い体験をしている場合は、いわば世代間伝達といって、そうした不適切な部分を子供に伝えてしまうという悲しい連鎖になります。
 こうした面を補うためには、地域や学校など、人間関係を体験し、学ぶ場を十分確保することが必要であります。時間はかかりますが、これが豊かな人間関係を持った大人、親を育てることになり、ひいては児童虐待の防止にもつながることになるのではないか、このように考える次第でございます。
 しかし、家庭を取り巻く地域もまた近隣の人間関係が希薄となっており、近所の子供に声をかけることは少なくなり、隣の人の顔すらよくわからないというようになっております。
 私が子供のころは、必ず近所におせっかいおばさんという方がおりまして、いろんな世話をやいてくれたものでした。私も随分助けられた覚えがあります。しかし、現在の隣近所のつき合いはお互いに敬遠しがちで、家庭の中のことには踏み込まないというのが当たり前のこととなっております。隣の音がやかましいからといって苦情を言うことはあっても、子供の泣き声を心配して声をかけるというようなことは敬遠する、こういう状況になっておるわけであります。
 尾西市の四歳の男児が虐待により死亡するという事件は、マスコミに大きく報道されました。この家族が暮らしていたのは集合住宅であり、一棟に四十世帯が住み、この家族が住む棟には年配者が多く、子供はこの男児だけで、この家庭から漏れてくるどなり声や泣き叫ぶ声は十日前から近所の話題になっていたそうであります。しかし、この家族は十月末に引っ越してきたばかりで、近所のつき合いがほとんどなく、虐待かしつけかの見きわめが難しかったと報じられております。
 今回、こうした子供のSOSのサインを多くの住民が気づいていながら適切な機関へ結びつかなかったことは非常に残念なことでもあります。もちろん、プライバシーの問題もあり、家庭内のことに隣近所の方々が踏み込むということへの難しさはあります。しかし、虐待による不幸な事態が起きないようにするには、こうした情報を把握できるような地域の仕組みというものが必要になってくるのではないでしょうか。
 児童虐待防止のための対策につきましては、県としてもさまざまな対応がなされ、児童相談所を初めとした関係機関の職員の方々も努力をされていることは十分承知をしております。しかし、今回のような事件が起きてしまうことには、やりきれない気持ちでいっぱいであります。
 そこでまず、これまで県が行ってきた児童虐待防止対策とその実施状況をまずお聞かせいただきたいと思います。
 また、今回の事件に見られるように、地域の住民は気づいていながら、適切な機関へその情報が伝わらなかったことについては、住民への連絡先等の広報や児童虐待に関する啓発の不足などがあったのではないかと考えられます。今後は住民からの積極的な連絡や相談が不可欠と考えられますが、そうした連絡、相談がしやすい仕組みをつくることも必要ではないかと思われます。このことについてどのように考え、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
 さらに、こうした報道をされるような大きな事件にまでは至らない児童虐待のケースもたくさんあります。それらの虐待を受けた子供たちが大人になり、親になったときに、その受けてきた人間関係の不適切な部分を自分の子供との関係の中で伝えてしまう。先ほど申し上げましたけれども、すなわち虐待を繰り返すことがあると言われております。こうした悲劇の再発をなくすためには、親はもちろん、虐待を受けた子供に対する精神的あるいは心理的なケアも必要と考えられます。
 こうした虐待を繰り返さないためのケア体制について今後どのようにされていくのか、お尋ねをいたしたいと思います。
 質問の第二は、児童・障害者相談センターについてお伺いいたします。
 平成十四年度から、地方機関の再編により、児童相談所と身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所及び心身障害者更生相談所が一緒になりまして、児童・障害者相談センターとなる、このように聞いております。
 身体障害者更生相談所は名古屋市の熱田区にあり、名古屋市を除く尾張、西三河地域の十九市三十一町六村を管轄し、身体障害者に関する相談及び指導のうち、特に専門的な知識、技術を必要とする方を対象に、医学的、心理学的及び職能的判定を行うとともに、更生医療給付の適否、補装具等の処方及び適合業務などの判定業務を行っているわけであります。
 知的障害者更生相談所は名古屋市中区にありまして、身体障害者更生相談所と同じく、名古屋市を除く尾張、西三河地域の十九市三十一町六村を管轄し、知的障害者に関する相談や医学的、心理学的及び職能的判定、年金等の診断、療育手帳の交付などを行っております。
 宝飯郡小坂井町にあります心身障害者更生相談所は東三河及び西三河地域の十一市十六町四村を管轄し、身体障害者更生相談所と知的障害者更生相談所をあわせた業務を行っております。
 これらの更生相談所は障害者の方々にとって非常に重要な機関であり、判定や相談のために足を運ばなければならない場所であります。
 児童相談所は、名古屋市を除く県内八カ所に設置されており、十八歳未満の児童の問題を扱う機関で、先ほど述べました児童虐待問題でも中心的な機関となっております。また、非行や不登校など子供の問題に関する相談、判定、保護の必要な子供への一時保護並びに施設入所、あるいは里親への委託など、子供に関するさまざまな相談・援助活動を行っており、児童福祉の重要な中心的機関であります。
 これら福祉行政にとって核となる行政機関が再編されることは、地域住民の方々にとって、とりわけ何らかの障害がある方、子供に心配を持つ方に対して大きな不安を与えているわけであります。それは、今回の再編が合理化のための整理統合であり、組織が縮小されるのではないか。そうなれば、相談窓口が少なくなったり、今より遠くなってしまう。相談の機会も減らさなければならないのではないか。これらの機関を頼りにしている方々にとっては大変大きな心配事であります。現に私のところにも、住民の方々から相談、不安の声が届いております。
 そこでお尋ねいたします。各更生相談所、児童相談所が統合されてできる児童・障害者相談センターとはどのような機関であり、この統合は利用される方々の利便性にどのような影響があるのか。本当にサービスの後退にはならないのか。また、統合に伴って生じている現在の住民の不安を払拭するためにどのように対応されようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
 最後は、三点目の教育行政についてであります。
 「学校いきいきプラン」の導入が国の補正予算で成立いたしました。これは、多様な経歴を有する社会人を学校の補助教員として配置し、各分野における知識や経験を学校の教育活動に反映させることによって児童生徒の指導等に活用することをねらいとするもの、このように聞いております。
 新学習指導要領においては、小学校から高等学校までを通じて総合的な学習の時間が創設されたほか、各教科、科目等においても体験的・問題解決的な学習が求められております。それらの学習を通じて子供たちが学びの喜びを体験し、自分の知識をふやしたり、技能に習熟したり、さらに自分の生き方や進路を考える、そういう学習活動をしていくことが期待をされているわけであります。
 また、完全学校週五日制の導入によりまして、学校だけではなく、地域の教育力を生かした取り組みが今後ますます重要になってくると考えられます。まさに今の子供たちに私ども大人たちが身をもって生き方の手本を示してやる、こういうことが求められているわけであります。
 こうした点を踏まえまして、改めて「学校いきいきプラン」の趣旨を考えてみますと、私は、社会経験の豊富な方々を積極的に活用する点において、この事業の導入が、子供たちにみずから考え、みずから学ぶ姿勢を持たせるための有効な機会となり、教育活動を充実させるものであると考えております。
 そこで、教育長にお尋ねいたしますが、「学校いきいきプラン」の趣旨を踏まえ、どのような社会人を学校に受け入れ、どのように活用されようと考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
 次に、学校における安全管理対策についてお伺いいたします。
 初めに、防犯の観点からお尋ねいたします。
 御存じのように、本年六月に起こった大阪教育大附属の池田小学校の痛ましい事件からはや半年が過ぎようとしております。学校は安全であるという、疑いもしなかった信頼が大きく揺らいでおります。その間には、市町村においては、特に小中学校を中心に、施設設備の見直し、安全総点検、そして子供たちへの防犯教育、職員の危機管理マニュアルの作成など、ハード、ソフト両面にわたる安全対策の強化が図られてきたところだと思います。
 そこでお尋ねします。県教育委員会として、今日に至るまで県内の学校安全対策としてどのような取り組みをされてきたのか、また、今後はどのような対応をされるのか、お伺いいたします。
 次に、防災の観点、とりわけ学校の地震対策についてお伺いいたします。地震対策につきましては、私からは学校における地震対策の取り組みに絞ってお尋ねいたします。
 去る十一月二十七日、国の中央防災会議の東海地震に関する専門調査会から、東海地震の震度、津波予測が公表され、本県の震度六弱以上の地域が大幅に拡大をされました。これによりますと、私の住む豊橋市、東三河のみならず、名古屋市を含む広範な地域が該当することとされました。各市町村では、この発表を踏まえまして防災計画の見直しに着手するなど、対応を迅速に、着実に進めていると聞いております。
 住民の安全を守ることは、行政にとって最優先の課題であります。病院、学校等迅速な対応を迫られる機関、施設は多々ありますが、とりわけ学校は子供たちが一日のうちの長時間を過ごす場所であります。将来を担う子供たちを地震から守るためには、学校の地震対策は最優先に取り組まなければならない課題である、このように考えるわけであります。
 国の第二次補正予算要望においても、耐震補強など安全対策に配慮した学校施設の整備として防災対策が取り上げられていると聞いております。
 そこでお尋ねしますが、学校施設については従来から耐震診断を実施するなど地震対策を進められてきておりますが、このたびの東海地震の震度六弱以上の想定地域が大幅に拡大されたことに伴い、地震対策の大幅修正が求められていると考えますが、今後どのように地震対策を進めていかれるおつもりか、最後にお伺いしたいと思います。
 以上で壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



◯健康福祉部長(川橋正司君)
 児童虐待問題についてのお尋ねでございますが、今回の尾西市において発生いたしました事件につきましては、大変悲しく、まことに残念に思っておる次第でございます。
 本県の虐待防止対策とその実施状況についてでございますが、児童虐待は早期発見、早期対応が極めて重要でございまして、県民への啓発や、あるいは主任児童委員などへ研修を実施いたし、速やかな連絡通報が行われるよう努めてまいっております。
 また、虐待を発見しやすい立場にございます医療機関の方々に「医療機関用子どもの虐待対応マニュアル」を平成十二年度に作成、配布いたしましたが、今年度は教育機関の方々を対象としたマニュアルを作成しているところでございます。
 さらに、児童虐待に迅速かつ効果的に対応するには、地域関係機関の連携が不可欠でございますので、平成七年度から、児童相談所を中心とした地域ごとに「関係機関連絡調整会議」を毎年四回ほど開催し、連携強化を図っておるところでございます。
 今年度は、この連携をさらに推し進め、単独の機関では対応の困難なケースについて、関係機関の実務担当者が協働して対応する「危機児童・家庭サポートチーム」を設置いたし、この十一月までに四十九のチームが編成され、活動を行っております。
 さらに、児童虐待の対応の中心となります児童相談所については、児童虐待対応の協力員、弁護士、精神科の医者を配置するとともに、児童福祉司の増員を行い、その機能の強化を図ったところでございます。
 次に、住民の方々が虐待について連絡や相談しやすい仕組みについてでございます。
 住民の方々が児童虐待の疑われる子供を発見された場合には、速やかに児童相談所や福祉事務所などに連絡通報していただくようお願いをいたしておるところでございます。
 しかし、プライバシーの問題や、しつけか虐待かの判断が困難なこともあり、通報をためらわれる場合が多いと思われます。こうした場合に、住民からの相談や虐待の発見といった重要な役割を担いますのが、地域の民生・児童委員や主任児童委員でございまして、今月一日には改選が行われ、四百十五人が増員強化されたところでございます。
 今後は、民生・児童委員や主任児童委員の方々に地域における情報を積極的に収集していただきますよう、市町村を通じてお願いをしてまいりたいと存じます。また、県民の方々に積極的に連絡や相談していただくための周知も図ってまいりたいと考えておるところでございます。
 次に、虐待を繰り返さない精神的、心理的ケア体制についてでございます。
 虐待を行った保護者に対して再び虐待を起こさないように、また、虐待を受けました子供たちの心をいやすため、今年度、児童相談所に精神科の医者を配置し、カウンセリングを行っております。
 虐待を受け、児童養護施設に保護された子供に対しては、専門的な研修を受けた児童指導員や心理療法担当の職員によりケアを行っております。
 また、児童養護施設での処遇が困難な子供につきましては、専門スタッフが配置されております情緒障害児短期治療施設でケアを受けさせておりまして、この施設では親子を治療対象とした通所による家族療法も行っております。
 さらに高度な精神科医療の必要な親子につきましては、本年十一月大府に開設いたしましたあいち小児保健医療総合センターにおきましてケアをすることといたしております。
 県といたしましては、児童相談所におけるケア機能の強化に努めるとともに、児童相談所と施設及び専門機関との連携の強化を図り、子供とその保護者の精神的、心理的ケアの充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、児童・障害者相談センターについてのお尋ねでございます。
 現在二カ所に設置いたしております障害者更生相談所は、障害のある方の利便を図るため、地域性などを考慮いたしまして、尾張、西三河、東三河の三地域に再配置をいたしまして、それぞれ中央、岡崎、豊橋の児童相談所と統合いたします。統合後の児童・障害者相談センターでは、現在児童相談所が行っておる業務と更生相談所が行っておる業務をあわせて行うこととしております。
 これまでは、障害児については児童相談所へ、障害者につきましては更生相談所へお出かけいただくことになっておりましたが、この統合によりまして、障害児・者の一貫した相談体制が確立され、また、二カ所から三カ所に増設されますので、より身近なところで相談ができ、利便性が向上するものと考えております。
 また、統合に伴う住民不安の払拭についてでございますが、新しい地方機関の所在地や業務内容等の啓発、PRを行いまして、住民の不安の解消に努めてまいりたいと存じます。



◯教育長(渥美榮朗君)
 「学校いきいきプラン」についてであります。
 学校における各教科、総合的な学習の時間、その他各種学校の行事等、さまざまな教育活動の場に地域の教育力を活用して、それぞれの分野において専門的知識や社会経験が豊富な社会人を補助教員等として配置し、学校教育の一層の活性化を図るとともに、児童生徒一人一人に目の行き届いた教育を行うことは大切なことであると考えます。
 県教育委員会といたしましては、海外経験が豊富で外国語に堪能な方を高等学校に在籍する外国人生徒に対する日本語指導の補助員として任用したり、コンピューターの操作に詳しい方を平成十五年度から必修となる教科「情報」のアシスタント、点字や手話に精通した方を特殊教育における点字教材の作成や手話通訳の補助員としてお願いしたり、さらに、部活動の各分野で専門的な技能を有する人をコーチとして任用するなど、このプランを積極的に活用してまいりたいと考えております。また、各市町村に対しましても、この「学校いきいきプラン」の趣旨の周知をしてまいりたいというふうに考えております。
 次に、学校の安全管理対策についてであります。
 池田小学校の事件を踏まえた取り組みについてのお尋ねでございますが、この事件後、臨時の教育委員会会議を開催し、児童生徒等の安全確保を図っていくため、学校、家庭、地域等が連携を密にした体制づくりの重要性を確認し、その視点に立った重点的に取り組むべき対策をまとめたところであります。その後、直ちに市町村教育委員会、各学校に対し、その対策と具体的な取り組み事例を示して、事件の未然防止に努めるよう指導いたしております。
 また、八月には市町村教育委員会及び各学校の取り組み状況や学校安全を推進するために必要と考えている取り組みなどについて調査をいたしました。その結果では、今後の学校の安全対策につきましては、子供たちが登下校中も含めてさまざまな状況を見て自分で危険を予知したり、身を守る能力を身につけることが最も重要ということでありましたので、今後、そうした点に留意し、対応してまいりたいというふうに考えております。
 また、学校の安全管理と開かれた学校づくりの両立を図るため、モデル校を指定した実践的研究に取り組むとともに、教員の危機管理意識を徹底させるために、研修の充実や学校安全マニュアルの作成を計画をいたしております。
 次に、学校の地震対策についてであります。
 市町村立学校における地震対策につきましては、設置者である市町村が国の補助制度を活用してそれぞれ計画的に対策を進めているところでありますが、今回、地震防災対策強化地域が拡大されますと、指定された地域においては、校舎の改築工事及び校舎の耐震補強工事に対しまして通常の国庫補助より高い補助率が適用されますことから、地震対策を積極的に促進するよう指導してまいりたいというふうに考えております。
 また、県立高等学校につきましては、国庫補助の適用がないことから、耐震診断の結果により、大規模改造工事とあわせて耐震補強工事を実施しているところでありますが、今後、緊急性の高いものからできるだけ早く地震対策を進めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、児童生徒が安心して学校生活を送ることができますよう、安全対策に努めてまいりたいというふうに考えております。



◯知事(神田真秋君)
 児童虐待でありますが、大変悲しい事件が続いておりまして、やりきれない気持ちでいっぱいであります。
 愛知県内でも死亡事故が発生をしたわけでありまして、亡くなられましたお子様には心から御冥福をお祈りしたいと思います。
 こうした事件が起こらないようにしなければなりませんが、県としては、部長も申し上げましたとおり、関係機関との連絡調整会議の開催やマニュアルの作成、あるいは精神科医の配置、あるいはNPOとの連携、さまざま行っておりますけれども、これをすれば即効果があるという決め手があるものはなく、恐らくこういったものを地道に続けるしかないと思っておりまして、これからもきちんと対応してまいりたいと思っておりますし、また、特に死亡などという悲劇的な事態、犠牲を出さないためには、やはり早期発見が第一であります。その意味では、県民の皆様方にも大変なこれは御協力をいただかなければならないと思っておりますので、広く県民の皆様方にそうした子供の命を助けるための御配慮と御理解をお願いしたいと思っております。
 以上です。



◯二十九番(渡会克明君)
 答弁をいただきました。
 私、児童虐待問題について、今、知事もお話がありましたけれども、この一般質問で取り上げるのが三度目になります。委員会でも何度もお話をさせていただいております。ちょうど牛の反すうのようなもので、答弁もダブったお話を何度も聞いております。それは、いかにそれがそれだけ大事かということだろうかと思います。
 今お話があったように、このやっぱり予防とケア、入り口と出口というものがきちっと、その仕組みがつくられないと、私はこういったことはなかなかやまない、こう思うんですね。
 そういう意味で、一つちょっと質問したいと思います。
 児童虐待の防止等に関する法律第十一条第一項におきまして、児童虐待を行った保護者について児童福祉法第二十七条第一項第二号の措置がとられた場合においては、当該保護者は同号の指導を受けなければならない、こういう規定があります。児童虐待を行った保護者に対して、児童相談所による指導措置を受ける義務が明らかになっております。また、児童虐待を行った保護者が児童相談所のこのカウンセリングを受けないときは、第二項において、都道府県知事が当該保護者に対してカウンセリングを受けるよう勧告できる、このように規定がされております。
 しかし、実際にはどうでしょうか。いわゆる親子を引き離した、当の敵対する児童相談所のカウンセリングを保護者が受けますでしょうか。また、都道府県知事が児童虐待を行った保護者に対してカウンセリングを受けるよう勧告しても、応じない場合があると思います。その実効性を高めるため、例えば罰則規定、裁判所による受講命令などを明文化する必要がある、これは国のことかもわかりませんけれども、こう思いますけれども、いかがお考えか、まず一つ伺いたいと思います。
 また、親子のカウンセリング、先ほど申しました出口の話でありますけれども、これが重要であることは、先ほどケア体制のところで御答弁をいただいたところであります。私の地元で、実はボランティアの方が自宅開放型の、自宅を提供して、地域の不登校、育児不安、児童虐待などの親子のカウンセリングをしたい、こういうお話が私のところにありました。その守秘義務の関係等から、なかなか難しいと思いますけれども、行政として、今知事もおっしゃいました、今後、NPO、ボランティア等の民間とどのようなかかわりを持っていくのか、このことをまず答弁をいただきたいと思います。
 それから、要望を二つしたいと思います。
 一つは、児童・障害者相談センターであります。
 内部的には、今まで所管の異なった機関が一緒になるわけでありまして、課が違うところが入るわけです。なれない点もあるかと思いますけれども、県民の福祉向上という一つ同じ心で、どうか、当たり前の話で申しわけありませんが、県民にはサービスをしていただきたい、こう思うんです。
 やはり最初が肝心だと思います。県民が気軽に相談できるような機関にしていただきたい、気持ちよく対応していただきたい、こうお願い申し上げます。大丈夫だと思うかもしれませんが、もし苦情でもあったら、またお知らせしたいと思いますけれども。あわせて、職員数の増加、職員の専門性の向上、これも努力をしていただきたいと思います。
 もう一つは、教育長が落としましたので、私あえて要望をさせていただきたいと思いますけれども、「学校いきいきプラン」、このことでございます。
 私よく、「一流のものに接すれば一流になる」、先輩にそうやって言われてまいりました。私の好きな言葉ですけれども、過日成立しました文化芸術振興基本法、あす施行になります。このことを考え合わせまして、青少年の健全育成の観点から、子供たちに文化芸術にふれる機会、これも提供を、でき得ればさせたいなと。
 私ども過日、喜多郎さんという方とちょっとお会いをすることがありました。この前、イチロー選手であるとか野依さんの話、さまざまにこの愛知県にすばらしい方いらっしゃいます。多分まだいらっしゃるかと思います。そういう意味で、私は、この地域の文化人、音楽家も含めた芸術家、こういった方もぜひよく見ていただいて、いらっしゃると思います。こういったことの派遣もぜひとも要望したい。こういうことを要望しまして、私の質問とさせていただきます。



◯健康福祉部長(川橋正司君)
 ただいまお尋ねの、児童虐待を行いました保護者がカウンセリングを受けない場合に、その受けるように実効性を高めるための方策についてどういう考えを持っておるかというお尋ねでございます。
 児童虐待の防止等に関する法律が定められましてほぼ一年が経過いたしております。議員御指摘のように、そうしたカウンセリングを受けない保護者に対する、受けさせるための実効性といいますか、担保をどうするかということにつきましても、いろいろ私どもも確かに問題点があると認識いたしております。この法律は法律施行後三年を目途に検討を加えるということになっておりますので、私どももこうした問題につきまして、他の都道府県等ともよく意見を交換しながら、国の方に趣旨を伝えてまいりたいと存じております。
 また、NPOとの連携につきまして御質問いただきました。
 私どももできる限りボランティアとかNPOの方々とこうした問題で連携を図って対応してまいりたいと考えておるところでございますが、議員お示しのとおり、こういう親子カウンセリングにつきましては、いわゆる守秘義務等々ございまして、どの範囲まで協働が可能なのか、今模索をしておるところでございます。
 なお、不登校あるいは育児不安の親子カウンセリング等については、私ども公の立場ばかりでなく、そうした民間の活用も大変重要と思っております。今後、NPOに関するいろんな情報などの提供に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。

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