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2003.03.07 : 平成15年2月定例会(第5号)

◯二十九番(渡会克明君)
 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、順次、通告に従いまして質問をさせていただきたいと思います。
 初めに、中高年齢者に関する雇用対策について二点お尋ねいたします。
 まず、ワークシェアリングの推進についてであります。
 愛知県における平成十四年十月から十二月期の完全失業率は四・一%で、全国に比べればまだ恵まれた状況にあります。また、有効求人倍率についても、一年にわたり全国を上回る上昇傾向にありますが、まだ〇・八九倍、これは十五年一月の数字でありますけれども、一倍には届かず、依然として厳しい状況にあります。さらに、今後、金融機関の不良債権処理が進めば新たな離職者が発生するなど、厳しい状況が続くことが危惧されております。
 このような厳しい雇用状況のもとで、とりわけ中高年齢者は、一たん離職すると再就職が非常に厳しい状況にあります。このため、一人一人の労働時間を短縮し、仕事を分かち合うワークシェアリングが中高年齢者の雇用維持、ひいては拡大のためにも有効であると思います。
 愛知県においても、十四年度から職員の時間外勤務手当の一部を割いて非常勤職員を雇用する一種のワークシェアリングの取り組みを進められております。しかし、これはあくまで例外的なものでありまして、社会全体でより幅広くワークシェアリングを進めていくように取り組むべきではないかと考えます。
 そこでお尋ねいたします。中高年齢者の雇用対策にも寄与するワークシェアリングの幅広い推進について、県としてどのように考え、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
 続いて、中高年齢者の再就職の促進と定年退職後の雇用就業機会の確保についてであります。
 本県の年齢別の有効求人倍率について、一月の数値を見ますと、四十四歳以下は〇・九倍以上に対しまして、四十五歳以上では〇・六倍以下となっており、中高年齢者の再就職は若年者と比べて困難となっております。長期にわたり仕事につけない方も多いと聞いております。さらに、今後そうした状況が強まる懸念もあり、県としてもさまざまな支援策を講じ、全力を挙げて再就職を促進していく必要があると考えます。また、急速に少子・高齢化が進み、年金の支給開始年齢が引き上げられる中で、働く能力と意欲のある高齢者に定年後も働き続ける機会を確保することが強く求められております。
 県内企業のうち、何らかの形で定年後も継続雇用する制度を持っている企業は八五%に及んでおりますが、そのうち、希望する者全員を六十五歳まで雇用する企業は、県の調査によりますと、まだ二割程度にとどまっております。
 企業の中には、他の企業を定年退職された方までも積極的に受け入れまして、企業経営に大いに成果を上げている先進的な事例もあると聞いております。そうした企業では、みずからの希望に合わせて短時間勤務を選択できるようにしたり、高齢者の方の体力に合わせて設備や用具を工夫するなどして、働きやすい環境に配慮しているということでありますし、経験や技術を生かして若い人を教え育てる役割を担っていただいているということであります。私は、こうした企業をどんどんふやしていく必要があると考えます。
 また、定年後も引き続き今までの仕事や職場に従事するという働き方だけではなく、子育て支援であるとか介護などの地域にかかわる仕事とか、農林業関係の仕事につくといった多様な就業の機会を確保することにより、高齢者が自分の趣味や関心によって選べるたくさんの選択肢を用意することが必要ではないかと考えます。
 そこで、中高年の方の再就職促進と定年退職後の雇用機会の確保について県としてはどのような取り組みをしているのか、お伺いをいたします。  質問の第二は、少子化対策について質問をさせていただきます。
 今後の子育て支援のあり方については、単なる少子化への歯どめではなく、子供の幸せを第一に考え、子供を持つことや子育てに喜びを感じられるような社会をつくっていかねばならないと思います。また、都市化や核家族化の影響もあり、子育ての経済的負担に加え、精神的な負担が増大をしております。これらを取り除くことも大切であります。子供は未来の宝との認識に立ち、子育てを地域や社会全体でサポートしていくような施策の推進が重要であると考えております。
 そこでまず、地域子育て支援センターの整備についてお伺いいたします。
 昭和五十年以降、我が国は晩婚化の進行などを背景に、出生率の低下により、子供の数は減り続け、少子化が急速に進行をしております。このことは将来の我が国の経済社会にさまざまな、そして深刻な影響を及ぼすことが懸念をされております。このため、国においては少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランなどを策定し、子供を産み育てることに夢を持てる社会を構築すべく、その推進を行っております。
 本県においても、平成十二年七月に少子化対策検討有識者会議を設置して、本県の少子化対策の検討が行われ、その提言は「二十一世紀あいち福祉ビジョン」に盛り込まれているところであります。
 この「二十一世紀あいち福祉ビジョン」には、親の急病や育児疲れ、育児不安に対応するため、一時保育や育児相談、子育てサークルへの支援など、子育て支援体制を充実していく必要がある、このように課題を掲げまして、今後の取り組みとして、地域子育て支援センターのすべての市町村への設置を目指すとしております。
 地域子育て支援センターは、子育て支援の中心的な役割を担い、地域の子育て家庭の育児不安などについて相談を受け、指導を行ったり、子育てサークルの育成や支援を行うなどを目的として、保育所などに設置されるものであります。
 そこで、地域子育て支援センターの整備状況はどのようになっているのか、また、今後の整備計画はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
 次に、子育てを支援するネットワークの形成についてお尋ねをいたします。
 昨今、子育てやしつけに関する悩みや不安を持つ親の増加に伴い、私が何度もこの議場でも取り上げてまいりました児童虐待問題を初め、家庭教育に端を発する諸問題も増加をしております。
 昔は、家庭には祖父母がおり、隣近所にも子育てを手助けしてくれる人が存在をしておりました。そこでは、日常的な声かけ運動により、ごく自然に子供に対する教育がなされていたように思います。
 ところが、どうでしょうか。今では、少子化や核家族化、都市化など社会状況の変化によって、以前のような教育環境が望めない状況にあります。私は、基本的な生活習慣、善悪の判断などは、本来、親の責任においてしつけるものだとは思っておりますが、このような時代において、子育てを社会全体で支えていく仕組み、すなわち子育てを支援するネットワークが必要ではないかと考えます。
 教育委員会では、これまでさまざまな子育て支援に取り組まれてきましたけれども、家庭教育を一層充実させるため、地域の子育て支援ネットワークの形成について、今後どのように進めていこうとされているのか、教育長にお伺いをいたします。
 質問の第三は、女性専門外来についてであります。
 今、働く女性の増加や高齢化などを背景に、女性の直面する病気や健康上の問題が多様化し、女性の生涯を通じた健康維持、増進のための体制整備が求められております。しかしながら、女性が安心して受診できる医療機関が少ないこともあって、それが女性の受診をちゅうちょさせる大きな原因ともなっております。
 女性が生涯健康で生きがいのある生活を送り、また、女性特有の心身に関する悩みを解消するためには、体や病気のメカニズムが男性と異なる女性特有の病気、例えば更年期障害──これは最近男性にもあるというお話でありますけれども、子宮がん、乳がん、また拒食症など、性差に配慮をした医療として、女性特有の身体的症状や精神的不安などを総合的に診療できる施設の整備を図っていく必要があります。
 女性スタッフによる女性専門外来は、既に県外の幾つかの自治体の病院などで実施されております。その内容は、患者のプライバシーを守るため、一般の外来とは別に診察室と待合室を設備するなど、あらゆる年代の多岐にわたる症状、複雑な心理状態に配慮し、じっくり時間をかけて対応するため、予約は数カ月待ちというほどのニーズの高さである、このように聞いております。
 私どもは、昨年の十二月から一カ月半にわたりまして、女性専門外来の設置など四項目についての賛否を問う「世直し目安箱カード」というアンケートを愛知、岐阜、三重の三県で実施をいたしました。そうしましたところ、十代から四十代までの十八万三千二百四十五人、うち男性が十万二千六百十七人、女性が八万六百二十八人の回答を得ました。女性専門外来の開設については七七・一%が賛成で、特に女性の賛成派は、二十代で八五・六%、三十代では八九・三%に上り、期待と関心の高さが示される結果となりました。
 国の平成十五年度予算の中に、国立成育医療センターに女性専門外来を設けることが盛り込まれているなど、今後は、女性専門外来の設置に対する県民の要求はますます高まるものと考えます。
 他県の例といたしましては、広島県が二月の二十七日、社会環境の変化などで女性特有の病気に対する医療相談、診療体制の充実が求められるとして、女性が安心して診療が受けられ、思春期から老年期までを総合的に診療する女性専門外来を広島県立病院に四月から開設をすると発表をいたしました。原則として初診の女性が対象ですが、対象疾患は限定をせず、診療日は、休日を除く毎週木曜日の午後一時から午後五時までで、一人当たりの診療時間は約三十分、同病院の中央棟一階に設置し、女性の精神科医や婦人科医が担当し、患者がリラックスできるように、診察室に応接セットを置くほか、医師は白衣を着用しないそうであります。
 こうした女性専門外来は、平成十三年九月の千葉県を初め、埼玉県や大阪府など五府県が設置済みであり、平成十五年度は、広島県のほか、東京、石川、兵庫の各都県が導入を検討しているとのことであります。
 本県におきましても、名古屋市港区にある中部労災病院が平成十四年二月に女性総合外来を設置しておりますし、春日井市民病院においても、この四月から女性専門外来を開設するとのことであります。また、名古屋市も平成十五年度から検討が開始される模様であります。
 本県には五つの県立病院が設置されており、がん、心疾患などの高度専門分野での医療機能の確保や、社会生活環境の複雑化、多様化に伴うストレスの増加による心の健康にも対応しているところであります。県民の安心を確保する意味におきましても、まず、県立病院において総合窓口となる女性専門外来を開設すべきである、このように考えます。
 そこで質問いたしますが、本県の県立病院に県民ニーズに対応する効果的な女性専門外来を設けることについて、そのお考えをお伺いいたします。
 質問の最後は、治安対策の推進についてであります。
 まず、最近の現金自動預け払い機、ATMを襲った犯罪を初め、来日不良外国人によると思われる破壊窃盗の対策についてであります。
 建設重機を使って駐車場などに設置をされたATMコーナーを破壊し、現金を盗む事件が首都圏を中心に多発しております。新聞によると、被害は東京都、神奈川、茨城、埼玉、千葉、山梨、静岡初め各県に広がっているようであります。
 その手口は、まず、ねらったATMコーナーに近い建設工事現場などで重機とトラックを盗み、ATMコーナーを破壊して、ATMをトラックに積み込み持ち去る、あるいは現場に重機とトラックを放置したままで現金のみを持ち去るといったものであります。さらには、犯人たちは警察やガードマンが駆けつける時間を計算して、四、五分たてば作業を切り上げ、現場から逃走するというものであります。
 ATMを襲った犯罪を初め、大型金庫の持ち去りや高級自動車の窃盗など、来日不良外国人がかかわっていると思われる大胆な犯罪が横行しております。
 そこで、最近のATMを襲った犯罪を初め、来日不良外国人によると思われる破壊窃盗に対して、県警としてどのような対策をとられているのか、お伺いをいたします。
 治安対策の二つ目は、犯罪の低年齢化抑止対策についてであります。
 書店での万引き被害について、経済産業省が昨年、全国二千五百三十の書店を対象に、書店の万引き被害についてのアンケート調査を実施いたしました。それによりますと、書店の八三%が、ここ数年で万引きがふえたと回答しており、万引きがふえた原因としては、換金目的を挙げた書店が一番多く、しかも、万引きをした者を年齢別に見ると、中・高校生が圧倒的に多いとのことであります。
 最近の図書の万引きは昔と違い、昔は読みたい本を一、二冊盗むケースが多かったものが、最近は換金目的で盗んでいく。中には、小学生のグループが換金目的で計画的に何十冊もの本を万引きしたケースもあります。人気のコミックスは一冊でも欠けると買い取り価格が下がることから、シリーズ全巻をまとめて盗んでいくそうであります。本を買い取る新古書店ができると、その周辺の書店で万引きがふえるという傾向もあります。また、アンケート結果では、万引きの解決策として、容易に換金させないこと、警察の取り締まり強化、店舗自身の防犯体制の整備の必要性を回答しており、こうした犯罪の低年齢化への対応が強く求められているところであります。
 こうした犯罪の低年齢化に関して、文部科学省の調査結果によりますと、警察に補導されたり家庭裁判所などに送られたりした公立の小・中・高生は十三年度に五千百二人であり、そのうち小学生は、前年度と比べて十人増加し、過去最多の五十八人となっております。また、昨年度に暴力行為を起こした小・中・高生は四万二千九百四十一人で、学年別では中学三年生が最も多く、一万五千三百八十一人で、小学生は千五百六十八人であります。このような状況は、まさに子供の荒れの低年齢化を示しているものであります。
 こうした中において、県警では、一昨年秋、県内の中学生以上の少年と保護者ら一万人を対象に、少年問題に関するアンケート調査を実施したと伺っております。
 そこで、実施したアンケート調査の結果などをもとに、県警としてどのように犯罪の低年齢化抑止対策を推進していくのか、お伺いをいたします。
 以上、私の壇上の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



◯産業労働部理事(鈴沖勝美君)
 中高年齢者の雇用対策についてお尋ねをいただきました。
 ワークシェアリングの推進についてでございますが、ワークシェアリングは、不況で仕事が減り、企業の収益が低下している中で、一人当たりの働く時間を減らし、仕事を分かち合うことによって雇用を守るということでございまして、御指摘のように、一たん失業すると再就職が難しい中高年齢者の雇用対策の一つとして有効でございまして、その推進を図っていくことが重要であると考えております。
 本県といたしましても、昨年十月から広い意味のワークシェアリング、いわゆる庁内ワークシェアリングを行うとともに、民間企業に対しまして情報提供、相談、アドバイザーの派遣等を行っているところでございます。
 ワークシェアリングの導入につきましては、企業から人材を解雇しないで済ます、仲間から失業者を出さないということで、労使の自主的な協議によって取り組んでいただくことが基本でございますが、実際に導入するに当たりましては、賃金を初め、さまざま検討、整理しなければならない問題が伴ってまいります。このため、県としては、情報提供、相談に応じるほか、ワークシェアリングの検討をされる企業に対してアドバイザーを派遣いたしまして、経営・労務上の諸問題の整理や支援制度の活用等、具体的なアドバイスをさせていただく支援を通じまして、このワークシェアリングの推進に努めてまいりたいと考えております。
 それから二つ目は、中高年齢者の再就職促進についてでございます。
 中高年齢等の離職者につきましては、高等技術専門校等での教育訓練コースを拡充するほか、就職面接会を開きまして、同じ場所で何社かに面接していただける機会を設ける、こんなことを行っております。しかし、この買い手市場となっております中では、なかなか結果に結びつかないのが実情でございます。
 そこで、本年度は、就職の可能性の高い職種、マンション管理、病院調理、警備等の仕事につきまして、五日間から十日間ほどの比較的短期間の講習とその後の面接会を組み合わせました事業を実施しました。これが一定の成果を上げてまいりましたので、新年度にはコースを増設してその充実に努めてまいりたいと考えております。
 次に、定年退職後の雇用就業についてでございます。
 健康で意欲のある定年退職の方に、その能力を生かして引き続き元気に働き続けていただける、これは、特に少子・高齢化が進んでいく中で企業の力を高めることにもなりますし、ひいては地域社会の活力を維持するためにも重要なことでございます。
 このため、本県でも、六十五歳現役社会を目指してシンポジウムを開催し、事業主等に対して、高齢者を活用している先進企業の事例を具体的に紹介したり、国の助成制度を周知するなど、高齢者の雇用に積極的な企業の増加に努めているところでございます。
 また、生きがいや社会参加、社会貢献といった意味から、多様な就業機会を求める高齢者に対しましては、希望に応じて仕事や働き方を選ぶことができますように、選択肢をふやしていくことが重要だと考えております。
 このため、県としても、家事や子育て支援、環境美化、公共施設の管理等、地域に密着した幅広い仕事を提供するシルバー人材センターの事業を支援する等して、高齢者の就業機会の拡大と多様化に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。



◯健康福祉部長(牧邦昭君)
 地域子育て支援センターの整備状況についてであります。
 平成十五年三月一日現在、県所管分で四十一の市町村に四十八カ所が設置をされております。
 今後の整備状況についてでありますが、現在、「二十一世紀あいち福祉ビジョン」の実施計画の見直しを行っておりますので、目標年次の平成十九年度にはほとんどの市町村で設置を目指してまいりたい、このように考えております。



◯教育長(渥美榮朗君)
 地域の子育て支援ネットワークの形成についてであります。
 教育委員会といたしましては、地域におけるネットワークの形成の中核となる人材として、親の相談に応じたり子育てグループづくりを先導する役割を担う子育てネットワーカーを本年度までに約一千人養成してまいりました。
 また、この子育てネットワークを中心とした地域におけるネットワーク形成を推進するため、子育てネット会議を設置し、幼児教室や親子ふれあい広場の開催など、子育てグループを支援する事業を、本年度、七十五市町村に委託をしてきたところであります。今後はこうした事業を一層充実、発展させ、地域社会全体で子育てを支援する子育て安心社会づくりを目指してまいります。



◯健康福祉部理事(藤岡正信君)
 県立病院に女性専門外来をとのお尋ねであります。
 女性専門の外来診療は、女性患者にとりまして、医師が同性ということで気楽に安心して診察が受けられる、また、女性特有の疾患に十分対応してもらえる等、性差に配慮した医療として意義深いものと認識をしております。
 県立病院での女性専門外来設置につきましては、現状では、女性医師の確保が十分でない、がん、循環器などの専門的医療が中心で、総合的な医療を行っていないといった課題がありまして、なかなか難しい状況でございます。
 しかしながら、女性専門外来の必要性は理解をしておりますので、専門性の高い県立病院としてどの範囲での取り組みが可能であるか、今後、検討を進めてまいりたいと考えております。



◯警察本部長(和田康敬君)
 ATMを破壊して行う窃盗事件の防犯対策についてでございますけれども、建設重機を利用してATMを破壊する事犯というのが、ことしの二月の一日に県内で初めて発生をいたしました。
 この種の防犯対策としては、建設重機が盗まれないようにするということが何よりでございまして、二月の十二日に、こういった建設重機を取り扱います建設業協会等を初めとする関係団体の関係者を集めまして防犯対策会議を行いました。その席上で、まず、建設重機が建設現場等に置いてございますので、そういった場所で見回りでございますとか、建設重機にエンジンキーをかけたままで置いておるということもございますので、そういったことのないように、エンジンキーを確実に保管をしていただく。あるいは建設重機を搬送するための車両、これのかぎの保管、さらには、車体が動かせないようにするための、例えばチェーン等で車体を固定するといったような措置についての働きかけを行っております。
 また、ATMを設置をしております金融機関に対しまして、できれば、そういった建設重機で破壊されないような場所、設置場所についての検討をお願いできないかと、あるいはATM自体の構造の強化、また、襲撃をされました場合に付近の住民の方々からの通報というのが一番重要でございますので、こういった付近の住民の方々への協力依頼というのも金融機関に対して働きかけを行っております。
 次に、犯罪の低年齢化抑止対策でございます。
 議員御質問ございましたように、少年や保護者に対して一万人アンケートというものを実施いたしました。その中で、中学生を対象とする質問の中に、もし友達から誘われたら一緒にやってしまいそうだという行為というのはどういうものがあるかということで質問をいたしましたところ、「万引き」というふうに答えたのが、非行少年のグループでは約三〇%、それから、非行少年以外の一般の少年からは約一五%の中学生が、もし友達から誘われたら一緒に行ってしまうということで回答いたしております。
 また、同じアンケートの中で、こういった少年非行防止について警察に望むことということの項目の中で、多く寄せられました中身は、厳しい検挙、補導、あるいは相談活動の充実、それから、そういう少年非行についての情報発信といったような項目が多数寄せられております。
 こういった結果を踏まえまして、一つには、そういった問題行動へ早いうちに対応できるような形での少年相談の充実と、万引きについて、書店あるいはスーパーなどに対して、そういった万引きの少年を発見した場合に警察に的確に通報していただくということの働きかけを進めてまいりたいというふうに考えております。また、小学生、中学生という初期の非行防止という面では、小学校、中学校との連携が何よりも重要でございますので、これらの学校との情報交換、あるいは父兄、保護者や先生方との合同補導、それから、警察職員を学校に派遣しての非行防止のための活動というものも今後充実をしてまいりたいというふうに考えております。



◯知事(神田真秋君)
 雇用問題でございます。
 大変厳しい経済状況の中で、雇用情勢は相変わらず大変厳しい中にあるわけでございます。
 そこで、十五年度は、公的部門で臨時的な雇用機会を創出することが目的の臨時地域雇用創出特別基金事業、この特別基金事業を大幅に前倒しをすることにいたしました。基金の約半分に当たります六十九億円分を実施することにしたところでございます。
 この仕事はさまざまなことを行うわけでありますが、中でも、特に再就職の難しい中高年齢の方々のために、企業を個別に訪問して求人を掘り起こす求人開拓事業を計画いたしております。約延べ二千五百社ぐらいを訪問しようと、こういう計画でございます。
 県といたしましても、引き続き中高年齢者やら若年者、そして障害者など就職の困難な方々に重点を置きまして、再就職支援に努めてまいりたいと考えております。



◯二十九番(渡会克明君)
 御答弁をいただきました。一点要望させていただきたいと思います。
 雇用対策に関しては、非常に私、楽しみに見守っていきたいと思いますけれども、実は、今、きょうは女性の専門外来という、女性のお話ではありませんけれども、させていただきました。これは、今御答弁がありましたけれども、私は、これはある意味からしますと、子育て支援にもつながりますし、また、男女平等参画社会づくりという観点からも、いわゆる県としてこういう、総合相談窓口的なこういうものを設けた方がいいだろうと、こういうことからお話をさせていただきました。
 そして、アンケートを紹介しましたのは、これからを担う、いわゆる十代、二十代、三十代というお若い人たちの声をぜひとも皆様方に聞いていただきたいという、こういう思いからお話をさせていただいたわけであります。
 県立病院は、専化、特化しますけれども、非常にアンテナ的な、市内の、県内の市民病院等が見ておるわけでありますから、私は、市民病院等が県立病院にこういった問診を初めとした女性の、本当に親身になって相談を聞き、診察をするという、こういうシステムができることが一番大事だと。
 だから、本当に女医さん一人見つけてくればいいわけです。そこから始めていただいて、私は、診療科目それぞれ振っていくというか、紹介をしていけばいいんでありまして、ぜひともそういうことをやってくだされば、各医療圏での市民病院においてはそういったことを考えていく。そういう使命が今の県立病院にはある、私はこう理解しているんです。ただ、心臓専門だよ、がん専門だよということだけではなくして、私は、これから先々を考えたときに、そういう大きな使命があるんじゃないか、こう申し上げます。
 ぜひともまた前向きに考えていただきたい、こう重ねて要望して、終わります。

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