県議会発言録へもどる
2005.3.9 : 平成17年2月定例会 速報
〜議案質疑の、質問ならびに答弁要旨〜
質問項目 第10款警察費 第2項警察活動費
携帯電話等への地域の犯罪情報等の配信について
(1) 現在の県民登録状況、サービス対象地域、また配信内容等の現況をお伺いします。
具体的な事例が紹介できればお願いします。
(警察本部長答弁)
警察では、犯罪抑止や交通事故防止のために、これまでにインターネット等の電子情報機器を活用した事件事故情報等の発信を行ってきており、昨年には、県警ホームページの携帯電話対応サイトである「モバイル愛知県警」に全ての携帯電話からアクセスができるように拡充したところであります。
さらに本年1月から、中部電力が運営する地域密着型携帯情報サービスシステム「ポケッチュ!」というシステムを利用して、警察からのメールを登録者に配信するシステムを「パトネットあいち」と称して試験的に運用を始めたところであります。
パトネットあいちの登録者は、当初1万人を目標として開始したところでありますが、3月7日現在での登録者は9,323人となっております。
登録に際しては、「ポケッチュ!」のサービスエリアである名古屋市内等を管轄する18警察署のうち、希望警察署を指定して登録していただくこととなります。18警察署すべてを登録することも可能ですが、一人平均では約3警察署を登録していただいております。
配信を希望して「パトネットあいち」に登録した人は、誰でもこのサービスを受けることができますが、配信される事件事故情報につきましては、この18警察署管内で発生したものに限られております。
この配信情報の対象地区につきましては、「ポケッチュ!」がエリア拡大を検討中であります。情報の希望地域がない場合は、後にご説明する全登録者メールのみの登録も可能となっております。
配信内容につきましては、「パトネットあいち」の登録者に対し2種類のメールを配信しております。
その1つは、『事件事故等メール』と称しまして、「モバイル愛知県警」に掲載した最新情報を「ポケッチュ!」が定期的に自動検索し、登録者が希望した警察署管内で発生した強盗、殺人、連続ひったくり、多額盗難、交通死亡事故などの概要を配信するものです。
もう1つは、『全登録者対象メール』と称し、登録者全員に、多発する事件事故の注意情報、警察関係の法律改正のポイント、警察イベント等の開催案内などについて毎月2回程度定期的に配信するものです。
今までの配信状況につきましては、『事件事故等メール』では、開始日の1月10日から3月7日までの間に、路上強盗、コンビニ強盗、連続ひったくり、殺人事件、交通死亡事故などの事件事故メールを37件配信しております。
また、『全登録者対象メール』は、3月7日までに、「110番の日広報と110番のかけ方、振り込め恐喝事件の多発警報」、「自動車盗の多発と被害の多い車種」など4件配信しております。
今後とも、身近でタイムリーな情報提供に努めたいと考えております。
(2) 大阪府寝屋川市立中央小学校の事件を機にどのような施策を実施していくのかお伺いします。
(警察本部長答弁)
教育委員会との連携による学校における安全対策についてでありますが、教育委員会等とはこれまで人事交流などを行い相互に緊密な連携を保持しているところであります。
また、昨年4月の「愛知県安全なまちづくり条例」の制定を機に一層の連携強化を図っているところであります。
こうした状況の中で犯罪情報等の提供につきましては、警察本部から県教育委員会に対して、特異事案の発生時にはその都度、通報しており、また、各警察署と各地域の教育委員会等との間におきましても緊急連絡のネットワークを構築しておりますし、学校警察連絡協議会などの定期的な連絡会議を持つなどにより情報提供や意見交換を行っているところであります。
また、具体的な安全対策として、小中学校の新入学期をひかえ、保護者の方々から要望の強い学校周辺に対する警戒につきましては、制服警察官によるパトロール活動を強化するほか、地域住民と一体となった合同パトロールなどを積極的に展開してまいります。
また、警察の持つ犯罪抑止の専門的なノウハウを活用して、学校への不審者侵入を想定した参加・体験・実践型の防犯訓練や防犯教室を継続的に開催することなどにより、学校等の安全の確保に努めて行く所存であります。
質問項目 第11款教育費 第7項保健体育費
学校の安全管理体制について
これからの学校の安全確保のためには、具体的に地域や警察とどのような連携を考えてみえるのか、お伺いします。
(教育長答弁)
県教育委員会としましては、平成15年度から、県内各地域の保護者や小学校の教員を対象に防犯教室指導者講習会を開催しており、県警本部にも講師を依頼しているところであり、本事業につきましては、今後も実施していく予定であります。
また、昨年4月に愛知県安全なまちづくり条例が施行され、学校等における児童等の安全の確保のための指針が定められたところであります。その中で、地域住民・警察署等の連携について、教職員や子どもたちへの防犯訓練、緊急時対応体制や不審者情報の連絡網の整備、通学路のパトロールなど具体的に示しているところであります。
寝屋川市の事件以降、こうした地域、警察等と連携した取り組みが強化されているところですが、今後、さらに、このような取り組みを県内に広めるとともに、特に犯罪の広域性を考慮した市町村間の情報の共有化の推進も含め、県教育委員会の内部に設置した学校安全対策検討会の中で、学校安全の総点検や有効な安全対策について具体的な取り組みの検討を進めてまいります。
要望
(渡会克明議員)
県は安全・安心を県政運営のひとつのキーワードとして、様々な施策を立案し、実施されております。一昔前とは異なり、現在の多様化する社会に対応しようとすると、そこには多くの部局が関わり、それぞれの立場で時間をかけ施策を考える時代であります。類似する施策も存在し、費用対効果を考えると思ったほどの効果が上がらないといった、行財政改革とは相反する現実もあります。そこで重要になってくるのが連携であります。連携と一言で言ってもこれがなかなか難しく、以前に比べるとだいぶ進んできたように思いますが、まだまだ問題も残ります。
たとえば、学校と警察の連携であります。ただ今、この度の小学校の殺傷事件に関連して、学校における安全対策について、それぞれの立場から連携の取組をお聞きしました。教育委員会も県警も、文部科学省、警察庁からの施策等の指示があり、それぞれがこれに対応しながら、お互いの距離を縮めようとしております。これもなかなか至難の業であると思います。しかし、次世代の宝である子供を守るという大目的のためには、何とかしなくてはなりません。
県民の側から見ると、様々な行政機関がありますが、皆さんが一致協力して、私たちの安全安心を守ってもらいたいと考えております。県民福祉向上のための施策の連携を進め、必要ならば調整するといった要の存在が、県民の目に見える形で、実効ある機関として知事部局にあるのか。また、警察、教育委員会等も含めた形での連携、調整はできるのか。
そこで私は、もし無いのであれば、新たに知事部局の中に連携、調整の要の存在として、常に県民の安心・安全を確保することを考える、事件後の対処機関ではなく予算を持った予防機関として、例えば仮称危機管理対策室の設置を要望するものであります。
県民の安心安全を確保する立場から、緊急対策のひとつとして、今回県民の携帯電話等へのメール配信による情報提供を取り上げました。
警察の「パトネットあいち」をはじめ一部の部局で始まっておりますし、始める必要がある部局もあります。防災局の災害情報や、県民生活部の消費者トラブル問題、環境部の産廃情報、健康福祉部の母子世帯に対する求人情報等々、いろいろ考えられます。こうした部局が、それぞれで予算を組み、企画立案し施策を展開するのではなく、システムにおいては一元化されることが望まれます。運営面でも、民間への業務委託まで視野に入れたシステム構築を図り、合理化を目指すことが必要であろうと思います。逆に県民の皆さんからの情報もいただき、それを今度は行政側が生かしていく。このように地域社会における安心・安全の確立のために行政と県民が情報を共有するシステムを構築することが喫緊の課題であると考えます。
この県政運営を円滑に進めるためにも、新たな機関の設置を要望して終わります。