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2006.06.22 : 平成18年6月定例会(第3号)

◯五十番(渡会克明君)
 通告に従い、順次質問をしてまいります。
 質問の第一は、がん対策についてお伺いいたします。
 日本における生涯がん罹患リスク、すなわち一生涯のうちにがんに罹患する確率の推定値は、男性が二人に一人、女性は三人に一人であるとのデータがあります。がんの罹患率や死亡率は年々上昇を続けており、一九八一年以降、死亡原因の第一位はがんであり、今や三人に一人ががんで亡くなっています。十年後には二人に一人ががんで死亡すると予想をされています。がんというのはまさに国民病であります。
 国は、現在、第三次対がん十カ年総合戦略を実施していますが、罹患率や死亡率の上昇には一向に歯どめがかかっていません。そこで、政府は、昨年五月、厚生労働大臣を本部長とするがん対策推進本部を設置したところであります。
 さらに、国を挙げて本格的に取り組む体制をつくるため、日本のがん対策に欠けている課題の解決に向けた具体的な施策を法制化するがん対策基本法が去る六月十六日に参議院本会議において全会一致で可決成立し、平成十九年四月一日から施行されることとなりました。
 我が党は、法制化に当たって、放射線治療医や品質管理の専門家の育成、緩和ケアの充実、がん登録の必要性を一貫して主張してまいりました。今後は、我が国のがん対策が同法に基づき国家戦略として大きく推進されることを期待するものであります。以下、同法の意義について申し上げた後、幾つかの質問をさせていただきます。
 さて、基本法の骨子ですが、第一章では、がん対策に関する基本理念を定めた上で、国や地方公共団体、医療保険者、国民、医師等の責務を明記し、第二章では、がん対策の推進を図るため、政府と都道府県がそれぞれがん対策推進基本計画、がん対策推進計画を策定するよう規定をしております。さらに、第三章では、基本的施策として、がん予防、早期発見の推進、がん医療の均てん化──均てん化と申しますのは、格差の是正という意味だそうであります──の促進、がん研究の推進の三点について定めております。
 このうち、政府の基本計画の策定については、閣議決定を必要とし、具体的な目標とその達成時期を定めることを明記し、五年ごとに計画変更を含めた見直しを行うこととされております。
 また、目標の達成状況をインターネットや適切な方法で公表するとし、実効性を高めることとしております。さらに、がん患者やその家族、遺族の代表、専門家らで構成するがん対策推進協議会を厚生労働省に設置し、基本計画策定に国民の声や専門家の意見を反映させる仕組みを盛り込んでおります。
 さて、同法案のポイントは、国のがん対策で大きくおくれていた放射線治療医の育成や緩和ケアの充実が明記されたことであります。かつて、日本では、がんの主流は胃がんであり、このため、治療法としてはがんを摘出する手術がすべてのように思われ、手術偏重の時代が続いてきました。しかし、生活の欧米化に伴い、がんも胃がん、子宮がんから肺がん、乳がん、前立腺がんなどへと欧米化が進み、それらの治療に高い効果のある放射線治療の需要が急増をしております。また、がん患者の高齢化が進み、手術に耐えられない患者がふえていることからも、放射線治療の需要が急速に多くなっております。
 ところが、現在、がんの患者で放射線治療を受けているのは十五万人、二五%にすぎず、アメリカの六五%、ドイツの六〇%に比べおくれは否めません。十年後には、放射線治療を受ける患者数は三十万人に急増するとの厚生労働省の研究班の予測もあり、これにこたえるために、現在、全国でわずか五百人しかいない放射線治療医の育成が急務であります。このために、同法では必要な施策を講ずることとしております。
 次に、国及び地方公共団体は、がん患者の状況に応じて、疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすることと規定をしております。これは緩和ケアが法律上明記されたもので、大きな意義があります。
 緩和ケアとは、患者の痛みを和らげる医療行為ですが、これまで日本では、がん患者が終末期に至って初めて開始される状況が続いてきました。しかし、本来の緩和ケアは、がんと診断されたときから治療と並行して受けられなければなりません。それにより、がん患者の激しい痛みと精神的な苦痛を和らげ、生活の質を確保し、その人らしい生き方ができるようになるからであります。
 以上、がん対策基本法の一部概要を御紹介してまいりました。これらの施策は、国家戦略として国が中心に取り組まなくてはならないものでありますが、同法では、地方公共団体が自主的及び主体的にがん対策を講じるよう定めております。
 都道府県がん対策推進計画は、国が策定する基本計画を基本とすることとされており、基本計画が策定されていない段階で具体的施策を述べることは難しいとは思いますが、多くの患者さんや家族の皆さん方にとっては、実効性のある治療、対策が一日でも早く講じられることは切実な願いであり、期待と不安を持って、行政の施策に注目をしております。
 そこで、順次お尋ねをいたします。
 質問の第一は、がん対策基本法が成立し、各都道府県は、国が策定するがん対策推進基本計画を基本として、都道府県がん対策推進計画を策定することになりますが、県は今後どのような形で計画を策定し推進していくのか、まずお伺いいたします。
 第二に、基本法では、基本理念として、がんに関する専門的、学際的、または総合的な研究を推進することを掲げております。とりわけ、放射線医療の場合、がん医療の専門家のみならず、理系及び工学系の専門研究者の協力が不可欠であると思われます。幸い愛知県では優秀な研究者を擁する大学があり、がんセンター、医師会など、関係機関が研究協力体制を構築していくことが可能であり、また必要であると思われます。この点について、これまでの状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。
 第三に、がん医療の均てん化についてであります。これについては、平成十三年にメディカルフロンティア戦略によって、全国どこでも質の高い医療を受けることができるよう、地域がん診療拠点病院の整備の推進が図られることになりました。
 また、国は、平成十六年度から開始された第三次対がん十カ年総合戦略でも、がん医療の均てん化を図ることを戦略目標として掲げております。がん医療の均てん化を図るためには、医師を初めとする医療従事者の育成、医療機関の整備などが必要と考えられますが、県はどのように均てん化を進めるのか、お伺いをいたします。
 第四に、同法では、がん患者のがんの罹患などの状況を把握し、分析するための取り組みを支援するために必要な施策を講ずることを国及び地方公共団体に求めています。愛知県では、昭和三十七年から、がん患者の実態把握のためにがん登録事業を県の施策として実施していますが、その現状と今後の推進の方法についてお伺いいたします。
 がん対策は、まさに喫緊の課題であり、理事者の前向きの答弁を期待して次の質問に移ります。
 質問の第二は、認定こども園についてであります。
 幼稚園と保育所の双方の機能をあわせ持つ総合施設「認定こども園」を整備するための就学前の子供に関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(認定こども園法)が今国会で成立をいたしました。法に基づき、認定こども園は十月からスタートする運びであります。これまで、文部科学、厚生労働の両省間で検討が重ねられてきた幼保一体化がいよいよ具体的な形となるわけであります。
 児童福祉法に基づく保育所と学校教育法に基づく幼稚園では目的や機能が異なり、所管も前者が厚労省、後者が文科省の縦割りで、さまざまな制約があります。
 また、ゼロ歳から五歳児のための保育所の場合、保育時間は標準八時間と長目ですが、子供を入所させることができるのは共働きの家庭などに限られており、専業主婦の家庭などには開放されていません。一方、三歳から五歳児が対象の幼稚園は、親が働いていなくても子供を入園させることはできますが、預かり時間は原則四時間と短いのが現状であります。このため、保育所の利用者が子供に充実した教育を受けさせたい、もしくは幼稚園の利用者が子供を長時間預けたいと思っても、そうしたニーズに対応することは難しいわけであります。
 さらに、共働き世帯の増加に伴い、保育所への入所待ちをしている待機児童が全国で二万三千人に上る一方で、幼稚園の利用児童は十年間で十万人も減少しております。少子化の影響により定員割れで閉鎖が相次ぐというような需要と供給のミスマッチ問題も生じています。自治体が財政難の中で地域の限られた資源を生かし、効率化を図る観点からも幼保一体化は要請をされております。
 このため、経営に苦しむ幼稚園を保育所の待機児童の受け皿とする有効活用策として、幼保の枠組みを超えた総合施設の可能性にかねてから注目が集まっていました。
 今回の法律で示されている認定こども園は、就学前のゼロ歳から五歳児に保育と教育を一体的に提供する幼稚園と保育所の両機能を兼ね備えた施設であります。親が働いているかどうかに関係なく、子供を入園させることができ、預かり時間も保育所並みの八時間としています。地域における子育て支援、例えば相談や親子の集いの場の提供などを行う施設であるということも、この認定こども園の要件として含まれております。
 認定こども園の施設形態は、平成十七年度から厚労、文科の両省が全国三十五カ所で実施した総合施設のモデル事業による実績などを踏まえ、一つには、幼稚園と保育所が連携して一体的に運営を行う幼保連携型。二つには、幼稚園の機能を拡大し、保育所の機能を加える幼稚園型。三つには、保育所の機能を拡大し、幼稚園の機能を加える保育所型。そして、四つには、幼稚園、保育所のいずれの認可もないが、地域の教育、保育施設が総合施設としての機能を果たす地方裁量型の四タイプを想定して議論が行われてきたところであります。
 職員配置などの具体的な認定基準は、国が定める指針をもとに都道府県が条例で決定し、基準を満たす施設を都道府県知事が認定こども園として認定することになっています。地域の実情を踏まえて、どう認定こども園を整備し運用するのか、都道府県の力量が試されることになります。
 新たなサービス提供の枠組みだけに、周到な準備が必要であります。例えば、幼稚園にとって、ゼロ歳から二歳児の保育は未経験の分野であり、職員の配置や研修はもとより、遊具などでも低年齢児の特性を考慮した対応が求められております。ねらいどおりに子供の教育と保育が充実し、利用者に喜ばれる施設となることを期待したいと思います。
 そこでお伺いいたします。県は、新しい施設として創設される認定こども園をどのようにとらえ、また、子育て支援の面においてもどう位置づけていかれるのか、お伺いをいたします。
 質問の最後は、食育についてであります。ここでは、特に学校における食育の取り組み推進についてお伺いいたします。
 食育基本法が昨年七月に施行されました。基本法制定の背景には、国民の食生活の乱れ、肥満などにより誘発する生活習慣病の増加などがあります。
 政府は、本年三月三十一日、同基本法を具体化した食育推進基本計画を策定し、子供への食育を通じて、大人自身もその食生活を見直すことが期待されるところであり、地域や社会を挙げて子供の食育に取り組むことが必要であると食育推進の重要性を訴えております。
 さらに、同計画では、推進計画を作成、実施している都道府県及び市町村の割合を、都道府県一〇〇%、市町村五〇%以上、また、朝食を欠食する国民の割合の減少を、これは平成十二年度の数字でありますけれども、小学生四%からゼロ%に近づける。そして、学校給食における地場産物を使用する割合の増加を二一%、これは平成十六年度の食材数のベースでありますけれども、二一%から三〇%以上に上げるなど、努力目標として定めるなど、二〇一〇年度までに達成すべき数値目標を九項目にわたり提示をしております。
 特に、学校を主体として、子供たちへの食育啓発に携わる文部科学省では、子供たちが望ましい食習慣を身につけられるよう、学校における食育への取り組み推進を図るためにさまざまな事業を開始しております。
 その中で最も重要となってくるのが、昨年四月から食育指導を充実させるために設置された栄養教諭制度であります。食生活を取り巻く社会環境が大きく変化し、食生活の多様化が進む中で、朝食をとらないなど、子供の食生活の乱れが問題となっております。このような中で、子供たちが将来にわたって健康に過ごせるように、栄養や食事のとり方などについて、正しい知識に基づいてみずから判断し、実践していく食の自己管理能力や望ましい食習慣を子供たちに身につけさせることが必要となっています。
 このため、今後、栄養教諭が小中学校等における子供たちへの食に関する指導の中核的な役割を担い、あわせて、学校給食の管理として、学校給食の献立の作成や衛生管理等を一体的に行うことになります。
 さらには、地域や保護者との連携をもとに、各学校における食育の推進のための指針を策定することが期待をされております。
 栄養教諭になるためには、まず、栄養教諭免許状を取得することが必要ですので、教諭や養護教諭になる場合と同様に、大学等の栄養教諭養成課程で所定の科目を学ぶことになります。
 また、現在、学校栄養職員として勤務している方の場合には、一定の講習を受講することにより、栄養教諭免許状を取得できる方法もあります。こうして、この方たちが栄養教諭として小中学校等に配置をされていきます。
 栄養教諭の配置に関しては、地方公共団体や設置者に任されています。また、公立小中学校の場合は、県費負担教職員となることから、県教育委員会の判断により配置が決まります。愛知県においては、本年四月から県内の小中学校に十名の栄養教諭を配置されたところでありますが、学校における食育推進の中核となる栄養教諭制度を積極的に活用し、食育を推進していただきたいと思います。
 そこで、以上の点を踏まえ、以下質問をしてまいります。
 質問の第一は、国の食育推進プランの充実を受けて、本県では、本年度、学校における食育推進事業をどのように取り組むのか、お伺いいたします。
 質問の第二は、栄養教諭について四点お伺いいたします。
 一点目、平成十八年度の十名の任用及び学校への配置はどのような選択基準で決定したのか、あわせて、今後の配置計画はどのように考えているのか、お伺いいたします。
 二点目、食に関する指導といっても多岐にわたり、大変重い責務を負うわけでありますが、具体的にどういう仕事をするのか教えていただきたいと思います。
 三点目、栄養教諭の配置に当たって、現実の学校現場では幾つかの課題もあるかと思います。何があり、それをどのようにクリアしていくのか、お伺いいたします。
 四点目、栄養教諭制度の効果的な活用のために、教育委員会としても積極的な支援を考えないと食育の取り組みの推進という所期の目的を達成できないと思いますが、その対応と意気込みをお聞かせください。
 質問の第三は、教育委員会は、食育推進課を初め食育に関する関係部局との連携を今後どのように推進していくお考えか、お伺いいたします。
 以上、私の壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)



◯健康福祉部健康担当局長(五十里明君)
 がん対策の御質問にお答えをいたします。
 まず、都道府県がん対策推進計画についてのお尋ねでございますが、議員お示しのとおり、さきの国会で成立いたしましたがん対策基本法では、がん対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、国は、がん対策推進基本計画を策定し、都道府県は、その内容を踏まえ、都道府県がん対策推進計画を策定することになりました。
 計画の策定に当たりましては、愛知県がん対策推進計画委員会、これは仮称でございますが、これを設置し、幅広い意見を伺うため、がん医療の専門家やがん患者の方及びその家族、または遺族の代表者に委員をお願いしたいと考えております。
 この委員の中では、本県におけるがん対策の具体的な目標や達成時期について御検討いただき、県民の皆様からのパブリックコメントや関係機関の御意見を踏まえまして計画を策定し、がん対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。
 次に、がん克服に向けての他分野との連携についてのお尋ねでございます。
 他分野との連携につきましては、これまでも愛知県がんセンターが健康長寿分野において、大学や企業との連携を図るために設立されましたあいち健康長寿産業クラスター推進協議会への参画や理学、工学との連携によるがん細胞だけを攻撃する薬の開発など、臨床医学への応用を視野に入れた研究を進めているところであります。
 今後、先端医療技術の開発には他分野との連携がますます重要と考えられますことから、県といたしましては、産・学・行政が一体となり、がん克服に努めてまいります。
 次に、がん医療の均てん化についてのお尋ねでございます。
 国は、がん医療水準の均てん化の実現に向け、ことし二月に新たにがん診療連携拠点病院の整備に関する指針を定めました。この指針では、放射線診断治療に関する専門的知識を有する医師の配置、または他の医療機関から協力を得られる体制の確保、緩和医療の提供体制の整備などががん診療連携拠点病院としての必須の指定要件となりました。したがいまして、がん診療連携拠点病院として指定を受けることが放射線治療や緩和ケアの整備につながり、均てん化に寄与するものと考えております。
 また、均てん化を図る上では、がん医療の従事者の質の向上を図る必要があり、がん診療連携拠点病院に地域での研修の実施が義務づけられましたので、今後は地域における専門医などの育成がさらに図られるものと考えております。
 なお、本県では、現在までに地域がん診療連携拠点病院として六医療機関が指定を受けておりますが、今後はさらに均てん化の推進のため、指定医療機関のない二次医療圏におきましても、順次指定を国に働きかけてまいります。
 次に、がん登録事業についての現状についてでございます。
 がん登録事業は、近年のがんによる死亡の増加から、がんの実態を把握するために実施しておりまして、そのデータは、県内のがん罹患数、罹患率やがん患者の方々の生存率の把握に活用されており、これまで県内の多くの医療機関に御協力をいただいているところであります。
 最近の届け出件数は毎年約二万件となっておりまして、特に県内中央部のデータは信頼性が高く、国際がん登録学会が発行いたします五大陸、これはユーラシア大陸とか南北アメリカ、アフリカ、オーストラリア大陸でございますが、この五大陸のがん罹患報告書に来年から掲載される予定となっております。
 次に、がん登録事業の今後の推進方法についてでございます。がん登録のデータの信頼性をより高いものにするためには、医療機関からの届け出件数をさらに増加する必要がございますので、医療機関に対する働きかけをより一層強化してまいります。
 また、本事業の目的を広く県民の皆様にアピールし、事業に協力をいただくため、県のホームページを初めとする各種広報媒体を活用した広報に努めてまいりたいと考えております。



◯健康福祉部長(小島通君)
 認定こども園についてお答え申し上げます。
 これまで、保育所は児童福祉施設として、また幼稚園は教育施設として、目的と機能を異にして、それぞれの社会的ニーズにこたえてまいりました。その大きな違いは、子供が保育に欠けるか否か、すなわち保育を担う保護者が就労しているか否かなど、保護者の事情により子供の施設が決められてきたことにございます。
 今日のように雇用形態が多様化したり、また、保育や教育に対するニーズが多様化していることを考えますと、保育に欠ける子供も欠けない子供も一緒に受け入れて、保育と教育を一体的に提供して、子供の育ちを一貫して支える認定こども園は、まことに時宜にかなったものであると考えております。
 次に、子育て支援の面でありますが、認定こども園は、地域における子育て支援機能を持つことも必要とされておりますので、すべての子育て家庭を対象に、子育て不安に対応した相談や親子の集いの場を提供することにより、身近な地域における子育て支援の一層の充実強化を図ることになると位置づけ、期待するものでございます。
 いずれにいたしましても、認定こども園につきましては、保育所と幼稚園の機能がともに生かされ、利用しやすく、安心して子供を預けられる施設にしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。



◯教育長(伊藤敏雄君)
 学校におきます食育の取り組みについての御質問でございます。
 初めに、食育推進に関連する事業についてでございますが、議員お示しの文部科学省の食育推進プランに基づく事業につきましては、本県におきましても、四市町を推進地域といたしまして、事業を委嘱し、積極的に取り組むことといたしております。
 さらに、本年度、本県独自の事業といたしまして、子供たちの朝食について焦点を当てた子ども食育推進事業を実施することとしております。
 近年、朝食を食べない子供たちの増加が見られ、このことが子供たちの体や心の健康に影響を与えていると指摘もされておりますが、本県でも、学年が上がるにつれて朝食を食べない児童生徒がふえている傾向にございます。このため、この事業では、特に成長期であります中学生が望ましい朝食の必要性を考え、健康的な生活習慣を身につけることができるよう、中学生みずからの朝食の献立を募集し、優秀作品について実際に調理する我が家の元気な朝ごはんコンテストを開催するものでございます。また、このコンテストの結果の紹介を含め、中学生の適切な朝食のあり方について啓発資料を作成し、県内すべての中学生に配付するなど、健康的な食生活の意識づけを図ってまいりたいと考えております。
 次に、栄養教諭について諸点の御質問をいただきました。
 まず、栄養教諭の任用についてでございますが、栄養教諭の免許は、これも議員お示しのように、大学の養成課程で履修することにより取得するか、現在の学校栄養職員が講習を受講することにより取得するかであります。今回の栄養教諭の選考におきましては、まず、食に関する学校の指導体制を整えることが必要との観点から、学校長及び市町村教育委員会から推薦を受けた学校栄養職員を対象に論文と口述試験を行い、十分な資質を有する者を選任したところであります。
 また、配置に当たりましては、単独調理場や共同調理場等の給食の方式や地域性などを勘案し、小学校に六名、中学校に四名配置をいたしました。この配置のもとで試行を行い、その効果も検証した上で、栄養教諭の職務の確立や学校における体制の整備を図りながら、その後の配置を検討してまいりたいと考えております。
 次に、栄養教諭の職務でございますが、栄養教諭は、学校栄養職員が行っております給食指導に加え、児童生徒の食に関する広範な教育活動にかかわることとなり、給食の時間の児童生徒への指導はもとより、給食委員会や学級活動の時間、また、食に関連した教科で学級担任等と連携をとりながら食の指導を行うこととしております。
 その中で、栄養教諭の職務として特に推進していきたいと考えておりますのが、家庭、地域との連携であります。食育の情報提供などを通じまして、保護者との連携を深め、家庭における食への意識を高めるほか、地域農産物の給食への活用など、地域と結びついた食育の推進に資してまいりたいと考えております。
 次に、栄養教諭の配置に当たっての学校現場での課題とそれをどのようにクリアするかを含めた県教育委員会の取り組みについてであります。
 まず、栄養教諭の配置に伴う学校における課題でございますが、栄養教諭が学校において十分成果を上げるためには、組織上どこに位置づけるのか、カリキュラムの中での指導の時間をどのように確保するか、また、共同調理場方式で給食を実施しております市町村におきましては、学校とどのように連携していくかなどでございます。
 こうした課題に対応する県教育委員会の姿勢と取り組みでございますが、栄養教諭は新たな職務を担った教諭でございますので、市町村教育委員会や学校関係者への一層の周知を図るとともに、栄養教諭を配置した学校関係者の連絡会議を開催し、食に関する指導の実践の進捗状況や課題を検討したり、配置校に学校訪問し、効果的な指導方法について助言するなど、必要な支援を行い、栄養教諭制度を定着させていきたいと考えております。
 最後に、食育に関する関係部局との連携についてでございますが、本県では、愛知県食育推進計画をことしじゅうに策定することとしておりますので、県教育委員会としましては、策定に当たり、関係機関と積極的に協働してまいりたいと考えております。
 また、子供の食育は、自然の恵みや食に携わる人々への感謝の心を養うことも重要でありますので、地域農産物の給食への活用や子供たちが野菜等を栽培する体験活動、さらに生産者を招く出前講座など、地域と連携を深める活動についても、関係部局と連携を密にしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。



◯知事(神田真秋君)
 がん対策について、私からもお答えを申しあげます。
 こんなにも科学あるいは医学が発展をしてまいりましたけれども、あいかわらず、がんは死亡原因の第一位、約三割を占めております。国民、県民のがんに対する関心も大変強いものがあるわけでございますので、この時期にがん対策の基本法が成立したことは大変時宜を得たものだと考えているところでございます。
 ただ、このがん対策の基本法は、文字どおり基本法でございまして、詳細な中身を定められたものではございません。ただ、特徴的なのは、国も地方も計画をつくり、数値目標を掲げ、達成時期も定めると。五年ごとに見直そうということでございますので、これは大変がん対策を推進する上で効果があるものと思っております。
 加えて、早期発見、これは検診の質やら、あるいは検診率の向上に大いに役立つものと思っております。加えて、専門医の育成あるいは医療機関の整備、これも促進されるのではないかと期待をしているところでございます。
 私ども愛知県では、従来から、がんセンターが中心となりまして、予防やら、あるいは研究、診断、治療まで幅広にがん対策を進めてきたところでございますけれども、いわばこの法律によって法的な根拠が与えられることになりますので、より実効あるがん対策が講ぜられるのではないかと大いに期待をし、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
 なお、均てん化でございますが、これは地域の皆さん方が安心してがん治療に当たっていただく上では大変重要なことであります。拠点病院と地域の医療機関のネットワークを構築して、均てん化あるいは医療の水準向上に努力していきたいと思っております。



◯五十番(渡会克明君)
 今それぞれ御答弁をいただきました。がん対策に関連して、知事に要望を一点させていただきます。
 アメリカには、放射線治療医は六千人いると言われております。我が国では五百人しかおりません。専門医をふやすには、医学生を放射線治療の分野に引っ張ってこなければなりません。つまり、医師の育成には時間がかかるわけであります。早急な対応策が必要であります。
 ちなみに、がん患者の五六%が放射線治療を受けているイギリスでさえ、最近、放射線治療の専門家が不足して治療開始がおくれ、今やだれを優先治療するかが問題となっており、国家的政策を定めるときが来たとする報告さえあると聞いております。
 日本でも放射線治療が急増する中で、一部の施設では既に治療がオーバーフローしており、だれを優先して放射線治療をするかという時代に突入しつつあると言われております。この問題に真剣に向き合わないと大変なことになります。がんの種類が変化し、手術から放射線治療へと比重が移行しつつあるという事実を軽視してはならないと思います。このように考えるわけであります。
 一方、緩和医療の重要性が増大していることも、先ほど申し上げたとおりであります。こちらも一部の例外を除きまして、大学に緩和医療学の講座がないため、講義や実習はほとんど行われておりません。これに対し、イギリスでは、緩和ケアをがん医療の中心に据え、三分の二の医師が研修を終え、今ではどの病院にも緩和ケア専門の外来があると聞いております。
 日本でも緩和ケアを充実する体制をつくり、緩和医療学講座の設置はもちろん、早急に医師や看護師、薬剤師などに対する緩和ケアの教育普及を徹底しなければなりません。
 そこで、こうした現状にかんがみ、県として、知事に私はお願いしたいんですけれども、改めて県内の大学、また関係機関及び文部科学省に対しても、放射線治療及び緩和医療学に関する講座を開設し、専門医育成の緊急性を積極的に訴えていただきたい、このことを要望して終わります。




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