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2007.3.5 : 平成19年2月定例会 一般質問 速報
〜一般質問の、質問ならびに答弁要旨〜



(1)少子化対策について
 この2月定例会に提案された平成19年度予算案の内容を拝見いたしますと、マニフェストに掲げられた具体的な取組項目の多くが既に計上されております。県民の抱いた夢を直ちに実現しようとする知事の誠実な対応に、感服いたしております。
この予算案のうち、少子化対策事業としては、この2月定例会に提案されております「少子化対策推進条例」の趣旨を社会全体に浸透させ、少子化の流れを変えるという機運を高めるために、推進会議を設置することや県民大会を開催すること、また、市町村や商店などの協力を得て実施する、子育て家庭に対する優待事業や、地域で子育て家庭を支援するための組織を市町村ごとに設けて、子育て家庭の不安感の解消を図るために行う「地域子育て力強化事業」、さらには、結婚を希望する若者に出会いの機会の提供などを行う「結婚支援事業」を実施することなど、マニフェストに沿った内容の事業が、新たな取組として盛り込まれているところであります。「結婚支援事業」をどのように実施していかれるのか、お伺いいたします。

(健康福祉部長答弁)
 結婚を希望しながら、出会いの機会が少ないために、又は、出会いの機会があってもその機会をうまく利用できないために、結婚が叶わない若い男女に対しまして、出会いの機会の提供などを行う事業を実施したいと考えております。 この事業は、民間事業者やNPOから事業の企画案を提出していただき、最も効果があると思われる企画を提出された事業者に委託いたしまして実施しようというものでございます。 その事業の内容としましては、県内の複数の場所で、全体で概ね480人程度を対象といたしまして、コミュニケーションの方法などの座学とお見合いパーティーを行うことを基本に考えているところでございます。 県がこのような事業を行うことによりまして、新たに家庭を築き、子どもを生み育てることに夢を持つことができるような機運が社会全体に高まっていくことを期待しているところでございます。



(2−1)医師の確保について
 平成16年4月から、医師の免許を取得した後2年間の研修を義務付ける医師の臨床研修制度が始まってから、大学病院の研修医が減りました。
 これは、研修医が、稀な疾病の患者が多く、肺炎などの一般的な症例が少ない大学病院を敬遠して、幅広い症例を数多く診ることのできる大規模病院を研修先として選ぶようになったからだと言われております。そして、医師不足になって困った大学病院が、それまで医師を派遣していた関連病院から医師を引き揚げるといった動きが生じております。
私の地元である豊橋市の市民病院も非常に厳しい状況になってまいりました。豊橋市民病院は、ベッド数が910、まさに東三河全体の医療を支える中核的な病院でありますが、大学からは、この4月から精神科や小児外科の常勤の医師を引き揚げるとの連絡があったとのことであり、こうしたことは他の地域でも生じております。地域の政策的な医療を担う公立病院が医師不足で大変困っており、早急に対応しなければなりませんが、こうしたことが全国的な課題となっていることから、その解決のためには、国における抜本的な対策が急務であると考えます。
一方、県においては、本年度から、地域医療の確保のために、医師を病院に紹介するドクターバンクなどを内容とする「医師確保対策推進事業」を実施していると承知しておりますし、先の知事選における知事のマニフェストの中には、「奨学金制度を将来的に創設する」ことが掲げられておりました。
そこで、お尋ねをいたします。公立病院などの勤務医不足の状況を受けて、県として、今後どのような医師確保対策を考えているのか、お伺いいたします。

(健康福祉部健康担当局長答弁)
 医師の確保は、県民生活の安心・安全を確保する上で大変重要な課題であると認識をいたしております。したがいまして、本年度から、医師不足への対策といたしまして、ドクターバンクの実施、医師確保に関する委員会や講習会の開催、医療現場から離れている医師が職場復帰する際の研修に対する補助を内容といたします「医師確保対策推進事業」を実施いたしております。
これらの事業のうち、ドクターバンクにつきましては、昨年9月に開設いたしまして、現在までに3名の医師を医療機関に紹介し、採用が決定したところでありまして、今後も一層の周知を図ってまいりたいと考えております。
また、来年度におきましては、女性医師1名分の業務を2名で分担するいわゆるワークシェアリングのモデル事業、これを新たに実施いたしまして、女性医師が継続して働くことのできる勤務環境について調査検討してまいりますほか、奨学金制度の創設等につきましても検討してまいります。
今後とも、県としての対策を着実に実施してまいりますとともに、病院勤務医の待遇改善に繋がるような診療報酬の見直しなど、引き続き国に要望すべき課題もございますことから、機会あるごとに国への働きかけを行ってまいりたいと考えております。



(2−2)看護師の確保について
 看護師の需要については、在宅医療の拡充などにより、今後も増加する見込みである一方、供給においては、少子化の影響から、看護師養成所からの新卒者数は頭打ちの状況であり、現場は人材不足にあります。
また、医療の高度化・専門化により、これまで以上に看護業務が煩雑化・複雑化し、過酷な労働条件にあることから、退職される方が多いと聞いております。また、結婚・出産などを契機に退職された方が職場復帰を目指しても、このような環境では職場復帰は難しいと思われます。
一方、資質の高い看護師の養成も必要であります。県は看護研修センターを平成15年に設置し、指導者や看護教員の養成に努めておりますが、医療の高度化・専門化に対応するためには、さらなる対応が必要と考えております。
そこでお尋ねをいたします。県では、これまで看護師確保について、「養成と資質の向上」・「普及啓発」・「再就業の支援と離職防止」を柱に様々な対策を講じていると聞いておりますが、今後どのような対策を重点的に実施するおつもりか、お伺いいたします。 また、専門性の高い看護師の養成について、県ではどう取り組むのか、お伺いいたします。

(健康福祉部健康担当局長答弁)
 今後の看護師確保対策につきましては、新人看護師等の離職防止や県内に3万人程度と推定されます未就業の看護師等に対する再就業支援、これを重点的に実施いたします。具体的には、本県独自の離職防止対策として本年度から実施しております、研修体制の整わない中小病院などを対象とした「出張研修」、再就業支援策として、看護師の無料就業相談などを行います「ナースセンター事業」、全国に先駆けて本県が実施いたしております県内での再就業を目指す方を対象といたしました「看護職カムバック研修」、これらの事業を拡充してまいります。
また、資質の高い看護師の養成につきましては、従来から看護研修センターにおきまして「認知症高齢者の看護」など専門性の高い卒後教育を実施しておりますが、更に来年度新たに、がん患者に対する看護のエキスパートを養成するため、がんセンター中央病院と愛知病院におきまして、臨床実務研修、これを実施するなど、医療の高度化・専門化に対応できる看護師の養成にも力を注いでまいりたいと考えております。



(3)障害者福祉施設における工賃倍増計画について
 障害のある方一人ひとりの人格と個性が尊重され、地域社会の中で持てる能力と特性に応じて、自立した日常生活や社会生活を送ることができるような社会の実現を目指す、「障害者自立支援法」が昨年10月から全面的に施行されました。 障害のある方々が、自分で働いて得たお金をもとに、自らの生計を立てていくことができるよう、就労面での支援を強化していくことが障害のある方の自立にとって大変重要であると思います。 授産施設や作業所などの施設のなかには、利用者に支払う工賃が月額5千円から1万円と平均を大きく下回る水準にあるところもあると聞いております。 こうした背景には、今までの授産活動においては「工賃は、職業指導の上での副産物である」という考えが強く、目標工賃をきちんと定めて、その達成に向けて計画的・組織的に取り組むということが必ずしもなされてこなかったからではないかと思います。
私は、障害のある方々が地域の中で経済的にも自立した生活を実現するためには、授産施設や作業所の充実強化が必要であり、県としても工賃を引き上げるための対策に直ちに取り組むべきであると考えます。

(a)本県には、さまざまな障害のある方の施設がありますが、授産施設や小規模な作業所など授産活動を行っている施設においては、どのような授産製品を取り扱っているのか、また支払われている工賃がどのような状況であるのか、お伺いいたします。

(b)授産施設や作業所の工賃が低い状況について、県としては、どのような課題があると考えているのかお伺いいたします。

(c)障害のある方々が地域で安定した生活を営むために、県としても工賃の引き上げには積極的に取り組むべきであると思いますが、重要なのは、各施設が創意工夫や努力していくことに対し、県として様々な支援を行っていくのと同時に、本県における製造業をはじめとする様々な企業集積など、この地域の特性を十分生かした取り組みをすべきであるということであります。
この課題を解決して工賃を引き上げるために、県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。

(健康福祉部長答弁)
(a)本県の授産製品の状況及び工賃の実態について
授産施設の状況につきましては、毎年度調査を行っておりますが、施設における授産製品につきましては、手提げ袋などの縫製品をはじめ陶芸品、パン菓子類、農産物などの自主製品と、そして、自動車部品等の組み立て、箱詰めや袋詰めなどの受注製品といったものが主なものとなっております。 また、授産工賃につきましては、身体、知的、精神の全授産施設での平成17年度の月額平均を見ますと、15,455円という調査結果が出ておりまして、全国の平均であります約15,000円とほぼ同じ状況となっております。

(b)工賃が低い状況について
一般に、授産施設におきましては、福祉的就労に重点が置かれ、製品の企画や営業、生産管理といった、経営に関する意識やノウハウが不足しておりまして、工賃引き上げに対するインセンティブも乏しい状況にあったものと考えております。 また、施設の利用者におきましても、就労の向上に対する意識が必ずしも高くないことや、企業、自治体等の発注者サイドにおきましても、授産施設の製品に対して、品質や納期に不安を持っていることなどが挙げられるものと存じます。

(c)工賃を引き上げるための取り組みについて
平成19年度に工賃倍増計画を策定し、5年間で現行の工賃水準の倍増を目指すことといたしております。 具体的には、製品の市場調査を行って授産製品の需要や販路の実態を把握いたしますとともに、授産施設に経営ノウハウを有する専門家をアドバイザーとして派遣し、工賃を引き上げるための経営手法や生産工程の改善についてコンサルティングを行ったり、複数の授産施設による共同受注や製品の積極的な広報宣伝活動による業務量の拡大などを図りまして、工賃の倍増を目指して参りたいと考えております。
この工賃倍増計画を着実に押し進め、成果を出していくため、議員お示しのとおり、本県は製造業の盛んな地域でもありますので、地元企業の方のものづくりの知恵をお借りいたしまして、地元ならではの魅力ある製品の開発、販売などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。




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