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2010.3.4 : 平成22年2月定例会 速報
〜一般質問の質問及び答弁要旨〜



1 高齢者の介護問題について

 本年2月に、岐阜県関市の同居の息子がほぼ寝たきりの母親を殺害した事件が、こうした事件としては中部地方初の裁判員裁判として開かれ、高齢者の介護問題として注目されました。また本県でも、2月28日に西尾市で老老介護の介護疲れから、痛ましい事件が起こったばかりであります。これらの問題を解決するため、早急な取組が重要であります。
 私ども公明党は介護を最重要課題と位置付け、全国3000人の議員が一丸となって2009年11月から12月にかけて、全国47都道府県で「介護総点検」を一斉に実施いたしました。国民10万人の生の声を基に、「新・介護公明ビジョン」を発表し、2月24日、鳩山総理に提言させていただきました。調査の結果、3つの不足、特に施設の不足、それから在宅介護サービス体制の不足、そして介護現場の労働力不足、この3つの不足という基本認識から、具体的な主要政策提言12個、そしてより詳細な早急に実行すべき対策を64個、提案させていただきました。総理は同提言について「大いに政府として参考にする」と述べ、前向きな姿勢を示されました。


1−(1)地域包括支援センターへの支援について
 高齢者の方ができる限り介護が必要とならないように、介護予防の効果的な実施体制を構築することや、たとえ介護が必要となっても、住み慣れた家庭や地域で安心して暮らし続けるために、家庭で介護する人の悩みなどを受け止め、介護方法の相談に応じてアドバイスを行うなどの体制の整備を図るなど、介護する人を始め老老介護世帯への支援やひとり暮らし高齢者などを、地域で見守る体制の整備が必要と考えます。このような体制の整備は、市町村が実施主体となって取り組むべきものであり、高齢者の方やその家族の方が、福祉や保健などに関して相談などのできる機関として、各市町村に設置されている地域包括支援センターが、その体制整備の中核的な役割を担うこととなっております。しかし、制度発足からまだ間もないことや、限られた職員で運営していることから、その対応は、市町村によって違いがあると聞いております。今後、高齢者人口が爆発的に増える中で、さらなる市町村等への取組の支援が重要であると考えます。
 県は、市町村の地域包括支援センターの職員の資質の向上を図り、家庭で介護する家族が安心して相談できる体制の推進に努めるべきと考えますが、今後、市町村の地域包括支援センターをどのように支援していかれるのか。

(健康福祉部長答弁要旨)
 介護予防支援を主な目的として、平成22年度、あいち健康プラザ内に設置する「あいち介護予防支援センター」に、これまで個別に実施していた研修事業を集約するとともに、市町村のニーズを踏まえたカリキュラム編成や実践研修も取り入れることなどによって、地域包括支援センターの職員のスキルアップを図っていくこととしております。また、困難事例にどう対応していくのが適切かについての問答集も作成し、活用していただく予定としております。



1−(2)認知症専門の電話相談事業について
 家族で介護をする際に、対応が難しいのは、認知症の高齢者に対する介護であり、対応に困ったときに、出向くことなく気軽に相談できる、認知症専門の電話相談が必要であると思いますが、県はどの様に対応されているのか。

(健康福祉部長答弁要旨)
 県では、平成18年度から認知症専門の電話相談事業を実施してまいりましたが、今年度からは、「認知症の人と家族の会愛知県支部」に事業を委託して、これまでの週2日から、土日を除く週5日の相談体制としたところでございます。相談員としては、認知症の介護経験があり、専門的な養成講座を受講された家族の方やケアマネジャーなどを配置しており、相談員自身の経験を踏まえ、介護者の立場にたって、様々な電話相談に応じているところでございます。



1−(3)高齢者を見守る体制を構築する取組について
 核家族化が進行して、家族の介護機能等が低下しているばかりか、都市化の進展により地域のコミュニティは希薄となり、過疎化によって地域のコミュニティ機能は喪失し、地域から孤立して暮らす高齢者世帯がますます増えていると考えられます。市町村において、支援が必要な高齢者を効果的に見守る体制を構築していくことが重要であると考えますが、県として、こうした市町村の取組をどのように推進していかれるのか。

(健康福祉部長答弁要旨)
 市町村や戸別配達事業者はもとより、町内会や地区民生委員などの地域住民、介護関係者、あるいは、警察・消防など多くの方々に加わっていただいて、議員御指摘のとおり、よりきめ細やかで効果的な見守りのネットワークを構築することが重要だと考えております。新年度にこうしたネットワークを市町村において構築していただくための事業をモデル的に実施し、その取組事例を紹介しながら、他の県内市町村でも積極的に取り組んでいただくよう、働きかけてまいります。





2 教員のサポート体制について

 学校における困難な問題に対する対応について、社会の価値観が多様化する中、児童生徒の問題行動や、教師が保護者から過度な要求を受けて対応に苦慮するケースなど、保護者絡みの解決困難な問題を抱える学校が近年増えており、先生方は、日々それらの対応に追われて大変忙しい状況ではないかと思います。今、学校現場には、保護者等からの様々なクレームが入っております。例えば、「親同士の仲が悪いから子どもを別の学級にしてくれ」とか「義務教育は無償なので野球部のユニホームは学校で洗濯すべきだ」など、学校や教師への言いがかりとも言えるような理不尽なものも少なくありません。このような非常識なクレームへの対応や、人間関係のプレッシャーなどから心的疲労のあまり休職に追い込まれる教師もいると聞いております。私は、もちろん保護者や地域社会から届けられるクレームに対応することも大切な仕事であると思いますが、やはり、学校の先生方が子どもたちとしっかり向き合い、子どもたちの健全な成長のために、教育に専念していただく時間を、十分確保できるような環境を整備していくことが重要であると思っております。昨年の9月議会で、私は、教育長に本県の学校が抱えるさまざまな困難な問題に対して、市町村とともに学校を支援していくことが必要であると考え、愛知県がどのような考えをお持ちであるかお尋ねをいたしました。教育長からは、派遣指導主事を各市町村教育委員会に派遣することや、経験豊かな非常勤講師を学校へ派遣し、学校を支援していることを伺いました。また、学校における問題解決のサポート体制の整備を含め、学校現場に対するさらなる支援策を、様々な角度から検討するとの前向きなお考えを伺いました。9月にご紹介した東京都以外にも京都市や長崎県など、いくつかの自治体で、学校だけでは解決の困難な問題に対し、教員のОBや弁護士等で組織された学校問題解決支援チームが派遣されております。それらのチームは学校への聞き取りを行い、保護者等へのねばり強い相談活動を行うことで問題解決を図るなど、いずれも有効な手段となっているようであります。学校と保護者という当事者同士だけでなく、学校問題解決支援チームという第三者的な立場のものが動くことによって、迅速かつ公平に、問題解決に導くといったことは、大変意義深いものであると考えております。このような成果を聞くと、本県でも、ぜひサポートチームの派遣が実現されることを強く期待するものであります。

2−(1)学校における問題解決のサポート体制の整備を含め、学校現場に対するさらなる支援策について、その後の検討状況は。

(教育長答弁要旨)
 現在、困難な問題に対する一つの方策としては、派遣指導主事制度があり、力量のある教員を指導主事として、各市町村教育委員会に派遣し、指導的役割を果たすことで、個々の学校だけでは解決の困難な問題に対応しております。また、担任一人では指導困難となっている学級に対して、経験豊かな非常勤講師を派遣し、保護者から信頼される学級運営ができるよう支援しており、これらの支援策については、今後も継続して進めてまいります。また、第三者的な立場からの問題解決の支援策につきましても、様々な検討を重ねてまいりました結果、サポートチームを市町村に派遣する学校運営サポートチーム研究モデル事業を来年度計画しているところでございます。このサポートチームは、教育問題に精通したリーダーである校長経験者を中心に、臨床心理士や法律の専門家など数名程度で構成し、各小中学校の問題解決にあたることを考えております。カウンセリングによる問題解決の支援や助言など、問題の内容に応じて適切な対応方法を吟味し、学校や保護者とともに解決策を見出していこうとするものでございます。このサポートチームを派遣することで、学校に対する保護者の信頼をより確かなものとするとともに、教員の負担軽減につなげてまいりたいと考えております。



2−(2)成果や有効な方法の普及について
 新たな取組を始められる場合には、それによって得られた成果や有効な方法を、県内に広く普及していくことも大切なことであると思いますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。

(教育長答弁要旨)
 学校に寄せられる苦情や要望、あるいは児童生徒の問題行動などは、特定の地域のものではなく、どの地域でも起こり得ることが想定されます。したがいまして、モデル事業によるサポートチームの派遣で得られました貴重な事例を県内に広く普及して、それぞれの問題解決に生かすことが大切であると考えます。このサポートチームが携わった様々な事例や対応策を積み上げ、ウェブページ等を活用したり、各市町村教育委員会の生徒指導担当者を集めた研修会等で事例発表や直接協議できる場を設けたりするなど、広く周知を図ってまいりたいと考えております。



 高齢化、核家族化、女性の社会進出等、社会が大きく変化している中で、家族の介護は、経済的負担や介護者自身の精神的・身体的負担など、極めて深刻な社会問題となっています。しかし、これは私を含めて、これから誰もが直面する、避けては通れない問題だと思っています。このことは、教職員においても例外ではなく、近年、新規採用者が増えてはいるものの、まだまだ教職員全体としては、高齢化が進み、その親に至っては、いつ何時、介護が必要になるか分からない状況にあるのが現状であります。先日も、私が存じ上げている先生から、親の介護をしなければならないが、学校の子どもたちのことや同僚のことを考えると、と悩みを打ち明けられたことがありました。また、別のある方からは、今は何とか家族や親族の協力を得て、親の介護をしているが、日々の業務をこなしながらの介護は本当に大変で、何度、教職の道を諦めようと思ったか分からないという声を聞いたこともあります。私としては、こうした先生方を何とかサポートできないものかと常々考えているところであります。
 こうした状況に対応するため、本県においては、無給ではありますが、最大6ヶ月までの介護休暇が取得できる制度を設けていることは承知をいたしております。これは、教職員がやむなく退職せざるを得ない状況を回避するため、一定期間の介護を保障するとともに、その後の勤務を確保するという観点からの制度で、教職員にとっては、大変ありがたい制度だと認識しております。しかし、実際のところ、学校現場では、介護休暇の制度があることを知ってはいても、先ほども申し上げましたが、子どもたちのことを考えたり、同僚への負担などを思うと、申し出にくいという声や、介護が長期化したら、結果的に退職しなければならないし、その後の再就職についても不安があるという声があるのも事実であります。一方、育児休業制度については、出産休暇をとった教職員のほとんどが育児休業を取得しており、子育てをする環境は定着してきていると認識をしております。しかし、介護休暇制度に関しては、まだ十分とは言えない状況であり、今後ますます高齢化が進む中、制度を利用しやすい環境づくりが重要になってくると思います。教職員が安心して親などの介護ができ、仕事との両立を図っていくためには、介護休暇制度の定着や、やむを得ず退職することとなった場合に職場復帰ができるように考えていくことが必要であります。

2−(3)介護休暇についての現状と取組について
 本県における教職員の介護休暇についての現状と、安心して利用できるようにするため、どのように取り組んでおられるのか、教育長のご所見は。

(教育長答弁要旨)
 県教育委員会におきましては、教職員の家族に病気や老齢等により介護が必要となった場合には、最大6か月まで介護休暇が取得できることとしており、この制度を毎年30人から40人程度の教職員が利用しております。また、教職員が介護休暇を利用しやすく、学校運営にも支障がないように臨時的任用職員を配置しております。介護のためやむを得ず退職した教員が、その後、再び教職を目指す場合には、教員採用選考試験において1次試験を免除とする元教諭を対象とした特別選考を平成20年度から実施し、復帰への道を開いているところでございます。議員お示しのとおり、一部には休暇の利用を申し出にくいとの声も聞いておりますので、休暇の取得促進の通知や休暇制度に関する手引を配付するなど、今後とも、休暇が利用しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。





3 住宅版エコポイント制度の活用について

 住宅版エコポイント制度の活用は、地球温暖化対策をより推進していく上で、非常によいチャンスであります。また、住宅業界は、非常にすそ野の広い産業であり、住宅エコポイント制度を活用したエコ住宅の新築、省エネリフォーム工事の増加などにより、地元の建築関連業種の仕事も増え、経済対策としても非常に有効な制度であると考えます。この制度施行に当たり、本県としも「エコ住宅の建設」を後押しし、地元地域の活性化につながる施策が求められます。たとえば、新築住宅に地元建材の使用を促す施策や、地元建設会社による施工に補助金を出すなど、国と本県が連携した取り組みが考えられます。また、新築住宅より価格が比較的安く済む、リフォーム需要をいかに喚起させることができるかが大きな課題であります。今回のエコリフォームにはバリアフリーを行う場合も併せてポイント加算になっていますので、幅広い需要が期待できます。さらに、住宅エコポイント制度と耐震改修補助制度を活用してリフォームを行うことにより、より少ない負担で、快適で、使いやすく、安心できる住宅への改修が可能となり、耐震改修も進むものと考えられます。

3−(1)住宅版エコポイント制度を活用した家庭部門におけるCO2排出削減について
 本県が地球温暖化対策を進める上でも、この制度を有効に活用して、家庭部門のCO2排出削減を進めていく必要があると考えますが、どのように取り組んでいかれるおつもりか。

(環境部長答弁要旨)
 今回、国において創設された住宅版エコポイント制度は、省エネ型住宅の普及促進を図るものであり、断熱効果の向上などにより、エネルギー使用量の削減が期待できることから、家庭部門におけるCO2排出削減を進める有効な対策の一つと考えております。県民一人ひとりがエコライフの実践に取り組む「あいちエコチャレンジ21」県民運動を展開する中で、新たにこの制度についても、県民の皆様に幅広く周知を図ってまいります。また、県内においては、家庭部門における地球温暖化対策の推進を目的として、住宅の省エネリフォームに関する情報収集や普及啓発活動を行う「あいち省エネリフォーム推進協議会」が、消費者団体や住宅施工業者などにより組織されておりますので、この組織とも連携して、住宅版エコポイント制度の周知を図り、省エネ型住宅の普及促進を図ってまいります。



3−(2)住宅版エコポイント制度についての県民や施工業者への情報の提供及び市町村との連携について
 非常に多くのメリットのある住宅版エコポイント制度を、県民の皆様に知っていただき、活用していただけるようにするためには、県民の皆様や関係する施工業者の方々に対する情報の提供や、県民の身近な相談窓口である市町村との連携が必要であると考えますが、どのように進めていかれるおつもりか。

(建築担当局長答弁要旨)
 愛知県では、住まいに関する情報を県民の皆様に総合的に提供するために、県内の住まいに関する団体や企業等で構成する「愛知ゆとりある住まい推進協議会」等と協力して、毎年3月に、総合的な住宅フェアである「ハウジング&リフォームあいち」を開催してきております。このフェアは、今年で28回目を迎え、例年3万人を超える方が来場されますが、今回は「環境」をテーマとして3月5日から3日間、名古屋市千種区の吹上ホールで開催する予定となっておりまして、住宅版エコポイント制度についても、エコポイントの対象となる建材の展示やセミナー等を開催して、制度についての情報を提供することとしています。施工業者への情報の提供については、既に、国主催の講習会が、県内で10回開催され、さらに年度内に2回開催されることになっており、周知は進んでいるものと思われますが、県としましては、これまでの周知の状況を踏まえ、国や工務店等の団体と協議をしながら、必要に応じて、制度の周知に努めてまいりたいと考えております。また、市町村との連携につきましては、これまでに45市町村において住まいや建築の相談窓口を設置していただいているところですが、この2月には、市町村の担当者に集まっていただいて、相談窓口が未設置の市町村へは相談窓口の開設をお願いするとともに、住宅版エコポイント制度の周知についてもお願いをしたところであります。今後も、市町村と連携して、この制度の周知に努めてまいりたいと考えております。



3−(3)商店街等の地域商業の活性化の観点からの住宅版エコポイント制度の活用について
 今回の住宅版エコポイントは、新築・リフォームを問わず一戸あたり300,000ポイントも発行されるものであり、その需要創出効果は非常に大きいものであると考えられます。現在、商店街を始め地域商業は、景気低迷による消費の落ち込みにより、非常に厳しい状況でありますが、今回創設される住宅版エコポイント制度は、活用することにより、商店街など地域商業の活性化に役立てることができる、絶好の機会であります。地域の需要を喚起して、是非、商店街などで使用され、地域商業の振興に役立てるようにしなくてはならないと考えております。
 県として、商店街等の地域商業の活性化の観点から、住宅版エコポイント制度の活用について、どのように取り組むお考えか。

(産業労働部長答弁要旨)
 先に実施されています家電エコポイント制度では、愛知県内で13種類の地域商品券がポイント交換対象として、登録されております。その交換状況をみると商工会などの登録事業者の予想を上回ってポイント交換が行われており、地域での消費拡大につながっていると評価できます。今回、創設された住宅版エコポイント制度では、一戸あたり30万ポイントと家電エコポイントと比較して、ポイント数が大きいことから、地域商品券と交換することでその地域での消費拡大に更に寄与するものと考えております。交換対象商品等の一次募集において、すでに11種類の地域商品券が登録されておりますが、県としましては、引き続きその他の地域商品券を発行している団体に対して、交換対象となるよう働きかけたいと考えております。また、地域商品券の発行やポイントの交換業務が商店街活性化事業の一環として行われる場合は、「がんばる商店街推進事業費補助金」による支援も可能でありますので、こうした点も含め説明し住宅版エコポイント制度が地域商業の活性化につながるよう努めてまいりたいと考えております。




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