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2010.3.10 : 平成22年2月定例会 速報
〜議案質疑(2回目)の質問及び答弁要旨〜



優れた教員の確保について


 今日、学校を取り巻く状況は、複雑・多様化し、いじめ・不登校・問題行動等の生徒指導をはじめ、外国人児童生徒への対応、保護者からの理不尽な要求や要望、苦情への対応など、学校現場においては、様々な教育課題が山積しており、その解決が早急に求められています。こうした教育課題を解決していくためには、校長先生・教頭先生を中心として、学校全体で具体的な方策を講じて対応していかなければなりませんが、子どもや保護者等と直接触れあう教員一人一人の資質、力量に負うところも極めて大きいと考えております。しかし、ここ数年、団塊の世代を中心とした大量退職に伴い、経験豊富なベテランの教員に代わって、若い教員が増えています。 学校現場からは、若い教員によって学校全体に活気がでてきたという声が届いていますが、一方で、今日の様々な課題に対して、 専門的知識や技能はあっても、経験不足や実践力の不足から、適切な対応が十分できないという状況があるのではないかと推察します。 また、全国的に教員の需要が高まる中、採用試験の倍率の低下とともに質の低下が懸念されています。 そうした中、教員養成課程の充実の方策として、教員養成課程6年制も含め、様々な議論がなされております。 また、先月の27日に行われた福井市内の講演の中で、鈴木文部副大臣は、6年制にこだわらず「4年プラスアルファー」というように、 修士課程の期間を柔軟に考える立場を示したという記事が出ておりました。6年制になれば、学費の負担増に繋がるとともに、教員を養成する大学側にも大きな影響を及ぼし、 結果的には多様な人材の確保が困難となったり、志願者が減少するのではないかと大変危惧しております。 教員の採用に当たっては、幅広い教養と教育に対する使命感を持ち、様々な教育課題に対応できる優秀な教員の確保が極めて重要ではないかと考えております。 合わせて、経験豊富なベテラン教員の指導力を生かすという観点から、再任用教員の活用についても、この大量退職、大量採用という時期だからこそ重要だと思っています。 私は、教員の役割の一つには、将来を担う子どもたちに、こうした感動や夢を与えることもあるのではないかと思っております。 本県の教員採用に対する基本的な考え方と、志が高く、質の高い優秀な教員の確保に向けての取組について、これまでの成果を含め、教育長のご所見を伺いいたします。


(教育長答弁要旨)
 優秀な教員を数多く確保していくためには、専門的知識や技能はもとより、情熱と使命感を持った教員を人物重視の観点で採用していくことに加えまして、多様な能力や経験を持つ教員を幅広く採用することが大切であると考えております。 このため、人物重視の方策としまして、選考に当たり「集団面接」、「集団討議」、「個人面接」の三回の面接試験を取り入れており、二次試験の面接委員には県教育委員や市町村の教育長のほか、PTA関係者など民間からも起用し、受験者の資質・能力を多面的に評価しているところでございます。 また、多様な能力や経験をもつ教員の確保の取組といたしまして、平成19年度実施の教員採用選考試験から、民間企業での経験や特定分野における優れた能力・経験を評価する社会人を対象とした選考、あるいは、ポルトガル語やスペイン語など、語学が堪能な方を対象とした選考を導入してまいりました。 その成果でございますが、例えば、放送局のキャスターから採用した教員につきましては、その経験と知識を生かし、言葉の大切さなど子どもの興味を引き出す授業ができたという報告がございます。 また、外国語が堪能なことから採用した教員につきましては、ブラジル人児童生徒の指導のほか、学級通信をポルトガル語で発行したり、家庭訪問や電話応対などに活躍しております。 こうした成果を踏まえまして、本年度実施いたしました教員採用選考試験からは、子どもたちに専門的な知識・技能を生かした指導ができ、さらに、自分の経験から夢や希望を語れる人材を確保するため、新たに芸術やスポーツの分野で優秀な成績を収めた方や、英会話能力に優れた方を対象とした多様な選考方法を導入したところでございます。 今後も、選考方法の一層の工夫・改善のほか、他府県や大学における受験説明会等のPR活動の充実を図るとともに、指導力に優れた再任用教員も積極的に活用するなど、教員として確かな資質を備えた熱意に溢れる人材の確保に努めてまいります。



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