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2010.9.28 : 平成22年9月定例会 速報
〜一般質問の質問及び答弁要旨〜



1 県民の命をまもる取組について

1−(1) 子宮頸がんなどのがん予防対策等について

 子宮頸がんは、わが国で年間約1万5000人が罹患し、約3500人が死亡していると推計され、近年、若い女性の罹患が急増、若年化傾向もあり、死亡率も高くなっています。結婚前、妊娠前の罹患は女性の人生設計を大きく変えてしまいかねず、子宮頸がんの予防対策が強く望まれています。
ただ、ほとんどの子宮頸がんはヒト・パピローマウイルス(HPV)の感染が原因と解明されていることや、子宮の入り口(頸部)にできるために観察が容易なことなどから、定期的な予防検診(細胞診・HPV検査)と予防ワクチンの接種の両輪により、効果的に「予防できる唯一のがん」であるといわれています。がん検診については、国の補助事業として5歳きざみの対象年齢の女性に、子宮頸がんと乳がんの無料検診クーポン券を配布して受診を促す、「女性特有のがん検診推進事業」が昨年度から開始され、県内全市町村で実施されているところであります。
 ところが、現在のがん検診は死亡率を低くするとの検診方針ですので、子宮摘出でもよしとしています。しかし、現在、子宮頸がんは、罹患する年齢が20代、30代と下がる傾向にあり、患者の将来を考えた場合、早く確実に感染をとらえ、浸潤がんになる前に円錐切除などの治療で子宮を温存し、妊娠・出産を可能にする治療法を主眼にしなければなりません。そのことが患者の負担を軽くし、少子化対策にもなり、医療費の軽減にも役立つわけであります。そこで、従来から行なわれている子宮頸がん検診を予防検診にまで拡大する必要があります。 予防検診の実施についても、市町村任せにするのではなく、受診機会を均てん化すべきであります。
 一方、子宮頸がん予防ワクチンについては、公明党は早期承認をいち早く国に求め、その結果、昨年10月に臨床試験を経てハイリスクの16型と18型を予防するための二価HPVワクチンの使用が承認され、10歳以上の女性に予防接種が可能となったところであります。このワクチン、世界では100カ国以上の国々ですでに認可され、約30カ国で公費助成による接種が行われており、イギリス、オーストラリア、イタリアなどは全額公費負担であります。日本では発がん性HPV16型と18型が原因のほぼ60%を占めるといわれています。この予防ワクチンはHPV16型と18型の感染をほぼ100%抑えることができます。これらのウィルス感染を防げるということは、子宮頸がんに対して大きな予防効果を期待できるということであります。ワクチン接種の費用の効果は子宮頸がんの予防だけでなく、医療費の抑制にもつながるとの試算もあります。ある大学教授らによれば、12歳の女子にワクチン接種をした場合、がんの発生数、死亡者数を共に73%も減らすことができ、しかも約210億円の接種費用に対し、約400億円の医療費などを削減できるとのことであります。30歳の女性に接種した場合でも、約50%の発症を抑えることができ、29歳までではワクチンの接種費用よりも医療費などの抑制の方が大きいとされています。ワクチンは半年間で計3回の接種が必要で、その費用は5万円程度と高額なことから、諸外国の多くは公費助成で接種を行っています。日本でも、一層の普及促進に向け、公費助成を進めていく必要があります。我が国においても、子宮頸がんの予防に取り組む方針を打ち出し、来年度予算の概算要求に150億円を盛り込んでおりますが、これは、10歳代の女子を対象とし、市町村に対して、事業費の3分の1を補助するものであります。
 そんな中、独自の公費助成制度を創設した県や市町村が増加をしています。本県でも、名古屋市、東海市、設楽町、飛島村などがあります。最近の厳しい財政状況を考えますと、一斉接種を始められない市町村も出てくるのではないかと思われ、このままでは地域によって大きな予防の格差ができてしまいます。県内で医療サービスに格差が生じることは見過ごせないことであります。このことを私は非常に危惧しております。居住地域を問わない接種機会の均てん化が、今後の課題であります。

1−(1)−A 子宮頸がんを早期に発見するため、がん検診のさらなる推進についての考えは
(健康担当局長答弁要旨)
子宮頸がん予防対策は、女性の健康を守ることだけではなく、命の誕生を守ることにもつながるため、県政の喫緊の課題と考えております。 この子宮頸がんの予防には、適切な時期にワクチンを接種するとともに、定期的に子宮がん検診を受診することが、効果的であると認識いたしております。 がん検診につきましては、本県のがん対策推進計画にも、検診受診率の向上をしっかりと位置づけております。このため、愛知県生活習慣病対策協議会の下に設置されたがん対策部会やがん検診精度管理委員会において、県内の受診率や取組体制を分析・評価し、その結果を各市町村にフィードバックするとともに、昨年度より開始された「女性特有のがん検診推進事業」の円滑な実施に向けて担当者会議を開催するなど、市町村を強力に支援しております。 さらに、保険会社、金融機関等と連携して、民間企業の活力やアイデアを活用したイベントの実施や啓発資材の配布を行い、がん検診の啓発や企業内での受診勧奨などを積極的に推進しているところであります。

1−(1)−B 子宮頸がん予防ワクチンの接種について、県内の地域における予防格差が発生しないようにするため、どのような具体的かつ効果的な対策を講じる考えか
(健康担当局長答弁要旨)
 子宮頸がんワクチンは、今回初めてがんを予防できるワクチンとして実用化されたものであり、子宮頸がん予防にとって大きな効果があることから、できるだけ多くの方にこのワクチンを接種していただくことが望ましいと考えております。  国におきましては、来年度の概算要求に、事業費の3分の1相当が市町村に対する補助として盛り込まれたところであり、これが実現すれば費用負担について一定の軽減が図られ、接種の促進に資するものと考えますが、法律上の位置付けや健康被害が起きた場合の対応方法、さらには今回の補助制度の詳細な内容など、明確になっていない部分もございます。

1−(1)−C ヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンなどの任意の予防接種の推進についての取り組みは
(健康担当局長答弁要旨)
子どもの細菌性髄膜炎は、初期には発熱以外に特別な症状がみられない場合が多いため、早期診断が困難であり、また、抗生物質が効かない薬剤耐性菌も出現しており、近年治療が難しくなっております。 このため、細菌性髄膜炎を予防できるヒブワクチンや肺炎球菌ワクチンは大変有効であります。 本県としましては、全国衛生部長会や「国の施策・予算に対する提案・要望」において、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンを始め、水ぼうそうや、おたふくかぜのワクチンにつきましても、早期に予防接種法に位置付けて定期接種化を図るよう、平成19年度から毎年、対象ワクチンを順次拡大して、国に要望してまいりました。 一方、国におきましては、先ほど申しあげた厚生科学審議会に設置された予防接種部会で、このヒブや肺炎球菌につきましても、本年4月から検討を開始しておりますことから、今後の動向を注視いたしますとともに、必要な予防接種が早期に全国一律に実施されるよう、引き続き国に対して強く要望してまいります。



(再質問)
子宮頸がんの発症を「ゼロ」に近づけるため、さらに公平な医療サービスの均てん化を図るために、人道的見地から本県でもワクチン接種に対する助成制度を創設すべきと考えますが所見は

(健康担当局長答弁要旨)
女性の命と健康を守るためには、住んでいる地域にかかわらず、速やかに、できるだけ多くの方に接種を進めることは、ワクチンの意義、有効性からも重要であると認識しております。 このワクチンの接種費用に対して、補助を実施又は予定している市町村は、本年7月の国の調査に回答した1,744市町村中、126市町村であり、本県におきましては、議員ご指摘のとおり4市町村が実施されると伺っております。 また、都道府県では、10月開始の徳島県を含めまして3都県に止まっております。 一方、このワクチンは、現時点では任意接種の位置づけでありまして、先ほど答弁させていただきましたとおり、国におきまして、予防接種のあり方について審議されており、具体的な制度設計は未だ明らかではございません。 これらを踏まえますと、来年度予算にも関係いたしますことから、現時点で助成制度の創設につきましては、具体的にお答えすることは困難と考えております。ひとつ、ご理解の程、お願い申しあげたいと存じます。



1−(2)ドクター・ヘリの活用による救急医療体制の充実・強化について

 ドクターヘリの運営は、平成13年度から国の間接補助事業として始められ、平成19年6月には、我が党などの提案による議員立法により「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」が制定され、全国的な配備促進に向けた方向性が示されています。現在、全国19道府県で実施されており、本県は、愛知医科大学病院を基地として、初年度の平成14年1月から、中日本航空株式会社を運航会社として、ドクターヘリを配備してきた、全国でも先進県の一つであります。
 本県には、多くの医療施設がありますが、なかには大病院から遠く離れた山間地や離島などの地域もあります。「救急医療は時間とのたたかい」と言われ、重篤な患者さんほど、「いかに短時間で搬送できるか」が、その方の命が救われるかどうか、あるいは深刻な後遺症を残さないかどうかを左右することになります。 ドクターヘリの魅力は、まさにその機動性、迅速性にあります。 ドクターヘリの効果に関しては、ドクターヘリの要請から医師が治療を開始するまでの時間は平均14分で、救急車による搬送を仮定した場合と比べて27分程度短縮され、死亡については39%の減少効果、重症後遺症については13%の減少効果があったとの、実態と評価に関する研究結果もあります。 本県においても、運航要領に基づき、医師と現地の救急隊との緊密な連携のもとに、患者の容態、医師による早期治療の必要度、救急車搬送の困難性、その他を判定して迅速な出動が行われており、これにより大切な県民の命が救われた、多くの事例をお聞きしております。 このように顕著に救急搬送の効果がある一方で、ドクターヘリの運航のためには、搭乗するパイロット、整備士、医師、看護師、そのほか運航管理者などの人的体制を常時維持するための経費が、燃料費等とは別に当然ながら必要となります。そのため、事業費は国と県で折半して事業者を補助する仕組みとなっているところであります。 県財政が大変厳しい中ではありますが、一人でも多くの県民の皆様の命を救うために、私は、本県の救急医療体制のさらなる充実・強化を図り、今後とも県として、この事業を、ハード・ソフトの両面において、しっかりと進めていただき、県民の皆様に安心していただける、救急医療の先進県であり続けてほしいと強く願うものであります。 また、私の住む東三河地域は、たびたび静岡県西部をカバーしている静岡県のドクターヘリに助けられることがあります。 静岡県と愛知県及び市町村レベルでの協定や連携もあるのだろうと推測をいたします。

1−(2)−A 本県におけるドクターヘリの出動実績と、その内、山間地や離島など、いわゆる「へき地」の患者さんを扱った事例は、どの程度を占めるのか

(健康担当局長答弁要旨)
まず、本県のドクターヘリの出動件数につきましては、平成19年度501件、20年度455件、21年度は508件となっておりまして、日本航空医療学会による平成21年度集計をもとに、他県の例と比較いたしますと、本県の508件の出動件数は、全国平均の341件を上回っており、十分に活用されているものと認識しております。 また、このうち東西三河の山間地や離島への出動実績は、平成20年度は174件で全体出動件数の約38%、21年度は173件で約34%となっており、いわゆる「へき地」における安心・安全の確保に大きく貢献しているものと考えております。

1−(2)−B 救急医療対策の中で、この事業をどのように評価し、今後、岐阜県、三重県、静岡県などの隣接県とのネットワークの構築・強化など、積極的に、どのような事業展開をされる考えか

(健康担当局長答弁要旨)
ドクターヘリは、医師が搭乗していち早く現地に赴き、その場所や機内において必要な治療を行いつつ、極めて迅速に医療機関に搬送できるという利点があり、その活用は救命率の向上に大きく貢献していると認識しております。 また、本県では、医師・看護師、救急隊員等が参加する症例検討会を毎月開催して、個別事案ごとに、十分な処置が迅速・的確に行われたか等を具体的に検証し、さらなる救命率の改善を図っております。 このように、ドクターヘリの救命救急における事業効果につきましては、県として高く評価しているところでございますので、近隣県との連携なども含めまして、今後ともこの事業の積極的な推進に努めてまいります。

(知事答弁要旨)
本県は、ドクターヘリに比較的、全国でも早い段階で導入をいたしました。防災ヘリともども、このドクターヘリも役割を果たし、救命救急事業に大きな効果をあげていると思っております。今年度、お隣の岐阜県が導入され、来年度、三重県が導入される予定でございます。すでに静岡県は導入されておりますので、こうした近隣との連携がこれからの課題になってくるかと思っております。東海地域がいいのか、あるいは中部圏がいいのか、十分検討した上で、広域的な連携・協力体制を愛知県から呼びかけていきたいと思っているところでございます。



2 「いいともあいち運動」の新たな展開について

 穀物の輸出大国であるロシアが、干ばつによる収量減で小麦の輸出を一時的に禁止するというニュースが、大きく報じられました。ベトナムの米やインドの小麦など、自国への供給を優先して農産物の輸出を規制する国が、2007年頃から現れてきております。食料自給率を向上させるためには、国産農産物の生産を増大させるとともに、消費の拡大を図っていくことが大変重要であると考えます。県においては、平成17年に策定した「食と緑の基本計画」に基づき、「県内の消費者と生産者がこれまで以上に、いい友達の関係になってお互いの信頼を深め合い、もっと愛知県産品を食べよう」という趣旨の「いいともあいち運動」の展開や、学校給食における地場農産物の導入の促進、産地直売の推進など、産地と消費地の距離が近いという本県の特長を活かした消費拡大の取組が進められていると聞いております。
 最近、スーパーやコンビニエンスストアなどで、「いいともあいち運動」のシンボルマークを貼ったパンや弁当などを、たびたび見かけるようになりました。こうした商品には、例えば、私の地元の豊橋産の巨峰を使ったパンやシュークリームなどもあり、地元住民としては、買って食べることによって地元の農業を応援したいという気持ちがわいてきます。また、豊橋が全国トップの生産額を誇る「青じそ」大葉でありますが、これを活かした商品を創り、磨き上げ、世界に誇るジャパンブランドを目指す、青じそ加工研究会が平成19年にスタートしました。研究会では、青じその生産農家とそれを加工するメーカーが連携し、青じそを原材料とした、寄せ豆腐やソバ、餃子、米パスタ、梅酒、ちくわなど、数多くの商品を開発し、販売をしています。これらの商品は、着実に評価をされるようになってきております。
 また、昨年4月には、国道23号豊橋東バイパス七根インターチェンジをおりてすぐのところに、ファーマーズマーケット「あぐりパーク食彩村」という、JA豊橋とJA愛知みなみが共同で開設した東三河最大級の産地直売所(敷地面積5,210u)が豊橋市にオープンしました。日本有数の農業地帯である豊橋田原地域における「地産地消」の拠点として、オープン以来、様々な工夫が実を結び、売上額も、ここに出荷をする農家の数も順調に伸びており、買い物に来たお客さんからも、スイカやメロンなどの高品質な地元農産物を直接購入できると大変好評であります。
 こうした、愛知らしい地産地消の取組を強化し、県民の皆様に本県産農産物等を一層利用していただくことが、本県農業の振興、ひいては食料自給率の向上にもつながっていくものであると考えます。

2−(1) これまでの「いいともあいち運動」の取組成果はどのようになっているのか
(農林水産部長答弁要旨)
 本県では、平成10年度から地産地消の取組であります「いいともあいち運動」を開始し、生産者、流通関係者、さらには消費者団体などからなるネットワークを組織することにより、伝統野菜を使った親子料理教室や体験交流会などを開催して、お互いに顔の見える関係を構築してまいりました。  最近では、食品製造業やスーパーなどの商工業者の方々の加入が増加しており、現在、ネットワーク会員数は800会員を超えております。  また、会員の中で、県産農林水産物を積極的に取り扱う小売店や飲食店をいいともあいち推進店として登録する制度も設けておりまして、平成21年度末現在、県内で694店舗を登録しております。会員及び推進店とも、5年前に比べてそれぞれ倍以上になり、今後も一層の増加が期待されるところであります。 さらに、県産農林水産物を使ったパンや弁当、漬物などの商品にシンボルマークを表示する取組につきましては、コンビニエンスストアを始め多くの会員企業にご理解いただき、その結果、平成20年度は37商品であったものが、平成21年度は277商品へと大幅に増加したところであります。 このようなことからも、「いいともあいち運動」は県民の皆様方に着実に浸透しているものと考えております。

2−(2) この運動の一層の強化に向けて、今後、どのように取り組んでいくのか
(農林水産部長答弁要旨)
 「いいともあいち運動」は、本県の地産地消の中心的な取組でありまして、新しい「食と緑の基本計画」においても、「いいともあいち運動」の積極的な推進方策を盛り込んでいきたいと考えております。  本県の農業産出額は全国第6位でありますが、第2次産業である食料品製造出荷額も、北海道に次いで全国第2位となっており、いいともあいちのネットワークには、数多くの農業者と食品関連企業が加入いただいております。従いまして、農商工連携を着実に進める観点からも、これら会員相互の出会いの場を設置することにより、新たな商品の開発を支援してまいります。 さらに、販路開拓についても、スーパーやデパートなど、流通業界の 会員に対するPR活動を強化してまいりたいと考えております。 また、本県が日本一の生産を誇る青じそを使った製品や名古屋コーチンなどの特産品を、少しでも多くの県外の消費者の方々に知っていただくため、これまで推進店の登録は県内に限定しておりましたが、これからは首都圏を含め県外へも広げてまいりたいと考えております。 今後とも、引き続きネットワーク会員や推進店、あるいはシンボルマ ーク表示商品の一層の拡大を推進することによりまして、県民の皆様方に定着しつつある「いいともあいち運動」を、さらに盛り上げるよう努力をしてまいります。



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