県議会発言録へもどる

3月7日(議案質疑)速報 3月11日(議案質疑)速報
3月7日(議案質疑)議事録 3月11日(議案質疑)議事録 3月26日(賛成討論)議事録
3月7日(議案質疑)中継 3月11日(議案質疑)中継


2013.3.7 : 平成25年2月定例会



◯七十番(渡会克明君)
 私は、歳出第四款県民生活費第五項防災費のうち、緊急市町村地震防災対策事業費補助金についてお伺いをいたします。  大規模地震に対する事前の備えは極めて重要であり、被害を最小限に食いとめるために最も重要になるのが、県民の皆様が各自で地震対策をされること、特に家具の固定と自宅の耐震化をしていただくことが、地震そのものの被害を軽減できるとともに、命を守るためにぜひとも必要なことと認識をいたしております。  まず、このうち、家具の固定について、平成二十四年一月に県が実施した防災に関する県民意識調査結果を見てみますと、平成二十二年に行った前回の調査結果との比較で申し上げますと、家具等の固定の状況については、前回は四四・〇%の方が大部分または一部の家具を固定していると回答しているのに対し、今回は四九・六%と五・六ポイントの増加ではあります。  しかし、まだ五割近くの方が全く家具を固定していないわけで、家具固定の重要性を県民の皆様により一層訴えていかねばなりません。  そのために、県では、家具固定の必要性、重要性を掲載したパンフレットの作成、配布や、地震体験車なまず号による普及啓発、あるいは県政お届け講座における啓発活動を実施されてきました。  さらに、平成二十四年度は、緊急雇用基金事業を活用し、家具固定も含めた災害に対する事前の備えと災害時の心構えについて、その備えが必要な理由の解説を加えた防災・減災備Lガイドを、家庭編を初め三種類、新たに作成するとともに、防災イベント等へキャラバン隊を派遣し、この備Lガイドの広報啓発活動を実施されていると承知をいたしております。  また、家具の固定を財政面から支えるための事業としては、市町村に対する補助事業として、緊急市町村地震防災対策事業費補助金により、災害時要援護者世帯が安全を確保するために、家具転倒防止器具を取りつける事業が行われております。  この事業につきましては、災害時要援護者の身を守るべき事業として、県が市町村と歩調をそろえて実施していくことに意義がある事業だと思います。  そこでお尋ねをいたします。  緊急市町村地震防災対策事業費補助金のうち、市町村への災害時要援護者の家具転倒防止支援に関する事業の実績と、平成二十五年度の事業推進に当たっての県の考え方についてお伺いをいたします。  次に、関連して、第九款建設費第九項住宅費のうち、民間住宅耐震改修費補助金について伺います。  私は、東海・東南海・南海地震の発生が危惧されている本県にとって、県民の生命や財産を守る地震・防災対策、特に住宅の耐震化の促進は、大変重要な県政課題の一つであると認識をしており、これまで本会議で何度も取り上げて質問してまいりました。  県が木造住宅の耐震診断補助制度を創設した平成十四年の二月議会及び九月議会では、耐震診断を着実に耐震改修につなげていくためには、耐震改修への補助制度の創設が必要であるとして、県の考えを質問いたしました。当時の建設部理事からは、個人資産に税金を投入することはいかがなものかという答弁も今は懐かしいものとなりました。  また、県が平成十五年度に耐震改修補助制度を創設した後も、木造住宅以外、例えばマンションなどの集合住宅などに対する補助制度や、安価な費用で改修ができる耐震改修工法の開発などについてもお尋ねをしてまいりました。  私が最初に質問した平成十四年当時の住宅の耐震化率は七八%であったと記憶しておりますが、昨年三月に県が策定、公表したあいち建築減災プラン二〇二〇によれば、平成二十三年度の住宅の耐震化率は八五%に達し、徐々にではありますが、着実に耐震化が促進されています。  また、この建築減災プランでは、最終年度である平成三十二年度には住宅の耐震化率を九五%まで引き上げるとしており、今後の一層の進展を大いに期待するところであります。  こうした中、昨年八月に内閣府が公表した南海トラフを震源域とする巨大地震による被害想定では、県内各地で最大震度が引き上げられ、最悪の場合、私の地元豊橋市を初め、県内二十二市町村で震度七になると想定されております。  そして、最悪の場合の死者数二万三千人のうち、建物の倒壊によるものは一万五千人に達するとされています。最大震度七を記録した阪神・淡路大震災での死者数約六千人のうちの約九割が住宅等の倒壊による圧迫死だったとのことでありますので、この被害想定の公表には大変衝撃を受けたところであります。  いつ発生してもおかしくないこうした巨大地震に対して、一刻も早く住宅の耐震化を図ることがますます重要であることを思い知らされました。  しかしながら、これまでの耐震診断と耐震改修の実績を見ますと、耐震診断を実施しても耐震改修にまで至っていないケースが多く見られます。その理由の一つが、改修費用が高額なことにあり、特に年金収入で生活を送っておられる高齢者の方などは、改修費用に対する補助制度があっても、自己負担分の資金を確保することが困難であることから、大変切実な問題となっています。  こうした状況の中、県では、このあいち建築減災プラン二〇二〇に、東日本大震災での経験などを踏まえ、住宅が倒壊した場合でも被害を最小限に食いとめ、少しでも多くの県民の生命を守る減災化という視点を盛り込み、耐震シェルターなどの減災化に資する具体的な施策に積極的に取り組むことを明記し、平成二十五年度予算では、耐震シェルターの整備に対する補助制度を新たに創設されました。  耐震シェルターは、耐震改修に比べて安価な費用で整備することができると伺っており、核家族化、また、高齢者世帯の増加などが進む、そういう中にあって、高齢者耐震シェルターへの補助制度の創設は大変有意義なことであり、大いに評価したいと思います。  しかしながら、制度を創設しても活用されなければ意味がありません。この制度が積極的に活用され、地震に対する備えが一層進展するよう、住宅の所有者である県民はもとより、耐震改修工事を担う設計者や施工者に対しても十分な周知を早急に図ることが必要であると考えます。  そこでお尋ねをいたします。  耐震シェルターの整備費補助制度は具体的にどのような制度であるのかお伺いをいたします。  また、耐震シェルター整備費補助制度の普及を図るため、今後どのように取り組まれるおつもりかお伺いをいたします。


◯防災局長(小林壯行君)
 災害時要援護者の家具転倒防止支援に関する事業につきましてお尋ねをいただきました。  この事業は、市町村が要援護者世帯に対して家具転倒防止器具を取りつける場合に、県はこれに対して補助率三分の一以内で補助するものでございます。  この事業の実績でありますが、平成二十三年度においては、十八市町村八百五十七世帯に対し百五十五万八千円を補助いたしております。また、平成二十四年度におきましては、十三市町村に対し二百四十七万五千円を補助する見込みとなっております。  平成二十五年度におきましても、災害時要援護者の安全を確保するための重要な事業でございますので、市町村からの要望も踏まえ、引き続き事業を実施してまいりますとともに、家具固定の必要性、重要性についての啓発活動を実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。


◯建設部建築担当局長(松井宏夫君)
 耐震シェルターの整備費補助制度についてお尋ねをいただきました。  耐震シェルターといいますのは、人命を守るため、地震のときでも壊れない空間を住宅の一部に確保するものでございます。例えば、寝室などの内側に鉄骨で補強された壁や天井を設けた部屋のことでございます。  この耐震シェルターの整備に必要な期間は一週間以内と比較的短期間でございます。費用の面でも、住宅の耐震改修の平均的な工事費用が約二百万円であるのに対しまして、耐震シェルターの平均的な整備費用は約五十万円と大変安価なものとなっております。  本来、耐震診断の結果、耐震性が劣ると評価されました住宅については、耐震改修により耐震性を確保していただきたいと考えております。しかし、今回は人命を守る観点から、耐震シェルター整備の補助制度を新たに設けました。  特に、耐震性の低い、耐震評点でいえば〇・四以下の木造住宅で、すぐには逃げ出すことが難しい高齢者や障害者の方がお住まいの住宅に対しまして、一戸当たり最大三十万円を限度として補助し、支援をしてまいります。  なお、補助の負担割合は、県と市町村がそれぞれ四分の一、国が二分の一であるなど、従来から行っております耐震改修費補助と同様な制度となっております。  次に、普及促進を図る取り組みについてでございます。  まずは、補助制度を県民の皆様に知っていただくことが重要であると考えております。そのため、県のホームページにおいて、耐震シェルター整備費の補助制度の概要を紹介したり、県や関係機関の窓口で県民の皆様にパンフレットを配布するなど、広く広報してまいります。  また、市町村に協力をいただいて、新たに耐震診断を実施された方に耐震結果をお知らせする際にパンフレットをあわせて配布するとともに、既に耐震診断を実施されたものの、なかなか耐震改修に踏み切れない方に対しましても、同様に制度の周知を図ってまいります。  さらに、実際に耐震改修工事を担われる設計者、施工者などの方に対しましても、講習会や事業者団体の会報誌などで制度を紹介するなどして普及に努めてまいりたいと考えております。


◯七十番(渡会克明君)
 それぞれお答えをいただきました。私から要望をさせていただきたいと思います。  阪神・淡路大震災から十八年ということになります。そして、三・一一の東日本大震災、これが月曜日です。三・一一、もう二年ということで目前に迫っておるわけでありまして、そういう中で、実は一月十七日に神戸に行ってまいりまして、私も献花、記帳をしてまいりました。非常に市民の方、大勢いらっしゃいまして、また、県外からも大勢の方がいらっしゃっていました。  神戸の市職員の方にお話を聞く機会がありまして、失礼なことでしたけれども、防災意識のお話を伺いました。しかし、おっしゃったことは、あんな大変な思いをしたんだけれども、本当になかなか防災意識というのは定着しないんです、こんなことを言ってみえました。  私が思うことは、ずっと言ってきているんですが、やはり住宅の耐震化と家具の固定というのは、あくまでも車の両輪であり、セットだと思うんですね。  これは国の補助金等のこともありまして、本当に住宅の耐震化に関してはここまで来たわけでありますけれども、しかし、家具の固定についてはなかなか進まない。これは行政側としても、単県二億でこの補助事業を今やっているわけでありますけれども、例えば防災無線であったりとか、ほかに整備をしなくちゃいけない市町は幾らでもあるわけです。そういう中で、ここにぽんと入っている。なかなか進まない。  それと、どうでしょうか、私も実は党のほうで防災士の講習というのを受けました。私たちの党の議員が受けたわけでありますけれども、そのときに、名古屋大学の福和さんという教授がいらっしゃいますけれども、防災局でもおつき合いをしている先生ですけど、最初に言われたことが、先生たちは、皆さん、冷蔵庫の転倒防止はしてありますね。開口一番、こう言われました。皆さん、どうでしょうか。冷蔵庫です。  私、ちょっと悔しくて、慌てて家族防災会議をやりまして、大分金はかかるんですが、いろんなグッズを集めてやりました。大変です、これは。物すごいエネルギーが要りましたけれども、やっぱり命は守らないかん、そう思います。  防災局の動画の中にも、実は冷蔵庫を揺らす実験のやつが載っていますね。五弱から六弱というのはさほど、もちろん大変なんですが、いいんだけれども、六強から七というのは、見てください、大変なんですよ、完璧に倒れておるんです。  ほかのいろんな動画を見ると、小さな冷蔵庫とかレンジとかトースターとか、小さい家具は飛ぶんですよ。倒れるんじゃない、飛ぶんですよ。これは皆さん、お子さんやお孫さんがいらっしゃるんだったらやらないかん、絶対。私は本当にそう思います。もう身にしみました。  そういう意味で、私は、住宅の耐震化と家具の固定はセットであるということをずっと訴えてきたわけであります。  それで、要望でありますけれども、今申し上げましたように、ずっと平成十四年から、私が話を始めてから十一年たちますけれども、なかなか住宅の耐震化も進んでこない、思うように進まない。  そのときに、こういう減災化というシェルターの話が出たわけでありまして、現場の事業者の方たちは既にこういったことをやられているんですね。やられております。  例えば、皆さん方のお宅もそうでしょう。多分実家は、広い土地に大きなうちがある。年寄り夫婦が二人おる。そんなところを耐震化するといったら金がかかると子供たちは思います。親は、いや、そんなのせんでも、金を使わんでもと思うじゃないですか。  しかし、こういう今の防災局のお話のように、いわゆる寝室とテレビを見てお茶を飲む部屋を、死なないようにするだけということができるのであれば、それも安価にできれば、これはこんないい話はないわけでありまして、そのときに、一つは、要望、家具の固定とセットでできないかということ、市町が。これは、助成する側もユーザーとして受ける側も割と考えやすいことだと思うんですよ。これは一回、ぜひとも要望したいので、検討していただきたいと思います。  それと、今、防災局の二億の中に入っているわけでありますけれども、どうか、いわゆる予算を、別枠ではありませんけれども、所管はどこでもいいですが、安定して、安定して、それで、なおかつ拡充が図れるような予算組みにしてもらえないかということも要望しておきたいと思います。  それから、広報啓発の話をさせていただきました。私は、実は議長のお許しをいただいて、きょう、こういう、話をする中でしましたけれども、防災・減災備Lガイド、これは愛知県でつくっている冊子です。これが家庭版で、外出先、いわゆる帰宅困難者用ですね。今現在つくっているというのが自主防災編、地域の自主防災の人たちがどうすればいいんだというものを今つくっているということであります。  ぜひとも一回、ホームページに張りつけてありますので、これは金がかかるので、どうかダウンロードしてプリントアウトしていただければなということでありました。  最後の一つ、県のホームページでありますけれども、十年前に比べれば、やはり随分進化したと思います。そういう質問をしたことがありますけれども。ただ、やっぱりバナー広告も含めて充実をし過ぎて非常に見づらいかなと。というのは、これをダウンロードするに当たって、なかなか行き着かないんですよ。  だから、例えば、ダウンロードコーナーとかというのを設けて、県民や事業者の方がすぐこれを見られるような、いわゆるサイト内の検索か、もしくは防災局から探していかないとここに行き着けない、これはいかんですわ。知事の活動の画面もあるけれども、そういうことも大事なことでありまして、きちっとやっぱり県民の皆さんが使えるように、そんなことも要望しておきます。  以上で終わります。



発言録へもどる