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2015.9.25 : 平成27年9月定例会 代表質問



◯九十番(渡会克明君)
 議長のお許しをいただきましたので、私は、公明党愛知県議員団を代表して、県政の諸問題について、順次お尋ねをしてまいります。  質問に入ります前に、先般の台風第十八号による大雨等により、関東・東北地方で発生した災害で亡くなられた方々とその御遺族に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われました方々に心からお見舞いを申し上げる次第であります。あわせて、被災地域の一刻も早い復旧がなされますようお祈り申し上げる次第でございます。  それでは、質問に入らさせていただきます。  質問の第一は、財政運営についてであります。  まず初めに、県税収入の見通しについてお尋ねをいたします。  新聞報道によれば、名古屋証券取引所に上場する中部の三月期決算法人の本年四月から六月期の全産業ベースでの連結経常利益は、円安による輸出採算の改善や設備投資の拡大により、製造業が好調であったことに加えて、訪日外国人の消費に支えられて小売業が健闘することなどにより、前年同期比で一七・七%の増益となっております。  また、日本銀行名古屋支店が発表しました東海三県の九月の金融経済動向によれば、東海三県の景気は着実に回復を続けているとされており、緩やかな回復とされている全国の状況に比べて、この地域は引き続き好調さを維持しております。  そこでお尋ねをいたします。  最近のこの地域の景気動向を踏まえ、今年度の県税収入についてどのような見通しをされているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、今後の財政運営についてお尋ねをいたします。  私ども公明党は、人口減少・超高齢社会などの地域における大きな課題を克服し、活気ある温かな地域づくりを目指して、若者も高齢者も元気に安心して暮らすことができる、さらには、女性や青年が大きく活躍できる地域づくりを進めていかなければならない、このように考えております。その実現に向けて、今後もさまざまな施策を推進していくためには、何よりも安定的な財政基盤の確立が必要であり、中長期的な観点に立って財政の健全化を進めていかなければなりません。  八月に県が示した財政中期試算では、来年度以降、毎年度一千億円を超える収支不足が続くとされており、県債残高については、その伸びは緩やかになるものの、今後も増加し、試算の最終年度である平成三十一年度には五兆五千億円を超えることが見込まれております。また、県債の元利償還金である公債費も、三十一年度には今年度の当初予算と比較して二百二十六億円増加する試算結果となっております。  県債残高の累増は公債費負担の増加につながり、財政の硬直化を進める要因になるとともに、将来にわたる本県財政の持続可能性という見地から見ても決して望ましいものではありません。  社会インフラの防災・減災対策など、必要な公共投資は行っていかなければなりませんが、中期的な財政運営を考えた場合、県債残高の縮減を図ることが重要であると考えます。  そこでお尋ねをいたします。  今後の財政運営において、増加する県債残高や公債費負担に対してどのように対応していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二は、支え合う地域づくりについてであります。  まず初めに、地域医療構想についてお尋ねをいたします。  今から十年後の平成三十七年には、いわゆる団塊の世代の方々の全てが七十五歳以上になられ、医療機関へ入院される患者さんが大幅にふえることが見込まれております。また、高齢者は脳血管疾患による入院の割合が高いことから、急性期以降のリハビリテーションのための病床の確保も求められるところであります。  一方、病床や医師、看護師を初めとした医療人材には限りがあるため、将来にわたり県民の皆様に必要な医療を提供するには、患者の病状に応じた効率的で質の高い医療提供体制を構築することが喫緊の課題となっております。  そのため、昨年六月に医療法が改正され、都道府県は平成三十七年に向けた目指すべき将来の医療提供体制を明らかにするために地域医療構想を策定することとされ、本県においても、平成二十八年度までに構想を策定すると伺っております。  構想の策定に当たっては、人口の規模、患者の受療動向、疾病構造の変化、基幹病院までのアクセス時間などを勘案して構想区域を設定することとされております。その上で、構想区域ごとに、高度急性期、急性期、回復期、慢性期といった四つの病状ごとに、平成三十七年において必要とされる病床数を示していくこととなります。  そして、地域医療構想の達成に向けまして、各構想区域において適切な病床配置となるよう、病床の機能転換を促進するとともに、地域の医療機関が役割を分担し、連携しながら、さまざまな入院患者を病状に即した医療機関で受け入れていくことで、将来の入院医療の増加やニーズの変化への対応を図っていくこととされております。  また、地域医療構想を実現するためには、退院後の療養生活を支える在宅医療の充実や医療従事者の確保も極めて重要です。  そのような中、昨年度設置されました地域医療介護総合確保基金の医療分は、まさに病床の機能分化・連携、在宅医療の充実、医療従事者の確保の三つが対象とされており、今後、この基金を積極的に活用していくことが期待されるところであります。  地域医療構想で示される目指すべき将来の医療提供体制は、県民の皆さんはもとより、医療機関にとっては非常に大きな問題であり、幅広い関係者からの声を十分に聞きながら、構想の策定作業を進めていく必要があると考えます。そして、地域の医療機関にも構想をしっかりと理解していただき、構想の実現に向けた取り組みを県と医療関係者が一丸となって進めていただきたいと思います。  そこでお尋ねをいたします。  本県では、将来における医療提供体制を見据えた地域医療構想を今後どのように策定していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、認知症対策についてお尋ねをいたします。  厚生労働省は、本年一月に、平成三十七年に認知症高齢者の方が最大で七百三十万人に達する見込みとの推計を発表いたしました。これをもとに本県の認知症高齢者を推計しますと、平成二十四年に約二十四万人であったものが、平成三十七年には約四十万人へと大幅に増加することが予想され、認知症の方とその家族を支える地域づくりが喫緊の課題となっております。  こうした中、国においては、新たな国家戦略として、認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランを一月に公表し、認知症への理解を深めるための普及・啓発、認知症高齢者にやさしい地域づくりの推進など、七つの柱に沿って施策を進めることとされております。  本県においても、本年三月に策定した第六期愛知県高齢者健康福祉計画に引き続き、認知症支援対策を主要課題として位置づけ、平成二十九年度末までに認知症の早期発見、早期対応、家族介護者の支援、認知症予防などの施策を計画的に推進することとしています。  市町村においては、住民の方々に対する普及啓発が重要と考えられ、児童生徒を対象とした学校における認知症サポーター養成講座を実施するとともに、家族介護者を支援するための認知症カフェの開設や、徘回高齢者をいち早く発見するための認知症サポーターなどを活用した捜索体制の整備など、その取り組みが始まっております。  また、速やかに適切な医療、介護が受けられるよう、初期対応を行うための認知症初期集中支援チームを平成二十九年度末までに新たに全市町村で設置することになっております。  今後、このように認知症施策を進めていく必要がありますが、現在、市町村の認知症対策に係る取り組み状況についてはさまざまであり、全ての市町村で認知症施策を効果的に実施するためには、県や専門機関による支援が必要であると考えます。  本県には、我が国唯一の長寿科学や老年学、老年医学に関する総合的、中核的な国立研究機関として国立長寿医療研究センターがあります。本県が認知症に関しても豊富な知見を有する同センターと、本年三月に認知症施策等の連携に関する協定を締結したことは大変有意義なものと考えます。  そこでお尋ねをいたします。  本県では、国立長寿医療研究センターとの協定に基づき、効果的な認知症対策に関する調査研究に取り組むとのことでありますが、取り組み内容とその成果を生かし、今後どのように市町村を支援していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、ドクターヘリの運航体制の確保についてお尋ねをいたします。  ドクターヘリは、ヘリコプターに医師や看護師が同乗し出動するもので、医療機関に搬送するまでの間に医師が傷病者に救急医療を行うことで、一刻を争う重篤な傷病者の救命率の向上や後遺症の軽減に大きな成果を上げております。  私ども公明党は、阪神・淡路大震災で得た教訓を踏まえ、ドクターヘリの全国配備を進めてまいりました。最近では、空飛ぶ救命室としてドクターヘリの有効性が広く認識されて配備が進み、平成二十七年九月一日現在、全国三十八道府県で四十六機にまで拡充されています。本県では、平成十四年一月から愛知医科大学病院を基地病院として、全国で四番目という早い時期にドクターヘリの運航を開始しており、ドクターヘリ先進県であると認識をいたしております。  ドクターヘリは、時速二百キロ以上で飛行し、交通事情の芳しくない地域の方々にとって救命医療の切り札的な存在となっております。その事例の一つとして、平成二十七年三月に東三河山間部で重症患者を救ったケースを御紹介します。  設楽町内で意識状態が悪化した高齢者がいるという一一九番通報を受けまして、救急隊が脳血管障害の疑いがあると迅速に判断し、ドクターヘリの出動要請を行いました。医師、看護師が現場に到着し、必要な初期処置を行った結果、症状が安定したため、すぐに新城市内の救急医療機関へ搬送されました。その後、回復して、一カ月後に後遺症もなく無事退院されました。救急車による搬送では救急処置開始が遅くなり、重症化したおそれが高かったのですが、この事例はドクターヘリを有効に活用することができたケースと言えます。  しかしながら、ドクターヘリの安全運航を確保する上で心配な点があります。それは、ドクターヘリの配備が大幅にふえる一方、ヘリコプター操縦士の高齢化が進行し、五十歳以上の操縦士が約三分の二を占め、今後、大量退職が見込まれる中、若手操縦士の養成が進んでいないことであります。十分な技能、経験を持った操縦士は安全運航にとって何より必要でありますが、将来的にはドクターヘリ操縦士が不足する可能性があると伺っております。  また、運航費については、国と県の補助金によって賄われておりますが、ドクターヘリの出動回数がふえ、経費がふえる中、国からの補助金が十分に交付されていないと伺っております。  そこでお尋ねをいたします。  ドクターヘリを安全に運航していくため、今後の本県のドクターヘリ操縦士の確保についてどのような見込みであるのか、また、運航経費についてどのように確保していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、魅力ある地域づくりについてであります。  まず初めに、ロボット産業の育成についてお尋ねをいたします。  ロボットによる新たな産業革命の実現に向け、国が掲げる日本再興戦略において、ロボット新戦略が取りまとめられております。このロボット新戦略では、ロボット革命の実現に向け、日本を世界のロボットイノベーション拠点とするロボット創出力の抜本強化がうたわれる中、国においては、ロボット革命全体の強力な推進母体として、ロボット革命イニシアティブ協議会が設立されました。  この協議会では、産学官の連携やユーザーとメーカーとのマッチング機会をふやすことでイノベーションを誘発させる体制の構築や、国際展開を見据えた規格化や標準化等を推進していくとされ、国を挙げてロボット産業を後押ししていくとされております。  一方、本県の状況でありますが、新たな産業の柱としてロボット産業を推進するため、昨年十一月にあいちロボット産業クラスター推進協議会が設立され、本県のロボット産業を強力に後押ししていくと伺っております。  もともと本県は、自動車産業の発展とともに産業用ロボットでも発展を続け、製造の現場では見事なまでにオートメーション化が進み、産業用ロボット分野は確実に進化しているものと考えます。  また、二〇〇五年の愛・地球博では、接客ロボットを初めとするサービスロボットを実際に見て、触れることで、未来に夢をはせたものであります。  あれから十年がたちました。着実に技術は進歩しているものと思われますが、いざ実用化となるとなかなか進んでいないのが現状ではないかと思います。  そうしたことからも、今回の本県のロボット産業に対する取り組みには大きく期待を寄せるところであります。特に、医療、介護を初めとする生活支援を目的としたサービスロボットの分野は、今後ますます大きな広がりを見せていくものと考えます。私としても、この愛知がロボット産業の一大拠点となり、ロボットといえば愛知として大きく発展していくことを強く望んでいるところであります。  そこでお尋ねをいたします。  物づくり県として、ロボット産業の育成に今後どのように取り組んでいかれるのか、知事の御所見を伺います。  次に、新しい観光戦略についてお尋ねをいたします。  今から約一年半前の平成二十六年二月定例議会において、私は代表質問に立ちました。その中で、産業としての観光施策のあり方をお尋ねし、今後、観光を重要な産業の一つとして捉え、その振興に強力に取り組む必要があること、また、観光を産業として振興していくためには、観光専任の部署が必要であることを申し上げたところであります。  その後、本県においては、昨年の十二月、知事が二〇一五年、本年を観光元年とする宣言をされ、観光集客を愛知の新たな戦略産業として位置づけられました。  また、本年四月には、新たに観光専任の組織として観光局を設置され、そのトップには民間から実績のある人材を迎えられました。  観光を本県の重要な産業と明確化し、その振興のために実動部隊となる観光局の体制ができたことは大きな前進であると考えます。今後、この体制のもと、観光振興を強力に推進していただくことを大いに期待しております。  こうした本県の取り組みは、私が提案したとおりに進んでおり、私としてもうれしく思いますし、訪日外国人増加のトレンドを的確に把握され、迅速に対応されている知事には感謝申し上げるところであります。  この四月以降、新しい観光局長の陣頭指揮のもと、急増する外国人旅行者を当地域に取り込むために、その施策を矢継ぎ早にスタートさせていることは承知をいたしております。海外での知名度向上に向けて、観光PRのキャッチワードとロゴマークとして、「ハート・オブ・ジャパン〜テクノロジー&トラディション」を作成し、各種広報媒体や電子メディアなどで幅広く活用して、PRに努めておられます。  また、本年の六月補正予算で、海外に向けた情報発信を強化する施策を事業化し、速やかに実施されており、今後も増加する訪日外国人のトレンドを勘案すると、来年度を待つことなく、まずは愛知を知ってもらおうという取り組みは大いに共感ができるものであります。  こうした中、現行の観光振興基本計画が今年度末で目標年次を迎えることから、本県においては、現在新しい観光戦略の策定を進められております。本県が本気で観光に力を入れて取り組むには、観光元年宣言以降の流れを踏まえ、戦略の中に観光を本県の戦略産業として明確に位置づけ、具体的な戦略や施策を示し、しっかりとした体制でこれらの施策を積極的に展開していくことが必要であると考えます。  そこでお尋ねをいたします。  新しい体制において、どのようなお考えのもと、新しい観光戦略を策定されるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、新しい山村振興ビジョンについてお尋ねをいたします。  三河山間地域は、県土の三分の一を占め、県土の保全、水源の涵養、自然環境の保全など、多面的な公益的機能を有しており、県民の安全で安心な生活や本県産業を支える重要な役割を担っております。  しかしながら、高齢化や少子化の進行とともに、集落機能の維持が困難な地区も発生しつつあり、また、農林業の担い手の高齢化、後継者不足が進行するなど、地域活力の低下が懸念をされております。  こうした中、本県では、平成二十一年にあいち山村振興ビジョンを策定し、緑が生きる豊かな山の暮らしの構築を目指し、交流居住の活性化や農林水産業の振興など、さまざまな施策を展開していると承知いたしております。  しかし、三河山間地域では、人口減少の加速化や、さらなる集落機能の弱体化、移住者の住まいや雇用の場の不足など、課題がまだまだ残されております。  一方、近年、首都圏の若者を中心とした田園回帰志向が拡大する中で、地域おこし協力隊など都市部からの若者移住者が増加し、その活躍が注目を集めています。国を挙げた地方創生の取り組みがスタートし、地方への人の流れ、地方移住の機運が盛り上がりつつあります。  また、新東名高速道路を初め、広域高速交通基盤の整備が今後段階的に進展し、山村と都市との交流、連携が飛躍的に拡大しようとしています。  さらに、平成三十九年に予定されているリニア中央新幹線の東京─名古屋間の開業は、中間駅である飯田市、中津川市に近接する、この三河山間地域にも大きなインパクトを及ぼすものとなり、これまで奥地と呼ばれた三河山間地域が十年後、二十年後には全国から注目を集める地方創生の日本のフロンティアとなるポテンシャルを有していると言っても過言ではないと思います。  こうした三河山間地域が直面するさまざまな課題や社会情勢の変化、さらに、地域の将来的なポテンシャルを的確に踏まえた上で、本年、目標年次を迎えるあいち山村振興ビジョンにかわる新たな山村振興ビジョンを策定していくことが必要であり、また、地域からも大いに期待されているものと考えます。  そこでお尋ねをいたします。  現在、策定作業を進めている新しい山村振興ビジョンにおいて、三河山間地域の目指すべき姿をどのように描き、その実現に向けた重点的な施策をどのように打ち出していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、東三河地域の道路インフラ整備についてお尋ねをいたします。  東三河地域は、古くから塩の道により、長野県や静岡県とも県境を越えた結びつきが強く、三遠南信地域として独自の発展を遂げてきました。平成二十四年四月には、新東名高速道路の静岡県区間と三遠南信自動車道の浜松いなさ北インターチェンジから鳳来峡インターチェンジがつながり、本県では一部区間の開通ではありましたが、とうえい温泉の観光客が約二割増加するなど、既に、この地域にも開通効果があらわれつつあります。  静岡県区間では、新東名沿線の企業立地が開通前の約三倍になるなど、加速度的に進み、観光面においても大きなプラスになっていると聞き及んでおります。  そして、今年度中には、いよいよ新東名高速道路の浜松いなさジャンクションから豊田東ジャンクションまでの約五十五キロメートルの開通が予定されており、新東名の開通を起爆剤として東三河地域をさらに発展させていきたい、このように考えております。  こうした中、新東名の開通後間もなく、豊橋市を初めとする東三河地域において海フェスタが開催されます。もともと海にゆかりのある港湾都市において開催されている日本最大級の海の祭典であり、今回は東三河広域連合が主役となって実施することになります。海だけでなく、川や山といった自然、多彩な文化、豊かな食などの東三河の魅力と地域資源を全国に発信する絶好の機会であります。新東名を利用して多くの方々に東三河へお越しいただき、そのよさを知っていただきたいと思っており、また、その成果には大いに期待をいたしている次第であります。  このような状況の中で、国際的な自動車港湾である三河港が全国の港湾の中で主要な地位を占めるためには、アクセス機能の改善が不可欠であります。また、奥三河の観光地についても、高速道路からのアクセス道路の線形不良や狭隘区間の解消が欠かせないなど、新東名の開通効果を受けとめるためには、東三河の道路インフラの整備はまだまだ十分な状況ではありません。  このため、まずは、現東名、新東名と東三河の各都市、三河港、奥三河の観光地など、相互を結ぶ道路ネットワーク、例えば東三河環状線や東三河縦貫道路の整備を急ぎ、地域の一体化を促進する必要があると考えます。  また、当地域をさらに発展させるためには、新しい塩の道として三遠南信自動車道の整備を促進し、県境を越えた結びつきを強化することが重要な柱となります。  新東名と並ぶもう一つの国土の東西軸であるリニア中央新幹線の飯田市内に計画している長野県駅も視野に入れて、三遠南信地域の連携を深めていきたいと考えております。  そこでお尋ねをいたします。  新東名高速道路の開通効果を幅広く受けとめ、東三河全体の発展につなげていくため、これからの東三河地域の道路整備をどのように進めていかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、安全な地域づくりにおける交通安全対策についてお尋ねをいたします。  本県におけるこの十年間の交通事故死者数を見ますと、平成十七年には四百七人でありましたが、平成二十六年には二百四人とほぼ半減をしております。しかしながら、交通事故死者数の全国順位を見ますと、本県は昨年まで十二年連続でワースト一位という不名誉な記録を続けております。  本県における交通死亡事故の状況を見ますと、交差点及びその付近における死亡事故件数が非常に多く、また、交差点における出会い頭の交通事故も増加しております。  これらの情勢を踏まえますと、交通事故の総量を抑制し、交通事故死者数全国ワースト一位を返上していくためには、交差点における交通事故抑止対策を徹底し、危険な交差点を一掃していくことが重要であると考えます。  交差点における対策としては、これまでも信号機や道路標識、道路標示などの交通安全施設の整備を初め、交通指導取り締まりなどの諸対策が講じられてきたことは承知をいたしております。  しかしながら、交差点における交通事故の抑止は長年にわたって課題とされてきました。にもかかわらず、いまだにこれだけ多発している現状を鑑みますと、今後は、これまでの対策からさらに一歩踏み込んだ対策で推進していく必要があるのではないでしょうか。  私は、真に有効な対策を推進していくためには、警察と道路管理者による緊密な連携が不可欠であり、交差点の総点検を合同で行うことで、現に交通事故が多発している交差点や事故の発生が懸念される危険な交差点について、情報を共有するとともに、道路構造や交通の流れなどの道路交通実態や交通事故の発生実態をしっかりと把握し、分析することが何より重要であると思います。  さらに、その分析結果に基づき、各交差点においてどのような対策が有効であり、また、実施可能であるのか、警察と道路管理者がそれぞれの専門的知見を最大限に生かしながら、知恵を出し合い、対策を着実かつ早期に実施していくことが重要であると考えます。  そこでお尋ねをいたします。  交通事故死者数の全国ワースト一位の返上に向け、交差点総点検の実施や交通事故多発交差点等における対策の検討及び着実な実施の観点から、交差点における交通事故抑止対策を道路管理者と連携しながら、どのように推進していかれるのか、警察本部長の御所見を伺います。  質問の第五は、活力ある地域づくりについてであります。  まず初めに、県立高等学校の教育改革の取り組みについてお尋ねをいたします。  グローバル化や技術革新の進展に伴い、私たちの社会はますます急速に変化しており、幅広い知識、教養や、柔軟な思考力、さらには、困難な課題にも粘り強く解決策を見出していく力を身につけたたくましい若者を育てていかなければなりません。  本県がこれらの人材育成の課題に対応していく上で、県立高校はその中心的な役割を担っていくことが期待をされます。その期待に応えるためにも、時代の変化や生徒のニーズに対応した県立高校づくりをさらに積極的に進めるとともに、子供たちがみずからの将来を考えて高校を選び、目的意識を持って高校生活を送ることができるよう、高校入試のあり方についてもよりよいものに改善していくことが必要であると考えます。  こうした中、教育委員会では、本年三月、十年後を見据えたグランドデザインとなる県立高等学校教育推進基本計画を策定されました。私は、この計画に基づいて着実に本県の県立高等学校教育が前進することを強く期待いたしております。  とりわけ、今後、生徒が大きく減少する東三河における対応については、地域の実情や生徒、保護者のニーズをしっかりと踏まえた上で、ほかにはない特色ある学科を設けるなど、新しい発想によって学校づくりを構想していただくようお願いをいたします。  本県の公立高校入試は、推薦入学と二校受験できる一般入試から成る、いわゆる複合選抜が平成元年度から実施されており、制度導入後二十七年が経過しております。その間、少しずつ改善が重ねられてきたものの、時代の変化や社会のニーズに合わせた制度改革が必要な時期となっており、教育委員会では、平成二十九年度入試から制度全体を大きく見直されると伺っております。  今回の改善では、学校選択の幅がこれまでより拡大するということであり、このことによって子供たちの夢が広がりますので、私は、この改善に大いに期待をいたしております。しかし、具体的な改善の内容については、いまだ県民に十分周知されているとは言えない状況にあると思います。  そこでお尋ねをいたします。  平成二十九年度から実施される新しい高校入試制度の狙いと改善の内容について、また、今後どのように生徒、保護者を初め、県民に周知を図っていかれるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。  最後に、障害者スポーツの振興についてお尋ねをいたします。  四年前、私は、大村知事にお願いをして、障害者スポーツの世界大会で優勝した選手にお会いしていただきました。激励をしていただきました。本人初め、同席した御家族、指導者の皆さんは大変感激をされていました。しかし、その選手の活躍を取り上げた新聞記事はとても小さなものでありました。  二〇二〇年に東京での開催が決まったオリンピックは、毎日、新聞やテレビで取り上げられない日はないほどの過熱ぶりでありますけれども、それに比べパラリンピックはまだまだ知名度が低いと感じられ、とても残念なことであります。  私は、先ほどの選手のように頑張っている障害のある方に対して支援のできる仕組みはないのか、障害のある方々がアスリートとして頑張っている姿をもっと世間の人々に知ってもらうことはできないものかと、このように考えております。  また、東京パラリンピックの開催を契機として、多くの方々に障害者スポーツに参加していただくことが障害のある方の自立や社会参加の促進、県民の障害に対する理解の促進を進める上で絶好の機会であると思います。  国レベルでは、ことしの十月にスポーツ庁が設置されます。私としましては、東京オリンピック・パラリンピックを契機として、観光局のようにスポーツ局をとは申しませんが、本県に対して、二〇二〇年を目指して、部局横断的な体制で取り組んでいかれることを大いに期待するところであります。  障害者スポーツの支援としては、障害者を雇用する企業や所属クラブ、関係の障害者スポーツ団体との連携が必要であり、さらには、障害者スポーツ応援団をつくって、地域や組織で支援していくという機運を盛り上げていくことが必要であると考えます。こうしたことはアスリートたちの励みにもなると思います。  この七月には、今年度からの新規事業である二〇二〇年東京オリンピックあいち選手強化事業における強化指定選手二百四名に対して、知事から認定証が手渡されました。  一方、郷土の希望と期待を背負って、同じアスリートとして最高の舞台である東京パラリンピック出場を目指す障害者は、その障害ゆえに介助者や専用器具を必要とするなど、競技を続けていくだけでも大変な負担が伴います。  そこでお尋ねをいたします。  パラリンピックを目指す障害者のトップアスリートに対し、どのような支援を考えているのか、また、障害者スポーツをどのように推進していかれるのか、知事の御所見をお伺いいたします。  以上、県政各般にわたるさまざまな課題について質問をしてまいりました。知事初め、理事者各位の明快な答弁を期待いたしまして、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)

◯知事(大村秀章君)
 公明党愛知県議員団の渡会克明幹事長の質問にお答えをいたします。  まず初めに、県税収入の見通しにつきましてお尋ねをいただきました。  中部地方の上場企業の平成二十七年三月期の業績は、本県の主要産業であります自動車を中心とした製造業が円安を追い風に好調であったことから、法人二税が順調に推移しておりますので、県税収入の当初予算額は確保できるものと見込んでいるところであります。  しかしながら、景気の先行きにつきましては、中国経済を初めとした海外経済の情勢や為替の動向などが懸念されており、これらの不透明感から慎重な見方をする企業もあります。  したがいまして、今後の企業収益や景気などの動向には十分に注視をしながら、税収の一層の確保に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。  続きまして、今後の財政運営についてであります。  平成二十七年度の当初予算をベースに機械的に試算した財政中期試算では、引き続き地方交付税の交付団体として、多額の臨時財政対策債の発行が続くものと想定をしておりますことから、県債残高全体の増加が続き、公債費負担も増加する見込みとなっております。  持続可能な財政基盤の確立のためには、将来の公債費負担の抑制を見据えた対応が必要不可欠でありますので、投資的経費に充てる通常の県債につきましては、必要な公共投資の確保など、県民の皆様の要望に応えつつも、引き続き県債残高の縮減に向けた取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。  他方、特例的な県債につきましては、本県に対して臨時財政対策債が地方交付税に比べて非常に大きな割合で配分されてきたことにより、本県の県債残高が大幅に増加しているという現状を国に対して主張してまいりました。  本年度の交付税算定では、本県の臨時財政対策債の配分割合が七割台から五割台へと大きく改善をし、その成果があらわれたものと受けとめております。  今後とも、引き続き臨時財政対策債の配分割合の改善、さらには、地方交付税総額の増額による臨時財政対策債の廃止を強く国に求めてまいります。  次に、地域医療構想についてのお尋ねであります。  今後の急速な高齢化の進行により医療ニーズの大幅な増加が見込まれる中、県内全域において、効率的で質の高い医療を提供できるよう、将来のあるべき医療体制の姿を地域医療構想でお示しをし、その実現に向けしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  地域医療構想におきましては、入院が必要となった場合に、それぞれの状態に適した病床で適切に治療が受けられるよう、地域別に高度急性期、急性期、回復期、慢性期の医療機能ごとの将来の必要病床数を示してまいります。  必要病床数を定めるに当たっては、地域的な単位となる構想区域の設定が必要であり、その区域につきましては二次医療圏を原則とする一方、患者の受療動向などを考慮して二次医療圏を統合することも含め、検討を進めてまいります。  また、国の試算によりますと、本県では回復期の病床が不足する見込みでありまして、その整備など、将来のあるべき医療提供体制を実現するための施策につきましても構想の中でお示しをしてまいります。  なお、構想の内容につきましては、愛知県医療審議会で御審議いただきますとともに、県医師会や病院協会などの関係団体、市町村、保険者協議会などの御意見をお伺いしてまいります。  さらに、構想区域ごとに地域医療構想調整ワーキンググループを設置し、地域の医療機関の方々などからも丁寧に御意見をお聞きしてまいりたいと考えております。  本県の将来の医療ニーズに合った地域医療構想を策定し、県民の皆様方が引き続き安心して医療を受けられる体制を構築してまいります。  続いて、認知症対策についてであります。  認知症は、誰にも起こり得る身近な問題であり、本県におきましても、今後、認知症高齢者が大幅に増加することが見込まれることから、認知症対策を着実に進める必要があると考えております。  また、認知症は、その原因となる病気によりあらわれる症状や問題行動が異なることから、認知症施策を効果的に実施するためには、専門性の高い医学的な知識が必要となります。  このため、県では、認知症に関してすぐれた知見を有する国立長寿医療研究センターと本年三月に協定を締結し、より効果的な認知症施策を進めることといたしております。  この協定に基づきまして、認知症予防、認知症初期集中支援チームの効果的な運用、家族介護者支援並びに徘回高齢者の捜索に関する研究、普及などの四つの事業を協働で行うことといたしております。  本年度は、市町村への実地指導などを通じて、各事業の効果と課題を検証することといたしておりまして、このうち、認知症初期集中支援チームと徘回高齢者の捜索ネットワークの効果的な運用につきましては、今年度中に新たに本県独自の対応プログラムを作成してまいります。  来年度は、さらに認知症予防と家族介護者支援に関して、県独自のプログラムを作成してまいりたいと考えております。  県といたしましては、今後、国立長寿医療研究センターとの協働による成果を活用し、市町村職員への研修や現場における実地指導などを通して、県内全市町村で効果的な認知症施策が推進されるようしっかりと取り組んでまいります。  次は、ドクターヘリの運航体制の確保についてであります。  なお、議員御指摘のように、このドクターヘリの整備につきましては、これは国会におきまして、公明党さんからの提案で、当時、私、厚生労働委員会の責任者をやっておりましたが、与野党の枠を超えて協議し、ドクターヘリの整備を促進する法律について、議員立法で成立をさせたという経緯がありまして、そのこともついこの間のことと思い起こしているところでございますが、その法律を整備して予算もふやしていって、議員御指摘のように、三十八の道府県で四十六機まで拡充したということでございます。  そのドクターヘリでございますが、県内どの地域でも二十五分以内に救急現場に到着をし、直ちに医師が傷病者の治療を開始できるという機能を有しておりまして、救命率の向上や救急医療の地域間格差の是正に多大な貢献をいたしております。特に、山間部や離島など交通事情の悪い地域における救急医療の確保に重要な役割を果たしておりまして、本県の救急医療においてなくてはならない存在となっております。  ドクターヘリの運航に当たりましては、愛知県、そして愛知医科大学病院、ヘリコプターの運航会社、そして県内全ての消防機関等を構成員とする運航調整委員会を設けまして、運航体制や搬送事例の検討などを通じて、安全対策の向上及び円滑な運航に努めております。  なお、本県のドクターヘリだけで対応できない事案には、近隣県のドクターヘリとの相互応援協力により対応をしております。  ヘリコプター操縦士の確保を含め、現時点では運航体制に大きな問題はないものと認識をしておりますが、今後も引き続き関係機関の連携を密にいたしまして、ドクターヘリの運航体制を強化し、本県の救急医療体制の充実に努めてまいります。  また、ドクターヘリの運航経費でありますが、国庫及び県費により補助をしておりますが、年々国予算が減額をされ、財源の確保が非常に厳しい状況にあります。しかしながら、ドクターヘリは本県の救急医療にとって欠くことのできない重要な役割を担っていることから、県では、毎年、運航に必要な予算の確保に努め、運航経費全額を交付いたしております。  県といたしましては、ドクターヘリの安定運航のために必要な予算を措置するよう、今後とも国へしっかりと働きかけてまいりたいと考えております。  なお、こうした予算が国から、県が事業者となってやるわけでありますが、国から十分な予算が来ないというものが、難病対策予算なんかもそうでありますけれども、厚労省関係、やたらと多いということもありまして、これはけしからん話でございますから、また引き続き、これは全国知事会などなども通じまして、しっかりと働きかけていきたいというふうに思っておりますし、また、関係の各党の皆さんにも何とぞよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。  続きまして、ロボット産業の育成について御質問をいただきました。  本県のロボット産業は、自動車など基幹産業の製造現場への導入による生産性向上等により大きく発展をし、産業用ロボットを中心に、製造品の出荷額等、事業所数及び従業員数、いずれも全国一の規模を誇り、今後も堅調に推移するものと考えております。  こうした産業用ロボットの需要が高まる一方で、将来訪れる超高齢社会に向けて、医療、介護を初めとする生活支援ロボットが重要な役割を担うものと考えられ、その活用の広がりが求められているところであります。  県内には、すぐれた物づくり技術を持つ企業や、先進的な取り組みを進める大学等も数多く立地をしていることから、その高いポテンシャルを生かしまして、本県のロボット産業を大きく発展させるため、昨年十一月にあいちロボット産業クラスター推進協議会を設立し、三つのワーキンググループによりまして、具体的な取り組みを進めてまいりました。  そうした中で、先月八月十七日でございますが、大府市にあります国立長寿医療研究センター内にあいちサービスロボット実用化支援センターを、愛知県とこの国立長寿研とで連携をいたしまして、新たに開設をしたところでございます。  ここでは、試作品の実証や実用化に取り組む企業と県内の介護施設等とのマッチング、そして、実際に展示してあるロボットを見て、触れていただき、利用者からの意見を開発者に伝えることで、よりすぐれたロボットの開発につながるよう支援をしてまいります。  こうした取り組みを積極的に進め、本県のロボット産業を自動車産業、航空機産業に次ぐ第三の柱とするべく、拠点形成に向けてしっかりと取り組んでまいります。  続いて、新しい観光戦略についてであります。  国内外から多くの旅行者を当地域へ確実に取り込み、活力と魅力ある愛知を実現するためには、具体的な成果に結びつく取り組みを強化していくことが必要であります。  そのため、武将観光の新たなコンテンツとして、徳川家康と服部半蔵忍者隊をこの八月に結成いたしました。また、航空機をテーマにした展示施設の整備を進め、産業観光の新たな拠点づくりにも取り組んでまいります。  そのほか、観光情報の発信強化にも努めておりまして、本県出身の俳優、松平健さんを起用したモノスゴ愛知でマツケンのPR動画は、全国的に大きな話題になりました。本県の観光の魅力を全国に発信する機会になったと考えております。  なお、松平さんのお気に入りは、出身地の豊橋、東三河の手筒花火、炎の祭典というのが一番のお気に入りだったというふうにもお聞きをいたしておりますが、いずれにいたしましても、話題性のある魅力的なPRを引き続きしっかりと行ってまいりたいと考えております。  一方、日本が世界の注目を集める二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックまでには、当地域におきましても、伊勢志摩サミットやラグビーワールドカップなど、世界的なイベントが控えております。当地の強みを生かしたキャッチワード、ハート・オブ・ジャパンを定め、海外へのプロモーションなどを強化しておりますが、これからの五年間は、本県の知名度向上と観光振興につなげる重要な時期になると考えております。  こうしたことから、現計画の期間満了に合わせまして、二〇二〇年を目標といたします、仮称でありますが、あいち観光戦略を来年二月を目途に策定いたします。  この戦略は、観光元年宣言の根幹となるものでありますので、目指す姿といたしまして、「発見、感動、伝えたい観光県─あいち」を掲げ、訪日外客誘致に向けたプロモーションと受け入れ態勢の強化や観光資源の充実とブランド化の推進など、六つの戦略を考えております。  この戦略に基づくプロジェクトを全力を挙げて実施することにより、国内外から多くの人を呼び込み、戦略産業と位置づけた観光産業の持続的な発展につなげてまいりたいと考えております。  次は、新しい山村振興ビジョンについてお答えをいたします。  新たな山村振興ビジョンでは、三河山間地域の目指すべき姿として、愛知の元気の源となる豊かな山の暮らしの実現を掲げ、自然豊かな山村ならではの暮らしの実現とともに、山村と都市の関係性を一段と強めることを通じまして、山村の振興を県全体の活力向上につなげていきたいと考えております。  このため、山村に新たな仕事を生み出し、その仕事が都市から人を呼び寄せ、その人がさらに新たな仕事を生み出すといった好循環の確立に向けて、人々の暮らしや地域づくりと一体となったなりわいづくりに力を入れて取り組んでいきたいと考えております。  具体的には、この秋、ビジョンの策定に先立ち、若者を中心とした山村でのなりわいを求める人々を全国から公募し、移住、定住を着実に推進するとともに、新城市に三河の山里サポートデスクを設置し、移住や起業、集落支援などの幅広いサポート体制の充実強化に取り組んでまいります。  また、都市と山村の確かなきずなのもとに、県全体の活力も高められるよう、三河の都市部や三遠南信地域との連携を一層深めるとともに、新東名高速道路開通のインパクトを生かした名古屋市や浜松市などの大都市からの誘客を本格的に展開していきたいと考えております。  このほか、広域交通基盤等の着実な整備を初め、地域特性を生かした農林水産業や六次産業化等の一層の推進、豊かな自然環境や伝統、文化等の地域資源の磨き上げにより、交流人口や経済活動を拡大し、移住、定住の人の流れを確かなものとしていきたいと考えております。  続きまして、東三河地域の道路インフラ整備についてであります。  東三河地域は、豊かな自然や文化に恵まれ、農工商のバランスのとれた産業構造を有し、健康長寿や新エネルギー関連などの次世代を担う新しい産業が立地するポテンシャルの高い地域であります。  新たな国土形成計画では、自然、社会、文化など多様性に富んだ地域が相互に連携して生じる人、物、金、情報の活発な交流、すなわち対流が地域に新たな活力をもたらす対流促進型国土の形成がうたわれておりまして、多様な個性を有する東三河地域は、この実現にふさわしい地域であります。  このため、新たな国土軸となる新東名の開通効果を生かし、東三河地域内外の対流をより促進させる道路網の整備を着実に進める必要があります。  まず、東西軸として、三河港臨海部を貫く名豊道路の早期全線開通を目指すとともに、南北軸の国道百五十一号については、高速道路インターへのアクセス道路となる二カ所のバイパスや、山間地で新たなトンネルの整備を推進してまいります。  また、東三河環状線につきましては、事業中区間の早期整備とともに、最後の未着手区間のうち、豊川をまたぐ長大橋の着工準備を進めてまいります。  さらに、県境を越え、静岡県、長野県とのより広域的な連携軸といたしまして、三遠南信自動車道の整備を促進することはもとより、その南伸区間にあたる浜松三ヶ日・豊橋道路につきまして、国や静岡県などとルート選定に向けた調査を実施してまいります。  これからも、東三河地域の特性を生かした産業や観光の振興を図り、対流をさらに活発化させるとともに、それを支える道路網の整備を積極的に進めるなど、東三河地域の総合力アップに全力で取り組んでまいります。  私からの最後の答弁になりますが、障害者スポーツの振興についてであります。  オリンピック、パラリンピックが東京で開催されることとなり、五年後に迫ったこの夢のプロジェクトに出場することは、アスリートにとって大きな目標であるとともに、本県ゆかりの選手の活躍は、県民に希望を与え、活力ある元気な愛知の実現につながっていくものと思っております。  そこで、本県では、今年度から東京オリンピックあいち選手強化事業として、本県にゆかりのある二百四名を強化指定選手に認定し、用具費や遠征、合宿費の補助を行っております。  一方、東京パラリンピックに向けた選手への支援も重要でありまして、現在、強化対象となり得る候補者や必要な支援の内容を関係団体等に聞き取り調査を行い、情報収集に取り組んでおります。そして、これらの情報を分析いたしまして、パラリンピックの選手強化にも努めてまいりたいと考えております。  また、障害のある方々にスポーツ活動に参加していただくことは、自信や希望につながり、さらに、県民の皆様にその姿を見ていただいたり、交流が行われることにより、障害のある方の社会参加や県民の皆様の障害に対する理解が促進されることが期待されます。  本県では、障害者スポーツ大会の開催や全国障害者スポーツ大会への県選手団の派遣などに積極的に取り組んできたところでありますが、東京パラリンピックを契機としたスポーツへの関心の高まりを受け、今年度新たに障害者スポーツ参加促進事業を実施することといたしております。  具体的には、スポーツに関心のある障害のある方々に、本県ゆかりのトップレベルの選手、指導者が講演や実技指導を行うものでありまして、二〇一四年アジアパラ競技大会の金メダリストである佐藤圭太選手をお迎えいたしまして実施する十一月下旬の陸上競技を皮切りにいたしまして、今年度五種目で行っていきたいと考えております。  県といたしましては、東京パラリンピックに向けまして、選手強化に努めるとともに、障害のある方々の社会参加が促進されるよう、障害者スポーツの推進にもしっかりと取り組んでまいります。  以上、御答弁を申し上げました。

◯警察本部長(桝田好一君)
 交差点におきます交通事故抑止対策についての御質問についてお答えいたします。  議員お示しのとおり、当県は、交通事故死者数全体に占める交差点及びその付近における死者数の構成率が全国平均よりも高いことから、交通事故を減少させていくためには、交差点における諸対策を講じていくことが重要であると認識しているところでございます。  県警察におきましては、交通事故が多発している交差点から優先して対策を実施しているところであり、具体的には、県内四十五警察署において、死亡事故などの重大事故につながりやすい出会い頭や歩行者横断中の事故が多発している二百五交差点を抽出し、道路交通環境の改善や交通指導取り締まり、広報啓発の総合的な対策をACT─45と銘打ち、道路管理者と連携して推進しております。  対象交差点におきましては、信号機の歩車分離化や交通工学等の有識者の知見に基づく新たな交通安全施設の導入のほか、道路管理者によるカラー舗装や交差点のコンパクト化など、交通事故の原因等に応じた対策を順次実施しており、本年八月末現在、二百五交差点のうち、五九%に当たります百二十交差点におきまして、対策に着手しております。  また、本年度は、当初予算及び六月補正予算で道路標示等の事業量を例年より多くお認めいただいておりますことから、横断歩道や停止線、止まれの道路標示を重点的に整備いたしますほか、信号灯器のLED化につきましても、積極的に推進しているところでございます。  今後も、道路管理者と緊密に連携した交差点対策に積極的に取り組むとともに、取り組み状況や効果についても広報いたしまして、県民の皆様の安全意識の高揚もあわせて図ってまいりたいと考えているところでございます。

◯教育長(野村道朗君)
 高等学校の入試制度の改善についてお尋ねをいただきました。  本県の複合選抜制度は、平成元年度の導入以来、時代の状況を踏まえて、その都度必要な改善を図ってまいりましたが、推薦入試のあり方や群及びグループ分けなどの選抜制度の根幹にかかわる課題が明らかになってまいりましたので、平成二十四年度以来、二年間にわたって制度の改善について検討を重ね、平成二十九年度から新しい制度で入学者選抜を実施することとしたものでございます。  新しい制度では、二校受験できる現在の仕組みを維持した上で、中学校三年生の三学期に落ちついた学習環境を確保するために、現行では二月中旬に実施をしている推薦入試を三月中旬の一般入試の日程に取り込み、入試日程全体を短縮することといたしました。  また、中学生が一層身近な地域の中でより幅広い選択肢の中から主体的に高校を選択できるよう、三河学区では一群と二群に分かれていた普通科高校を一つにまとめて三河群とし、尾張学区では群を越えて受験できる一・二群共通校をふやすことといたしました。  新しい制度の周知につきましては、昨年五月、新制度入試を最初に受験することとなる現在の中学校二年生及び保護者に対しまして、新制度の概要を説明するリーフレットを配付し、また、本年六月には、中学一・二年生及び保護者に対して、新しい群及びグループ分けも掲載した新たなリーフレットを配付いたしました。この内容は、教育委員会のホームページにも掲載し、周知を図っているところでございます。  今後は、十月に全中学校長への説明会を行いますとともに、来年度早々には、改めて全中学生及び保護者に対しまして、新制度をわかりやすく説明するリーフレットを作成、配付するなど、新しい制度の仕組みや改善点について、一層の周知に努めてまいりたいと考えております。




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