◯二十九番(渡会克明君)
公明あいちの渡会克明でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
通告に従いまして順次質問させていただきたいと思います。
まず初めに、本県の住宅対策についてお伺いいたします。
平成十年に全国で実施されました住宅・土地統計調査と住宅需要実態調査の結果がこの六月に相次いで公表されました。これらの調査は五年ごとに行われ、国や都道府県が住宅対策を進める上で最も基本的な調査となっております。
この結果を五年前と比べてみますと、住宅に対する不満はなかなか解消されず、依然として半数近くの四七・五%の方が何らかの不満を持っているという、こういう結果になっております。さらに、住宅を取り巻く環境への不満率ではむしろ五年前より高くなっており、三分の一以上の三五・八%の方が何らかの不満を持っているという、こういう状況があります。一方で、住宅の数は増加を続けており、世帯の数を一割以上も上回っているという結果が出ております。
住宅政策の基本が、戸数確保という量から質の向上へと転換されて久しくなりますが、これらの調査結果を見ますと、住宅はふえ、広さの面では居住水準は着実に改善されてきてはいるものの、時代の要求に応じた質の問題ではまだまだ課題が多いという、こういう状況ではないかと考えております。
特にこの調査結果で注目すべき点は、住宅に関する不満の第一位に、高齢者に対する配慮が挙げられていることであります。この項目は今回の調査で初めて加えられたものですが、実に三分の二に当たる六六・四%の方が「不満を持っている」、このように答えております。
介護保険制度がいよいよ来年四月からスタートすることになるわけですが、介護が必要な高齢者に対して、まだまだ元気な高齢者が圧倒的に多いと予想されております。さまざまな介護施設の整備や介護サービスを充実させていくことは当然必要でありますけれども、暮らしなれた住まいに安心して住み続けたいというのが多くの高齢者の方々の希望であるかと思います。しかし、肝心の住宅に対する評価がこのような状況では、大変心もとない気がいたします。
この調査からは、不満の実情は詳細にはわかりませんが、階段や浴室、トイレなどに手すりを設けている住宅は、新しいものでは半数近くになっております。しかし、本格的な高齢社会を迎える中で、生活の拠点である住宅を高齢者も安心して暮らしていけるように整備していくことは、重要な課題であると考えております。
また、今回の調査結果の公表資料には、各年代ごとの持ち家に住む割合が、過去四回の調査と今回の調査の比較で掲載されております。これを見ますと、二十歳代から四十歳代の比較的若い世代の持ち家世帯率が大きく減少してきております。例えば、三十歳代の持ち家世帯率は十五年前と比較してマイナス一〇%から一五%も落ち込み、三十歳代後半では、約六〇%あったものが五〇%を下回る状況となってきております。
その原因の一つとしては、地価の高い都市部を中心に、住宅を持つことをあきらめざるを得ないという経済的な背景もあろうかと思いますが、一方で、資産としての住宅を持つより、賃貸住宅に住み、むしろ生活の快適性や利便性を重視するという、こういう傾向も年々強くなり、これらの状況が相まった結果があらわれているのではないかと思います。
これをライフスタイルや住まいに対する価値観の多様化という面からとらえれば、生活水準の成熟度の一つの要素と考えることもできるわけでありますが、その受け皿となる住宅の広さだけを見ても、持ち家の百二十一平米に対し借家は四十四平米と、三分の一程度しかないのが実情であります。つまり、ライフスタイルを大切にし、賃貸住宅に住み続けるとしても、その選択肢は意外と少ないのが実態ではないかと思います。今後の日本の社会経済構造を左右すると言われているいわゆる少子化問題も、このような住宅事情が要因の一つになっている、こう思われます。
そこでお尋ねをいたします。本県では、平成八年に策定された住宅マスタープランに基づき住宅対策を推進しているところでありますが、このような最近の社会状況の変化に対応して、改めて住宅対策の検討を行うことが必要ではないかと思いますが、まず、この点、御所見をお伺いいたします。
次に、かつては持ち家を取得していた世代が賃貸住宅にとどまるという傾向がこのまま続きますと、今後、賃貸住宅の需要は相当大きくなり、また、賃貸住宅に住む高齢者も増加することが予測されます。しかし、現状では、良質な賃貸住宅のストックは不十分であると言わざるを得ません。
そこで、今後の住宅対策の柱として、適切な規模、性能、居住環境が備わった賃貸住宅の供給を促進することが住宅全体の居住水準の向上につながり、また、さまざまな住まい方への要望にこたえていくことになると思いますが、その点のお考えを伺いたいと思います。
冒頭に二つの住宅に関する調査を紹介いたしましたが、調査結果が公表されました六月に、住宅の品質の確保等に関する法律が公布されております。この法律は、新築住宅の基礎や柱、壁などの基本構造部分の瑕疵担保責任を十年間義務づけたこと、住宅性能表示制度を創設したことが主な内容となっております。また、昨年建築基準法が改正され、阪神・淡路大震災の教訓や欠陥住宅の社会問題化を踏まえ、住宅を初めとする建築物の検査体制の充実等が図られております。
マイホームは一生の買い物と言われております。せっかく手に入れた住宅も、性能に問題があったり、生活に支障を来すような重大な欠陥があれば、一生台なしになってしまいます。最近、マスコミでも住宅の欠陥問題を取り上げることが多くなってきておりますが、住宅をめぐるトラブルは年々増加をしている状況でもあります。県民の方々が安心して住宅を建てることができるよう、このような制度を大いにPRしていただきたいと思います。
このように、住宅の品質の向上や安全性を確保するための法律など、制度面での整備は進められておりますが、住まいに関する適切な情報提供の整備はまだまだおくれていると思います。このことは、私の体験も含めて切実に感じております。
住まいの新築や購入、リフォームなどの場合、住宅展示場を見に行くとか、住宅情報誌やハウスメーカーのパンフレットを取りそろえ、一生懸命知識を取り入れても、最終的には不安を持ちつつ結論を出さねばならないと、こういう経験を多くの方がされているのではないでしょうか。また、台所や浴室、トイレなどの設備もどんどん新製品が出ております。どれが自分たちの生活に合うのか、なかなか判断がつかないということもあります。
さらに、最近では住宅の部材から出る化学成分によるアレルギーなどの、いわゆるシックハウスの問題も大きな関心を集めておりますし、省エネのための太陽光発電などの新しい設備になりますと、かなり専門的な知識が必要となってまいります。また、賃貸住宅の場合でも、退去する場合の敷金の取り扱いなどでトラブルを生じることも多くあります。
このような場合にどのようにしたら適切な情報を得ることができるのか、だれしも戸惑うのが実情ではないかと思います。先ほどの住宅需要実態調査の結果を見ましても、転居の経験をされた方の四分の三の方が「情報不足であった」と答えております。
情報不足の最も多いものが、適切な価格か判断できる情報が得にくい、こういうものであります。住まいを求める方々にとって最も肝心な判断材料に関する情報不足が挙げられております。このほか、住宅の性能、住宅や宅地の物件に関する情報、販売業者や施工業者に関する情報などが挙げられており、まさに暗中模索のような状況の中で住宅を選択している姿が浮かび上がってまいります。
先月、「住まいるアップ促進事業」というインターネットを活用した住まいに関する情報提供を始められたと聞いております。このような新しいメディアを活用した情報提供事業をもっと早く行うべきだったと思いますし、今後もどんどん広げていただきたい、このように思うわけでございます。もう一方で、新しいメディアになれていない方も大勢おられますので、さまざまな機会を通じて県民の方々が適切な情報を得ることができるよう、その仕組みをなるべく早く整備することが必要であります。
そこでお尋ねいたします。住まいに関する情報提供の現在の取り組み状況と今後の方向について、明快な御答弁をお願いいたします。
以上三点、住宅行政に関してお伺いいたします。
次に、本県の旅券センターについてお伺いいたします。
本県の財政中期試算も公表され、県財政の厳しさは、県民の深刻の度をさらに増したかのように思われます。倒産、リストラによる就業問題、中・長期の雇用不安、また、精神面でのマイナス思考、無気力等々、このような暗いムードを払拭する意味でも、今こそ、県民の立場に立ったソフトの面での創意工夫が大切であると考えます。
そこで、県民と直接接するサービス部門とも言える県の公共施設や窓口業務の中で県民の要望が強い部門では、日曜開設あるいは平日の時間延長等を検討したらどうか。少しでも県民に対する直接的行政サービスの向上を図り、意欲的に取り組む本県の姿勢を見せたいと思うのであります。どうか県民へのサービスという根本問題の抜本的見直しをお願いいたします。
ところで、埼玉県では、県内四カ所のパスポートセンターで旅券の日曜日交付事業をスタートさせました。二カ月たちましたが、予想を上回る利用者が殺到しているとのことであります。旅券申請の受け付けはしませんが、日曜日に旅券交付が実現したのは、全国の都道府県でも初めてのケースであります。交付総数の約半数が日曜日に殺到するほどで、関係の職員九人を増員して対応しているそうであります。想像以上に日曜交付の件数が伸びているようであります。外務省と相談し、交付に限っての窓口開設を決定したわけであります。
海外旅行が大衆化して、多くの人が旅券を取得する時代となりました。愛知県でも、海外旅行をする人は年々増加をしております。平成十年度の旅券の所持総数百六十八万二千七百五十五人からすると、県民四人に一人が旅券を所持している計算になります。本県旅券センターの調べでも、平成十年度の年間旅券交付は三十四万一千九百九十三件、このうち、一三・七%に当たる四万六千七百十六件は豊橋分室の交付数であります。
御存じのように、旅券を取得するには、申請書、戸籍謄本、住民票、写真など必要書類を添えまして、住民票がある都道府県指定の窓口に提出をいたします。一週間ほどしてから、交付窓口で旅券を受け取るという手順になっております。旅券窓口の開設時間は、愛知県の場合、月曜から金曜まで午前九時から午後四時三十分、ただし、旅券交付のみ金曜日は午後六時三十分まで、土曜日、日曜日、祝日は休みとなっております。旅券を取得する人は、忙しい中、平日に休みをとって手続をしなければなりません。
ただし、規制緩和により申請手続については旅行会社などに代理で頼むことができるようになりました。しかし、問題は交付であります。本人が窓口で旅券を直接受け取らなければならず、その際の事務処理はおよそ五分。学校や仕事があり、五分のために一日休みをとらなければならないのは大変であります。休日に受け取れないか、こういう声が利用者の間で起こるのも当然のことだと思います。
そこで質問ですが、こうした背景を踏まえ、県民に対する行政サービスの一環として、愛知県も日曜日の旅券交付を開始できないものか、お尋ねいたします。
確かに旅券行政におけるサービスは、規制緩和による代理申請の簡素化、また、十年旅券の新設、子供の手数料の減額等充実が図られてまいりました。施設設備におきましても、本県は、平成八年度に昭和五十年三月設置の名古屋本室を整備拡充し、サービスの向上に努められました。その結果につきましては、昨年本会議で御答弁をいただきました。
では、お伺いいたしますが、昨年の平成十年度には、今度は昭和六十一年六月設置の豊橋分室の整備拡張が行われました。この結果、豊橋分室では県民へのサービス向上にどのように貢献しているのか、教えていただきたいと思います。
また、地方分権の推進に伴う機関委任事務の廃止等も視野に入れ、行財政改革のさなかではありますが、県民サービスが第一義であるという観点から、今後、名古屋本室、豊橋分室以外の分室または窓口を設置する考えはあるのか、お伺いしたいと思います。
以上三点、旅券行政における県民サービスについてお伺いいたします。
最後に、視覚障害者に係る問題についてお伺いいたします。
視覚障害者は、その視覚障害の程度にもよりますが、通勤通学、買い物などで目的地へ的確に移動することや、掃除、洗濯などの日常生活を送ること、印刷物を理解することを初め、情報を得ることに周囲の援助を必要としております。特に、必要な情報の確保は日常生活を送る上で欠かせないものであります。
最近のテレビドラマでは、盲人用の解説が副音声で流されていたり、一部の新聞社で点字新聞を発行しているほか、容器の小さな突起によりシャンプーとリンスの区別をしたり、磁気カードについては、挿入方向がわかるように切り込みがあります。また、プッシュホンや電卓では、中央にある「5」の数字に小さな突起があります。このように触れることによって情報が得られるように、徐々に社会も視覚障害者への対応に努めてきております。
視覚障害に対する援助活動としては、文字情報を点字や音声にして利用に供するものや、移動の援助活動であるガイドヘルパーや盲導犬などは一般的に知られているところであります。聞くところによりますと、愛知県では、視覚障害の方に対する行政情報の提供として、点字広報あいちや声の広報あいちを定期的に発行し配布されているほか、毎年点字版の福祉ガイドブックもつくられ、障害者福祉制度の案内をしております。今後もさらにこの充実発展させることを望むところであります。
ところで、視覚障害の方には点字は極めて効果的な方法であると思いますが、最近、病気や事故等による中途障害の方や高齢の方にはとても困難に感じられ、点字よりも音声の方が便利な場合があります。声の広報あいちを初め、ニュースの速報性の大幅アップにつながる音声だよりに力を入れていただきたいと思います。
しかし、いずれにせよ、こうした点字や音声に訳して提供するには、ボランティアの並々ならぬ協力が必要であり、日々地道に援助を行うボランティアの一層の確保と人材育成が急務ではないかと思います。
そこでお伺いいたします。本県には、点字図書や録音図書の制作と貸し出しを行うなど、県下の視覚障害者のための拠点施設があると思いますが、その活動内容と利用状況を教えていただきたいと思います。
また、視覚障害者の支援には、多くの支え手が必要であります。さきに申しました点訳や音訳などのボランティアの育成、確保に県はどのように取り組んでおられるのか、お尋ねいたします。
以上二点、視覚障害者対策についてお伺いいたします。
以上申し述べまして、壇上よりの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
◯建築部長(杉山義孝君)
今後の住宅対策についての検討のお尋ねでございますが、近年の少子・高齢化の進展に伴いまして、家族や地域社会の姿が変わりつつあろうかと思います。また、経済のグローバル化が進む中で、就業や生活のあり方も大きく変わりつつあります。一方、環境問題に対する認識の高まりなど、今後の住宅対策を進めるに当たって転換期にあるというふうに考えておりまして、今後、経済や環境あるいは民生、福祉、他の分野との連携も含めまして、これからの住宅対策の検討を進めることが必要であると思っております。
このため、今年度に学識経験者を中心としました「あいち21世紀住まい・まちづくりフォーラム委員会」を設置し、新しい課題に対して幅広い観点と長期的な視野に立った議論、検討を始めているところでございます。引き続きこのフォーラム委員会を発展させまして、消費者や事業者など関係機関の方々も加えた「あいち21世紀住まい・まちづくりマスタープラン策定委員会」を設置しまして、平成十三年度を目途に新しい住宅マスタープランの作成を行っていきたいと考えております。
この検討に当たりましては、県民や広く関係団体の方にも参画していただけるよう、会議内容と資料を愛知県のホームページで紹介をし、Eメールなどで寄せられたさまざまな御意見も委員会に反映させるなど、開かれた議論を前提に検討を進めているところでございます。
次に、上質な賃貸住宅供給の促進に関する御質問でございますが、近年の地価の安定あるいは経済社会構造の変化に伴い、住宅を保有するメリットが相対的に低下してきたこと、あるいは若い世代を中心に住まいに対します意識が変化してきたことにより、賃貸住宅を仮住まいとする意識も変わりつつあるのではないかと考えているところでございます。
しかしながら、御指摘のとおり、現状では、賃貸住宅の規模等の水準は持ち家に比べて大変低い状況にあり、今後の住宅対策の方向の検討の一つとして、県民一人一人が持ち家、賃貸を含めたさまざまな住宅の中から自分の生活スタイルにかなった住宅を選択できる、賃貸住宅の居住水準の向上を図っていくことが必要であると考えております。
これまで賃貸住宅に関する施策の中では、公営住宅など公的直接供給が中心でございましたけども、近年ではこれらに加えて、民間の良好な賃貸住宅の供給に対しまして建設費や家賃の助成を行う特定優良賃貸住宅制度の供給にも努めており、また、ことしからは、高齢者向けに緊急通報システムやサービスのついた民間の優良賃貸住宅整備事業も創設したところでございます。こうした政策を通じ、今後とも賃貸住宅全体の水準の向上と供給の促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、県民への適切な住まいに関する情報の提供ということについてでございますが、住宅のつくり方、選び方あるいはさまざまな助成制度、どこに相談したらいいか、住まいに対して求められる情報は実に多種多様なものがございます。本県におきましては、県内の関連団体等八十四団体で構成いたします「愛知ゆとりある住まい推進協議会」、これを昭和六十三年に設立しておりますが、さまざまな活動を行ってまいりましたが、昨年から、この協議会を中心としまして、インターネットを活用した「あいち・すまい・まちづくり情報広場」というホームページを開設し、住宅の建設や購入に当たっての必要なチェックポイント、あるいは物件の情報あるいは相談窓口の紹介など実に多様な情報の提供を行っており、また、個別の必要な情報にリンクすることができるようにして、必要な情報を手に入られるようにしているところでございます。
また、これらとあわせまして、「住まいの知識」という小冊子を七万五千部余り配布をしておりまして、その中で、どこに行けばどんな情報が手に入るかということも紹介をしております。
また、民間非営利団体の育成が重要であると考えており、住まいや街づくりに関する団体や企業等の取り組みをインターネット上で紹介する事業も始めたところでございます。
今後、さらに県民が住まいづくり、住まい選びに際し必要な判断ができる住宅に関する情報提供の仕組みづくりを推進してまいりたいと考えております。
◯商工部長(蔵元進君)
旅券センターにつきまして三点の御質問でございます。
最初に、日曜日の旅券の交付についてのお尋ねでございます。
現在本県におきましては、四人に一人の方が旅券を所持しておられるということでございまして、県民の生活上、旅券事務は大変重要な役割、かかわり合いを持っておるわけでございます。県としましても、これまで旅券センターの拡充整備、窓口の開設時間の拡充等、そのサービスの向上に努力しているところでございます。
こうした中、埼玉県におかれましてはことしの七月から、日曜日に交付事務のみを行うということを始められておられます。埼玉県の実情をお聞きしますと、日曜日に交付件数の約半分が集中するということでございまして、実は、これを本県に当てはめますと、現在の一日当たりの交付件数の約三倍、約三千五百件の旅券の交付が日曜日に集中する可能性があるわけでございます。そういたしますと、現在の交付事務に従事します職員の増員が必要なことはもとよりでございますが、現在の旅券センター施設の能力からいいまして、大変な混雑、混乱が生じるおそれも懸念されるわけでございます。また、日曜日は実は外務省のホストコンピューターが動いておりませんので、もし万が一誤発給等があった場合に、対応できないという課題もございます。
こういう状況を踏まえまして、現状では、直ちに実施することは困難ではないかと考えておりますけれども、県民の利便性の向上並びに他県の状況を勘案しながら、今後よく研究してまいりたいと考えております。
続きまして、第二点目としまして、豊橋分室の整備拡張についての御質問でございます。
去年の十一月から、豊橋分室は整備拡張をいたしておりまして、具体的には、待合室を含めました事務所スペースを約四〇%増床しておりますし、また、申請交付窓口の増設を行っております。そしてまた、外務省にお願いをさせていただきまして、旅券作成機械を設置をして、発給体制の充実をいたしております。
これらの効果といたしましては、待合室の混雑が大変緩和されておる。そしてまた、発給に要します日数が一日短縮できておりますし、また、これまで昼休みとしておりました昼時間帯の窓口開設を実施するなど、県民サービスの向上に努めておるということで考えております。
最後になりますが、旅券センターの分室、窓口の新設についての御質問でございます。
旅券センターにつきましては、従来から名古屋本室並びに豊橋分室の二カ所で順次整備拡張をしておりまして、待ち時間、そして発給日数の短縮等図りながら、県民サービスの向上に努めているところでございます。旅券センターのほかの地域での分室の設置につきましては、現在の大変厳しい財政事情のもとで、また、最近、旅券申請件数は実は伸び悩んでおります。そしてまた、行政合理化の観点等々ございますし、また、さらには外務省との協議の問題もございまして、大変厳しい状況にあろうかと思っております。
こうした状況のもとではございますが、旅券申請の状況の今後の推移、そしてまた、事務の効率性を踏まえながら、県民サービス向上の観点から、よく今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯民生部長(大見賢治君)
視覚障害者対策についてのお尋ねでございます。
まず、点字図書等の制作、貸し出しなどを行う施設についてでございます。
本県には、視覚障害者への情報提供や文化の拠点として、昭和四十三年十月に豊橋市内に設置をいたしました県立の明生会館がございます。その活動内容でございますが、明生会館には、点字図書と録音図書の制作、貸し出し、そして、ボランティアの養成を行う点字図書館の部門と、あんま、はり、きゅうなどの施療を行ったり、それに必要な技術指導や相談を行う盲人ホーム部門がございまして、それぞれ設置の趣旨に沿った活動が行われております。
それで、この明生会館における点字図書や録音図書の利用状況でありますが、点字図書につきましては平成十年度末現在で一万七千四百六十九冊を保有しておりまして、その貸し出し実績は十年度中には延べ千六百九十五冊でございます。一方、録音図書は平成十年度末現在で三万二千百八十三巻を保有しておりまして、平成十年度中には延べ四万六百七十一巻の貸し出しを行いました。
次に、点訳や音訳などのボランティアの養成、確保についてでございます。
県では毎年、明生会館などを会場といたしまして、点訳の奉仕員養成講習会と音訳奉仕員養成講習会を開催しておりまして、本年度は、点訳、音訳ごとに初級コース二会場、総合コース一会場を設け、それぞれ二十名ずつ、合わせまして百二十名の定員で講習会を実施し、ボランティアの養成に努めております。また、明生会館では、この講習会を修了された方々を登録をいたしまして、それらの方々にボランティアとして点訳、音訳活動に参加をしていただいておるところでございます。
◯知事(神田真秋君)
住宅政策に関連してお答えを申し上げたいと思います。
住宅を取り巻く環境が大変複雑多岐になっておりますし、制度の改正やら法律の制定、改正などがさまざまございますので、やはり良質の情報を的確に伝えていくことが大切だと考えております。そのためにさまざまなメディア、広報で積極的にこうした情報を県民の皆様方に御提供申し上げていきたいと考えております。
また、住宅政策そのものにつきましては、マスタープランを策定するという、今方向におりまして、これにつきましても、さまざま専門家の方々の御意見を聞くのは当然でありますけれども、開かれた場所で多くの皆様方の御意見を聞いて、よりよきものをつくっていかなければならないと思っておりますが、今後、こうしたマスタープランを中心に住宅対策をきちんと進めていきたいと思っております。
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